ロザリオとバンパイア ~刃の音撃戦士~   作:オンドゥルッフ

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第五の巻「公安を倒しても構わんのだろう・・・あっ、駄目?:前編」

 どうも、飴は口に入れた瞬間噛み潰す松坂刃です!!ぐっすり寝て回復をした松坂刃です。今僕は何故か・・・

 

 公安1「おい、何無視しているんだ!!」

 

 公安2「貴様ッ・・・我ら公安を馬鹿にしているのか!!」

 

 何故か公安の人たちに囲まれていた。確か今朝、新聞部の新聞を配っている時に公安の九曜と言う人を始めとした人達(妖怪達?)に絡まれて机を蹴ろうとしたときにその足を片手に受け止め、

 

 刃「自分達は理事長に校内新聞を配る事に関する許可を貰っています。(ハッタリではないよ)それなのに攻撃行為を行うという事はあなた方は何か新聞部に載せられてはいけない事をしていたもしくは今もしていると言う解釈で宜しいでしょうか九曜先輩?それとも他にも校長先生他の教師陣からも許可が必要でしょうか?」

 

 と言いながら足を掴んでいる手に力をこめながら言うとその時は舌打ちをして、

 

 九曜「まあいい、新聞の記事は直ぐに処分しろ!!」

 

 と言いながら去っていった。その後銀影先輩にカンカンに叱られたけどね・・・それから休み時間のたびに公安の下っ端がきては僕を連行しようとしてその度に逃げてきたのだけど放課後で僕は理事長に呼び出されていて(内容は不明)、向かう途中に見つかったわけである。

 

 刃「(逃げるにしても、今回ばかりは理事長が待っているから厳しいしディスクアニマルの巨大化でも公安に切欠を与えるから…アッ!今月音君達が公安のやつと闘っているかも!え~とゴミ焼却所は…確か向こうだったな)」

 

 僕がこう考えていると公安の人たちは殴りかかり、僕はそれを飛んで避け、

 

 刃「あ~ばよっとっつあん達!!」

 

 とルパン○世みたいなセリフを言いながらゴミ焼却所に向けて走っていった。勿論追いかけてくるが、

 

 公安3「なんだアイツ早いぞ!!」

 

 公安4「スキップのクセにはええ!?」

 

 刃「君達に足りないもの!それは情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ性格そして何より~~~早さが足りない!!」

 

 公安1「またしても公安を馬鹿にしやがって~~~!!」

 

 公安2「あっごめん、私足吊った!!」

 

 まあ、今まではぶっちぎって逃げていたけど今回はおびき寄せるためだからね~僕が気をつけることは公安たちを話しすぎない事と喧嘩する際に鬼闘術と鬼幻術を使わないようにする事の二つである。それと公安2、大丈夫か?足吊るのは痛いからね~僕も転生する前はよく朝起きると両足吊ったからね~今は鍛えまくったから大丈夫だけど。

 

 すると目の前にゴミ焼却所が見え、丁度月音君が蜘蛛女に斬られていたところであった。

 

 少しして萌香さんのロザリオが外れ、萌香さんから裏萌香さんに代わる瞬間僕は後ろから来た公安の一人の服を掴み、蜘蛛女に投げ飛ばした。

 

 公安1「ギャブッ!?」

 

 蜘蛛女「何事!?」

 

 蜘蛛女はこっちを向く前に右手に公安3、左手に公安4を装備じゃなくて持つと

 

 刃「おまけだあああああああああ!!」

 

 投げ飛ばした。しかも蜘蛛女の糸に引っ付くように投げて公安2にはとりあえずストレッチ方法を書いた紙を渡し(女の子を投げ飛ばすのはちょっと無理)気絶させてから、月音君を抱きかかえている裏萌香さんの横に行った。

 

 刃「月音さんは大丈夫ですか?」

 

 裏萌香「ああ、なんとか大丈夫だ。お前が思っているより傷は浅いぞ。」

 

