ロザリオとバンパイア ~刃の音撃戦士~   作:オンドゥルッフ

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第十三の巻「噂をすればなんとやらの的中率は恐ろしいほど高い:前編」

 僕は公安のブースの机に顔を乗せながら

 

 刃「学園祭二日目~~~~~~~~!!!っと九曜さん仕事ある?」

 

 九曜「ありませんよ。彼女の瑠妃さんとイチャではなく一緒に行動すればいいじゃないですか。」

 

 刃「いや、僕もそうしたいけど瑠妃さんは理事長の方に用事があって今は一緒に行動することもできないし、ザンキさんもサバキさんのピンチヒッターでいないからどうしようもないのだよ・・・てか九曜さん人間を恨んでないって姉御から聞いたけどマジ?」

 

 九曜「ええ、今周りに誰もいないから言いますが貴方が人間だということも知っていますが今まで私は人間をただの下等なものと思っていましたが、刃さんと月音に敗れ初めて知りました。人間は下等ではないと・・・」

 

 刃「もちろん人間にもひどいことしか考えられない者もいる・・・でも僕の先輩方のようにいい人もいる。」

 

 九曜「そうですがそれは妖怪においても同じですよ。案外人と妖怪というのは似たもの同士なのかもしれませんね。」

 

 刃「そうかもね~・・・じゃあ僕は月音君の所へ行ってからかってくるよ。」

 

 九曜「そうしてください・・・後、アマキさんに私の事をよく言っておいてください!!」

 

 刃「ああって、偉い惚れたな!!」

 

 九曜「ええ、私は強い女が好きですから!!」

 

 刃「わ、わかったよ伝えておく(冗談だったのに・・・予想GUYすぎるわ!!)」

 

 僕は月音君の元へ行くと

 

 紫「あ、刃さん、実は兄弟がいるのかっていう話をしていたのですけど、刃さんにはご兄弟はいますか?」

 

 月音「そういえば昨日あった人を兄貴とか姉御とかいっていたけどほかにもいるの?」

 

 と聞かれて僕は頭を掻きながら

 

 刃「あ~、血のつながっている兄弟はいないけどね元々僕一人っ子で両親が死んでエイキ父さんに引き取られ、仕事の都合上立花にいたときに姉御とか兄貴達、病院にいる明日夢兄さんもその時に知り合ったんだ。今では立花の皆・・・むしろ猛士の皆が僕の家族と言うべきかな?」

 

 萌香「そうなんだ・・・4姉妹の私よりなんか大家族て感じだね、財津原先生もそうなんだよね?」

 

 刃「そうだよザンキさんは尊敬する人でもし・・・順位をつけるとしたら二番目かな?」

 

 紫「え?一番目は誰なんですか?」

 

 紫ちゃんがそういうと僕は

 

 刃「一番はヒビキさんって言うんだけど鬼神の二つ名を持つ、人かな?…」

 

 萌香「鬼神ってなんか財津原先生より怖そうな顔をしてそうだね。」

 

 刃「実は怖くなく優しい人で、いつも明るく、ふらっと現れては人の悩みを解決してふらっと立ち去る・・・たとえるなら大自然な感じかな・・・でも機械音痴なんだよね~僕が教えるまで携帯なんて使えなかったもの。」

 

 月音「へ~名前からするとその人も鬼なんだ。」

 

 刃「うん!!強さなら猛士一・・かな?僕もあの人の足元にも及ばない・・・強さも優しさも・・・心の大きさもね。僕のやる“シュッ”はヒビキさんが元祖で僕も許可を貰ってやっているんだ。」

 

 月音「へ~、俺も兄弟がいなくて年が少し離れた。従妹がいて少しわが道をゆくという感じな子だったけど俺はよく“きょう”子って言うちょっと天然?が入ったコなんだけど…いいかげんな両親のかわりにあれこれオレの世話を焼いてくれたな~」

 

 月音君がそういうと僕はふと思い

 

 刃「ねえ、月音君その“きょう”子さんのの“きょう”の漢字ってもしかして“響”って漢字かな?」

 

 月音「うん、そうだよ・・・もしかしてヒビキさんも“響”って漢字が入っているの?」

 

 刃「ヒビキさんは響く鬼と書いて響鬼と呼ぶのだけどまさか適当に言ったのが当たるとは・・・一緒に来たりしてちなみにヒビキさんはあそこのサングラスをかけた人みたいな感じなんだよ。」

 

 月音「へえ、ちなみに響ちゃんはその隣にいるボーイッシュな感じの女の子なんだ。」

 

