ワールドトリガー ~ー三つの毒に侵された吸血鬼ー~ 作:lOOSPH
勝負を挑む
やがてこの戦いが雲をさらなる場所に導いていく
運命の時がまた訪れた・・・・・・・・
A級三位、風間隊隊長の風間に勝負を挑まれた修、修もそれを受けて訓練室に入っていく
やじ馬たちは時枝の手によって払われ、遊真とユウの身はその場に残っている
「ねえ、ユウ・・」
ユウの隣にいる木虎がユウに話しかける
「ユウは彼が風間さんに勝てると思う?」
「無理だろうね」
木虎の問いにユウは即答する
「とはいえ、修君はただ負けてしまうほどおバカさんじゃない」
とも付け加えるのであった
相対する風間と修、風間はスコーピオンを両手に持ち構える、修は風間が
「消えた、あれがカメレオンか」
「そう、風間さん達風間隊の代名詞ともいえるトリガーよ」
そしてすぐさま修の体にスコーピオンが突き刺さり一本取られた
「立て三雲、まだ小手調べだぞ」
と次の戦闘が始まる、再びカメレオンを起動させ姿を消す風間に対し修はレイガストを縦に変えて迎え撃つがまたも切り裂かれてしまう
「やっぱり無茶よ、ただでさえ各上なのにこの訓練室ではトリオン切れがないからカメレオンを惜しみなく使える風間さんが有利じゃない」
木虎がつぶやく、そう何しろ相手はボーダーNO,2
「アステロイド!」
修が何かに気付いたのか、弾丸を放った、だがその動きに慣れているのか簡単に対応されてしまう
「さすがに戦闘経験が違う・・」
ユウがつぶやいた
訓練室において・・・・・・・・
「(ここまで戦って僕の攻撃は一度も風間先輩に届いていない、相手はA級三位部隊の隊長だ、はっきり言って勝てる気がしない・・・でも勝てなくてもせめて一撃を当ててやる、勝つなんて贅沢なことは言わない)」
と修はすっと目を閉じる
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「いい修君、修君は玉狛第二、三雲隊の隊長すなわち指揮官になるわけだけど、指揮官において重要なことは何かわかる?」
「重要なこと?」
「先ず第一に、自分が落とされないこと、落とされてしまえばそれだけで部隊は統率を失う、作戦室で指揮するっていうのもあるけど前線を見ないととても満足な命令が下せるとは思えないからね」
「じゃあ、もしも自分が戦うことになったら?」
「一番は逃げることだろうね、指揮官は少なくとも自分よりも強い奴に向かっていったらだめ、でも当然戦わないといけない時があると思う、その時はその相手に勝とうとしないこと」
「え?」
「修君のポジションは考えながら戦う
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そして修は再び目を開き、キューブを展開する
「さあて、どうするのかな?」
ユウはそっとつぶやく、すると辺りにキューブをまくように放っていく
「弾丸で訓練室を埋め尽くすつもり!?」
「訓練室ではトリオン切れはないから使える手だと思う・・でも・・」
だが風間はスコーピオンで弾丸を打ち消しながら向かっていく、だが修はそれでも表情を崩さない
「弾丸の壁で動きを制限して大玉で迎え撃つつもり・・!?」
風間が迫る、すると修はスラスターを発動させ風間を押していき壁に打ち込みシールドで風間を閉じ込め
「アステロイド!」
大玉を叩き込むとあたりに爆煙が上がる
「決まったね・・」
煙が晴れるとそこに映ったのは
『伝達系切断、三雲ダウン』
首を貫かれた修であった
「戦法は悪くなかったのに・・」
「そうだね・・」
だがさらに煙が晴れそこに映っていたのは
『トリオン漏出過多、風間ダウン』
腕を飛ばされた風間だった
「え・・・」
「最後は相打ち・・・引き分けだ」
これにはその場にいた全員が驚いた
模擬線の結果は0勝21敗1引き分けである
「風間先輩と引き分けるなんて・・」
「勝ってないけど大金星だね」
と立ち上がるユウ
修は遊真とハイタッチをかわすとユウのところに行った
「ユウ」
「うん?」
「ユウのアドバイスのおかげでどうにか引き分けたよ、ありがとう」
「僕はお礼なんて言われる筋合いはないよ、修君の頑張りのおかげさそれに烏丸先輩のご指導もあったんだし・・」
と話をしている間
「うちの弟子が世話になりました」
「烏丸・・・そうか・・・お前の弟子か、最後の戦法はお前の入れ知恵か?」
「いえ、俺が教えたのは基礎のトリオン分割と射撃だけですあとは全部あいつのアイデアですよ、それと・・・・」
