ワールドトリガー ~ー三つの毒に侵された吸血鬼ー~   作:lOOSPH

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かつてある国に生まれた
ある貴族は

その残酷な処刑方法から
こう呼ばれた

串刺し公、と・・・・・・・・


・・さあ、戦え

三門私立第三中学校

 

そこでは

一人のフードで顔を覆った少年と

赤を基調とする服に身を包んだ少女が対峙している

 

二人はしばらく黙り込んでいる

 

「本当に・・

 

 本当に、ユウ・・、なのよね?」

 

「そうだよ?

 

 四年半ぶりだね・・、藍ちゃん」

 

すると少女、木虎藍の目から涙があふれてくる

 

「バカ・・、戻ってきてたならどうして連絡してくれなかったのよ・・

 

 あの日からずっと、ずっと私・・、心配していたんだから・・」

 

「ごめん・・、だって四年以上もずっと離れてたから・・」

 

泣き出す少女に申し訳なさそうに謝る少年、ユウ

 

「でももう大丈夫だよ・・」

 

「え・・?」

 

微笑みながら話すユウを見上げる木虎

 

「僕はちゃんとここにいる、僕はもうどこにも行かないよ・・

 

 これからまた一緒にいられる、だからもう泣かないで?

 

 泣き虫なところ、変わってないぞ?」

 

「グスッ、誰のせいよ・・

 

 でも・・、そうね、それにもう四年半のあの時とは違う

 これからは私も一緒に戦えるから・・」

 

と告げる

 

「実はね私、ボーダーに入ったのよ

 

 ボーダーって分かるかな?

 

 実は・・」

 

「藍ちゃん・・

 

 残念だけどここまでだね・・」

 

と後ろを見ると

 

「おーい、木虎

 

 現場検証を始めるぞー!」

 

と嵐山が呼んでいる

 

「あ、はい!

 

 ごめんね、ユウ

 またあとでね」

 

と木虎は名残惜しそうに嵐山のところに行くのであった

 

『あれがユウの友人か』

 

「うん、とってもかわいいでしょ?」

 

『ま、まあそれはおいておこう

 

 それよりも修は大丈夫なのか?』

 

「さあ、それについては・・」

 

とユウはレプリカと話しつつ、嵐山隊と修のやり取りを見つめている

 

「君か・・?」

 

「C級隊員の三雲修です、ほかの隊員を持っていたら間に合わないと思ったので・・・

 自分の判断でやりました」

 

「C級隊員・・!?」

 

「C級・・!?」

 

驚きを見せる嵐山隊の面々

 

修は何やら思いつめたように

握りこぶしを作って身構えている

 

 

「そうだったのか!

 

 よくやってくれた!!」

 

「・・・え?」

 

出てきたのは称賛の言葉であった

 

「君がいなかったら犠牲者が出てたかもしれない!

 

 うちの弟と妹もこの学校の生徒なんだ!」

 

と二年の中で何やら反応する二人の生徒

 

すると

 

「うおおおおお!!

 

 副!、佐補!!」

 

「ぎゃ!、兄ちゃん!」

 

心配したぞー!!、と抱き着く嵐山と

ぎゃー!、やめろー!!と抵抗する彼の弟と妹らしい二人の生徒

 

「・・・褒められたな」

 

「・・・・・・」

 

あっけにとられる遊真と修にほほえましく見つめるユウ

 

「いいやつっぽいなアラシヤマ」

 

「・・・嵐山隊はボーダーの中でも特に優秀な部隊なんだ

 

 ボーダーの顔としてテレビとかにもよく出てる、三門市の有名人だ」

 

「ほう・・・」

 

「知らなかったな・・」

 

そして切り替えて現場操作を始める

 

「いやしかしすごいな!

 

 ほとんど一撃じゃないか!

 

 しかもC級のトリガーで・・

 

 こんなの正隊員でもなかなかできないぞ」

 

「いえ、そんな・・・」

 

「いえいえそんな」

 

「遊真は謙遜したらダメ・・」

 

ユウと一緒にいる修をじろりと見つめる木虎

 

「お前ならできるか?

