幻想殺しと電脳少女の学園都市生活   作:軍曹(K-6)

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彼らの多角的な攻撃 Combination.

低い振動が断続的に続いていた。

地上の攻撃の振動が宙に浮かぶ『ベツレヘムの星』にまで届いているのだろう。

 

「・・・まだ上がってるのか。コイツは」

 

石造りの通路を軽く流しながら、等間隔に並ぶ窓の方に目をやって上条は呟いた。

上条が見つめる窓の外には高度が表示されている。床に目をやれば材質や産地、要らない情報まで表示されている。それもこれも神々の義眼のせいだった。

見たくないなら閉じれば良いだろう。そう誰もが言う。

だが今の上条は違う。

閉じれないのだ。見たくないものも直視しろ。と言わんばかりに神々の義眼は辺りの情報を上条の脳に叩き込んでくる。目を閉じても透視で見えるので、上条はもう気にしない事にした。

 

「これ・・・か? モノレールだな」

「第一の解答ですが、まさか私が走ってここまで来たと?」

「イヤ思っちゃいねーけど、まさか魔術的なものじゃなかったとは・・・」

 

言いながら上条はモノレールに乗り込んだ。

それにサーシャも続く。

 

「しかし現代的な乗り物だねぇー。やっぱり人間は便利な科学に手を伸ばすのかナ?」

「第一の私見ですが、あなたは口調が安定していないようです。大丈夫ですか」

「・・・多分大丈夫。さっきからちらほらと見た事ない景色を見てるんだ。失われたはずの記憶を、世界中から欠片を集めてパズルを完成させるように、ゼロから俺の記憶が作られていってる気がしてならねぇ。思い出せるかも知れねーんだ。貴音との過去も、俺のこの旅の目的も」

「第一の質問ですが、それは良い事なんですか?」

「さあ? だけど、思い出せたらそれは良い事だと思う。何かこう、今までこの世界で作ってきたものが喰い殺される気がしてならないけど・・・」

 

モノレールから見えた景色。

そこに上条は戦場には必ずある物を見つけた。

尻から炎を出して空を飛ぶ、

 

「地対空ミサイル・・・・・・ッ!?」

 

エネが使う“モード『空の女王(ウラヌスクイーン)』。それの永久追尾空対空弾(アルテミス)なら何とかなるのだろうが、生憎彼女はこの場にいない。

 

「・・・死んだな♪」

「第二の解答ですが諦めるのが早すぎでは!?」

「だってどうしようもねーもん」

 

完全に諦めモードの上条達のすぐ側で、爆裂音が炸裂した。

モノレールのガラスがまとめて粉々に砕け散り、車内に突風が入り込んでくる。

 

「うっは♪ ありがとな! 愛してるぜミーシャちゅぁ~ん!」

 

上条が口にしたとおり、ミサイルは直撃していなかった。

大天使ミーシャ=クロイツェフが撃ち落としていたのだった。

そんな彼女(?)は現在、上条達が乗るモノレールに速度を合わせ並走していた。

そうしている間も天使は科学技術の結集であるミサイルを落としていく。

 

が、

 

上条(右手)に気づいた途端。

反射的にその翼を振るってきた。

 

ゴッギィィィィィ!! と、岩と岩をぶつけるような凄まじい音が炸裂した。

 

それはミーシャ=クロイツェフの攻撃ではなかった。

横から割り込んだ何者かが、猛烈な速度で上条の拳のような飛び蹴りを放ち、ミーシャ=クロイツェフを吹き飛ばした音だ。

 

「だっ、第二の質問ですが、一体何が・・・・・・ッ!?」

 

サーシャが呻くような声を出す。

大天使なんてものへ有効打を加えられる存在なんて、上条や貴音みたいなのしか(まともなのが)いない。しかも、ここは高度五〇〇〇メートルを超える高空だ。こんな所までやって来れる事自体、普通の人間じゃ無理なはずだ。

しかし、上条には心当たりがあった。

『聖人』すらも圧倒する、魔術的な天使であるミーシャ=クロイツェフと、こんな所で戦闘を出来そうな存在を。

それは科学によって作られた存在。

AIM拡散力場の集合体。

紫電を撒き散らす、数十の翼を背中から生やしている者。

 

「・・・エ、エイム・・・・・・ッ!?」

 

モノレールの速度によって吹きすさぶ烈風の中、上条はその名を叫ぶ。

 

(あいつ、何でここに・・・・・・ッ!?)

 

上条の疑問は解消される前に目の前から消えた。モノレールが暗いトンネルの中へ突入していたからだ。

 

「・・・・・・チクショウッ!! こうなったらこの大陸ごとあの天使を落としてやる!!」

「だ、第二の質問ですが、一体何をする気ヘブッ!」

 

 

 

 

 

 

エイム。そう上条によって名付けられた科学の天使は、目の前にいる魔術の天使に対して猛烈な殺意を抱いていた。

 

(コイツは・・・止める。生かして動きを止めて、地上を守る!!)

 

天使同士が激突した。

 

 

 

 

 

 

空気が振動し、衝撃波で地が揺れる。そんな空間震とは別に、戦場を荒らす者がいた。

 

その主砲はサーベルのように地を引き裂き、本来発煙目的の煙突から地上にミサイルの雨が降る。

ヤマトとその乗組員は、ある程度地上へ攻撃を加えながらロシアを北上していた。

 

 

 

 

 

 

天使は止まった。

フィアンマの命令を聞かなくなった。いや、動けなくなった。

 

「・・・・・・効いてるみたいだなァ・・・。強制的にあなたの存在を希薄にしますマッサージの開幕だぁぁああああああああああああああああああ!!」

 

上条はヒャッハー☆とか叫びながら儀式場にある直径三センチぐらいの柱を次々と破壊していく。

 

そして。

後方のアックアに力の総量の半分を削り取られ。

上条当麻に存在を支える根幹を破壊され。

学園都市が生み出した最強の超能力者と科学の天使の猛攻を受けたミーシャ=クロイツェフは・・・・・・。

 

 

 

「・・・・・・おっしゃ。ここまで大きくなるとは思わなかったが何とか出来たな」

 

上条は独りごちていた。天使の対応に追われ、フィアンマを探すのを忘れていたのだ。

 

だが、()()()()フィアンマの方からやってきた。

 

壁が破壊され、破壊の渦が飛んできた。フィアンマの右の一撃だ。

上条は自分の意思で対応はしなかった。白夜との戦いと同様、左手が勝手に防いだからだ。

 

「面倒な事をしてくれたな」

「・・・・・・そうか?」

「ああ。おかげで学園都市やイギリスから邪魔が入る前に儀式を執行する必要が出てきた。という訳で、そろそろその右手をいただこうか」

「そう言われてハイそうですかって渡すと思ってんのか馬鹿野郎」

「良い事を教えてやろう。正しい力とは、正しい世界でこそ万全に振るえるものだ」

「・・・違いない。俺も万全じゃないしな!」

 

上条は心底愉しそうに笑う。世界を、人をあざ笑う。

 

「さあ、正しい力の意味を知ってもらおうか」

「じゃあ教えてもらおうか。この俺に、人間の力を」

 




エイムちゃん出すのが久しぶりすぎて口調とか覚えてなかった・・・・・・。後で直そう。
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