「はぁ…」
私は今日何度目かのため息をこぼす
私が何でこうやってため息をこぼしているかというとさかのぼること二時間ほど前…
「緒方ぁ!!そこのステップ違うって何回言わせるんだ!!」
「は…はい!!」
私はレッスン中にたくさんの失敗をしてしまって少し落ち込んでいるところに
「緒方さんはいらっしゃいますか?」
私のプロデューサーさんが私のもとにやってきて
「少しお話をしてもよろしいでしょうか?」
私はプロデューサーさんとレッスン室から出て自動販売機の近くにあるソファーへ腰を掛けた
プロデューサーさんは「何を飲みますか?」
と聞いてくれたけど「なんでもいいです…」と言ってしまって
プロデューサーさんが持ってきてくれたのはポカリスエットだった
さっきまでレッスンしていた私への気遣いだと思いやさしいなぁと思いながら
もらったポカリスエットに一口
初めはこのプロデューサーさん少し怖くておびえてばかりだったけど最近は随分とましになったと思う…
「それで話というのがですね」
「はい…」
「この間のオーディション、最終選考までは行ったのですが残念ながら…」
この間のオーディションというのは新人を発掘するための業界ではいつしか登竜門と呼ばれるようになった番組で、最終選考まで行くというにはすごいことだ、って城ヶ崎さんも言ってた
「理由としては実に惜しかったけどもっと堂々としていれば…とのことでした」
その一言がさっきから落ち込んでいた私の心に突き刺さった
「私…やっぱり駄目なんですかね?」
「えっ…駄目といいますと…」
「大事なオーディションでもびくびくしちゃって…アイドルなんて向いてないのかも…」
涙が出そうになるのを必死にこらえる
「いえ…そんなことは…」
プロデューサーさんも困っているように見える
「すこし…一人にしてもらってもいいですか…」
そういってプロデューサーさんから離れようとする
「わかりました、またしばらくしたら迎えに来ます」
そう言い残してプロデューサーさんはいってしまった
一人になっても何も解決しないのはわかってはいるのに…
そんなこんながあって私はため息をついていたのだった
そこに…
「…よし…ここまで逃げたらきらりのやつも撒けただろ…」
そういって同じ「candy island」の杏ちゃんが走ってきた
「あっ、杏ちゃん…」
「おー智絵里ちゃんじゃないか、こんなところで何してるの?」
「あっ…その…?」
杏ちゃんは何かを察したように私の隣に座って話し始めてくれた
「智絵里ちゃんさぁ…何を悩んでるのかわかんないけどそんな顔してたらもったいないよ?」
「もったいない?」
「せっかくの四つ葉のクローバーの幸せが逃げて行っちゃうじゃん?」
「あっ…」
以前私が困っているときに杏ちゃんが助けてくれたことが脳裏に浮かんだ
「智絵里ちゃんはさ…もっと輝けるんだから、今のままで頑張ればいいんだよ」
杏ちゃんは私の目の前に立ち、優しい顔でそう言ってくれた。
「杏の分もねっ」そう一言付け加えて伸びをしたその時
後ろから来ていたきらりちゃんに気が付いていなかったようで
あっけなく捕まって連れて行かれてしまった
「今のままで…頑張る…?」
その一言で何か救われたような気がした
手帳に挟んでいた四つ葉のクローバーをそっと手のひらに乗せてみた
その時遠くで「は~な~せ~」と声が聞こえたような気がした
どうも、せがわです
ここまで読んでいただいて本当にありがとうございます
今回の話は智絵里ちゃんが杏ちゃんの一言で立ち直る、という話が書きたかっただけで勢いで書いてしまいました
前回の奈緒が風邪をひく話では初投稿ですでに500UAをいただいて
お気に入りも四件していただき、本当に感謝の限りです
これからも徒然なるままに書いていこうと思います
それではまた次回、何の話を書くかすら未定ですが
頑張って書こうと思います
ついったーのほうもやってますんでよかったらそっちのほうもよろしくお願いします
@segawap0219