 

 木虎」

 

すると木虎は手からブレードを出して

モールモッドの残骸をバラバラに切り裂いた

 

周りから称賛の声が上がる

 

「できますけど、私はC級のトリガーで戦うような馬鹿な真似はしません

 

 そもそもC級隊員は訓練生、訓練以外でのトリガー使用は許可されていません

 

 彼がしたことは明確なルール違反です嵐山先輩

 違反者をほめるようなことはしないでください」

 

すると周りが騒ぎ始める

 

「なんだ?

 

 こいつ」

 

「木虎藍、中学生でA級になったエリート隊員だ・・・」

 

「へえ・・、エリート?

 

 あの泣き虫だった藍ちゃんが・・」

 

修の説明にユウは彼女の成長を素直に喜ぶ

 

「確かにルール違反ではあるけれど、結果的に市民の命を救ったわけだし・・」

 

「もちろん彼が人命を救ったのは評価に値します

 

 ですが、ここで彼を許せばほかのC級隊員にも同じことをする人間が現れます

 

 実力不足の隊員がいくらやむ負えないとはいえ現場に出れば

 深刻なトラブルを招くのは火を見るより明らかです

 

 ほかのC級隊員に示しをつけるために彼はルールに則って処罰されるべきです」

 

木虎の言葉を聞いて修は

こうなることはわかっていたという顔を見せる

 

すると

 

「・・あのさ

 

 お前、遅れてきたのになんでそんなに偉そうなの?」

 

遊真がかみついてきた

 

「・・・誰?

 

 あなた」

 

「オサムに助けられた人間だよ

 

 それにしても日本だと助けるのに

 誰かぼ許可を取らないといけないっていうルールがあるのか?」

 

「・・・それはもちろん個人の自由よ

 ただし、トリガーを使わないのならの話だけど

 

 トリガーを使うのならボーダーの許可が必要よ

 だってトリガーはボーダーのものなんだから」

 

「何言ってんだ?

 

 トリガーはもともと近界民(ネイバー)のもんだろ」

 

その言葉に周りが騒然とする

 

「・・・!?」

 

「お前らはいちいち近界民(ネイバー)に許可取ってトリガー使ってんのか?」

 

「あ・・あなたボーダーの活動を否定する気!?」

 

木虎は言い返すが

 

「・・ていうかお前

 

 オサムが褒められるのが気に食わないだけだろ」

 

「なっ!?」

 

「え・・・?」

 

言い当てられてびくりとする木虎

 

「何を言っているの!?

 

 わっ・・・私はただ組織の規律の話を・・」

 

「ふーん、お前・・・詰まんない嘘つくn・・・ってうおっと!?」

 

「遊真、それ以上藍ちゃんに噛み付かないの」

 

と遊真を引っ張っていくユウであった

 

「はいはいそこまで

 

 現場調査は終わった

 回収班呼んで撤収するよ」

 

とそこにもう一人の隊員が声をかける

 

「時枝先輩・・!

 

 でも・・」

 

「木虎の言い分もわかるけど

 

 三雲君の処罰を決めるのは上の人だよ、俺たちじゃない

 

 ですよね?、嵐山さん」

 

「なるほど!

 

 充の言うとおりだ!

 

 今回のことはうちの隊から報告しておこう、三雲君は今日中に本部に出頭するように

 

 処罰が重くならないように力を尽くすよ、君には弟と妹を守ってもらった恩があるからな

 

 本当にありがとう・・!」

 

「そんな・・・

 

 こちらこそ・・・」

 

と握手を交わす嵐山と修

 

「ただ、嵐山さん・・・

 

 一つ気になることがあるんです」

 

「何だ?、充」

 

「このモールモッドですが

 

 こっちのモールモッドからは

 ボーダーのトリガーの反応が出ているんですが

 

 こちらのモールモッドはボーダーではないトリガーの反応が出ているんです

 

 反応がある方のモールモッドは三雲君が倒したとして

 もう一方は三雲君どころか、ボーダーではない人間が倒したということになります

 

 つまり・・・」

 

「三雲君とは別にこのモールモッドを倒した人間がいる、ということか

 

