ワールドトリガー ~ー三つの毒に侵された吸血鬼ー~   作:lOOSPH

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虎は風に出会い

風は虎に勝負を挑む

虎を切れれば風の勝ち

風を耐えきれば虎の勝ちである・・・・・・・・


・・・さあ、力を示そう

玉狛支部、トレーニングルーム

 

「驚いたな、この基地にこんな広い部屋があるなんて・・」

 

「まあレイジさんたち狙撃手(スナイパー)組の方に容量を使ってるせいで殺風景だけどな、でもユウのトリオンのおかげでこの部屋も使えるようになってる」

 

と向かい合う迅とユウ

 

「それで?、迅さんは僕と戦いたいとおっしゃっていたけど・・どういう意図があって?」

 

「さっきの遊真の話を聞いて、どうにも興味がわいてさ、Terの力にな」

 

「なるほど・・つまり人間からTerになった僕から、それがどれほどのものかを知りたいってことか」

 

「そういうこと」

 

と迅は黒い短刀のようなものを取り出す

 

「それが、最上宗一さんの残した・・」

 

「そう、風刃・・最上さん、俺の師匠の(ブラック)トリガーだ」

 

と剣を抜くように起動させた

 

「そういえばボーダーにおいて(ブラック)トリガーはいくつあるの?」

 

「俺と本部を含めて二つだ」

 

「そっか・・」

 

とユウは懐に差している剣にそっと手をやる、そして

 

「行くぞ!」

 

と迅はブレードを大きく振るう、だがユウは素早く剣を抜いて剣を受ける、激しくブレードと剣がぶつかりあい辺りに音が響く

 

「よっと!」

 

と迅が何やら仕組む、すると

 

「っ!?」

 

ユウの頬に傷がついた

 

「なるほど、遠隔斬撃・・それがそのトリガーの能力か・・でも!」

 

と次々と斬撃がユウに放たれるがユウはそれを難なくかわしていく

 

「仕組みがわかればどうということはない」

 

「それはどうかな!」

 

とユウの周りにさらに斬撃が襲う、しかしユウはそれを剣ではじいて防いで見せる

 

「そういえば迅さん、Terの力を見てみたいって言ってたよね?」

 

「そうだけど?」

 

「そっか・・だったら・・」

 

とユウは片膝をついた状態で迅に向かって顔を上げる

 

その体から黒い縞模様の入った黄色い毛が生え、ユウの口元が大きく変化し鋭い牙が見える

 

グルルルル・・

 

低く激しい唸り声があたりに響く

 

「おいおい・・・・それってまるで・・・・」

 

迅はそれを見てある動物を思い浮かべた、それは・・・・・・・・

 

・・・・・・・・--------・・・・・・・・

 

一方それぞれの修業がひと段落ついた修達

 

「三雲お前、弱いな、ほんとにB級か?」

 

と激しく息切れ起こしてダウンする修に言う烏丸

 

「おつかれ~、ほい修くん水分」

 

「あ・・・ありがとうございます」

 

すると別のトレーニングルームから

 

「小南先輩」

 

小南が出てくる

 

「ありえない・・・あたしが・・・」

 

するとそのあとに遊真が出てくる

 

「・・勝った」

 

ぼさぼさになっている髪を直しながら言う

 

「小南先輩負けたんすか!?」

 

「まっ負けてないわよ」

 

「10回勝負して最後に1回勝っただけだよ、トータル9対1」

 

と遊真が言う

 

「そうよ9対1‼、アタシの方が全然上なんだからね‼」

 

「今のところはね」

 

その戦歴に驚く修、ボーダーのトリガーになれていないとはいえ遊真とそこまで圧倒した彼女、小南の強さを知る

 

「でもこなみ先輩の戦い方はつかんできた、次はたぶんもっと勝てるな」

 

「調子に乗んないでよね遊真、さっきのがアンタの最初で最後の勝ち星だから」

 

とにらみ合う二人

 

「そういえば、迅とあのユウってやつの方はどうなったの?」

 

「そういえば確か第四トレーニングルームを使っているんだったな」

 

「でも迅さんは(ブラック)トリガー、いくらユウでも・・・」

 

「無理だよ・・・」

 

遊真の一言に三人は彼を見る

 

「いくら迅さんが(ブラック)トリガーの使ったとしても、ユウには勝てないよ・・・」

 

・・・・・・・・--------・・・・・・・・

 

「・・・・・・」

 

ところ変わってトレーニングルーム、そこでは迅がいつもの飄々とした表情を崩してはいないが冷や汗を流して目の前の敵と対峙していた、その目の前には

 

グルルルル・・

 

4メートルを超えるであろう巨大なある動物がいたのだ、そして

 

ガアアアア!!