 僕達がそう話しているとその二人は止まり

 

 ボーイッシュな女「つっきー?」

 

 グラサン男「おお、ジンキ元気だったかシュッ!」

 

 僕達は固まり、数秒後…

 

 月音「響ちゃん?」

 

 刃「ヒビキさん!?」

 

 と呟いてしまった。

 

 萌・紫「「ええええええええええええ!?」」

 

 刃「噂をすれば何とやらか・・・」

 

 僕達が固まっていると響子さんは月音君に向かって走り

 

 響子「つっきー…ツッキ―――――――!!無事だったのね心配したのよつっきぃぃぃ」

 

 月音「どっどうしたの響ちゃ―――…どうしてここに…どうなってんのこれええええ!?」

 

 ~数分後~

 

 ヒビキ「つまり君はこの学園の住所の所に行ってもビルしかなく親切な人にその封筒をもらってここにきて、学園祭だから見て回り少しでも怪しい所があったらジンキの友達を責任を持って連れて帰るということね。」

 

 響子「そうです!!今でさえ怪しい感じがプンプンしているのですから!!」

 

 響子さんの話を聞いてヒビキさんは

 

 ヒビキ「まあ、君が少年の事を案じているのはわかるけどもう少し落ち着いてみないといけないかな?今の君だと普通の生徒まで怪しく見えちゃうんじゃないのかな?それに少年は楽しんでいるかもしれないんだよ?」

 

 と説得するが響子さんは立ち上がり

 

 響子「大丈夫です!!つっきーのことは私がよく知っていますし私自分の目には自信がありますから、いくよつっきー!!」

 

 月音「え、ちょっと響ちゃん!?わかったから服を引っ張らないで!!」

 

 月音君の服を引っ張り中へと入って行った。萌香さんも後を追い、僕は

 

 刃「ああ、そうだ!瑠妃さんに会ったら僕は理事長室にいるといっておいて」

 

 紫「わ、わかりましたですぅ~」

 

 と言って去り、僕達は取り残され

 

 ヒビキ「なんというか活発な子だったね・・・・」

 

 刃「はい・・・大丈夫かな月音君・・・」

 

 ヒビキ「とりあえず俺達は理事長室に行きますか?」

 

 刃「そうですね、こちらです。」

 

 僕達が理事長室に行き、入ると理事長と明日夢兄さんがいた。明日夢兄さんはヒビキさんを見て

 

 明日夢「ヒビキさんっ!!」

 

 ヒビキ「よう明日夢鍛えているか?」

 

 明日夢「はい、医者になっても鍛えてます!!」

 

 刃「昨日はキョウキの兄貴とアマキの姉御と話していましたね。」

 

 明日夢「それで今日はヒビキさんと話せるのか~俺明日死ぬのかな?」

 

 刃「不吉なことを言わないでくださいよ兄さん!!・・・あ、でも食われるかも・・・」

 

 ヒビキ「そういえば聞いたよ明日夢にも春が来たって」

 

 明日夢「いやいや、違いますよ!!」

 

 刃「でも螢糸さん綺麗なんだよね~なんで普通のお付き合いでもしないの?」

 

 明日夢「まあ、そりゃあ、螢糸さんは綺麗だけどね・・・」

 

 明日夢兄さんが僕が訊ねた事に返答しにくいのか下を向くとヒビキさんが

 

 ヒビキ「あ、そういや明日夢が俺に最初に会った時の魔化魍はツチグモだったし、その後ヨロイツチグモに襲われてたりしたから・・・まさかその子と蜘蛛が関係あるのか?」

 

 刃「あ、確か螢糸さん女郎蜘蛛だったね・・・まさか兄さん!?」

 

 明日夢「ああ・・・うんそうなんだ。」

 

 刃「にいさん・・・・その気持ちはわかるわ・・・・。」

 

 ヒビキ「でも、持田さんは彼氏出来たから明日夢もいい人を見つけたらどうよ?」

 

 刃「ちょっとヒビキさん!?それは禁句ですよ!?」

 

 僕がそういうと明日夢兄さんは

 

 明日夢「うわあああああああああああああ!!」

 

 と叫び部屋を飛び出そうとしたが、僕が

 

 刃「兄さんサキュバスの人妻で良ければ黒乃さんの‥‥」

 

 明日夢「ごめんなさい!それ以上言わないでください。」

 

 刃「よろしい…で理事長なんで僕まで呼んだのですか?ヒビキさんに用があっても僕に用はないはずですよね?」

 