 いったい誰が・・」

 

それを聞いてこっそりその場から逃れようとする

一つの影があった

 

だが

 

「どこに行くのユウ?」

 

「っ!?」

 

見つかった

 

「まったくユウは口は堅いけど嘘つくのが下手なのよね

 

 だからそうやって何事もなかったかのように去ろうとする・・」

 

「・・・・・・」

 

木虎に言われ、冷や汗が流れるユウ

 

「はっきり言いなさい

 

 あのモールモッドを倒したのは・・

 

 あなたなんでしょ?」

 

「・・・・・・」

 

指摘され何も言えない

 

「・・・はあ・・

 

 大丈夫よ、何かあったら私が守ってあげるから・・だから言って」

 

と優しい笑みを浮かべて言う木虎にユウは口を開こうとしたその時

 

再びそこに(ゲート)が開いた

 

「な、また(ゲート)が!?」

 

「赤みがかった(ゲート)・・・、まさか!?」

 

嵐山隊と修が驚き、遊真がただならぬ雰囲気を感じる

 

するとそこに現れたのは

二体の白いフードに包まれた人物であった

 

「なっ!?

 

 人型近界民(ネイバー)!?」

 

「あれは・・!?」

 

木虎とユウもそれぞれで驚いていると

 

「ここが玄界(ミデン)か、太陽がまぶしいじゃねえか・・・」

 

「そうじゃのう、だが見てみよ

 あそこに家畜がたくさんおるぞよ

 

 これは運が良い、全部捕らえて飼いならしてやるとしよう・・・」

 

と話しをするが、フードをしているので素顔が見えない

 

「まずい・・

 

 木虎!、生徒たちの避難を!!」

 

「ここは俺たちが・・・」

 

「わかりました

 

 皆さん、ここから離れてください!、急いで!!」

 

と木虎は急いで避難誘導をして人々をそこから遠ざける

 

だが木虎はあることに気づく、そう

 

「っ!?

 

 ユウ、ユウ!?」

 

ユウの姿が見当たらないのだ慌てて周りを見舞わす木虎

 

一方

 

「悪いがここを通すわけにはいかない!」

 

「ふん、家畜風情が俺たちには向かうつもりか?」

 

「だが逆に活きがよい証拠じゃ

 

 こやつらだけでもとらえておけば十分な収穫になるじゃろう」

 

嵐山隊の二人と対峙する二人のフードの人物はそれぞれ一本の槍斧を構える

 

嵐山が銃を打ち出して攻撃するが

それをフードの二人は難なくかわして向かっていき

 

「早い!?」

 

「嵐山さん!」

 

となんと一方に押さえつけられてしまう嵐山

 

「こいつら・・速い・・」

 

「嵐山さn・・」

 

「よそ見をするでない!」

 

「がはっ!」

 

瞬く間に取り押さえられる二人

 

「嵐山先輩、時枝先輩!」

 

「来るな木虎!

 

 急いで本部に緊急連絡を!」

 

「活きはいいみたいだが俺たちの敵じゃねえな・・・

 

 ちょうどいい、こいつらのトリオンを吸って俺たちの糧にさせてもらうぜ・・・」

 

「死なぬ程度にな・・・

 

 死なれでもしたら玄界(ミデン)に来た意味がなくなるからのう・・・」

 

すると一方のフードから

異様に長い犬歯がのぞかせる

 

「(まずい・・)」

 

嵐山はもうだめだと思い、目を強く閉じる

 

「「兄ちゃん!!」」

 

二人の弟妹が嵐山を呼ぶ

 

「嵐山先輩!」

 

木虎も心配して叫ぶ

 

「があああ!!!」

 

「っ」

 

フードの人物が嵐山に牙を突き立てんとしたその時

 

「ぶふぉ!?」

 

その人物は何かに飛ばされて嵐山から離される

 

「ぐあ!」

 

もう一方も飛ばされ時枝から離れる

 

「「え・・?」」

 

嵐山と時枝の目の前にはその二人と同じ格好のフードを被った一人の人物が

 

「あれは・・」

 

木虎や多くの生徒がその人物を見る

 

