ドイツにて誘拐にあった織斑一夏。彼は謎のISの爆撃により意識を失う。
目が覚めた彼の前に現れたのは白、黄、赤、青、灰色の怪人だった。
手に持ったダブルドライバーで抵抗を試みた一夏だったが、奮闘虚しく白い戦士にやられてしまった。
スマートブレインアリーナ?
「ガハッ!……ハァ…ハァ…」
悪夢から目覚めた朝の様に一夏は跳ね起きる。
辺りを見渡せばそこは先程までの風車では無く、大勢の人によって埋め尽くされたスタジアムのグラウンド中央だった。
【【【Complete】】】
呆然と立ち竦む一夏を、何人もの軍人の様な男達が取り囲みベルトのバックルを倒し変身する。
「ッ!?」
風車の時と同じく一夏は状況が飲み込めていないが、戦わなければ死ぬことは確かだと理解した。
【5 5 5……Standing By】
またもいつの間に握っていたベルトを腰に巻き、携帯電話…ファイズフォンに起動コードを入力する。
(もう二度…あんな思いを……死ぬ思いをしてたまるか!)
「変身!」
【Complete】
高らかに叫び、掲げたファイズフォンをバックルに叩き込む。
紅いフォトンストリームが一夏の身体に張り巡らされ金属繊維の鎧が構築される。
一瞬の煌きと共に『織斑一夏』は『ファイズ』へと姿を変えた。
「……」
変身したはいいものの、二十、三十ばかりいる黄色い兵士、『ライオトルーパー』に対し使える手は持っていない。
否、ある事はあるがそれを使う為に必要なツールが現在装着されていないのだ。
(どうする……)
必死に打開策を考えるファイズ。
せめて、取り囲まれているこの状況をどうにかせねば–––––––
スガガガガ!
「「「!?」」」
膠着状態のライオトルーパーに対し上空からガトリングの掃射が襲う。
ある程度ファイズの周りからトルーパーを引き離すと掃射を行っていた人影はファイズの横に降り立つ。
「オート……バジン…?」
ファイズの問いに頷きながらピロロロロと電子音声で返すのは人型戦闘支援ビークル『オートバジン』。
これでもれっきとしたバイクである。
「これは…?」
ピロロロロ!
オートバジンはファイズに腕時計型強化ツール『ファイズアクセル』を手渡す。
「使えってことだよな……よし、やってやる!」
【Ready】
右腰のトーチライト型デバイス『ファイズポインター』にフォン上部の『ミッションメモリー』を差し込み、右足に装着する。
【Complete】
フォン上部にファイズアクセルのアクセルメモリーを差し込む。
胸部装甲が展開し、フォトンストリームが銀色に変化、黄色の複眼は赤く染まり『ファイズ アクセルフォーム』へと強化変身を遂げる。
【Start Up】
左腕に装着したファイズアクセルを起動させファイズは10秒間限定の超高速の世界に突入する。
【Three】
その内の7秒を使い、全てのライオトルーパーを空中に打ち上げる。
【Two】
敵が身動き出来なくなったのを確認し、打ち上げられたトルーパー全員に円錐状の紅いポインターを射出、拘束する。
【One】
残り1秒。たったそれだけの時間でファイズは全ての敵に必殺のキック『アクセルクリムゾンスマッシュ』を放つ。
【Time Out】
カウントが終了すると共に全てのライオトルーパーに紅いφの紋章が刻まれ、青い炎を上げて消滅する。
【Reformation】
解除されていたリミッターが再度かけ直され、展開していた胸部装甲が元に戻る。
(やった……)
心中でファイズはガッツポーズをする。
IS、ドーパントと二度死ぬも同然なな体験をさせられた彼にとってようやくの心の安寧である。
(それにしてもこの『ファイズ』ってなんだ?ISの……類似品かな?)
自らが装着しているそれを新品の服の様にジロジロとファイズは眺める。
ISだというのであれば男の自分が使えるのは可笑しいし、何よりも先程の『W』もそうだが頭に浮かぶ使い方に説明がつかない。
(とにかく、早く千冬姉の元に戻らないと…)
ふぅと息を吐きながら変身を解除しようとするファイズ。
彼の心には彼が思った以上の疲労が溜まっていた。
しかし、この状況にファイズが思う様な甘さは無かった。
ピロロロロ!
ガァン!
「ぐぁ!?」
突然、オートバジンに弾き飛ばされるファイズ。
なにをする!と憤怒するよりも先に鳴り響くジェット音の正体に気づき絶句する。
「Good to see you……let the game begin」
白いボディに青いラインの走った飛行する人影。腰に装着されたベルトは自分と酷似しており、その顔はギリシャ文字のΨを思わせるものだった。
英語で放たれた言葉はわからないが、相手にあるのは完全な敵意である。
「悪りぃ。助かっ––––っ!?」
奇襲から救ってくれたオートバジンに礼を言いながら立ち上がろうとした時、背後の強大な気配に戦慄する。
「人間の味方をするのなら、誰であろうと俺は倒す!」
白の戦士と同じく自分と酷似したベルト。黒色のローブに金色のラインが走りΩを思わせる顔の剣士が自身に向かってくる。
白い戦士とは桁の違う敵意、今迄受けたことも無い程の憎悪、その手の剣が握りつぶされそうな程込められた殺意。
「……空飛ぶ白いのは任せたぜ」
ピロロロロ!
鳥肌が立ちながらも竦む足を抑え、ファイズは黒の剣士に向かって構える。
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光写真館
「よっ、待たせたな”士”」
「別に待っていたつもりはないんだがな、”鉱汰”」
写真館の中でソファーに深々と座り、マゼンタのカメラを首から下げた青年『門矢士』に神々しい鎧と鮮やかな金髪の青年『葛葉鉱汰』が語りかける。
「悪いな。新世界の構築で忙しいお前に頼んでしまって」
「いいっていいって。ミッチやザックだって巻き込まれてんだ。俺だけ他の星から眺めるなんてできねぇよ」
「それで…どうだ?」
士は鉱汰にかねてより調査を頼んでおいた、ショッカーの残党の行方を聞く。
「ああ。黄金の果実の時空を超える力でようやく見つけたぜ。ショッカーの奴ら、『IS〜インフィニット・ストラトス』の世界に逃げやがった。」
「……なるほど、力を蓄える為に仮面ライダーもスーパー戦隊もいない世界を狙ったか」
「しかも、あちらの世界はショッカーっていう異物に対してかなり不安定になっている。……早くなんとかしねぇと…」
始まりの男、葛葉鉱汰は歯嚙みをする。
できることならば、自分が今すぐにでも助けに行きたいが、自分が下手に動いたことによってIS世界が別世界のヘルヘイムに目をつけられては本末転倒だからだ。
「大体分かった。その世界には俺が行く」
通りすがりの仮面ライダー、門矢士は鉱汰から情報を得るとスクッと立ち上がる。
次元を渡り、破壊するのは自分の分野だからだ。
「頼む。……そういや他の奴らは?」
鉱汰は士が快く了承してくれたことに胸を撫で下ろす。
彼は、自分の世界じゃないからと見て見ぬ振りは出来ない優しい男だ。
「……最近新しくできたショッカーがあるらしくてな。ユウスケも夏みかんもそっちに行った」
「嘘だろ!?」
「嘘じゃない。そいつらの名前は……”ノバショッカー”だ」
次回、仮面ライダー???
ピロロ……ロロ…
「オートバジン⁉︎」
(殺される……死んだらまた殺される……!)
「薔薇の合言葉は”愛”……」
「やあ。暇そうだね士」
「……海東」
––––黄金の最強