僕が朝日課のジョギングをしに外にでるとジョギングをしていた月音君にばったりと出会った。
ジンキ「よう、月音君」
月音「あっ、刃君おはよう」
僕達は横に並び走りながら話した。
ジンキ「月音君最近はどうだい?」
月音「だいぶ体力はついてきたかな?でもこれから先何かあるのかわからないからね。もっと鍛えないとね。」
ジンキ「そうか…そろそろ実践向きの鬼の体術でも教えようか?」
月音「え!?本当?助かるよ!」
ジンキ「まあ、本格的には教えると鬼になるかもしれないから軽くだけど、この先にある公園に行くかい?」
月音「お願いするよ…あれ?でもここから一番近い公園って…」
ジンキ「善は急げじゃああああ!!」
月音「ちょっとジンキ君体格の割には足速い!?!?」
僕と月音君は公園に向かい、僕は月音君に軽く力の受け流し方、拳の握り方、人体の急所を教え軽く手合わせをした後、僕達は立花に向かうと立花の前で理事長の側近の人が立っていた…黒服姿で
ジンキ「あれ?黒服の方がどうしてここに?」
月音「ジンキ君の仕事の連絡かも?とりあえず声をかけてみたら?」
僕達は近づき、
ジンキ「どうしたのですか?立花の前に仁王立ちして」
僕の声に反応した黒服の人は僕の方を見て、
黒服の佐藤「あ、ジンキさん実は今日一日の間預かって欲しいものがありまして…」
ジンキ「僕に預かって欲しいもの?なんだろ?」
佐藤さんは僕に封筒を渡すと原付に跨がり、去っていった…黒服に原付…似合わねえ!!
月音「とりあえず中に入ってから確認したらどう?」
ジンキ「そ、そうだね…入ろうか。」
僕達は立花の中に入り、奥の部屋に行って封筒を開けると中から鏡と…
リリス「あ~やっとついた~」
妖精さんが出てきて、僕はすぐにダンボール箱を用意して月音君がすぐに鏡ごとダンボール箱に投げ入れ、二人がかりで箱に縄で縛った(この間わずか2,5秒!!)
すると箱の中から
リリス「ちょっと何もしないし、理事長からの伝言があるから出してよ~」
その一言で恐る恐る箱を開けるとリリスさんがフラフラと鏡を持ちながら出てきてちゃぶ台の上に鏡を置いてその横に座ると背伸びをしながら、
リリス「全く、休暇のつもりで来たのにこの扱いは酷いじゃない!」
ジンキ「ああすいません、この前の事(学園祭の時)があったので体が勝手に行動をとってしまいました。とりあえず黍団子食べる?」
リリス「まあ、それならしょうがないわね。それと黍団子は美味しくなかったら許さないよ!」
ジンキ「黍団子は理事長も大好きで立花の売り上げの八割は黍団子なんだよ。」
月音「え!?それ凄くない?」
ジンキ「まあ八割と言うのは嘘で、本当は六割で残りは年末年始の餅とか猛士の仕事の報酬が占めているけど」
月音「それでも半分以上なんだね……」
ジンキ「まあね!一番消費される日なんか朝早くから鬼全員で黍団子作ってもギリギリだったからね~~」
月音「ジンキ君やザンキ先生たちが一日中黍団子を作る光景……なんか怖いよ!?」
僕達は朝ご飯を食べて、リリスさんは黍団子を夢中に食べていると朝の運動を終えた父さんが入ってきた。
エイキ「おっ、青野少年来ていたのか。」
月音「お邪魔しています。」
エイキ「どうだ?立花の朝ご飯は美味いだろ!それにそこの妖精もそんなにがっつくと喉に詰まらせてお茶をは妖精ってなるぞ?ハッハッハッ」
ジンキ「おっ新ネタですか!よく考えたね。」
月音「あはははは…(学園にいたときとは全然違うこっちが素なのかな?)」
月音君が苦笑いしているとリリスさんが話しかけてきた。
リリス「黍団子おいしかった!けどジンキはこれから何をするの?」
ジンキ「僕はこれから4日くらい鼓の練習をしに、同い年の鬼の方と一緒に山寺に行くけど来る?」
リリス「行きたい!」
ジンキ「はいは~い、それじゃあ今から準備してくるからお茶でも一服してください。それと月音君」
月音「ん?どうしたの?」
ジンキ「君の修行もするから30秒で準備しな!!」
エイキ「因みに君の親の許可は取ってある!!」
月音「えええええええええ!?無理だって!!ここから家まで30秒で戻れないよ!!」
ジンキ「30秒は嘘で後二時間は余裕があるよ。」
月音「わかったけどいいの?ジンキ君の修行の邪魔になると思うよ?」
ジンキ「別に問題ないよ。今回の修行には菅の鬼に鼓の事を教えることもあるから。それに肉弾戦も鍛えなきゃいけないからね。」
月音「そ、それなら参加させてもらうよ。」
ジンキ「おうっ参加しちゃいなYO!」