「き、君はいったい・・

 

 どうして俺たちを・・」

 

嵐山は恐る恐る聞く

 

だがその人物は何も答えず

二人のフードの敵と対峙する

 

「貴様・・・、同胞の分際で家畜の見方をする気か!?」

 

「許せぬ、わらわ達の真の力を見せてくれる・・・」

 

と武器を構え

 

「槍斧よ、俺のトリオンを食らえ!」

 

「斧槍よ、わらわのトリオンを求めよ!」

 

すると二人の武器のそれぞれの持ち手から棘が生え

彼らの手を貫くと、それぞれの武器の刀身が赤く染まる

 

すると二人の人物は一人のフードの人物に向かっていく

一人が突っ込み、その一人に向けて放たれる一撃をもう一人がカバー

 

絶妙なコンビネーションを見せる

 

だがそれと対峙するフードの人物も

負けてはいないその動きにうまく対応しついていけている

 

「すごい・・・」

 

時枝はこの戦いぶりを見て素直に称賛する

 

すると二人が挟み込むようにそれぞれの武器をふるう

 

フードの人物はそれをかわすが

フードにかすってしまいそのせいで

フードが脱げ、素顔があらわになる

 

「っ!?」

 

それに気づく素顔の人物に

それを見ていた生徒たちは驚きを見せる

 

「おい、あれって・・・!?」

 

「有谷家、君・・・・!?」

 

「ユウ・・・!」

 

クラスメイトは驚いていた

なぜなら自分たちを助けてくれた方のフードの人物はユウだったのだから

 

修と遊真はすでに知っているのでそれほど驚いてはいない

 

「ユウ!?」

 

一番声を出していたのは木虎であった

 

それでもフードの人物たちの猛攻は止まらない

 

なおも槍を素早く振るって攻撃を続けていくのだ

 

すると一人が学校の壁を伝って上を取りそこから斧を振りかざす

 

だがユウはそれを反撃し

むしろ武器を切り裂いてそれを取り

 

それでその相手の頭にぶっ刺した

 

「ぐあああ!!!」

 

断末魔の叫びとともに消滅する一体

 

だが

 

「うぐ・・」

 

ユウは急に膝をついた

 

「(まずい・・

 

  もうトリオンが・・)」

 

するとそこに、もう一体がとびかかっていく

 

「死ねえええ!!!」

 

と槍を突き出すもう一人の人物

 

「剣よ、僕のトリオンを喰らえ!」

 

と剣から棘が伸びて

それが彼の手を貫く

 

すると刀身が赤く染まる

 

そして

 

「はあああああ!!」

 

剣で槍の動きを合わせ見事にそらし

 

さらにそのまま敵の頭部を切り裂いたのであった

 

「のわあああ!!!」

 

断末魔の声とともにその人物は消滅する

 

「はあ・・

 

 はあ・・」

 

思わず見つめていた生徒たちと嵐山達だったが

 

「ぐう・・」

 

ユウはそのまま倒れてしまった

 

「「「ユウ!!!」」」

 

倒れた彼に駆け寄る修と遊真、そして

 

「ユウ、しっかりして・・

 

 ユウ・・、ユウゥ!」

 

木虎であった

 

やがて彼の意識はフェードアウトしていく・・・・・・・・

 

・・・・・・・・--------・・・・・・・・

 

向こうの世界のとある国

 

「あ・・、ああ・・」

 

目の前では一人の女性が襲われ

襲っている人物はじっとユウを見つめ

 

面白そうなものを見つけたように見つめる

 

すると

 

「待て・・・」

 

そこにもう一人現れる

 

「そいつは私がもらう・・・、お前は手を出すな・・・」

 

見た目は少女のようだったが彼女が放つ威圧感は

この場にいる者たちの中では一番のものだと感じた

 

「・・・・・・」

 

するとその人物は彼に近づいて

 

そっと手をさし伸ばして

彼の頬に手を添えるのであった・・・・・・・・

 

・・・・・・・・--------・・・・・・・・

 

「はっ!」

 

ユウは覚醒する

 

そこはどうやら病室のようだった

 