 刃「そうですかそれを聞いて安心しましたが・・・許せませんな。僕の友達をこんな目に合わすとは・・・ね。」

 

 

 すると蜘蛛女と公安のやつらは裏萌香さんの腕についた人を引っ張るが最初は少しだけ裏萌香さんが動いたが、僕が掴むとビンと糸は張って公安の奴らは慌てて

 

 蜘蛛女「まっ待って…!わ、私達が悪かったわ」

 

 公安1「これ以上我ら公安に手を上げれば貴様達もただではすまないぞ!!」

 

 公安3「だから今回はここまでにしてー…」

 

 と言っていたが

 

 刃「萌香さんはあの蜘蛛女を頼む!僕は残りを片付ける!!」

 

 僕は萌香さんにそう言うと公安の人達に向かい

 

 刃「ついでに君達に一つ教えよう…力を使う者は必ず相手からやられる可能性がある事を前提に力を使え!!そうしないと…こうなる!萌香さん合わせて!」

 

 僕がそういうと糸を思いっきり引っ張ると公安たちは宙を飛んでくる。

 

 刃「震えるぞハート!」

 

 裏萌香「私も言うのか…も、燃え尽きるほどヒート……」

 

 刃「そして刻むぞ血液のビートぉぉぉ!!」

 

 飛んできた奴らに裏萌香さんは蹴りを、僕は拳で殴った。

 

 刃「双鬼緑の波紋疾走(ダブルオーガグリーンオーバードライブ)!!」

 

 公安の奴らを吹っ飛ばすと裏萌香さんは

 

 裏萌香「ふん、私に手を出せばお前らがたたじゃ済まないんだ。身の程を知れ。後刃何故緑?」

 

 刃「いや~~とりあえず制服の色で…今度ジューズとケーキおごるからそれで許してください」

 

 と気絶している公安の奴らに言うと僕に向かい、

 

 裏萌香「チッ…月音を保健室まで運ぶぞ、」

 

 刃「はい!それでは月音君、ちょっと失礼。」

 

 僕は月音君を担ぎ上げ、裏萌香さんを先頭に保健室に向かって歩いていった。

 

 ~その日の夜~

 

 月音「いてて…」

 

 刃「月音君大丈夫か?」

 

 僕は月音君の部屋で月音君の包帯を巻いていた。何故かと言うと月音君が風呂に入り包帯を替えたいが、背中を切られているのでやりにくく、その時切り傷に良く効く薬を持ってきた僕を発見して(因みに窓から侵入)、包帯を巻くのを手伝う事になった。この時公安の事を聞いた。

 

 刃「しかし、明日も公安のやつが来るかもね。」

 

 月音「怖いこと言わないでくれよ!!」

 

 刃「ああ、すまない。まあ、また来ても返り討ちにしてやるけどね。」

 

 月音「刃君は逞しいね。そういえば刃君、」

 

 刃「なんだい?」

 

 月音「どうして刃君は新聞部に入ったの?君なら体育会系の部活に入った方が活躍できるのに、」

 

 刃「う~ん確かにそれはそうだけど、僕は少し人には言えない事情があっていつも忙しいような部活には入れないんだ。もし入ったとしてもほとんど部活には参加できないかもしれないし。」

 

 僕がそういうと月音君は大変なんだねと言うと話の内容を替えてきた。

 

 月音「そういえば刃君は刃鬼って人知っているかい?」

 

 僕は少しビックリしたが直ぐに持ち直し

 

 刃「いや、噂程度でしか知らないよ。で、その鬼がどうかしたの?」

 

 月音「いや、今まで僕は刃鬼さんに助けられてきたからそのお礼もしたいし、この前の水泳部騒動で人気もあるから銀影先輩がインタビューしてみたいって言っていたけど同じ鬼の刃君なら何か知っているかなと思って、」

 

 刃「いや全く知らないよ(嘘ついて御免!本人です!!)。すまないね力になれなくて。」

 

