緋の運命裂くは仮想の剣   作:トロンザム

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いつも思うんですけど、純粋な「悪」って21巻までだとブラドだけなんですよね…


18吸血鬼

18 吸血鬼

 

sideキンジ

 

高度296メートルのランドマークタワーの屋上に到着すると、

 

「遅い!」

 

っと、若干キレかかってるキリトと、

 

「乙!乙!らん・らん・るー!」

 

やたらハイテンションになって跳ねまくっている理子がいた。

 

その胸元には、青い十字架。

 

「理子。もう散々喜んだろ。約束は守れよ」

 

疲れ切った顔をしたキリトが言う。

 

「あはは、理子のこと分かってないなぁー。ねぇキーくぅーん」

 

近付いてきて、突然─

 

「くふっ!」

 

 

 

─ちゅ!

 

 

 

何が起きたか、分からなかった。

 

いきなり理子が、俺に─

 

─キス、してきたのだ。

 

その理子の香りと、外見とは不釣り合いな唇。

 

そのギャップに─

 

「……!」

 

一瞬で、なっちまった。

 

ヒストリアモードに。

 

「り、りりりりり理子ぉ!?」

 

「うわ…」

 

怒鳴るアリアと、引き気味のキリトのセリフに、オフザケを何1つ返さず─

 

綺麗な側転を切り、退路を断つように、階下への扉を背に立った理子は、

 

「ごめんねぇーキーくぅーん。理子、悪い子なのぉー。この十字架さえ戻ってくれば、理子的には、もう欲しいカードは揃っちゃったんだぁ」

 

蜂蜜色の髪を風に逆らうようにざわつかせる理子にー

 

「こうなるかもって、ちょっとそんなカンはしてたけどね!防弾制服を着ておいて正解だったわ。キンジ、キリト、闘るわよ。合わせなさい」

 

「─仰せのままに」

 

「よし、やるぞ!」

 

理子は、P99を抜きながら、

 

「先に抜いてあげる、オルメス─ここは武偵高の外、その方がやりやすいでしょ?」

 

「気が効くじゃない。これで正当防衛になるわ」

 

アリアは、両方の手で漆黒と白銀のM1911を抜き、

 

「…」

 

キリトは黒剣と57を構える。

 

俺もM92Fを抜いておく。

 

「風穴開ける前に─1個だけ教えなさいよ、理子。その十字架は、なに?ママの形見ってだけじゃあないわよね?」

 

理子は…ワルサーを口元に寄せて、笑った。

 

「─アリア。『繁殖用牝犬』って呼ばれたこと、ある?」

 

「ブルード・ビッチ…?」

 

「腐った肉と、泥水しか与えられないで、狭い檻で暮らしたことある?ほらぁ、よく犬の悪質ブリーダーが、人気の犬種を殖やしたいからって、檻に閉じ込めて虐待してるってニュースがあるじゃん。あれだよあれ。あれの人間版。想像してみなよ」

 

「なによ、何の話…?」

 

ランドマークタワーの屋上に、異様な空気が流れる。

 

突然─

 

理子は、悪魔のような─

 

ハイジャックの時と同じ表情になった。

 

「ふざけんなっ!あたしはただの遺伝子かよ!あたしは数字の『4』かよ!違う!違う違う違う!あたしは理子だ!峰・理子・リュパン4世だっ!『5世』を産むための機械なんかじゃない!」

 

理子は、アリアではない、誰かに向けて叫んでいた。

 

ピカッ─ゴロゴロ…

 

遠くで、雷鳴が響いた。

 

「…この十字架は、ただの十字架じゃないんだよ。これはお母様が、理子が大好きだったお母様が、『これはリュパン家の全財産を引き替えにしても釣り合う宝物なのよ』って、ご生前に下さった、一族の秘宝なんだよ。だから理子は檻に閉じ込められてた頃も、これだけは絶対に取られないように…ずっと口の中に隠し続けてきた。そして─」

 

髪が、動く。あの時のように─

 

「ある夜、理子は気付いた。この十字架…いや、金属は、理子にこの力をくれる。それで檻から逃げ出せたんだよ。この力で…!」

 

左右のテールで、大振りのナイフを構える。

 

アリアとは違う、『双剣双銃』を─

 

「オルメス、遠山キンジ、桐ヶ谷カズト─お前たちは、あたしの踏み台になれ!」

 

 

 

バチッッッッッ!