「あ、ユウ君、気がついた?」

 

「よかった、急に倒れたからびっくりしちゃった・・・」

 

その傍らにいたのはクラスメートの女子、二ツ木さんと一之瀬さんであった

 

「二人とも・・どうしてここに?」

 

「どうしてってあの後、急に倒れたからびっくりしたんだよ」

 

「でもよかった・・・・

 

 けがもしていた様子がないから意識が戻ったらすぐ退院できるって・・・・」

 

するとユウは恐る恐る言う

 

「二人とも・・

 

 あの時の事、何にも聞かないの?」

 

「うーん、それはびっくりしたけど

 でも有谷家君は私たちを助けてくれたじゃない」

 

「少なくともそれは事実、だから私たちは何にも聞かないよ・・・・」

 

と述べる二人

 

すると

 

「ユウ!」

 

修と遊真が入ってきた

 

「あ、三雲君たちが来た・・・・

 

 じゃあ私たちはそろそろ行くね」

 

「じゃあまた学校で・・・・」

 

と二ツ木さんと一之瀬さんは

修と遊真にもあいさつしたのち病室を後にするのであった

 

「よかった・・・

 

 それにしてもお前

 トリガーを使うなって言っただろう・・・

 

 嵐山隊にも知られたし、ボーダーに怪しまれるぞ・・・」

 

「でもそうしなきゃ、嵐山さんたちが!

 

 助けられる力があるのに何もしないなんて僕にはできない!!」

 

「はあ・・・

 

 でも意外だったよなあの木虎ってやつ

 

 オサムの前ではエラそうな態度取ってたくせにユウが倒れたら真っ先に駆けつけてさ・・・」

 

遊真は少し木虎のことを言う

 

「でもあの時の木虎は何も間違ったことは言ってないだろ

 

 モールモッドの時でも実際僕は何もできなかったし

 あの人型近界民(ネイバー)が現れた時だって何もできなかった

 

 あの時は空閑やユウがいなかったらどうなっていたか・・・」

 

修は言う

 

「あいつらの時はそうだけど・・

 

 モールモッドの時は違うよ?

 

 モールモッドの時、みんなが助かったのは修君のおかげだよ・・」

 

「・・・え?」

 

「そうだぞ?

 

 オサムが逃げ遅れた奴らを助けて

 そのあとやられそうになって、それを俺が助けたんだろ?

 

 つまり俺はオサムしか助けた覚えないぞ?」

 

遊真が説明する

 

「まったく・・・、自分の手柄も他人に勘定してもらわなきゃ、ダメなのか?

 

 めんどくさいやつだなオサムは」

 

「・・・・・・」

 

その言葉をしっかりと受け止める修であった

 

その後、ユウは目が覚めたので、退院の許可をもらって三人で病院のロビーに出る

 

「オサムはこの後ボーダー基地に行くのか?」

 

「そうだ、本部に出頭して処分を受ける、嵐山さんとの約束だからな」

 

「そっか・・、ボーダー隊員もいろいろ大変だね・・」

 

すると

 

「あ、そうだ

 嵐山さんからユウに伝言があったんだ・・・

 

 さっき出てきた人型近界民(ネイバー)のことで

 聞きたいことがあるから、特例で本部にきてほしいそうなんだ・・・」

 

「・・・・ええ!?」

 

それを聞いてめんどくさそうな表情を見せるユウ

 

「でも下手に断って目をつけられたら

 遊真のこともばれるかもしれないしな・・

 

 受けるしかないか・・」

 

「ふむ」

 

「・・・ん?

 

 なんだ?」

 

と何やら病院の入り口が騒がしい

 

「写真撮ってもいいですか?」

 

「あー悪いけどそういうのはやめてくれる?

 

 写真なんて正直迷惑なのよ、芸能人じゃあるまいし・・」

 

そして撮られた瞬間なんだかんだ言ってポーズを決める木虎であった

 

「「・・」」

 

唖然とする二人に

 

「プックククク・・」

 

笑いをこらえるユウ

 

「何やってんだ・・・」

 

「ブッフッフッフッフッ・・」

 

「はっ・・!

