一閃SIDE
「半蔵学院の生徒と接触したようだな一閃」
お風呂から出て、くつろいでいると、鈴姉が俺の部屋に入ってきた。
「そうだよ。まあ、大した実力じゃないと思ったね」
「そうか……お前に指令が出た」
「はいはい……内容は……」
俺は鈴姉から指令が書かれた紙を受け取り、それを読んだ。その内容を見て、俺は驚いた。
「……飛燕を奪え? 飛燕って確か、斑鳩さんの武器だよね?」
「ああ、道元さまが興味を持ってな……もし、失敗しても今回はお咎めはなしだ」
「はあ……こういう仕事は気乗りしないな……」
ため息をつきながら、俺は引出しを開けた。そこには鬼の仮面……妖逆門の鬼仮面ような仮面を取り出した。
「それを使うのか一閃?」
「まあね。これをつけたら俺の正体は飛鳥たちにはばれないから。念を入れて。じゃあ、行ってくるよ、鈴姉」
「ああ、行ってこい」
「一閃、忍の道を究めるため、舞い踊る!」
俺は仮面をつけ、忍転身して部屋から飛び出した。
そして、一時間後、俺は半蔵学院忍学生寮前にたどりついた。
「斑鳩さんの部屋は確か……二階か?」
俺は気配を殺し、二階の窓から侵入した。すると、そこには部屋をあさってる男がいた。……何者だこいつは? 泥棒か? ……いや、俺が言えたことではないが。
「お前、何者だ?」
「っ!」
俺はわざと殺気を出した。男は驚き、振り返った。男はさえない二十代ぐらいの男だった。
「き、貴様、いつの間に!? お前もこいつが目的なのか!?」
男は焦り、持っていたものを後ろに隠した。それは刀のように見えた。……なるほど、それが飛燕か。
「ああ、そうだ。それは、お前なんかが持ってていいものじゃない」
「ふ、ふざけるな! これは俺のだ! 俺が親父から受け継ぐはずだったんだ!」
男は刀を抜いて突っ込んできた。……単純だな。しかも、こんな攻撃、すぐ避けられるぞ。
「てい」
「がふっ!」
俺は超手加減して、男を蹴り飛ばした。すると、男は吹っ飛び、壁に頭をぶつけて気絶した。うわ、超弱い!
「はあ~、まあ、いいや。さっさと終わらせて帰るか」
俺は飛燕を鞘にしまい、寮を後にしようとしたが……
「そこのあなた! 何をしてるんですか!」
斑鳩さんが現れた。やばっ!
斑鳩SIDE
物音が聞こえたと思って部屋に戻ってみたら、そこには仮面を付けた男と……村雨義兄様が!
「お義兄様!? 何故こんなところに!?」
『……こいつは貴様の兄なのか?』
仮面の男の手には飛燕が!
「っ! あなた、それをどうするつもりですか! それはお父様から受け継いだ大切な物です!」
『これか? ほらよ!』
すると、男は興味がなさそうに飛燕を投げ返した。
「えっ!?」
『……別にどうしてもほしい訳じゃないしな。これはお前が持っているのが一番いい』
「そ、そうなんですか」
私は簡単に返してもらって驚いた。ところで、この方は何者なんですか?
『というか……君たち兄妹なのに似てないな』
「うっ……」
仮面の男の一言に私の胸が少し痛んだ。
「似ていなくて当然です……私たちは血が繋がっていないんですから」
『なっ……』
私には本当の家族はいない。半蔵学院だって養子に入ったから入れたのだ。
「私は一人なんです。家族もいない、私は……孤独なんです」
『…………』
悲しくなり、私はうつむいてしまった。その時、何を思ったのか、仮面の男は私を抱きしめてきた。
「な、何をするんですか!?」
『……君は一人じゃないよ』
「えっ?」
私は男の言ってることの意味が分からなかった。
『君には半蔵学院の仲間がいるじゃないか。仲間は悲しいとき辛いとき支え合うものだよ。仲間は家族のようなものだと、俺は思うよ』
「っ……」
そうだ……私は何でそんなことを忘れていたのだろう。
「あ、ありがとうございます……」
私はしばらくの間、彼の胸に顔を埋めて泣いた。彼は何も言わず受け止めてくれた。
そして、三十分ぐらい経つと収まり、顔をどかした。わ、私、なんて恥ずかしいことを……。
「そのすみませんでした」
『いえ、こちらこそ、あなたの部屋に無断に侵入してすみませんでした。俺はここで失礼します』
「あっ、待ってください!」
私は帰ろうとした彼を引き留めた。
『? 何ですか?』
「あの……あなたのお名前を聞いてもよろしいですか?」
『俺の名前か? 俺の名は一閃! 通りすがりの忍だ! では、さらばだ斑鳩!』
男は総叫び、飛んでいった。一閃さんか……あれ?
「私、名前を名乗りましたっけ?」
「斑鳩さん、何か物音が聞こえましたけど……ってどうしたんですか? 顔が真っ赤ですよ」
「な、何でもありませんよ!」
私は部屋に入ってきた飛鳥さんをごまかした。な、何でこんなにどきどきするんでしょうか……。
今回は斑鳩さんにフラグを立てました(?)
もしかしたら、長くなると思うのでこの作品は二部構成になるかもしれません。ハイスクールD×Dの内容は二部目になるかもしれません。
次回はイッセー(一閃)があるキャラのフラグを立てます(?)