 

 

 

小さなスパークの音が聞こえ、

 

「なんで…お前、が…」

 

理子が、その場に倒れて─

 

背後に立った男が見える。

 

「小夜鳴─!?」

 

キリトの声と、小夜鳴がスタンガンを捨てたのは同時だった。

 

そして─

 

「遠山くん、桐ヶ谷くん、神崎さん。ちょっとの間、動かないでくださいね?」

 

ためらいなく、クルージ・モデル74で後頭部を狙う。

 

さらに背後には、ジャンヌいわく、ブラドの下僕のはずの狼が、二頭いた。

 

「前に出ない方がいいですよ。3人が今より少しでも私に近づくと、襲うように仕込んでありますから」

 

言ってる間に、片方が理子のワルサーとナイフを捨ててしまった。

 

「3人ともそのまま動かないで下さいね。この銃は30年前に造られた粗悪品でして、トリガーが甘いんです。ついリュパン4世を射殺してしまったら、勿体ないですからねえ」

 

「どういうこと?なんであんたが、リュパンの名前を知ってるのよ!まさか、あんたがブラドだったの!?」

 

「彼は間もなく、ここに来ます。狼たちもそれを感じて、昂ぶっていますよ」

 

「そ、そう」

 

即、否定されて、さすがのアリアも赤くなってる。

 

「遠山くん。ここで1つ、補講をしましょう」

 

「…?」

 

「以前、君が追試になったテストのですよ」

 

あのDVDのテストの話をなぜここで持ち出す?

 

「遺伝子とは、気まぐれなものです。父と母、それぞれの長短の遺伝によって子の有能無能が決まります。そして、このリュパン4世のDNAを10年前、ブラドに依頼されて調べたことがあります。リュパン家の血を引きながら、この子には─」

 

「い、言う、な…!オ、オルメスたちには、関係…ない…!」

 

「優秀な能力が全く遺伝していなかったのです。遺伝学的に、この子は無能なのです」

 

理子を執拗に蹴りながら言った。

 

理子は─

 

心の底から聞きたくないことを、絶対に聞かれたくなかったライバルに聞かれた─

 

そんな表情をしていた。

 

「教育してあげましょう、4世さん。人間は、遺伝子で決まる。優秀な遺伝子を持たない人間は、いくら努力しようが、すぐ限界を迎えるのです。今のあなたのようにね」

 

理子の胸元から、十字架を奪い取った。

 

そして、さらに理子の頭を踏みつける。

 

「いいかげんにしなさいよッ!理子をイジメてなんの意味があるの!」

 

「それはですね─」

 

 

 

「そこまでにしようか、『ブラド』」

 

「「「「!?」」」」

 

く、口が、勝手に…!?

 

4人とも、驚いた表情をしているが、(特にアリアと理子はなんかビビりも混じってる気がするんだが)

 

1番驚いているのは、俺自身だ。

 

しかも、止まらない。

 

 

 

『ゴメンね、ちょっとだけ、借りるね。アハッ』

 

そんなこの場にいる誰のものでもない、女の声が、聞こえた、気がした。

 

 

 

「イー・ウーは互いの能力をコピーしあう場所だ。理子が前に言っていたー兄さんが、生きているのが本当であれば、ヒステリア・サヴァン・シンドロームを持っていてもおかしくない」

 

なんでヒストリアモードのこと言っちまうんだよ俺ぇぇえぇ!

 

「…」

 

小夜鳴は、無言だ。

 

「ブラドは、俺の調べた情報が正しければ、吸血鬼。種族が違えば、理子を苦しめ続けることが出来る。後は、虐待思考でもあるってところか?」

 

ちょっと待ってブラド=吸血鬼なんて初耳なんですケド!

 

「そういえば、ブカレスト武偵高で、ドラキュラ・ブラドの怪談話を聞いたことあるわ!」

 

「─正解です。よくご存知でしたね。大雑把とはいえ、説明のほぼ全てをしてしまうとは」

 

しかもなんか合ってるっぽいんですけど。もうやだ何が起きてるの?眠りの小○郎はいつもこんな気分なの?