 するとお茶を飲んでいた理事長が新作の黍団子輝を一つ持ちながら

 

 理事長「いや、実はね昔話をするついでに刃君の初変身ことを聞きたいのだよ。」

 

 と言って黍団子を食べた。すると明日夢兄さんが

 

 明日夢「あ、でも刃君の初変身ってコダマの時でしょ?天美さんと一緒に変身した。」

 

 ヒビキ「ああ、あれか。あれは俺もびっくりしたね。まさかまだ小学生の刃変身できるとは思わなかったなあ……」

 

 ちょっと昔の対コダマ戦の時、僕と姉御は威吹鬼さんを助けるために変身をした事がある。まあその後天美姉さんはその後猛士をやめそうになって、僕が小暮さんに頼んでオロチとの闘いの後鬼の素質がある姉御を一時的に小暮さんの弟子にして合宿をし鬼になったわけだけど、

 

 刃「ああ、実はあの時の変身は2回目で初めての変身はそれよりちょっと前なんだよね。時期的に言えば「恋する鰹事件」あたりなんですよ…」

 

 ヒビキ「ああ、あの時ねえ…話してみてよ」

 

 理事長「立ち話もなんだし…座ってこの黍団子でも食べてみなさい」

 

 明日夢「刃君の新作だそうですよ。」

 

 皆はすわり僕はお茶をすすって話し始めた。

 

 ~回想~

 

 恋するカツオ事件の時、僕はみどりさんの研究室にディスクアニマルを点検してもらいに行ったときに

 

 刃「みどりさん、僕思ったんですけど、この音叉……」

 

 みどり「なに?」

 

 刃「未熟な人が使うとどうなるのでしょう?」

 

 と僕が言うとみどりさんは

 

 みどり「刃君はどう思う?」

 

 刃「僕は何も反応がなく少しだけ恥ずかしい気分がするだけなんじゃないでしょうか?もしくは鬼になっても元に戻れないとか?死ぬことはないですよね…?」

 

 というとみどりさんは

 

 みどり「死ぬことはないし、ただ思いっきりはじかれて裸になったりするけど…やってみる?」

 

 刃「そうですね…やってみますか!えい」

 

 チ~ン

 

 僕は音叉を鳴らして額に持っていきその時は不法侵入した桐谷が音叉を鳴らして弾かれたから弾かれ具合でどれくらい未熟かわかるかな~と思う程度だったのですが…自分の体を光が包んだと思うと

 

 刃「…あれ?目線が高くなっているしこの手はヒビキさん達と同じ?」

 

 みどり「嘘‥‥変身できた!?」

 

 刃「ど、どどどどどどどどうしよう元に戻れないかも~~~!!」

 

 みどり「お、落ち着いて刃君!!今ヒビキ君を呼ぶからってヒビキ君携帯持ってないよ~!!」

 

 刃「あわわわわわわわわわわ‥‥」

 

 みどり「はわわわわわわわわわわ…」

 

 その後父さんが来て変身を解除する方法を教えてくれたけど、その時に今回の事は内緒にすることにしたんです…僕は未熟者だし今回はまぐれということにしたんです。

 

 ~回想終了~

 

 刃「でも、二回目に変身してからはしばらくの間変身はできずに生身でも鬼爪とか鬼火が出るようになったんです。」

 

 ヒビキ「大変だったんだね~でも最初に鬼爪を出せたときはびっくりしたね~」

 

 明日夢「あ、確か僕とヒビキさんとキョウキ君と一緒に銭湯行った時の事ですよね?」

 

 刃「そうそうヒビキさんに鬼爪を出す時の感じを聞いて軽い気持ちでやったら生身でできてキョウキの兄貴、気絶しましたよね?僕あの時痛いのと訳が分からない気持ちで泣けませんでしたから。」

 

 ヒビキ「その後くしゃみをして鬼火が出たよね~」

 

 明日夢「で、さらにその後弱いながらも雷も出たから、立花のおやっさんの肩がコった時に雷を流してコリをとったりしていたよね?」

 

 刃「うん、あれは小暮さんにも好評だったしそれからオロチとの決戦の間生身でサポートしたね。こわかったねあの時は一発殴られれば死ぬからな~」

 

 明日夢「…うん、なんで生きていられるの!?」

 

 その時僕の無線(公安からいつでも連絡できるようにと借りた)に連絡が入り

 

 刃「どうした?」

 

 九曜〔何者かが変化を強制的に解くマジックアイテムを持っていてそれを乱用している人がいるそうで至急来てください!!〕

 

 刃「了解こっちは僕一人で探してみるよ。」

 

 九曜〔は、わかりましたそれでは〕

 

 九曜さんとの通信を終えると僕はヒビキさん達に

 

 刃「すいません!僕は仕事に行ってきます!!」

 

 ヒビキ「おう!ああそれとお前の新しい音叉だ!!」

 

 ヒビキさんがポケットから音叉を取り出し僕に投げ渡すと明日夢兄さんはポケットから火打石を取り出し

 

 カチッ!カチッ!