 月音「謝るほどじゃないよ・・・包帯ありがとう。」

 

 刃「ああ、明日も気をつけろよ!あばよ!!」

 

 と言いながら僕は窓に向かうと月音君は慌てて

 

 月音「ちょっと!!扉から出ていったら!?」

 

 と扉に指をさすが僕は今素足だし、ここの扉油が切れていて開けるたびにギギギギというから近所迷惑になるけど、

 

 刃「大丈夫だよだって僕鍛えていますから!じゃあね、シュ!!」

 

 と月音君が叫んでいる中部屋に戻った・・・・あっ、理事長の所に行くの忘れていた!!

 

 ~翌日(ヘイドインヘブン!!時は加速する!!)~

 

 理事長「で、なにか理由は?」

 

 刃「いえ、公安に追われていたとはいえ、忘れていてスイマセンでした!!」

 

 僕は翌日に理事長室に急いで行き、理事長に土下座をしましたが…理事長がかなり怒ってらっしゃる・・・あれ?なんか日本語がおかしいような?

 

 理事長「今のこの状況で君は一体何を考えているのかな?」

 

 刃「イエ、マリモ!!そういえば理事長昨日何故僕を呼んだのですか?昨日は何もしてないはずですよね?」

 

 と土下座から顔を上げながら言うと理事長は湯飲みを出し、

 

 理事長「まあ、それはお茶を入れてくれてからでいいかね?」

 

 僕は鬼火でお湯を沸かし、お茶を入れてそれを理事長に渡すと理事長は一口飲み、

 

 理事長「昨日君が交戦した公安の事だ。」

 

 僕は「公安」の一言に理事長を見ると

 

 理事長「今の公安には昔の公安にあったものがなく、悪い事しか私の耳には入らず過去に私が直筆で彼らに解散するようにもしたが、それも聞かなかった。しかも最悪な事に何者かが公安に青野月音が“人間”である事を漏らしたという噂も聞いた。」

 

 僕は転生者で月音君が人間である事は知っていた・・・しかし、この世界はあくまでロザリオとバンパイアと仮面ライダー響鬼に近い世界で本来なら死んでいるはずの斬鬼さんが今も生きている。

 

 これは良いことなのかも知れないが、裏を返せば原作にはなかった悪い事も起きる可能性がないわけでもないことを僕は今まで思っていた。本当は今すぐにでも助けに行きたい。

 

 そんな僕の顔を見て、理事長はこう言った。

 

 理事長「君達の猛士と私達には契約があり、そこには学園の事に刃鬼君、君をそれらの事に巻き込ませないと言う内容がある。だから君はこれ以上今回の事に首を突っ込む事を禁じる。」

 

と言った。僕はその言葉に叫びに近い声を出しながら

 

 刃「そ、そんななら月音君に死ねと言うのですか!?確かに彼は自分と違いうっかりこの学園に入学してきました。だが、自分にやっと出来た同世代の友達、しかも公安は他の新聞部のみんなも殺そうとするかも知れないのですよ!!」

 

 理事長「しかし君には音撃戦士という立場があり、猛士でもかなりの活躍をしているそんな君を失う訳にはいかないだろ?」

 

理事長は僕にそう言ったが、僕は理事長に背を向けて、

 

 刃「自分は友達を守れない奴に他の人と妖怪を守る資格・・・いや、鬼の力を借りてはならないとは思っています。理事長、僕は例えあなたに殺されかけても友達を守るために闘いますよ。例えそれが猛士の皆の教えに背いたとしても!!鬼になれなくても行きます!!」

 

 僕がそう言うと背後から誰かが僕の肩に手を置いた。僕は身構えながら後ろを振り向くと、

 

プニッ

 

 指でつつかれ、その人の顔を見ると…

 

 エイキ「よっ、刃鬼。」

 

 エイキ父さんが立っていた…Why?

