緋の運命裂くは仮想の剣   作:トロンザム

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というわけで第4話!
『黒金』って…いったい何なんだ!?(棒)


4 『カドラ』と『黒金』

sideキリト

 

アリアのドレイ宣言の翌々日

 

朝食作りをサボってさっさと出かける

 

キンジを生贄にしつつ逃げ回り、女子寮前の温室を目指す

 

そこには

 

「だーれだ?」

 

「理子…こっちはふざけてる余裕は無いんだ‥主にキンジに」

 

「あははー。キリくんなかなかひどいよ、そのセリフ」

 

「そのキリくんってのはやめてくれ。それより本題だ。アリアの情報、分かった範囲で教えてくれ」

 

「はーい。んと…まずランクがS、理子よりちびっこなのに、徒手格闘もうまくてね、流派はなんでもありの‥えっと、バーリ、」

 

「バーリ・トゥード?」

 

「そうそうそれ。イギリスでは縮めてバリツって呼ぶんだって。でもって、拳銃とナイフは、もう天才の領域。両利きでどっちも二刀流なの。」

 

「二刀流か…」

 

「それで2つ名持ち。」

 

…昔の自分をふと思い出してしまった。

 

「カドラのアリア」

 

カドラ…?

 

「4刀流?」

 

「双剣双銃ってこと。笑っちゃうよね」

 

「笑えるポイントがあったか?…まあ良いか。他には?」

 

「今は休業してるみたいなんだけど、アリアは14歳からロンドン武偵局で武偵としてヨーロッパ各地で活躍しててね‥その間、1度も犯罪者を逃したことが無いんだって」

 

「なっ‥冗談?」

 

「本当だよ〜。あとお父さんがイギリス人とのハーフでクォーターなの。で、イギリスの家がミドルネームの『H』家なんだよね。すっごく高名な1族なんだよ。おばあちゃんはディムの称号を持ってるんだって」

 

「ん、ディム?」

 

「イギリスの王家が授与する称号だよ」

 

「てことは、アリアはリアル貴族?」

 

「そうだよ。でも、アリアは『H』家の人たちとはうまくいってないらしいんだよね。だから家の名前を言いたがらないんだよ」

 

「ちなみに知ってたりは‥」

 

「んー、キリくんならいいか。キーくんには教えなかったけどね」

 

「キンジも聞いたのか。それで、名前は?」

 

「『ホームズ』」

 

「は‥ホームズってもしかして」

 

「シャーロックホームズだね」

 

「マジか‥」

 

ただの貴族の方が気が楽だ

 

「ハァー」

 

「ま、がんばれやー!」

 

背中を叩こうとしたらしいちっこい手が、ミスったのか手首に直撃し、

 

「あれ?」

 

その勢いで壊れたらしく、バンドが切れていた

 

「うぁー!ご、ごめぇーん!」

 

「いや、別にいいよ。安物だし、自分でも直せるし」

 

「だめ!修理させて!理子にいっぱい修理させて!依頼人の持ち物を壊したなんていったら、理子の信頼に関わっちゃうから!ついでいろんな人にボコされちゃうから!」

 

と言ってさっさと胸の間に入れてしまった

 

‥後半がすごく気になるが

 

「キリくん他には?」

 

「‥いや、十分だ。にしても報酬なしなんて、ホントにそれでいいのか?」

 

「いいっていいって、だっていつもネトゲの攻略手伝ってくれるじゃん」

 

「それでいいのかおい」

 

「あはは、じゃあね『キリト』くん」

 

「ああ、じゃあな」

 

…さて、貴族サマをどうあしらうかな

 

 

 

軽く強襲科で射撃訓練しながら、今後の事を考え、とりあえずまず追い出すことを最優先に決めると、部屋に戻る

 

「ただいま‥」

 

そこで聞こえたセリフに凍りついた。

 

 

 

sideキンジ

 

「ーこないだ、1人逃したわ。生まれて初めてね」

 

「へぇ。凄いヤツもいたもんだな。誰を取り逃がした?」

 

「あんたよ」

 

ぶっ!

 

俺、って、ああ、チャリジャックの後のことか!

 

「お、俺は犯罪者じゃないぞ!なんでカウントされてんだよっ!」

 

「ただいm「強猥したじゃないあたしに!あんなケダモノみたいなマネしといて、しらばっくれるつもり!?このウジ虫!」

 

「キンジ」

 

「だからあれは不可抗力だっつてんだろ!それにそこまでっいてえ!何しやがんだキリト!」

 

「キンジ」

 

「何だよ!」

 

「正座。アリア、状況説明」

 

「何言って、」

 

そこまで言って思わず口をつぐんだ。息を呑んだ音からしてアリアもだろう。なぜならー

 

 

 

鉄板すらサクサク刻むおそろしく重く黒い剣(オーダーメイド品)の切っ先と、防弾チョッキを着た人間にダメージを与えるべく作られた5.7ミリライフル弾を、改造によってフルオートできるFN57の銃口 ーセレクターはフルオートー が向いていたからだ。