月音君は急いで家に戻って行き、僕も荷物と改良を加えた雷光と烈光を取りに部屋に戻った。真・光震天は今回の修行の間みどりさんがデータを収集して改修するそうです。あと雷光も刀を外し、単体でできるようになったけど小暮さんが
小暮「ふむ、これでジンキ用の“あれ”ができるな。」
とか言っていたけどなんだろうもう一振り作るのかな?僕は荷物を持ち月音君と合流した後、ミツキさんとキョウキさんと合流して陽海学園のバスで修行する寺へと向かった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ジンキ君は寺につくと同時に上の服を脱ぎ、烈光を持ち、大きな太鼓の前に立つと烈光の先を天に向け大きく息を吸うと
ジンキ「はっ!」
と言いながら太鼓を叩いた。軽快なリズムで叩いていくと、起動されているディスクアニマルとリリスは太鼓の周りに集まり、リズムに合わせて回ったり踊ったりしていた。しかし俺はジンキ君の体中の傷、特に背中にある大きな×の字の傷が気になったその時、バスの中でミツキと言った男の方とキョウキと言った女の子が俺のそばに立ち、
ミツキ「あの傷が気になるのですか?」
月音「あ、まあ…はい」
キョウキ「あたい達、鬼は魔化魍と命を懸けて闘うから体に生傷は絶えないけど…」
月音「でも、ジンキ君の背中の傷は結構古そうですね…」
ミツキ「前に聞いた話ですが、ジンキ君は二回目の変身から生身で鬼の術が使え、鬼に変身しなくても闘っていたそうです。」
キョウキ「しかもあれは刀のような切り傷だね…あたいはあまり知らないから詳しく話せないけど」
すると背後から
ザンキ「俺はあの傷ができた時の事を話せるぞ、」
財津原先生がにゅっと現れた。
ミツキ「うわあ!?」
キョウキ「ひい!?」
月音「財津原先生!?」
ザンキ「今はザンキだ。青野…詳しい話を聞きたかt「ミツキさん、練習するぞ!!ってザンキさん!?」ああ、ジンキ俺には気にせず修行をやってくれ。」
ジンキ「はい!それじゃミツキ君服脱ごうか!!」
ミツキ「え!?」
僕がミツキさんの方を見ると
ジ・キ「「そおい!!」」
バリバリバリバリ!
ミツキ「うわああああ!?」
ミツキさんがキョウキさんとジンキ君に上の服を裂かれ太鼓のバチを持たせて太鼓の所に引っ張られていった。すると財津原先生…ザンキ先生は僕とキョウキさんを連れて縁側に座ると
ザンキ「まずこの話をする前に俺には胸に大きな傷がある昔魔化魍と闘った時についた傷だ。今は瑠妃のおかげで傷口が残った程度に収まって何の問題もなかったが、少し前まで鬼になることさえ禁止するように医者に言われていた。」
と言って服の前を開けると胸の真ん中に傷があった。ザンキ先生は服を元に戻すと話し始めた。
ザンキ「あのころは魔化魍が大量に発生していて、アマキ等が鬼になっていないから人手も不足していた。俺の弟子のトドロキが大けがを負い入院してしまい、急遽怪我で引退していた俺が再び鬼になって闘うことになった。まだ小学生だったジンキは復活したばかりの俺のサポート役だった。」
~回想~
俺はジンキが鬼の名前を持つ前だったから刃と共に行動することが多かった。ある日魔化魍がでて俺とイブキ、ヒビキと刃でその場所へ行くと大量の魔化魍がいた。刃は身を隠し、俺達は変身して闘った。闘っているうちに他の二人とはぐれ…
斬鬼「はあ!!」
コダマ「ギエエ!?」
ヨブコ「ギャア!?」
俺は魔化魍を数体まとめて地面に叩きつけた俺は烈斬を突き刺し、
斬鬼「音撃斬「雷電斬震」!!」
音撃を決め次の魔化魍を倒そうと立ち上がった際胸の古傷に激痛が走り、
斬鬼「グッ!」
俺が胸を抑え膝をついた。この隙を見逃す魔化魍ではなく
バケネコ「フシャアアア!!」
バケネコが4体、飛びかかろうとしたが
刃「斬鬼さん危ない!!皆行って!」
光鷲「ピィ!」
茜鷹「キュイ!!」
刃が鬼爪をだし、二体のバケネコの顔にひっかき残りはディスクアニマルが落とし、
刃「鬼火い!!」
刃は鬼火を吐きバケネコは顔を抑え、ディスクアニマルによって一か所に固まり倒れこむと
刃「今です。斬鬼さん」
刃の一声で俺は立ち上がりバケネコに烈斬を突き刺し
斬鬼「クッ!…音撃斬「雷電斬震」!!」
再び音撃を決めバケネコを倒すと俺は烈斬を杖代わりに立ち上がり刃の方を見た。
刃「斬鬼さん、大丈夫ですか!?」
斬鬼「ああ、すまない助かった。」
俺がそういうと刃は笑顔をうかべこっちに走り寄って来ようとした時、上から刃の背後に何かが降りてきて、
ザシュッ!
