sideキンジ
―うっ…?
ここは、…どこだ?
車輌科の、休憩室…?
「―キンちゃん?」
「…白雪?お前、なんでここに…?」
白雪の話によると、最初のアヌビス&コボルト襲撃の時点で客の何人かが通報していたらしく、強襲科の増援が到着した時には、俺たちが倒された後だったという。
そして――
アリアが、攫われた。
話の途中で入ってきたジャンヌと理子の話では、さっき戦った相手―パトラは、クレオパトラの子孫で、世界征服という古いマンガみたいな野望を持っているらしい。
さらにカナからの情報では、パトラは、次の『教授』候補であるアリアを人質にして、『教授』の座に就こうとしているとのこと。
タイムリミットは―後11時間。
場所は、―太平洋。
ここまで一息に話したジャンヌと理子の元イー・ウー組2人は、
「――キーくん。キーくんは、アリアを助けに行くんだよね?」
どうやら確認しておきたかったらしい。
俺の答えはもちろん、
「仲間がやられて、黙ってられるかよ」
理子から俺が強襲科にいた時のフル装備と、常に砂が上から下に落ちるように細工された砂時計を渡された。
これが、タイムリミットまでの残り時間。
「理子は行くのか?」
「うん、行けるのはマックス4人だから、行くのはキーくん、理子、キリくん、アスナんだよ」
「4人?どういうことだ?」
「すぐに分かる。遠山、こっちだ」
初めて来た車輌科のドックは、海水の匂いがした。
海と直結させて、モーターボートや水上バイクをどんどん通り過ぎていくと…
白黒に着色された、ロケットのようなものが横倒しに2本浮いてるな。
「これは『オルクス』。私と夾竹桃ーもう1人が武偵高への潜入用に使った潜航艇だ。もともと3人乗りだが改造の際部品が増えて2人乗りになった。もともとは超スピードの魚雷から炸薬を降ろし、人が乗れるようにしたものだ」
見れば、武藤と不知火とキリトが配線や部品をイジっていた。
「あいつら…」
何も聞かずに手を貸してくれたんだな。
本当に嬉しい時は、ほとんど何も出てこないもんなんだな。
理子はアスナと、俺はキリトと手伝い合ってオルクスに乗り込むと、…すごいな…これは。
所狭しと計器やレーダー、コンパスが並んでる。
「元が海水気化魚雷でな、170ノット(約時速300キロ)で進むぞ」
とのことらしい。
「ではハッチを閉めるz「ちょっと待って〜〜っ!!」」
「「リズ!?」」
「はあ、はあ…間に合った〜」
ここまで全力で走って来たらしく、肩で息をしていた。
「キンジ、これ持ってきなさい」
「うお!?」
投げ渡されたのはー剣。
「リズ…?これは一体…?」
「あんた近接武器バタフライナイフだけで行くつもり!?」
「あー…」
バタフライナイフは隠匿性重視のナイフだ。柄の中に刃をしまう構造上、刃渡は短く強度が少し脆く、振った時に音が出やすいので使い勝手はあまり良くない。
対人なら十分だろうが、これから挑む相手は確実にモンスターだ。それこそ先のコボルトロードのように身の丈を遥かに超えるようなのを相手には到底足りないだろう。
「ありがとな、リズ」
「お礼は私だけじゃなくてカナさん?だっけ。インゴットと代金、あの人が出したんだから」
「?」
少し鞘から抜いてみると…
どこまでも深く緋い刀身が見えた。
まるで、これから先の運命を予感するような、緋色の剣が。
オルクス 内部
『―キーくん、パトラのGは推定25――世界最強の魔女の1人なんだよ』
「G?ゴki―」
『キリくん間違っても某アブラ虫じゃないからね!?…それでね、ピラミッド型の建物がそばにあると、無限に魔力が使えるんだよ」
「…そんなヤツからアリアを取り戻せるのかよ…」
『パトラは、本人も強いけど1番厄介なのは魔力にモノを言わせて手下を増やせる能力だからね。だからキリくんとアスナんは遊撃で大きいヤツから潰していって。その間にキーくんはアリアを見つけて』
「理子はどうするんだ?」
『りこりん〜?くふふ、パトラの恥ずかし〜秘密、いくつか知ってるから大暴露会と行こーかなーって』
『「「うわぁ…」」』
タイムリミットまで1時間を切ったころ。
理子が付けたGPSの反応の近くで速度を落とし、ソナーで周囲を探ると、シロナガスクジラの群れがいた。
クジラに囲まれるようにして浮かんでいるのは――っ!
