ワールドトリガー ~ー三つの毒に侵された吸血鬼ー~   作:lOOSPH

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虎の中で生き続ける命

その命は虎がこれまで奪ってきた命

だがその命の中には虎を守るために虎の中にいるものがいた・・・・・・・・


・・・・・さあ、目覚めの時だ

少年はある場所にいた

 

暗く、静かで薄明りがわずかな風景を照らす世界、周りは枯れた木々に覆われており、地面は水たまり程度にたまった水で満たされていてわずかだが雨が降り注いでいる

 

「またここか・・」

 

少年は不意にこの景色を見たことがあるようにつぶやく、そこで不気味にうごめく影がいることもとっくに気づいている

 

「意識を失うとよくこの世界に来るな・・」

 

すると不気味にうごめくそれはユウを見つけると一目散に駆け出していく

 

「っ!」

 

構えるユウ、すると彼の前に一人の誰かが立ちふさがる

 

「ユウ・・・」

 

そこに現れたのは一人の女性、女性はユウの名前をぽつりとつぶやいたがユウはこの女性を知っていた、なぜならこの女性は

 

「母さん・・」

 

自分の母親だったからである

 

「ユウ、あなたまた無茶をしたのね、あなたがいつもここに来るのは大体がそれよ」

 

母親に言われ、何も言えないユウ

 

「もしもあなたに会ったら、あなたのために泣いてくれている藍ちゃんやあなたを支えてくれてた白い髪の男の子が悲しむことを忘れないでよ・・・」

 

「ごめんなさい」

 

ユウは素直に謝る、すると母は言う

 

「あなたはあなたがやりたいと思ったことをやればいいわ、それだったら私は何も言わない、でも忘れないで、向こうにはあなたのために泣いてくれる人がいることを」

 

「え・・?」

 

と母は足元に指をさす、すると水は水滴が落ちたように浪打ち、そこには見覚えのある顔が映し出される

 

「藍ちゃん・・」

 

彼女がまるで自分に訴えるように何かを言っている、涙を流しながら

 

「彼女はあなたが眠ってからずっとあなたに向かって訴えてる、そういえばあなたと藍ちゃんはとっても仲が良かったものね、お母さんちょっとヤキモチやくぐらいにね」

 

「そうだったんだ」

 

「でも、私は死んであなたの中でこうして生き続けてる、私ができるのはあなたを見守るだけ・・そろそろ時間が来たみたい、お別れね・・・」

 

「うん・・」

 

「行きなさい・・あなたを待ってくれてる人のところに」

 

母がそういうと周りの景色が消えていく、そして・・・・・・・・

 

・・・・・・・・--------・・・・・・・・

 

「・・・・・ん・・」

 

そこは電子音が響き、白い壁などに覆われた部屋、だが電子音の音よりももっと目立つ音が聞こえる、それはすすり泣く声、その音の発生源は

 

「ううう・・グスッ・・」

 

自分の横になっているベッドで、顔を埋めている一人の少女であった

 

「・・・・・まったく相変わらず泣き虫だね」

 

「・・・え?」

 

と少女、木虎は顔を上げて少年を見る

 

「おはよう」

 

「・・・ユウ・・」

 

と弱弱しくつぶやくと藍はううっと表情を変えていう

 

「もう!、人が心配してるのに何よその言い方、あなたがあの後倒れたから私、私・・」

 

「・・・・・ありがと」

 

「・・・え?」

 

ユウはただ一言そういった

 

「僕のこと心配してくれたんだね」

 

「・・・馬鹿、当たり前でしょ、何年一緒だったよ思ってるのよ」

 

「そうだね・・そういえばハイレインとの戦いのとき、遠くから風刃で援護してくれたよね・・あの時はありがとう」

 

「ユウ・・」

 

すると

 

「そういえば、僕が気を失った後どうなったの?、ハイレインとミっちゃんが引き上げたところまで覚えてるけど・・」

 

「その後残ったトリオン兵を駆除したこと以外は何もなかったわ、でも被害は大きかった、民間人は死者こそ出なかったけど、重傷66名、軽傷が204名・・ボーダーでは死者が18名、うち6人がオペレーターで基地に侵入したTerの手によるものよ重傷者も12名、さらに100人足らずの隊員たちが行方不明になった、そのうちC級は40人足らず・・」

 

「敵側は?」

 

近界民(ネイバー)が一人死亡、ユウが倒したあの(ブラック)トリガーね、迅さんが一人とらえたそうよ」

 

「ひょっとして、ハイレインがおいていくって言ってたヒュース君かな、ヴィザ翁と一緒に南西部に出てきた・・Terのほうは?」

 

「フェルドたちには残念だけど逃げられた、でも一般の奴らは何人か倒した、でもそれでも大半には逃げられたみたい・・」

 

「そっか・・」

 

近界民(ネイバー)による被害こそ大したことはなかった、でもあとから出てきたTerのせいでボーダーの予測をはるかに上回る被害が出てきてしまった・・Terという未知の相手の情報がユウのくれた情報だけだったっていうのが痛かったみたいね、でも何体かはとらえられたみたいだから尋問してTerの情報を引き出すつもりみたい・・」

 

「でも一般から得られる情報はたぶん大したものじゃないと思う・・」

 

「そうね・・でもきっと次の奴らの襲撃にはそれなりのやり方もできるわ」

 

「そうだね、ボーダーは強くなってるもんね・・」

 

「うん・・」

 

すると

 

「あ、ユウ君目が覚めたんだね」

 

一人の女性が入ってきた

 

「あ、綾さん」

 

「よかった、ほんとに心配したんだもん・・・」

 

「綾辻先輩はどうしてここに?」

 

「うん、ユウ君が寝てる間に今回の論功行賞があったからその報告」

 

「論功行賞・・?」

 

「まあざっくり言えば、頑張った人に与えられる特別ボーナスよ」

 

「手柄に乗じて特級、一級、二級に分かれているの・・・・藍ちゃんとユウ君はともに特級だよ、報奨金150万と1500ポイントがもらえるって」

 

「ふうん・・あ、そういえば修君は?、ミっちゃんに足をやられてたけど・・」

 

「彼もここで入院中よ、誰かさんが無茶をしたおかげですぐに退院できそうみたいよ」

 

「ぬう・・」

 

木虎に言われて口ごもってしまうのであった

 

「とにかく絶対安静よ!、ユウの意識が戻ったとはいえ無茶できる体じゃないんだからね‼、わかった?」

 

「はい・・」

 

「ウフフフフ・・・」

 

二人のやり取りを見て楽しそうにほほ笑む綾辻であった・・・・・・・・

 

 

 




戦争は終わった

ボーダー内に置いての被害 死者重傷者行方不明者含めて126名

敵被害 近界民 死者1名、捕虜1名

    Ter 死亡確認553名、捕虜2名

対近界民及びTer大規模侵攻三門市防衛線、終結・・・・・・・・
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