 

その動物は雄たけびを上げて鋭い牙の並んだ口を大きく開いて襲い掛かっていく、迅は急いで防御に入ろうとするが

 

「ぐあ!」

 

大きく吹っ飛ばされ、壁に打ち付けられる

 

するとその動物は霧状に霧散し、人型の姿になって迅に蹴りを食らわせてきた

 

「うああ!!!!」

 

大きく地面にめり込む迅、彼がいかに未来を見るサイドエフェクトがあろうともその対応が間に合わなければ意味がない、否あるいは

 

「まさか、ここまでなんてな・・・・」

 

と地面に倒れて迅がつぶやく

 

「よく言う、僕の力を見るためにあえて攻撃をうけたくせに・・あんたのサイドエフェクトがあればよけることはできずとも直撃は避けられたんじゃないの?」

 

とその動物の人型はユウの姿に戻り、倒れている迅に向かっていく

 

「悪いけど、俺のサイドエフェクトは万能って訳じゃないからな」

 

「そっか・・」

 

とユウの後ろで霧状で動いている尾が不可思議に動き、ユウは地面に倒れていた迅に蹴りを放つが

 

「ふう・・・・」

 

どうやらまだ余力はあるようである

 

「お遊び程度で僕に勝てると思わないでよね!」

 

「それは悪かったっな!」

 

と斬撃を飛ばす、それを間一髪でかわすユウ

 

「これで斬撃は全部放ったんだね、ブレードと一緒に出てたあの光の帯はいうなれば残弾、斬撃を飛ばせる数ってことだ」

 

「その通り、でも・・・・」

 

とユウにさらに斬撃が放たれユウの心臓を切り裂いた

 

「・・普通ならこれで終わりなんだけどな」

 

するとユウはすぐ霧状になり飛び上がって離れた場所で元に戻った、そこには傷が一つもないユウが立っていた

 

「やれやれこれは予想以上だな、これがTerの力か霧になる力だけじゃなく虎にまでなれるんだからな」

 

「言っておくけど、向こうにいるTerには僕なんかよりもはるかに強い奴もいるからこんなので怖気付かないでほしいな!」

 

とさらに向かっていくユウ

 

「はああああ!!」

 

ユウは腕を虎に変えて向かう

 

「でもいくつかわかったことがある、一つは霧になってるときはあらゆる攻撃が効かない代わりにあらゆる攻撃ができない、そしてもう一つ・・・・」

 

と迅は風刃を構える

 

「・・お前の弱点は、ここだ!」

 

とユウの虎の手は迅の心臓を貫いたが、風刃の斬撃の一つがユウの頭部を切り裂いた

 

「っ!?」

 

これにはユウも驚く、狙われると思わなかったようだ

 

「どうして、頭部(ここ)が急所だと!?」

 

「学校に現れたTerをお前が倒したとき、頭部を狙ったって聞いてもしかしたらと思ってな」

 

こうして二人は、トリオン体から生身に戻るのであった・・・・・・・・

 

・・・・・・・・--------・・・・・・・・

 

「すごいな迅さん・・・あのユウと引き分けるとは」

 

「いや、情報を持ってなかったらたぶん俺が負けてたよ」

 

とトレーニングルームから出てくる二人を迎える五人

 

「しっかしあれって何なのよ!?、虎になったり霧状になったりはまだわかるけど心臓切られて生きてるってどういうことよ!?」

 

「僕のトリガーはそういうものなの、それでも迅さんのサイドエフェクトと風刃は相性が良すぎだよ・・」

 

「はっはっはっ」

 

こうして今日という日は過ぎていくのであった・・・・・・・・

 

・・・・・・・・--------・・・・・・・・

 

翌日ユウは玉狛を訪れた

 

するとふいにある場所の方を向く、そこには二人の少年が見ていた

 

「彼、なんだかこっち見てませんか?」

 

「そういや最初に会った時もお前と奈良坂の居場所がわかってたよな、まあ手ぇ出してこなかったら大丈夫だろ」

 

と二人の少年は話をしていた、ユウも特にそういうのを気にしていないようである、その後ユウは、修達とともに玉狛で朝食をとっていた

 

「お待たせ、肉肉肉、肉三倍の野菜炒め、召し上がれ」

 

「朝からこんなに肉?」

 

「大した量じゃないだろ?」

 

ユウはふいに一口、口に運んだ、すると味をしめたのか次々と口に運んでいく

 

「「「「「「・・・・・・」」」」」」

 

それを見てほかの一同はあきれていた

 

「ユウってよく食べるからな、一晩ですごい量食べたことあるから」

 

「いやだからってそんなにがっつかなくても・・・」

 

「修の言うとおりだ、喉が詰まるぞ」

 

「ユウ君、ほらお水」

 

と千佳からお水を受け取ってそれを飲み干す

 

「あいつがっつり行くのね、まるで虎ね・・・って虎か」

 

「そうっすね、そのうち小南先輩にも襲い掛かったりして・・・・」

 

また始まった、だまされるわけがないと思っていたユウだったが

 

「え、え?、えええ!?」

 

「うん、ユウはさっき小南先輩のことを見つめてた気がする」

 

どうやら信じたようで、遊真がさらに追撃する、

 

「あ、あんた・・・そういうつもりなの?、やめてよそういういやらしい目で見るの、でもそれは遠回しにあたしに魅力を感じているってことなのかもしれないってことなんだろうけど・・・」

 

と胸元に手を抑えてユウから胸をそらす、これにはユウはある意味驚いた

 

「すいませんウソです・・・・」

 

そして烏丸が言う

 

「遠回しに言ってるんじゃなくウソです・・・・」

 

「・・・・・・」

 

一瞬の静寂、そして

 

「ダマしたなこの虎男!」

 

「いだだだだ!!!、やめてヘッドロックやめて!」

 

と小南からのヘッドロックを受けて本気で痛がるユウであった

 

その後三人はそれぞれの師匠の下に行きユウはそれぞれの修業の様子を見ていたのであった・・・・・・・・

 

 




虎だ

虎だ

お前は虎になったのだ・・・・・・・・













虎は気高くも、同時に相手に弱みを見せぬ・・・・・・・・
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