 

「かかりは甘いですが、まあいいでしょう。さあ─」

 

まるで神が舞い降りてきたような、恍惚とした表情。

 

ヒステリアモードどころか、さらに、もう一段、変わっていく─!

 

 

 

 

 

「さあ かれ が きたぞ 」

 

 

 

 

 

びり、ベキベキといった音をたて、バケモノが、変身して、出てくる。

 

まるで、話に聞く、階層ごとのボスモンスターのような姿に─

 

 

 

「初めまして、と言った方がいいか?ブラドだよ、今のオレは」

 

声も、何人かが同時に喋っているような不気味なものになっている。

 

「おぅ4世。久しぶりだな。イー・ウー以来か?」

 

踏みつけたままの理子に話しかける。

 

力んだのか、持っていたクルージを握り潰した。

 

「ブ、ブラドぉ…!だました、な…!オルメスの末裔を斃せば、あたしを、解放するって、イー・ウーで、…約束、した…くせに…!」

 

「お前は犬とした約束を守るのか?

 

ゲゥゥウアバババハハ!」

 

 

 

『狂ってる…後は任せたよ、キンジ』

 

さっきの女の声が聞こえたと思ったら、ようやく体の自由が戻ってきた。

 

 

 

「アリア…キリト…キンジ…」

 

絞り出すような声で、理子は、あの時、屋上で言ったのと同じ言葉を言った。

 

「……た、す、け、て……」

 

 

 

「「「─言うのが遅い(遅え)!!」」」

 

 

「アリアはmobボコって気絶させといてくれ!キンジ、ブラドはオレがブッ飛ばす、その隙に理子を救出しろ!」

 

「分かった!」

 

「あたしに命令しないで!」

 

それでも1番バケモノと戦い慣れてるキリトの指示通り、アリアは狼を刀の峰でぶん殴っていた。

 

そして─

 

 

 

「もう、誰か、仲間を失うのはごめんだ─」

 

 

 

 

 

─2つの流星が、瞬いた。

 

 

 

 

 

「─『スターバースト・ストリーム』!!!」

 

「グオォォオ!?」

 

ギャッ─ギャッガリガガガガザッドギャギャギャギャギャッ─ズドドンッ!!

 

 

 

16連撃二刀流ソードスキル。

 

綺麗にトドメの同時突きまで決まり、ブラドの巨体が文字通り吹っ飛ぶ。

 

「理子っ!!」

 

その間に踏まれたままだった理子を救出し、素早くヘリポートの影に隠した。

 

「理子、動けるか?」

 

 

 

ゲバッゲバッ、ゲガババババッ─

 

ギャリリッザシュザクッ、ババババババッ

 

ブラドの笑い声と二刀流を久しぶりに解放したキリト、アリアのガバの発砲音をバックに理子に話しかける。

 

「キンジ─今すぐアリアとキリトを退かせて。ブラドは強い。強すぎるんだよ!あたしもジャンヌも決闘したけど、手も足も出なかった。アイツには初代リュパンすら勝てなかった。何をやってもかなわない─過去、それは証明されてることなんだよ!」

 

「過去?過去なんか、塗り替えるものだよ。それに─」

 

 

 

「─ダブル・サーキュラー!!」

 

ギャリギャリッ!

 

「ゲベラッ!?」

 

 

 

「─結構、押されてるように見えるけど」

 

「」

 

いや実際問題無双してないかキリト。あ、ブラドの左腕肘から先切り飛ばしやがったよアイツ。

 

 

 

「ああそうだ」

 

ちゃり。

 

「…!」

 

「ブラドが吹っ飛んだ時にポケットから落とした、本物の方だよ。さっき理子を助けた時に拾っておいたのさ」

 

十字架をかけてやる。

 

理子は、十字架と俺を交互に見て。

 

かぁ…!

