幻想殺しと電脳少女の学園都市生活   作:軍曹(K-6)

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東方神秘の幻想異境 N∴L∴

黄色のベンツSSKが街中を走っていた。

会議の様子はあの部屋に仕掛けた盗聴器から聞こえてくる。それをカーステレオで聞きながら、上条は隣に貴音を乗せて走っていた。

 

「しかし、本当なんですかー? 『騎士派』の連中が第二王女と組んでイギリスを変えようとしてるなんて」

「大雑把な解釈だけど大まかその通りだ」

「けど一体どうやって・・・」

「カーテナ」

「かーてな? ってあのエリザードが振り回してたあの剣ですか?」

「いやいや。あれはセカンドだろ?」

「まさか、原型(オリジン)が!?」

「おそらくな。今あいつ等が話してるだろ? スコットランド地方で何らかの発掘作業って。確証は持てないらしいけどな。だが、俺の眼はごまかされない」

「全てを見透かす全知の眼と謳われる“神々の義眼” ・・・相変わらず情報戦においてはチートな能力ですねぇ」

「そうでもねぇぜ? その場の過去・未来しか見えねぇから不便っちゃ不便なんだぜ?」

「その問題も“透視”や“遠視”の組み合わせで解決するくせに・・・」

「あっはっはっ。違いねぇ」

 

暫く彼らがのんびりドライブをしていると、上条達が走る道路脇の歩道を向かい側から小柄な女の子が走ってきている。

四角いカバンを三つも抱えて。

 

「ええっと、どれです、どれです、これですかっ!? これでしたっ!! くっそー、ちょっと持ち上げて重さを確かめればすぐに分かったのにッ!!」

 

早口の英語が良く分かっていない貴音は上条の顔を見て判断する。『ああ。あいつは敵なんだ』と。

 

「ご主人・・・」

「・・・ん? ああ」

 

上条はすれ違いざまに貴音の眼前に突き出した白銀の銃を発砲し、少女が捨てた四角いカバンを撃ち抜るいた。

その異変に気づいた少女がハッと顔を上げる。

ベンツSSKを一八〇度回転させながら上条は再度銃を数発放つ。

 

「ちょっとやり過ぎでは!?」

「いいや、ちょっとマズそうだ」

 

上条は飛び上がるようにフロントガラスを飛び越え、ボンネットに手をついて前方に転がる。

? と貴音が首をひねった直後。

 

少女が車の側面に滑り込んでいた。

 

「ゑ?」

「文句はないですよね?」

 

少女はその『槍』の鉄のドアに突きつけていた。

ドアごと貫通し、貴音の腹を破るために。

 

「オッ・・・・・・ォォォ? ノォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!?」

 

貴音はインパネを蹴り飛ばし、ベンツSSKの後方―――トランクの方へとっさに跳んだ。

少し離れた所で貴音が顔を上げると、少女がベンツSSKのドアを毟り取っていた。少女はそのままドアを振り回すと、振り下ろす。ただしそれは貴音に向けて、ではない。

ベンツSSKの前方・・・・・・エンジンルームに向けて、だ。

凄まじい轟音と共に、ベンツSSKが爆発した。

 

「ぁぁぁ・・・。SSKちゃん・・・。テメェゆ゛る゛ざん゛!!」

 

上条は車の恨みとばかりにカスール改造銃を少女に向けて乱射する。

少女はカバンを盾にしようとしたが、先ほど撃ち抜かれたカバンを見て、とっさに回避に行動を変えた。

 

「どうやらそのカバンが重要みたいだな」

「・・・ご主人?」

「エネ。あの四角いカバンが最重要アイテムらしいんだけど。ぶっちゃけ女の子ボコボコにするのはどうかと思うからさ。あれを集中砲火しようぜ?」

「いいですとも。あれも霊装の一種だとしたら、ご主人の右手で殴ってみるのも面白そうじゃないですか?」

「よっよくぞこの短時間で私の弱点を見破りましたっ! しかしここでやられる訳にはいかんのです! ベイロープに尻を握り潰されないためにも、ここは戦略的撤退をさせていただきましょう。とォうッ!!」

 

少女のスカートの中から伸びている『尻尾』を振り子のように大きく動かすと、少女は真上に飛んだ。

垂直跳びで三階ぐらいの高さまで上昇すると、ビルの窓を突き破って建物の中へと飛び込んでいく。

 

「にゃろぉ・・・」

 

上条はハイパーモードになると炎を全開にして、先の少女の追跡を開始する。

 

 

 

 

 

 

「ひぃぃぃっ! 何なんですか聞いていませんよ! あんな男の事なんてっ!!」

 

少女は悲鳴に似た叫びを上げながらビルの中を走っていた。先ほどから彼女が行こうとする先に少年が現われる。額に炎を灯し、両手の炎で空を飛ぶ上条が。後ろからは貴音が追ってくる。

二人に挟まれて少女は行動が取れなくなった。

 

「・・・み、見た所、魔術師でもなければイギリス人でもないご様子。あなた様方は何故にこの私を追いかけていますかな? ま、日本人街に住んでる移民だったらごめんなさいだけど、違うよね? 匂いで分かりますもん。あなたはイギリスについて、それほど知っていると思えません」

「あなたが『新たなる光』のメンバーさんですか?」

「大正解。『新たなる光』のレッサーです。第零聖堂区と共闘している事といい、組織の名前を知っている事といい・・・・・・うーん。ただの一般人ならさっさと帰れと忠告したかったんですけど、この状況ってどうなんでしょうねえ」

「さあな。俺は事の成り行きが気になるから戦闘に参加してるだけなんだ。無事に届けられそうか? 第二王女の元へ、カーテナ=オリジナルは」

「・・・・・・。・・・ッ!? な、何であんたがそんなこと知ってるんですか!!」

「あーた、そこは誤魔化せば良い所でしょうが・・・。何あっさりゲロっちゃってくれてるんですか・・・」

「ハッ!」

「気付くだろ。普通・・・」

「別にいいですよ? 開いてくださいよ。そっちの方が楽しそうですし」

「・・・・・・あなた達は一体・・・・・・・・・・・・」

「「暇人さ。長い、長い時を過ごして経験値を積み過ぎた、な」」




SSKちゃんがお亡くなりになりました。

まあ次回当たりには復活してるんでしょうが。もしかしたらアルファロメオかもしれない。
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