 

 と打ち、僕は

 

 刃「行ってきますシュッ!」

 

 と部屋から出て、走ること数分響子さんと、萌香さんが妖怪に囲まれていて

 

 刃「くそっ!?」

 

 僕は烈光で人間サイズの妖怪を弾き飛ばしながら萌香さん達の元へ来た。

 

 刃「大丈夫ですかお二人とも!?」

 

 萌香「刃君!」

 

 響子「あんたも凶暴な妖怪なの!?だったらこっちに来ないで!!」

 

 響子さんがそう言い後ずさりすると一匹の大きな妖怪が襲い掛かり僕は烈光をクロスしてそれを防ぐ

 

 刃「ぐう…重いな…だがハァア!!」

 

 烈光に力を送り白い炎を作ると暑さで腕はのいてその隙に妖怪の身体に烈光弾を打ち込んだ。妖怪は数体の妖怪を巻き込みながら吹っ飛ぶと僕は後ろを見て

 

 刃「僕は人間なので共食いはしませんよ!!」

 

 響子「でもあんたあのでかいの跳ね返したし、炎がでたじゃん!!」

 

 刃「僕は特異体質で鍛えてますから!」

 

 萌香「やっぱそれで済ますんだ…」

 

 響子「嘘だ!!」

 

 刃「まあ思うだろうけど‥」

 

 苦笑いをしていた萌香さんが響子さんの方を

 

 萌香「響子さんあの鏡の所まで走れますか?」

 

 と一点を見つめながら言うと

 

 響子「なっ…何で!?嫌よ!行ったら捕まるじゃない!?それに私あなたの事を信じてないし…」

 

 と響子さんは叫んだが、萌香さんは

 

 萌香「…でもつくねの事なら信じてますよね?私は妖だけどつくねのこと心から信じているんですだからここは彼を信じる者同士ちょっとだけ手を組みましょうよ。」

 

 響子さんは萌香さんの一言に頷くと鏡に乗った妖精らしきものが

 

 妖精「さああんた達あの3人を捕えて!私もう腹ペコなんだから!」

 

 と妖怪達に指示していることからあれをなんとかすればいいと判断した僕は音叉を展開し

 

 刃「萌香さん、貴方の目標はアレだろ?あそこまでの道は僕が作るからその隙に!」

 

 萌香「うん!」

 

 響子「ねえ、あんた何をするの?」

 

 響子さんがそう言うと僕はただ

 

 刃「僕は人間だけど修行で鬼になれるからそれを見せるだけだよ。」

 

 僕は音叉を鳴らし額に持っていき変身さらに輝になって

 

 刃鬼輝「双・烈光剣…はぁ!」

 

 烈光剣を二本つくり、それを左右に大きく振ることで妖精の周りの妖怪を吹き飛ばした。

 

 刃鬼輝「今だお二人さん!走れ!」

 

 萌香「走って響子さん!!後は何とかしますから!!」

 

 二人は手をつなぎ妖精のもとへ走り寄り妖精は

 

 妖精「きゃああああああ!!?何!?何でこっちに突っ込んでくるの私を道連れにするつもり!?」

 

 と叫び多くの妖怪が二人を襲ってきて

 

 刃鬼輝「ハァ~~、ハッハッ!!」

 

 僕も一生懸命烈光で闘うが大きな妖怪相手には効果が薄くあと少しで萌香さん達に襲いかかろうとすると萌香さんの髪が銀色に変わり、妖怪全部が吹っ飛んだが、

 

 裏萌香「なるほど鏡を利用し十字架を外さずに私を覚醒させたか、能力が仇になったな鏡よ…人の本性など無闇に暴くものじゃないってことだ。」

 

 と裏萌香さんはかっこよく決めたが

 

 ガン!

 

 刃鬼「イテテ…僕も巻き込むなよ!!おかげで輝が解除されたわ!!」

 

 ついでに蹴飛ばされた僕が体に着いた土を落とすと遅れて月音君も来たがこの事件はまだ続くのであった。


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