 

 刃「な、なんで父さんがここに!?」

 

 理事長「私が昨日の夜に響鬼君に頼んで来てもらったのだよ。」

 

 僕は驚いていると

 

 エイキ刃鬼、少し頭の位置を俺の肩よりも下に下げてくれ。」

 

 刃「何故ですか父さん?「まあいいからいいから」…はぁ」

 

 僕は鋭鬼父さんに言われたように頭を下げると、

 

 ぽんっ

 

 エイキ父さんは僕の頭に手を乗せ撫で始めた。

 

 刃「と、父さん?何を?」

 

 エイキ「いや、俺の所に養子にきた頃と比べると立派になったな、って思ったからだ。それに遂にお前にも猛士の他にも守る人達を見つけたからな。お前はこれからもっと強くなると思うと嬉しいなって、」

 

 刃「でも、僕は猛士の契約を一方的に背くのですよ?」

 

 理事長「ああ、実はあれの後に君が望んでいく場合は除くと書いてあるが君の覚悟を聞きたかったから敢えてそこを言わなかったのだよ。」

 

 エイキ「俺はもしお前がさっきの理事長の話にあっさり了承した時に怒る予定なわけだ。」

 

 刃「なるほど…父さん、そろそろ頭を撫でなくてもいいのでは?「嫌だったか?」…いや、今空気椅子をしている状態なので腰が痛くなってきました。」

 

 エイキ「ああ、すまんな。(もうちょい撫でたかったな…)」

 

 父さんが手をのけ、まっすぐに立つと理事長が

 

 理事長「そういえば君と私には個人的な契約をしていたが、覚えているかな?」

 

 刃「はい勿論覚えています。人とかを殺すみたいな事以外なら手伝いますとは、」

 

 理事長「では早速その依頼だが、君は新聞部の部員を助け公安の攻撃から部員達を守ってあげなさい。」

 

 刃「はい、それと理事長、「なんだね?」守るのもいいですが公安を潰しても構わないのでしょう?」

 

 と僕は赤い服の英霊風に言うと理事長はあっさりと

 

 理事長「駄目に決まっているでしょう。」

 

 その一言に僕は

 

 刃「ですよね。「懲らしめてやるのは許可するが」…僕の言ったのと変わらないような気がするのは気のせいでしょうか?」

 

 理事長「気のせいだ。それよりも急がなくていいのかい?ついさきほど月音と萌香が公安に連れて行かれたと連絡があったよ。」

 

 刃「!?わかりました。…それと父さん」

 

 エイキ「どうした?」

 

 刃「もし、僕の…刃鬼の正体が月音君達バレたら僕の処分をお願いします。」

 

 エイキ「おい、それはつまり鬼になるのか?」 

 

 刃「今まで目立つのがいやで何回か変身しましたが、今回ばかりは鬼にならないといけないかもしれません・・・では行ってきます!!」

 

 僕はそう言うと扉を開け、理事長室から出て行った。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 俺は部屋からでて行った刃鬼を見ていると理事長さんが俺に話しかけてきた。

 

 理事長「確か鋭鬼君だっけ?」

 

 エイキ「はい、どうしたのですか?」

 

 理事長「刃鬼君は鬼の正体がバレると何かしらの罰があるようだが、どうしてなのかね?」

 

 鋭鬼「まあ、昔、響鬼が一人の少年に正体がバレた時がありましてその時立花の皆に怒られていましたから響鬼達と比べると未熟者のあいつは響鬼よりキツい罰があるのかと思っているのではないかな…?」

 

 理事長「なるほど、では仮に刃鬼君が松坂刃という事がばれてしまったらどうなるのかね?」

 

 エイキ「う~ん、鬼の正体ばれることは実は大した事はないのですよね。弟子になる鬼と師匠の鬼の最初の出会いは大体がうっかり正体が見られた事が多いからな。」

 

 理事長「更にここは妖怪の学園だからね。別にばれてもなんともない筈だ。」

 

 鋭鬼「あっでも刃鬼は先生方に魔化魍の情報と一緒に戦鬼の情報も渡しているかも。」

 