 

と赤くなった。

 

「理子。いいんだよ。戦わなくていい。俺だって本当は帰りたいところだけど…どうやらこのボスモンスターを倒さないことには進むことも、帰ることもできなさそうだからね」

 

そう言って─人外の魔物、ブラドを睨みつけた。

 

 

 

ブラド。

 

イー・ウーナンバー3。

 

4つの魔臓は健在らしく、切られた傷は即再生し、腕も元に戻っていた。(切り飛ばされた肘から先は、溶けてなくなっていた。)

 

見つかったら、とにかく逃げろとまで言われている。

 

 

 

だが、な。

 

 

 

あのバケモノに執拗に追われている女子に、「助けて」と言われて。

 

勇敢にも戦っているパートナー、方や女子、方や1年の時から何度も世話になってる真っ黒なダチを置いて。

 

…逃げる?

 

─ハッ。

 

 

 

そんなの、ヒステリアモードじゃなくても出来ねえよ!!

 

付き合ってやるよ。この戦い。

 

 

 

「ようやく戻って来たわねキンジ!」

 

「キンジ!弱点か何か知らないか?切っても撃ってもどこぞの巨人みたいに再生するんだがっと!」

 

ブラドは─

 

俺たちが揃ったのを見て、アンテナの方へ歩いて行った。

 

 

 

「アリア、キリト。ブラドの体には4か所の弱点がある。全部同時に攻撃すれば、きっと斃せる」

 

「さっきの説明といい、どこで聞いたんだ、そんな話?」

 

キリトに、ジャンヌの事とさっきの超常現象の事を説明しようと思ったが、その時間はなさそうだ。

 

「あれだ、あの目玉模様だ…!」

 

だが─

 

「3つしかないぞ」

 

「4つ目がどこにあるかは、分からない。戦いながら探すしかない」

 

「…分かったわ。でもあたし、弾がもう1発しかないの。だから同時攻撃の時は、『撃て』って言って」

 

寸詰まりの日本刀を2本抜きながらアリアが言う。

 

「キリトは?」

 

「あるにはあるけど、あとワンマガジンしかない」

 

弾倉交換をし、スライドストップを解除しながら言う。

 

「なら同時攻撃の時はアリアが脇腹、俺が第4の目をなんとかする。キリト、両肩を頼めるか?」

 

キリトの主武装は剣だから一応聞くと─

 

「任せろ。アインクラッドにも複数点同時攻撃が必要なヤツはいたからな」

 

頼もしい答えが返ってきた。

 

 

 

バキンッ

 

 

 

異常な音に振り向くと、

 

「さて…ホームズ家の人間が誰かと揃ってる時は警戒しろと昔聞いたことあるんでな。まずお前に退場願おうか、遠山キンジ」

 

アンテナをへし折ったハンマーを手に持ち、息を、胸をバルーンのように膨らませ─

 

「ワラキアの魔笛に酔えー!」

 

 

 

ビャアアアアウヴァイイイイイイィィィィイイーーーーーッ!!

 

 

 

咆哮─!

 

「ど、ドラキュラが吠えるなんて、聞いてないわよっ!」

 

「ティガかよコイツはッ!」

 

尻もちをついたアリアと、ガードするように剣を構えていたキリトの声を聞いたと同時に、マズイことに気が付いてしまった。

 

 

 

ヒステリアモードが、解除されている─

 

マズイ。

 

マズイぞ。

 

ブラドは金棒を担いで前進してくるが、今の俺には、何をすればいいのか、分からないのだ。

 

「もうキリングレンジだッ!何で突っ立ってるんだ!」

 

キリトが俺を突き飛ばしてくる、が。

 

 

 

ギイイィインッ!

 

甲高い衝撃音。

 

俺の身代わりにキリトが金棒に弾かれた。

 

しかも、俺を突き飛ばす際、怪我をさせないようにだろうか、引っ込めていたから剣で受けられずに、モロで。

 

男の割に女子並みに体重の軽いキリトは、そのまま大きく吹っ飛ばされて、理子がいるのとは反対方向─

 

階下へと続く階段のある建物の壁に、めり込んでいた。

 

「キリト!」

 

叫んだのと同時に─

 

ガシュッ─!

 

金棒が、肩を掠った。

 

「─うッ─!」

 

それだけで、吹き飛ぶ。

 

ワンバウンドして、屋上を飛び越え─

 

 

 

あっ─

 

と思うヒマもなく。

 

「──!」

 

転落していた。

 

地上296メートルから。

 

 

 

─死んだ。

 

走馬灯も見ずに。

 

前に喉を撃たれて即死同然だったキリトもこんな気分だったのかと思っていたら─

 

 

 

たったったたたっ─!

