幻想殺しと電脳少女の学園都市生活 作:軍曹(K-6)
『ベツレヘムの星』は、こうしている今も降下を続けている。
「とりあえず、北極海に落とすか・・・・・・。近いし」
上条はそんな事を言いながら、連続空間移動を始めた。
▽
ベツレヘムの星が北極海に向かって落ちている事は魔術師達が全員観測した。安全地点、おそらく上条当麻が導き出した被害が最も少ないであろうポイントに向かって。誰も何も口出しできない状況で、ただ見守るしかない状況で、歯がゆい気持ちでいっぱいになる者もいた。
「ちょっと待て・・・。おかしい。何か巨大な・・・・・・天使の力? 何故こんなものが――――――? 何で今更、ミーシャ=クロイツェフが浮上しつつあるんだ!?」
▽
「・・・かー。面倒くさいなぁ・・・。ハァ、俺がやるしかねーんだよな・・・。しょうがねぇ、最後の大仕事と行きますか」
上条は大型上昇用霊装に手を加え自らの意思で、北極海へ向かってくるミーシャ=クロイツェフを阻むように軌道を変える。
「目標捕捉ってかァ!?」
大天使が沿岸から北極海へ到達した。
同時。
「
真上から『ベツレヘムの星』がそのまま落下した。
大陸が壊れていくとか、沈むにつれて海水が流れ込んでくるとか、そんな事何もかも気にせずに上条は底へ、下へ走る。
ただ己の欲求を満たすため。そこにいる強大な何かと対峙するため。
「さぁ、遊ぼうぜ大天使! 地獄の底で、天空の楽園で、現世の中心で、宇宙の闇の中で。素敵なパーティー踊ろうぜ!」
▽
上条当麻が乗り、今もなお北極海に沈んでいくベツレヘムの星を外側から狙う影があった。
その矛先をベツレヘムの星に向けて。
「波動エンジン内出力上昇」
「波動砲への回路開け」
「回路開きます。非常弁全閉鎖。強制注入器作動」
「安全装置解除」
「セーフティ解除。最終セーフティロック解除。ターゲットスコープオープン」
「機関内タキオン粒子圧力上昇。エネルギー充填率一二〇%」
「軸線に乗った」
「波動砲発射スタンバイ。対ショック対閃光防御」
「目標ベツレヘムの星」
ヤマトの艦首にエネルギーが集まり莫大な光量を放つ。
▽
「波動砲、発射!」
「ラストワード。幻爆「
内部からの幻想の破壊と、外側からの質量の破壊が、ベツレヘムの星ごと大天使を消し飛ばし、北極海で爆発を起こした。
一〇月三〇日。
学園都市とイギリス清教。
ローマ正教とロシア成教。
二つの勢力の争いが生み出した第三次世界大戦は終結した。
終戦間際、北極海に落ちた要塞『ベツレヘムの星』の次元波動爆縮放射器による消滅を確認。
沿岸部の各都市で若干の水被害が確認されたが、死者が出るには至らなかった。
北極海に向かっていた大天使ミーシャ=クロイツェフの反応は消失。その存在を支えていた力を失い、ただのエネルギーとなって別の位相へ帰ったものと推測される。同海域で進行していた氷の融解の停止も確認された。
同海域において、生存者の反応はなし。
十字教三大勢力の連合による捜索隊が派遣されたが、水温二度の海水の中から生存者が発見される事はなかった。
上条当麻。
彼は、二度目の『死』を迎える事となる。
イエッス!
これにて旧約は終わりです。
次回から新約・・・といいたい所ですが、まだ新約が集まっていないのでもう少しお待ちください。
その間。幻想郷生活の方を更新していきたいと思います。
もしよろしければそちらも読んでいただきたいです。
一年経たずに終わったな・・・・・・。