幻想殺しと電脳少女の学園都市生活   作:軍曹(K-6)

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法の書

貴音は法の書の原典を読みながら上条に問う。

 

「ご主人。“法の書”における主要三神格とは何でしたっけ」

「ヌイト、ハディート、ラ=ホール=クイト」

「では、第二章第七節でハディートに触れている部分を引用してください」

「これ必要か? 私は魔術師であり祓魔師である。私は車輪の軸であり円環内の立方体である」

「何か分かりません?」

「魔術師とは“幻想”を生み出す者のこと。祓魔師、まあエクソシストか。は“幻想”を破壊する者のこと。そして、その後の文章は“物事や人々の中心”という意味合いを持ってるな。・・・・・・あ、これ俺の右手のことか」

「その通りです。“幻想殺し(イマジンブレイカー)”とは、ここで言う“祓魔師”。ハディートの力の一部です。そしてもう一つ“人々の中心”つまりは人々が周りに集まるということ―――」

「ちょっと待ってくれ。それじゃあまるで上条当麻が法の書における主神みたいじゃないか」

「その可能性が浮上しているんです」

「その理論で行くと、ハディートの配偶神たるヌイトは貴音だな」

「はっ!? えっ!? ご主人!?」

「・・・・・・“血の伴侶”なんだろ?」

「・・・なるほど」

 

上条に耳打ちされ、貴音は納得したように頷いた。

 

「じゃあ第3の神格・ラ=ホール=クイト」

「彼は莫大な力を持ち、ハディートとヌイトが結ばれることによって生まれる―――」

「・・・なんか嫌だな」

「・・・ですね」

「・・・・・・十字教が崩壊するってそういう事だったんだね」

「・・・? インデックス。君は一体」

「とうまの右手。それで神様を殺しちゃおうって、そう書いてあるんだよ。法の書には」

「なんだと?」

「インデックス、ナイス。その理論で行くとハディートとヌイトは俺の父さんと母さんだな。そして俺がラ=ホール=クイトになる」

「・・・・・・とうま、本当に。神殺しをするつもり?」

「そんな馬鹿な。まあ本当に神様なんてものが存在するとしたら、あってこの手で殴ってやりたいとは思うけどね」

「・・・一応聞いておくよ。なんでだ? 君は不幸の元に生まれたようなものじゃないか。神様を殺して、幸運になろうと思うことはないのか?」

「んー・・・・・・。基本的に俺他人に興味がないからさ。別に見ず知らずの人がどうなろうがどうでもいいんだよ。でも、俺の目の前で不幸になられるのは嫌だね。不幸は俺が背負うものだからさ。だからさ、俺は他人の不幸を奪う。幸運を押しつけることはしたくないな」

「なるほど。欲が全くないわけでもないんだな。安心したよ上条当麻」

「なんか変な所で安心されてねーか?」

 

少し場の空気が緩みみんなが微笑ましく笑う。

が、そんな中険しい表情をした少女が居た。

 

(ご主人がハディート。私がヌイトだとして、ラ=ホール=クイトは? ご主人がハディートとして目覚めたのは今から数百年前。そんな中一度もラ=ホール=クイトの存在は確認できていない・・・。いや、まあ。子どもがいないんだから仕方がないですが・・・・・・。いや、待てよ待って待ってください三段活用。誰か一人。子どもがいたような・・・・・・、ご主人から生まれた、恐るべき子どもが・・・・・・。あーっ! 長い間当麻の記憶が戻ってないから何にも分からん! まあ封印した私も悪いんだけど・・・。誰だっけ・・・・・・)

「なあ貴音。法の書が今は全く役に立たないものだと分かった所でだな。そろそろ別の方法をとった方が良いんじゃないだろうか?」

「・・・・・・例えば? どんな?」

「アレだ。虚数学区・五行機関」

「でもあれは学園都市内限定のもので・・・・・・。・・・!」

「気付いたか。アンテナは既に配備されてるんだよ。あとはそこに流してやれば良い」

「・・・ご主人。あなたも悪ですねぇ」

「いやいや」

「・・・何をやろうとしてるかぐらい説明してくれるかな?」

「学園都市の超能力者が無意識に発するのがAIM拡散力場。それが学園都市に充満し、集合体となり、虚数学区・五行機関を造り上げている。そしてその虚数学区は、赤外線や高周波のように、そこにいるのに見る事も聞く事も出来ず、人間とは別位相に存在する、ある種の力の集合体によって構成される生命体です。さて、君達も良く知る物だと思いますが、さて一体なんでしょう?」

「「「「?」」」」

 

皆がそろって首を傾げるが、上条は大して気にした様子もなく。

 

「さ、そろそろこっちが攻撃を仕掛けねェとな。インデックスこれ着けとけ」

「ん? 分かったかも」

 

いそいそと、インデックスは上条から渡された腕輪をはめる。

 

「これは・・・・・・!?」

「分かったみたいだな。それは魔力を誰かから分けてもらう補助機みたいなものだな。それを着けてる間しか使えないのが弱点だけど。まあ、この教会内に魔人を解き放つとしようぜ」

 

そう言いながら上条は、扉の前に立つ。未だにグサグサと風穴が開けられているその扉に開いた右手のひらを向け、左手は背中側に水平になるまで持ち上げる。そこから純度の低い炎。柔の炎を放つ。

そして、右手は純度の高い剛の炎を溜め放つため、右手が輝いている。

 

「柔の炎で支え・・・・・・剛の炎を・・・・・・放つ!!!!」

 

ドゥ!! という音と共に、衝撃波が生まれる。上条の右手から放たれた剛の炎は扉の向こうのシスター達を吹き飛ばし、道を作る。

が、その剛の炎の衝撃で、上条自身の体が後方に吹っ飛んで壁に人型を作っていた。

 

「おぅわ!? 大丈夫ですかご主人!」

「いってー! イテテテテ。柔の炎と剛の炎のバランスがこんなに難しいとは・・・・・・!」

「とうま!」

「行け! ステイル! 天草式! インデックス! 俺は大丈夫だ!!」

「分かった。行くよインデックス」

「分かったんだよ!」

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