幻想殺しと電脳少女の学園都市生活   作:軍曹(K-6)

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思ったより上条の体には疲労が溜まっていたらしい。

半ば腰が抜けるような勢いで大理石の床に腰を下ろした上条はふと、エイムの方を見る。するとそこには、いつも通り微笑む貴音の姿があった。

 

「ん。エイムは?」

「学園都市に戻ってますよ。彼女はまだ世界中に充満できるほどの意志を持っていませんからね。私が補助してあげれば、いつでもどこでもアンテナを通して『界』を出現させれますけど。彼女自身の意志ではそれは不可能なので」

「なるほどね。そうか」

 

そんな上条の元に、インデックスが何かを叫びながら駆け寄ってくる。

 

「とうま、とうま。大丈夫なの!?」

「大丈夫じゃねーのはそっちじゃねーか? インデックス。歩く教会がほつれてる」

「とうまのせいだからね! っていうかさっきの何!?」

「『法の書』に書いてあっただろ。十字教が支配するこの世が終わるっていうヤツ。局所的にこのオルソラ教会の敷地内だけで発現させたんだ」

「どうやって!?」

「そう言えば問題出したよなステイル。答えられ「にゃー。カミやーんっお久しぶりだぜーい!」

「ん? 土御門。何やってんの?」

「何やってんのはこっちのセリフですたい」

「あ・・・・・・そう。あっ! ちょまっ!」

 

そう言った上条の体中から血が流れ出す。インデックスが心配するが、貴音が冷静に

 

「土御門さん。話は後で、病室で聞きます。とりあえず、ご主人を病院に!」

「お。種明かし、期待しているぜい」

 

―――――――

―――――

―――

―――病院

 

「また、この病室か。つくづく縁があるな」

「・・・・・・あ、起きましたか。ご主人」

「おう。おはよう貴音」

「・・・・・・そうですね。とりあえず、土御門さんが来る前に現状の報告です」

「・・・・・・続けて?」

「オルソラ=アクィナス、及び天草式本体はイギリス清教の傘下に入るそうで、多分ローマ正教避けですね」

「なるほどな。内政干渉にならないようにってトコか」

「そうですね。その役割が大きいと思いますよ。ところでご主人―――」

 

貴音の次の言葉を聞く前に、夜明け時だというのに病室のドアがズバーン!! とノックもなしに勢い良く叩き開けられた。

そこにいるのは土御門。大量に汗をかいているが、

 

「カミやん。色々聞きたい事があるんだが、まず始めだにゃー」

「なんだよ」

「青髪に彼女ができているのはどういう事だァァアアア!!」

「今更かよ! 二日ぐらい前から学校中で話題だったぞ!?」

「信じられると思うのか! この目で見るまでは信じられなかったぜよ! あんな、あんな可愛い女の子連れてデレデレしてる青髪を見た瞬間、殺意の波動に目覚めたぜよ」

「あ、そう。俺はそんなに気にならなかったけどなー」

「当たり前だぜい! カミやんには貴音っちって言う可愛い彼女がいるんだからな! 俺は・・・・・・俺は・・・・・・舞夏ですら俺じゃなくてカミやん命なんだぜい!?」

「はぁ? 何言ってんだ?」

「いや、それはこっちのセリフですご主人」

「いつもいつもだぜい。最近良く泊まりに来るから、怪しいと思って台所に盗聴器仕掛けて聞いてみたらカミやんの為に料理を作ってたんだぜい!」

「いや、それは俺があいつの料理の師匠だからで」

「いんやあれは恋する乙女の独り言だぜい! だから土御門さんは悔しいぜよ! 大事な、大事な義妹(いもうと)をっ!」

 

上条は何故か情緒不安定な土御門に呆れたような視線を向ける。

 

「んで? 聞きたい事の他は?」

「それは、貴音っちにだぜい」

「え? 私ですか?」

「そうだぜい。あれはなんだ? 魔術的に作られた教会、シスター服、霊装が崩れていった。あれは何だぜい」

「あれは・・・・・・」

『あれは、新たな「界」の発現に伴う十字教のルールの崩壊・・・・・・』

「誰だぜい!」

 

土御門が病室のそこら中をグルグル見渡しながら言う。すると、貴音の隣にひっそりと立つように、少女が現れる。姿は、先程見たエネと一緒の為・・・・・・。

 

「エイム。お前出て来れるのか?」

『はい。ですが、媒体である榎本貴音様の近くであり、なおかつ学園都市の中でしかこうして出現はできません』

「へー。この人がエイムさんですか」

「だ、誰なんだ?」

「学園都市のAIM拡散力場の集合体。虚数学区・五行機関の総意体。って言ってたぞ」

「つまり・・・・・・天使?」

『魔術用語で言えばそうなります。ですが私はそう言った類の言葉で表現できるものではないと思われます。なぜなら私は、十字教とはまったく違う「科学」によって生み出されたものですから』

「アレイスター=クロウリーの目的・・・・・・」

「ん? 土御門もあった事あるのか、あのバカに」

「相変わらず、人の事をどこでも馬鹿扱いしてくれるな当麻」

「アレイスター!」

「よ、アレイスター。通信機からこんにちはってか?」

 

ホログラムのように透けた体のアレイスターがいつも通り逆さまで病室に浮かぶ。

 

「ふむ。相変わらず成長が早い。もうプランの終わりが見えてしまっている。つまらないな」

「アレイスター」

「ん。土御門か。どうした」

「どうしたもこうしたもないだろう。プランの核になる虚数学区の掌握はもうすんでいるというのか!?」

「そんなはずがないだろう。そこの少女二人はどうせ上条当麻に従うんだからな。私の思い通りに行くはずがないさ」

「カミやん」

「んー。俺は俺のやりたいようにするだけだ。使われる時は使われてやるよ。ただの駒ではいないけどな」

「・・・・・・好きにしろ」

 

そう言ってアレイスターはホログラムごと消えた。

 

「カミやん。悪いな」

「気にするな。魔術に対して最も有効なカードを持ったのは俺と貴音だからな。いいんだよ」

『それではマスター。私はこれで』

「おう。了解」

「じゃあご主人。私達も検診受けて帰りますよ」

「はいはい」

「俺もおさらばさせてもらうぜい」

 

土御門に続いて、上条、貴音が出た病室の窓からは、宇宙にまで伸びるエレベーターが見えていた。

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