風間はふいにユウを見る
「あいつが向こうの世界から戻ってきた例の・・・」
ユウはその視線に気づいたのか風間を見て軽く会釈する、修もユウのそれに気づき続けて頭を下げた
「あとであいつに伝えておいてくれ、城戸指令が話をしたいと言ってきている」
「わかりました」
と去っていく風間
「あれ?、結局俺とは勝負してくれないの?」
「・・・勝負?、お前は訓練生だろう、勝負したければこちらまで上がってこい」
と遊真と言葉を交わし去っていくのであった
「A級3位のかざま先輩か、上に行く楽しみが増えたな」
すると
「ユウ、風間さんからの伝言だ」
烏丸がユウに話しかけてくる
「城戸指令がユウから話を聞きたいと言っているそうだ、すぐに会議室に来てほしいそうだ」
「城戸指令・・ボーダー最高責任者がこの僕に?」
「行った方がいいわよユウ、私が案内してあげるから・・」
とユウは木虎に案内されて上層部が待つ会議室に向かうのであった・・・・・・・・
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「この先が会議室よ、ごめんなさいほんとは付き添ってあげたいけどまだ仕事が残ってるから・・」
「ううん、ありがと藍ちゃん」
「じゃあ、また・・」
「うん・・」
と二人は別れ、ユウは会議室に入るのであった・・・・・・・・
「失礼いたします・・」
そこには忍田本部長、林藤支部長のほか二人の男性と先ほどの風間がいた
「来たなユウ」
「ユウ君」
林藤と忍田が言う
「君が、向こうの世界から戻ってきたという有谷家夕か」
と顔に傷の入った男性が口を開く
「あなたが・・ボーダーで一番偉い人?」
「ボーダー最高司令官の城戸正宗だ、こうして会えたことをうれしく思う」
「・・・・よく言うね、風間さん達仕掛けて僕と遊真のこと狙ってきたくせに」
とユウは城戸指令をにらみつけて、嫌悪感を隠さずに視線を向ける
「貴様、仮にもボーダーのトップになんという口の利き方だ」
「ボーダーで一番偉いからって何をしてもいいって訳?、ええっと・・」
「鬼怒田本吉、本部開発室長だ」
「ありがとうございます」
とユウの発言を注意する男性にさらに反論するユウ、しかしこの男性とも会うのは初めてなので林藤支部長に名前を教えてもらった
「その件に関してもう片付いた、本題は別の方だ」
「有谷家、お前が三門第三中学にて対峙したTerの情報をお前が知っている限りこちらに渡してほしい」
「Terのことを?」
「そうだ、ここのところ
鬼怒田が言う
「確かにそうだね・・奴らがこの世界に攻めてくる可能性はあるわけだしね」
「協力してくれるか?」
と風間が訊いた、だが
「お断りします」
「「「「「!?」」」」」
「貴様、どういうつもりだ!」
「アンタたちが信用できないからだよ、僕の大切な存在を奪おうとした奴らにあっさりと情報を渡すほど僕は優しくないしお人よしでもない、たとえそれが所属した組織の上の人間でもね・・」
ユウはにらみつけるように城戸指令をにらむ
「しかしユウ君、今の我々ではTerに対抗するすべはないに等しい、奴らを迎え撃つためにはどうしても君の協力が必要だ、だから・・・・」
「だったら市民の人たちをシェルターだの隔離施設だの作ってそこで過ごさせるんですね、その方が手っ取り早いでしょ?」
「しかし・・・・」
忍田本部長は説得するがどうにもユウは折れない
「そんなに僕に協力してほしいなら誠意を見せてもらいましょうか・・」
「誠意?」
とユウは城戸指令に条件を言う
「僕は四年半前、父さんを失い母さんは向こうの世界で奴らに殺された、そして出会った遊真は向こうでおよそ半年、そしてこの世界にきて今まで苦楽を共にして来た家族、僕には遊真しかいない・・だから城戸指令殿には遊真の無事と身の安全を保証していただく、それが情報を引き渡す条件だ」
「・・・・・・」
ユウの言葉に城戸指令はだんまりとする
「(生意気なことを言いおって・・・・口約束などどうとでもなるわい)」
そして
「・・よかろう」
城戸指令が口を開いた
「ボーダーの隊務規定に従う限りは隊員空閑遊真の安全と権利を保証する」
しばらく見つめあうユウと城戸指令、そして
「いいでしょう、では僕が知っている限りのTerの情報をお教えいたしましょう」
ユウは承るのであった・・・・・・・・
虎の尾を踏んではいけない
虎は強き者の象徴だ
強き者を怒らせればそれだけ厄介な相手になる
虎の尾は決して踏まないのが定石
普通ならばだが・・・・・・・・