「…ア…」
「…アンベリール号…!」
『あれが…?』
『…だいぶ改装されてるみたいだけどね」
理子の言う通り、甲板には、巨大なピラミッドがあった。
「…キリト、あれ、壊せるか?」
「出来なくはないだろうが、ヶ月単位でかかるだろうな」
『逆に時間かければ壊せるの!?』
タイムリミットは1時間とない。
パトラの無限魔力が健在のまま戦うしかないみたいだな。
船の前方から乗り移り、ピラミッドの内部の一本道を進んでいくと、象形文字が彫られた扉があった。
扉は、触れてもいないのに、ぎぎ、ぎぎぎ…と開いていった。
そこは、何から何まで、黄金でできた空間だった。
唯一違うのは、最初から出現していた『イルファング・ザ・コボルトロード』だけだった。
他には…黄金でできた巨人(顔を伏せているから分かりづらいけど、角が生えてるからただの巨人じゃないだろうな)と、その足元に黄金柩があった。
「…なにゆえ、聖なる『王の間』に入れてやったか分かるか?極東の愚民ども」
これまた黄金の王座に座っていたパトラが言った。
「けちをつけられたくないのぢゃ。妾はイー・ウーの連中に妬まれておるでの。ブラドを呪い倒したにもかかわらず、奴らは妾の力を認めなんだ。ブラドはアリアが、仲間と共に倒したものだ、などと云いおる」
(呪い?)コソッ
(パトラはスカラベって虫を使って相手を呪えるんだよ)
(でもオレたちの周りでそんなのいたか?)
「うるさいうるさいうるさいのぢゃーっ!なぜかは知らんが1匹も、ただの1匹もそっちにたどり着かんのぢゃっ!これも全部あのカナウとかいう女のせいで…」ブツブツ
「「「「……」」」」
「そんな目で妾を見るでないっ!とにかく!イー・ウーの次の王は妾なのぢゃっ!!」
ぜーはーと、息を整えたパトラはハイヒールを慣らして仁王立ちする。
「妾は常に先を見て動く。今回も、イー・ウーの女王となった後の事を考えて動いておる。妾はのう、男は、キライぢゃ。女王になったら、側近は美女で固めt「でもそーやって計画してうまくいったことないよね」「アスナは絶ッッ対に渡さねえからな!!」―もうコイツらの相手いやぢゃぁ…」
現時点でげっそりし始めたパトラであった。
(『グダッたからカットしたよ』)
あの後、理子&キリトがパトラのsan値をガリガリ削ってる間にアリアを探そうと動き出したらパトラにあっさり見つかり戦闘になった。
当初の作戦通り、キリト&アスナがコボルトロードのタグを取り、その攻撃の余波を他のコボルトやアヌビスに喰らわせている。理子はパトラ相手に『カドラ』で押していた。
…俺もアリアを探さなきゃいけないな。まあ十中八九あの黄金柩の中だろうけどな。
と、…重いな、この蓋。
剣使ってテコの要領で、――
「キンジッ!!」
あ、れ――?
何が 起き た ?
床にぶっ倒れた状態で見上げれば、あの角の生えた巨人が、黄金の体表を引っぺがしながら、大剣を振り上げていた。
「ぜえ、ぜえ…妾を、バカにしおってぇぇ…全力で、叩き潰してやるのぢゃっ!!――
『ザ・グリームズアイ』!!」
カ「さてと、書きだめ分は一通り投稿したわけだけど…うp主、次はいつ頃になりそうなの?」
う「はっきりした予定がまっったくたってない以上、1、2ヶ月後か、最悪失踪する可能性も…」
カ「ハァ!?あんたそんなリアル忙しいの!?」
う「書きだめをする時間はあるのですが…いかんせんケータイのメモで書き、メールからのコピペだから、パソコンに触らないと投稿できないんです。(涙) しかもこの間、ハッキリ言うのは避けますが、やらかしてしまい、ケータイすらボッシュートの危機…!」
カ「…期待しないで待っとく」
う「善処します」
と、いうわけで申し訳ありませんが、また長く間が開いてしまうとおもいますが、『緋の運命裂くは仮想の剣』、長く待っていただけるとさいわいです。
ではでは。