 

 

 

ーこの後、キリト、アリアに怒られまくった。解せぬ。さらにキリトがこれからの俺の処遇について決めてしまい、一件事件を解決して、それで決めるということになった。ここまで来て1つ聞きたい。

 

ー俺、いつまで正座してればいいんだ?もう足の感覚がないんだが

 

 

 

sideキリト

 

バカをアリアと一緒に罵倒してから少し後、俺はキンジをムリヤリ風呂場に叩き込んで、夕食の仕度を始めた。

 

「その‥さっきはありがと」

 

「?どうした、急に」

 

「あのままじゃ、キンジをパーティーに入れられなかったから」

 

「ああ、その話?俺もあいつには強襲科に戻って来てほしかったからな」

 

「何で?あんた、キンジが武偵を辞めたがっている理由、知ってるんじゃないの?」

 

「‥リソースは?」

 

「キンジよ。何であいつが武偵を続けられるか、分かんないって」

 

「‥」

 

「ねぇ、何があったの?」

 

「‥悪いけど、こればっかりは話せない。キンジが自分から話しめない限り話すつもりはない」

 

こればっかりは、な

 

 

 

俺が『こっち』の世界に来てしまい、キンジの兄の金一さん(初めて会った時はカナだった)に助けられ、そのまま遠山家のお世話になった俺にとっても、金一さんは兄(姉?)のような人だった。しばらくした後、金一さんの弟が入学するという東京武偵校に入学、ランク試験の時別だったキンジと同室だったのでそこでお互い初めて顔を合わせた。当時、あった瞬間「帰れうぇっ」とリバースしかけつつ追い出されそうになったが、まあ「黒金コンビ」と呼ばれるくらいには仲良くなった。

 

そして半年前、あの忌まわしい事件が、

 

ーアンベリール号事件が起きた。あの事件では、人命の犠牲者は金一さんだけだった。それなのにその旅行会社とマスコミは、金一さんのことを「無能」等叩き、遺族であるキンジにまで矛先を向けた。その時の俺は、金一さんをよく知る者同士で、ただアイツの話を聞いてやることしかできなかった。その時、今まで謎だった多くのことが分かった。アイツの極度の女嫌いの原因(ついでに金一さんの女装の理由)、ヒステリア・サヴァン・シンドロームについて、キンジの過去について。話を一通り聞き、精魂尽き果てたキンジは

 

「カズトは、何処から来たんだ?何を経験すれば、そんな冷静でいられる?」

 

と聞かれた俺は、自分の過去の話を順に、SAOのデスゲームの話を、ALOの話を、GGOでのデスガンの話を、そしてここに来る直前の、ジョニーブラックの話をした。

 

その時からだろう、お互いのことを完全に信じ合うようになったのは。キンジも俺のことを「キリト」と呼ぶようになったしな。

 

だが、キンジの受けた心の傷は、癒えなかった。コンビは解消、キンジは探偵科に転科しEランクになり、武偵そのものを辞めたがるようになり、俺もワケありでSからAに落ちた。それでも俺は、金一さんの仇を取るべく、後調子のいい相方のためにも、キンジには強襲科に戻ってきてほしい。

 

…こんな話は、それこそ生きている者の中では一番の被害者であろうキンジが、自分から話をしない限り、俺も言えない。

 

 

 

「ふーん‥あっそ、分かったわ」

 

何かを察してくれたらしく、それ以上の追求はなかった。

 

その代わり

 

「ねぇカズト、何であんたこんなに髪綺麗なの?」

 

「アノ、アリアサン、ソノテハナンデスカ?」

 

「弄らせなさい!」

 

「ギャース‼︎」

 

「ねぇ、何でこんな男のくせに髪綺麗なの?ねぇ、私が普段どれだけ髪に苦労してるか分かる?」

 

「知らんし分かりたくない!その前にはなせ!」

 

目の光が消えてるから!怖いから!

 

「キー‼︎いぢめてやるいぢめてやる‼︎」

 

「あ、ちょ、ま、さ、さわんな、そんなとこさわん、やめろ、そこ弱い、そんなトコさわっちゃらめ、りゃめぇぇえぇぇ‼︎」

 

逃げまくったあげく、アリアに髪をいじられ、何でこんなに長いか(弱いけど回復系ステルス持ちで、切っても切ってもすぐここまで伸びる)聞かれ、羨ましかったらしくもみくちゃにされた。このアリアの攻撃は、

 

「…何してんだお前ら」

 

キンジの呆れた声が聞こえるまで続いた。

 

‥もっと早く助けろよ!

 

あ、ちなみにアリアは帰りました。

 

 

 




前回アリアをギャグキャラにすると言ったな、あれは本当だ(オイ)
…今のところはですけど
あとそれを言うなら『あれはウソだ』が正しいかたちです

ついでに報告しておくと終盤のアリアのセリフ『いぢめてやる』は『織田信奈の野望』黒田官兵衛のネタです
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