ワールドトリガー ~ー三つの毒に侵された吸血鬼ー~ 作:lOOSPH
深き闇の夜と、月が照らすほんのりとした夜
夕暮れは深き闇の夜と出会い
次にほんのりとした夜に出会う、のか・・・・・・・・
かくして、オペレーターを見事に確保したユウは嬉しそうに廊下をスキップで歩いていると
「きゃっ!」
「うわっと!」
誰かとぶつかってしまう
「ご、ごめん大丈夫!?」
「あ、いえ大丈夫で・・す・・・」
とその少女はユウの姿を見ると固まってしまう
「あ、あの・・すいません・・」
「・・・・・」
困ってしまうユウ、とりあえず彼女を覚醒させるために体をゆすろうとすると、ふいに何かに気付く
「(この子・・ひょっとして・・)」
「あ・・ああ・・・」
と声を上げる、それは何か怖がっているようだが
「あ、ご、ごめんなさい・・話しかけても返事がなかったから、つい・・」
「ああ」
またも気を失う
「どうしよう・・うん?」
すると資料の中にある隊のことが書かれていた、それはユウが嵐山隊以外にも知っているある人物の隊だった・・・・・・・・
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「う、ううん・・・」
少女は目を覚ます
「あ、よかった目が覚めたんだね・・」
「ひぃ!?」
ユウが声をかけると少女は異様なまでに驚いて身じろぐ
「ええっと、ごめん驚かせてしまいましたかね・・?、さっきはぶつかってしまってごめんなさい・・」
と頭を下げるユウ
「え、あ、いや・・・その・・・」
少女はあっけにとられたようでユウに対して抱いていた感情はやや落ち着いたものとなっていた
「僕、今週付けでボーダーに入隊いたしました有谷家夕です、ユウで結構です、れえっと・・」
「えっと・・・、志岐・・・小夜子・・です」
「志岐先輩ですね、体の方、大丈夫みたいでよかったみたいです」
「え・・・?」
とユウは笑顔を小夜子に向ける、不思議と彼女は男性に対していつも抱く感情が出てこないことを不思議に思い、逆に温かい気持ちになっていく
「あのそれと・・さっき志岐先輩を運ぶときに首のそれを見たんですけど・・」
「っ!?」
と不意に首の左側を隠すように抑える
「あ、いえその・・別にそれでどうかしようってことじゃないんです、ただ志岐先輩さえよかったらその傷をどこで受けたのか・・話してもらえませんか」
「え・・・?」
先ほどのほんのりとした表情とは打って変わって真剣な表情で見つめる、それを見て不思議と彼になら話をしてもいいと感じた志岐であった・・・・・・・・
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何年か前のこと
一人の少女が何かにおびえ座りながら後ろへ後ろへと下がっていく、その少女の前には
「あ・・・ああ・・・」
フードで顔を隠した不気味な人物が迫ってきていた、するとその人物は少女に襲い掛かり、首筋に牙を立ててきた
「きゃああ!!!」
その後駆けつけた人に気付いてフードの人物は逃げ去っていき少女は保護されたが首に残った傷は残ってしまい、そのせいで周りからいじめられるようになってしまったのであった、彼女が高校生になった後でもその傷は残っており、その時のトラウマが原因で男性恐怖症となりひきこもるようになった、その後友人に誘われボーダーに入り、オペレーターとなったという・・・・・・・・
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「・・・・そんなことが」
「・・・・・」
たどたどしく話したがユウには理解できたようである
「笑わないで聞いてくれたの・・・あなたが初めて・・・」
「なんで笑うの・・?、だってそのことで志岐先輩は苦しんでいたんでしょ・・つらかったんだよね・・自分の痛みを誰にも理解されないことが・・」
「・・・・・」
ユウは涙を浮かべて言うのを見て、小夜子は不意に彼を見てしまう
「・・・・だから僕にこうして話す勇気を出すのも、大変だったんだよね・・」
すると彼は彼女の頬に手を優しく添えた
「よく頑張ったね・・、もう大丈夫だよ・・」
「あ・・・」
その言葉に小夜子は涙を浮かべる
「あ・・」
すると電話がかかる
「あ、もう帰るのか・・、それじゃ志岐先輩、また・・」
と彼女に手を振り去っていく
少女は彼の手が触れた頬をそっと触れて、彼を見送るのであった・・・・・・・・
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ロビーにやってくると何やら騒がしく、ギャラリーが集まっている
「何があったんだろう・・」
とユウは駆けつけてみると、その画面には彼の大切な友人と一人の少年が戦っていた
「遊真・・・・と誰?」
ユウは画面に映る模様をただただ見つめていたのであった・・・・・・・・
玲「あ、お帰り小夜ちゃん」
友子「お帰り」
小夜子「すいません、ご迷惑をおかけして・・・」
友子「いいのいいの、それにしても・・・」
小夜子「?、どうかしたんですか?」
友子「ううん、なんだかうれしそうに見えたからね・・・」
小夜子「そうですかね?」
玲「熊ちゃんのいうとおりかもね何かあったの・・?」
小夜子「・・ふふ、秘密です」
夕暮れと二つの夜は出会い、運命も動きを見せる・・・・・・・・