 

 私としたことが・・って

 

 ユウ!、何を笑ってるのよ!!」

 

「だって、すっごい面が白くって・・、クククク・・」

 

ユウの笑いがおさまったところで木虎は咳払いをして本題に入る

 

「まったくもう人が心配していたっていうのに・・

 

 それよりも体の方は大丈夫なのユウ?」

 

「うん、ほらこの通りなんともね・・

 

 ただお腹が減ったくらいかな?」

 

「まったく・・

 

 それじゃ改めて言わせてもらうわ

 ユウ、それから・・・三雲君だったわね

 

 私はボーダー本部所属、嵐山隊の木虎藍、本部基地まで同行するわ」

 

それを聞いて周りが騒ぎ始める

 

「何この野次馬・・」

 

「気にしないで、とにかく行きましょう・・」

 

と病院を出る一同であった・・・・・・・・

 

・・・・・・・・--------・・・・・・・・

 

「勘違いしないでほしいんだけど三雲君

 

 私は貴方をエスコートしに来たわけじゃないの

 ボーダーのことを知らないであろうユウのことをエスコートにし来たのよ

 

 そして貴方が逃げないように見張るためにもね」

 

「そんな見張られなくっても僕は逃げたりしないよ」

 

「簡単にルールを破る人間の言葉が信用できる?

 

 もう少し自分の立場を自覚した方がいいわね」

 

とややきつめに言う木虎であった

 

「藍ちゃん、ちょっと厳しすぎるんじゃないの?」

 

「でもねユウ、これは決まりなのよ

 だからこういうのははっきり言っておかないと・・」

 

「でも言い方があるでしょ?

 

 そう言う藍ちゃんはちょっと嫌いかも・・」

 

「っ!?」

 

ユウに嫌いと言われて少しショックを

受けその場に止まってズーンと落ち込む木虎

 

「ぐすっ・・

 

 わかった・・

 

 もうちょっと言葉を選ぶから嫌いにならないで・・

 

 せっかく会えたのに嫌われたら私・・、私・・」

 

と泣いてユウを見る木虎

 

「よしよし、藍ちゃん泣かないの

 

 藍ちゃんはいい子だからね・・」

 

「ユウ・・」

 

と木虎の頭を撫でるユウに猫のようにすり寄る木虎

 

「なあ、オサム・・・

 

 あれってなんだ?」

 

「僕に聞かないでくれ・・・」

 

それをはたから見る修と遊真は呆れていた

 

そして我に返った木虎は咳払いをしてチラッと修を見る

 

「(それにしても、今日のモールモッド・・、一撃で正確に心臓部が破壊されていた

 

  止まっている相手ならともかく敵のブレードを掻い潜りながらそんな正確な攻撃ができる・・?

 

  しかも訓練用のトリガーで・・!

 

  ユウの手前で私もできるって言ったけどあそこまで鮮やかには・・、なんであんなことができる人間がC級にいるの・・!?

 

  しかも同い年・・、もしかして私よりも優秀・・!?

 

  ・・・そんなわけない!

 

  私はA級隊員・・!

 

  私の方が上よ!

 

  でもユウの方もすごかった、あのモールモッドのブレードをいともたやすく切り裂くなんて

  おまけにそのあとの人型近界民(ネイバー)の戦いで嵐山さんや時枝先輩でもかなわなかったのを

  一人であそこまで戦って、挙句に倒してしまうなんて・・

 

  ユウがいなかったら嵐山さんたちは、ううん学校の人たちはどうなっていたか・・

 

  私はユウを助けるために、守るために強くなったのに・・、私は・・、私は弱い・・」

 

と目に涙を潤わせる木虎を見て、ユウは少し複雑な表情を見せるユウ

 

「(大丈夫だよ藍ちゃん・・

 

  僕はずっと、そばにいるからね・・)」

 

とそう心の中で告げるユウなのであった・・・・・・・・

 

 




二匹の虎は
こうして巡り合った

だがその再開の場は
決して喜ばしいものではない

でもそれはあくまでどのような形になるのか

その答えは次の物語が教えてくれるだろう・・・・・・・・
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