 理事長「いや、前に私が戦鬼の情報は流さないようにしておいたから大丈夫だ。」

 

 エイキ「…もしかして刃鬼のさっきの覚悟はあまり意味がなかった?」

 

 理事長「そうかもしれないが…彼は少しばかりおっちょこちょいというのかもしれないね。」

 

 エイキ「?確かにそうですが、どうかしましたか?」

 

 俺は首を傾げながら言うと理事長さんは一枚の地図を持ち、

 

 理事長「公安の建物までの地図を渡し損ねた。」

 

 エイキ「あ…まあ、俺の息子ですからなんとかしますよ。」

 

 理事長「なんとかするだろう…スマブラでもするか?」

 

 エイキ「おっし、やりましょう!」

 

 刃鬼間に合うのか?

 

 ※因みにその時の刃

 

 刃「公安の本拠地ってどこだっけ?・・・あっ目の前に公安の奴がいるから(肉体言語)聞いてみるか。お~~いそこのモヒカン」

 

 モヒカン「ア~~ン?てめえ俺を誰だと思っている?」

 

 刃「モヒカンヘッドの公安ヒラ会員?そんな事より公安本部はどこにあるの?」

 

 モヒカン「あ~?何するつもりだ?…ああ、我等公安の九曜様にお金を献上するのか?生憎九曜様はまぎこんだ人間を処刑するために忙しいのだ。」

 

 刃「いや、僕はその人間を助けるために九曜をぶっ潰す!そのために場所を教えて頂けないかな?」

 

 モヒカン「は?馬鹿を言うな九曜様に勝とうなんて…」

 

 ドガンッ!(刃がモヒカンの顔のすぐそばの学校の壁に拳で穴を開けた音)

 

 刃「教えてくれないかな?教えないなら…壁コンしたあげようか?」

 

 モヒカン「……ヒャイ……」

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 私達の目の前には信じられない光景があった。一つはついさっきまで月音の息が止まっていたこと、これはモカがバンパイアの血を流し込むことによってなんとかなるかも知れない・・・そしてもう一つが

 

 裏萌香「くっ…」

 

 モカのいつものような力がなく、

 

 九曜「どうした?お前は「力の大妖」ではないのか?」

 

 ロザリオが外れたモカがあの狐に押されていた。すると

 

 裏萌香「月音に血を注ぎ込むことはバンパイアの力の源の血液を大量に相手に与えてしまうため…私の方の力が弱まってしまうことだ。」

 

 そう言いモカは九曜にむかうがモカさんの攻撃は防がれ、九曜の攻撃を避けきれず、

 

 九曜「はっ」

 

 裏萌香「がっ!?」

 

 モカは壁に飛ばされ、今この場で一番強いのは裏のモカでやられているその光景に私は

 

 胡夢「あぁ…モカ…」

 

 そう呟いた、モカが立ち上がろうとすると

 

 九曜「弱いッ妖のくせに人間との友情ゴッコに酔っているからこんなにも弱いのだッわが炎に焼かれてその愚かさを懺悔するがいいッ!!」

 

 と赤い炎が集まっていき、私は「死」を覚悟した。

 

 ???「は~~はっ!!」

 

 その時、私達の後ろから白い炎の弾が二つ飛んできて一つは集まっていく炎を消し、もう一つは九曜をぶっ飛ばした。私達は後ろを見るとそこには

 

 刃「ハァ…ふ~間に合ったか?」

 

 太鼓のバチをもった刃君が立っていた。刃君は月音を見ると血相を変え

 

 刃「月音君!!大丈夫なのですか?」

 

 と慌てていたが紫ちゃんが

 

 紫「確率は低いそうなのですがモカさんが血を注いだので、とりあえずは大丈夫です!!」

 

 その一言に安心した刃君は私達の前に来ると

 

 刃「なら…後は僕が片付けよう…」

 