刃「え?」
斬られた刃は倒れ、俺は斬った相手を見た。それはコダマで手に持っていた双剣の先端には刃の血がついていた。
斬鬼「貴様アアアアアアアアアアアアア!!」
~回想終了~
ザンキ「というわけでヒビキがコダマを倒した後、刃を急いで病院に連れて行ったが傷は刃が少し大股で移動していたこともあって一命は取り留めたが、コダマの剣は斬るというより肉を削ぐみたいな感じでな。鬼の肉体なら問題ないがジンキは生身で食らったから今も残っているんだ。」
月音「そ、そんなことが…」
ザンキ「ジンキは仲間にはできるだけそういうことは話したくないんだよ…瑠妃は一緒に風呂を入った時にばれて数日後話したそうだ。」
キョウキ「まあ、あたいだってそんな話が合ったらホイホイ話せないしな。」
一瞬僕達の周りの空気が重くなったのを感じたが、
ザンキ「そしてこの話には続きがあってだな、刃は暫くの間入院することになったのだが…刃はいつも病室を抜け出しては上半身の鍛錬とかトドロキの武器を磨いたり、トドロキのリハビリの手伝いをしてな…医者からは本当に「彼は本当に怪我人か!?元気があり余っていて体育会系の看護師でも手におえん!!」と言われる始末でなおかげでトドロキも負けてはいられないと頑張って鬼に復帰したこともあって怒るに怒れなかったが…エイキは泣きじゃくってたけど。」
ザンキさんの話を聞いて俺達はジンキ君のはっちゃけぶりに思わず
キョウキ「ジンキって…バカジャネーノ?(超棒読み)」
月音「ええええええええ!?」
ザンキ「しかも傷口もふさがっていない時に行動していたから毎日包帯を5回くらい変えて退院初日のごはんのジンキのところが生レバー山盛りだけだったのは懐かしい思い出だ…。」
ザンキ先生がどこか遠くを見つめるように空を見上げると
ジンキ「月音君どうかしたの?」
ミツキ「ば、馬鹿な…う、腕が…上がらないだとぉ!?」
リリス「フィーバー!!」
さわやかな顔で言うジンキ君と腕をぶらぶらさせながら驚いているミツキさんと、狼型のディスクアニマルに乗ってどこかのフランスの一日3時間しか寝ない人みたいなポーズを取っているリリスが来た。
月音「ザンキ先生が少し昔話をしてくれただけだよ。」
ジンキ「そうですか、さてミツキさんには休憩がいるけど今から月音君の特訓を始めるよ!!」
月音「ええええ!?ジンキ君は大丈夫なの!?」
ジンキ「うん、僕は少し水分補給したから大丈夫だし、鍛えてますかr「オ~~イ皆ああ差し入れ持ってッス!」その前に腹ごしらえしますか?」
ジンキ君が声の方を見て、少し遅れて俺達もジンキさんの方を見ると鳥居の所に瑠妃さんと大きく手を振っているトドロキさん(ザンキ先生からこの前教えてもらった)が立っていた。
キョウキ「おお!!あたい腹が減っていたんだよ!」
ミツキ「いや、キョウキさん何もしてな「ああ?」…すいませんでした。」
ジンキ「ミツキさん飯食えるか?あ~んしようか…月音君が」
ミツキ「ええなんとか大丈夫です…なのでいりません。」
月音「しかもなんで俺!?」
俺達が差し入れをもらいに車の元へ行くとジンキ君はトドロキさんに話しかけた。
ジンキ「トドロキさん、バケガニはどうでした?」
トドロキ「ええ鍛えているから大丈夫だったッス!!これ差し入れのおむすびッス!!」
ジンキ「おっトドロキさんの特大おむすびがありがとうございます」
ジンキ君は差し入れを手に取ると、リリスがジンキ君の肩に止まると
リリス「ねえ私にも頂戴!踊ったらおなか減っちゃった。」
ジンキ「そうですか特訓は聞いてどうでしたか?」