 

(理子─!?)

 

ビルから飛び降りた理子は、そのままビルの側面を駆け下りてくる。

 

「キンジ!」

 

そのまま飛びついて来て、両足で俺の頭と両脇を抱えてくる。

 

「な、なんだっ!」

 

と言いきる前に─

 

バサバサッと、理子の改造制服が、パラグライダーに変化した。

 

 

 

…今更だが─

 

 

 

ドクン

 

 

 

今理子は下着姿なワケで─

 

 

 

 

 

ドクンッ

 

 

 

 

 

その、下の方が、俺の首筋に密着しているワケで─

 

 

 

 

 

 

 

ドクンッ!

 

 

 

 

 

 

 

─スリーアウト。

 

チェンジだ。

 

「─理子。ハイジャックで理子がこの服のパラグライダーを使った時、俺たちは敵同士だったね。でも理子は、俺を助けるために飛んでくれた。過去は、塗り替えられた。理子の手によって」

 

理子は…迷っている。逃げるか、立ち向かうか。

 

「キーくん」

 

「理子。理子は理子だ。4世なんて呼ばせちゃダメだ!」

 

その身体に、息が、吸い込まれていく。

 

「キーくん。あたしの名前を、呼んで」

 

震える声が、聞こえる。

 

「理子」

 

「もう1度、呼んで」

 

「理子」

 

「呼んで!」

 

「理子!」

 

─グン!

 

真上に、飛び上がった。

 

「キーくん、信じてもらえないかもしれないけど、ブラドには4か所の弱点─魔臓があるの。そこを同時に攻撃すれば─」

 

「すれば?」

 

「吸血鬼の有名な弱点が、全部復活する。銀も紫外線も、ニンニクのスルホキシドも」

 

「だが理子。俺たちには銃が足りない」

 

アリアが1か所、キリトが無事だとしても、さっきのダメージでは最初の頃のような剣で2か所同時攻撃は出来ないだろう。うまくいって、1か所。俺が1か所。

 

既に1か所、ヘタすれば2か所足りない。

 

「銃は、ある。あたしのお母様の形見の銃が」

 

「…分かった。屋上に出て、同時攻撃に入ろう」

 

 

 

屋上の高度に到着したら─

 

「キンジ!」

 

アリアが安心したような顔でこっちを見た。

 

が─

 

 

 

ガキンッ─!

 

 

 

「なっ─!」

 

アリアが、吹っ飛ばされた。

 

落ちこそしなかったが、ガバが、大きく飛ばされた。

 

キリトは、銃こそ撃てているが、這いずった状態だった。

 

あれだと、同時攻撃が出来るように準備できる前に、アリアかキリトが潰される─!

 

「戻って来やがったか、遠山、4世。なら順番に全員─」

 

 

 

金棒が、光る─

 

あれは、ソードスキル!?

 

なんでブラドが!?

 

 

 

「─叩き潰してやる」

 

音速に迫るスピードで、金棒が、避けられないキリトに迫る─!

 

 

 

ガキィイイィィンッ!

 

 

 

 

……

 

………アレ?

 

潰れるような、嫌な音どころか、金属音が聞こえてくる。

 

おそるおそる目を開けると─

 

赤い色のワンピースと白いドレスエプロンを着た、アリアに比べるとはるかに短いピンク色の髪の少女が、メイスでブラドの一撃を、弾き飛ばしていた。

 

そして─

 

 

 

 

 

「─スイッチ!」

 

「オーケー!」

 

 

 

 

 

 

 

『閃光』が─

 

 

 

 

 

 

 

「─『マザーズ・ロザリオ』!!!」

 

 

 

 

 

 

 

─駆け抜けた─

 




作者(以下作)「今回は戦闘に参加しなかったんだな」
カナウ(以下カ)「よかったの?」
作「止めろ原作崩壊する、って言うかキンジの出番が消える。それはともかくどっからあんなに情報手に入れたんだ?」
カ「んとね、このあいだカンでブラドのこと知ってそうな仕込み杖もった探偵科の教科書の写真を若くしたような人がいたからお願い(物理)したら教えてくれた」
作「」
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