 と言った。すると銀影先輩は

 

 銀影「阿呆言うな!アイツの種族を何と思っているいるのか!アイツは日本の大妖怪だぞ!お前みたいなただの鬼では勝てんのと「先輩それに一つ訂正を」・・は?」

 

 刃「僕は“ただの”鬼じゃないですよ・・・チョット変わった“戦”う“鬼”ですよ…シュッ!」

 

 と刃君は左手でいつものポーズをすると九曜に向かって走りだし、懐に飛び込むと

 

 刃「はっ!」

 

 右手のバチで叩き、それをふさがれると

 

 刃「ハッ!ふんっ!」

 

 左手のバチで脇を叩き、右回し蹴りを放って飛ばした。それだけで刃の戦闘経験は豊富であることが分かった。

 

 九曜「グッ!?」

 

 九曜が壁に当たるが直ぐに立ち上がり、刃君は制服が焦げている足を見て

 

 刃「あ~やっぱり、“変身”しないとあまり効きませんか。」

 

 とおかしな言った。「変身?変化じゃないの?」と思った私ですが九曜は殺気を飛ばし刃を睨みながら

 

 九曜「ふんっ、どうやら貴様が先に灰になりたいようだな。人間なんぞ庇っていては私のように強くはなれないぞ。」

 

 と九曜は刃君に言うが刃君はやれやれといった顔で片方のバチを腰に戻すとポケットから何かを取り出ながら

 

 刃「あいにくガキ大将の言葉は信じないのでね、それにだ…強さというのは大切な人やものを守るために使うものだ!!」

 

 と九曜を「ガキ大将」と言い、ポケットから取り出したものを展開した。

 

 チャキン

 

 金属の音がしたそれは鬼の顔の音叉みたいなもので

 

 刃「君にかなり弱いが本物の強さを教えてあげるよ。」

 

 それをバチに当てると

 

 リィ――――――・・・

 

 きれいな音が部屋中に鳴り響き、九曜は

 

 九曜「はっ!笑わせるな!灰になれ!!」

 

 さっき月音に大火傷を負わせた技を放とうとするが刃はただ音叉を額に持っていき、少し額にかざすと手を降ろし、

 

 九曜「食らえ、朧・火炎車!貴様も我が力思い知るがいい!」

 

 刃は避けたり防いだりする素振りも見せず、九曜の炎にを受けて、真っ赤に燃えていた。

 

 紫「刃さん!!」

 

 銀影「あの阿呆!何故避けんかったんや!!」

 

 私達は叫び、手ごたえがなかった九曜は

 

 九曜「ハハハハ、やけに大口を叩いた割には簡単に終わったな。」

 

 九曜は刃に向かって笑うが徐々に顔が引きつっていった。なぜなら…

 

 九曜「何故だ!?何故直撃したのにもがき苦しまない!?何故倒れない!!」

 

 攻撃を食らった刃君は燃えているが苦しんでいたりせず火を消すために動いていなく、痛みによる声も出さない。それどころか

 

 ???「ハッハッハッ!…これが君の全力かい?私の先輩の攻撃の方が痛いじゃないか。」

 

 すると真っ赤に燃えている炎が下から白に変わっていき、

 

 ???「ハアアアアアアアアアア・・・」

 

 神々しくも感じる白い炎が半分ほど刃君の体を覆い始めた頃から声が聞こえその時刃君の体に電流が走り、白い炎と電流が体全体を覆うと

 

 ???「アアアアアアアアアアアアアアア…」

 

 刃君は右手を胸の前に持って行き

 

 ???「アアアアア……テリャアアア!!!」

 

 白い炎を払った刃君の姿を見て私達は驚いた。そこにいたのは同級生の松坂刃ではなく…黒い肌に右がアンバランスに伸びた白金色の角そして腰につけた銀色の双剣…

 

 刃鬼「さあて…ショータイムだ!!」

 

 月音や紫ちゃんを助けた刃鬼がいたのだから…。


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