リリス「やっぱりジンキは鼓をメインにしているから聞いてて楽しかったよ!それにしてもミツキだっけ?腰がひけてたよ!だからジンキより音が響いてない!!」
ミツキ「う…善処します……。」
ジンキ「まあ、ミツキさんは菅の鬼ですからしょうがない。」
ジンキ君達が話しているとトドロキさんはリリスさんを見て固まり
トドロキ「よ、妖精さん‥‥?」
瑠妃「いえ、付喪神ですよ。」
瑠妃さんがそうツッコミを入れたが、聞いていなく
トドロキ「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!本物の妖精初めて見たッスうううううううううううううう!!」
リリス「ちょっと怖いって!!」
ジンキ「トドロキさん、落ち着いて!!」
トドロキ「絵本の中の存在と思っていたけど魔女がいるからもしかしてと思っていたけど・・・これで自分も空を飛べるッス!!」
ザンキ「いや、リリスはティ〇カー・〇ルじゃないから粉もないし空も飛べないぞ!!」
トドロキ「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
トドロキさんはリリスを掴もうと手を伸ばすが、リリスは飛んで逃げジンキ君は変身して暴れるトドロキさんを羽交い絞めにして俺達とは距離を開けると
刃鬼「瑠妃さん、後は頼んだ。ザンキさん月音君に軽~く体術でも教えてあげてください。」
瑠妃「は、はい!」
ザンキ「引き受けた…軽くだな。」
瑠妃さんとザンキ先生が返事をすると刃鬼君の身体が光りだし、
刃鬼「トドロキさん一緒に空を飛びますか…刃鬼ぃい…」
トドロキ「はっ!え?え?刃鬼君ちょっt」
刃鬼「ダイナマイトオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
刃鬼君が叫ぶと、チュドーンと大きな爆発が起き二人は吹っ飛び
刃鬼「へぶっ!?」
トドロキ「グフッ!?」
二人は地面に叩きつけられジンキ君は変身が解けて裸になった(うつ伏せになっていたため、象さんは見えてない)。瑠妃さんは大きめの布をかけてジンキ君を魔法を使いながら寺野離れに移動させるのを見送ると背後に殺気を感じ
ポン×2
ザンキ「さて月音…」
キョウキ「腹ごしらえも済んだから」
ザ・キ「「少し殺るか?」」
月音「え?え?なんでキョウキさんはメリケンを付けるのですか?ザンキ先生もなんで烈斬を構えるのですか!?」
キョウキ「いや、短期間で強くするには…」
ザンキ「まず恐怖に対する耐性をつけなくてはいけない。」
ミツキ「というわけでまずは本気の攻撃を避ける練習ですね。」
月音「ええええええええええええええええええええええええええええ!?!?」
この後俺の特訓が始まったが一言で言うと地獄以上の何かだった。それと翌朝瑠妃さんの顔がツヤツヤしていた。聞こうとしたらザンキ先生に止められ
ザンキ「青野…鼻血を噴出し貧血になる事になっても良いのか?」
と言われ止めた…何ヤッたんだろう?
ジンキ「ナ、ナニをさ……」
今回の猛士報告
月音君、いつも似たような感じを……
byジンキ
ヒビキ「あれ?なんか元気がないぞ?」
香須美「う~んアレかしら?(チラッ)」
日菜佳「ですよね~~(チラッ)」
瑠妃「~~♪(ツヤツヤ)」
みどり「一体何ラウンドやったのよ…あのジンキの方がバテるくらいって…(ジンキは純粋な腕力や筋力だけならヒビキ君を少し超えるよ。)」
本日の金言「ジンキ頑張れ!!」
ジンキ「こ、腰が…頑張りすぎた。イテテ……」
リリス「あ、あと理事長からカップルでも部屋は別々だって」
ジンキ「まじか!?…はあ、みぞれさんが入ってこないように罠でも作るか。」