幻想殺しと電脳少女の学園都市生活 作:軍曹(K-6)
「いよいよだね! アリサ!」
「うん! インデックスちゃん達が助けてくれたおかげだよ! 今日は私がおごるからなんでも食べて!」
「ほんと!? ウェイトレスさ―――ん!」
「・・・・・・はーい!」
「・・・いやー。カミやんの同棲相手が増えたとは聞いていたが・・・、よりによって
夜の公園で、上条・貴音・土御門の三人は話していた。
「あの子・・・」
「・・・ってことは土御門。お前は知ってるんだな? アリサが狙われる理由」
「相変わらず裏で暗躍しているんですね・・・」
「あの子は「聖人」・・・、もしくはそれと同等の力を持っているとみなされているからです」
「神裂。おま、暗闇から突然出てくるなよ・・・!」
「吃驚するでしょうが・・・!」
「・・・・・・。暫定で第九位、完全に覚醒すれば私を上回る力を持つ可能性も」
「アリサが聖人・・・?」
「ま、あくまで推論。証明も何もされてないけどにゃー」
「ちょ、ちょっと待って下さい。学園都市で能力開発を受けた生徒が魔術を使ったら・・・、土御門みたいに全身から血が吹き出してしまうのでは?」
「そーなるハズなんだけどにゃー」
「今回はそのようなことは起こりませんでした。なぜか・・・それは私にもわかりません。だからこそ監視対象になったと言えます」
「・・・・・・・・・」
「土御門、あなたの見解は?」
「どーだかにゃー。そもそも「聖人」の定義もあいまいだし。ねーちんが色々細かく隅から隅までズズズイーっと調べさせてくれればにゃー?」
「!? じょ冗談じゃありません!」
「まあ、それがなんであれ。学園都市はあの手の資質や能力を解剖学的に解明して将来的には利用したいらしいぜよ。特にあのロリっ子社長はそのプロジェクトの協力者らしい」
「あの子は良いツインテールだったな」
「考えてみ、カミやん貴音っち。科学の力でねーちんみたいなのが切った貼ったで作れる事になったらどーなるか」
「・・・・・・!! 最悪ですね」
「どういう意味です」
「でもって魔術サイドはそれを見過ごすつもりはないというわけだにゃー。科学の総本山で聖なる神の子の写し見が大量に生まれるなんて、あちらさんには我慢ならないだろーからにゃー」
「必要悪の教会からは一刻も早く彼女を聖人だと証明し、確保せよ。との命令です」
「・・・・・・!」
「そうかそれで。あの公園での一幕はそういう事だったのね。科学と魔術のアリサを巡る綱引き」
―――ところは戻ってファミレス。
「はい。これ!」
「?」
「あの歌の歌詞だよ! 一緒に歌おうって約束したでしょ」
「わぁ―――! 一杯おめでとうだねアリサ! かんぱ―――い!」
「えへへ、ありがとう! 乾杯!」
インデックスが口にした飲み物が不自然に凍ったことによって、インデックスの口が塞がる。
「・・・・・・!?」
「・・・インデックスちゃん!?」
「まあ二人三脚を?」
「しかも御坂さんとだなんて!」
「ええ! どうしても~と頼まれてしまって断る訳にも・・・」
話をしていた少女三人の目の前で、ファミレスのガラスが割れる。
「!?」
「な・・・何事ですの!?」
三人の少女が飛び出してきた後に店内から転がり出てきたのは、白いシスターだった。
「ふごもごーっ!!」
「ひぇえっ!!」
「ふごもご! もごごももごもご!」
「・・・え? なんですって?」
―――公園
「・・・ん? インデックス? どうした? ・・・・・・!? アリサが!?」
「ご主人!」
「ああ。悪い土御門。ちょっと行ってくる!」
「了解だぜい」
エネウィングが装着された上条は銃弾より速く飛び出した。
「アリサの居場所は分かるか!?」
『任せてくださいご主人。・・・いました! 高速道路に! ステイヌと魔女三人と一緒に!』
「了解!」
空気を叩き潰し、今一度上条は加速する。
―――高速
「ししょお~、車の中で煙草は駄目なのですぅ。背が伸びなくなるのですよぉ」
「かまわないよ。もう十分伸びたからね」
「違うのですー! 私がですのー!」
その瞬間。高速道路のど真ん中、ステイル達が乗る車の十メートル先に
「うわっ!」
「メアリエ! 避けろ!」
「がってんです!」
なんとかそれを避けたステイル達だったが、ステイルは見た。落ちてきたのは兵器でも機体でもなく。生身の人間・・・上条当麻である事を。
「なッ!!」
「ステェェエエエエエィル!!!」
ボゴォ!! と高速の地面を破壊して大きな翼が持ち上がる。
「し、しししししょお! あれなんですか!」
「“神”さ。学園都市の、科学のな」
「待ちやがれェッ!!」
バゴォンッ!! と、無理やり空間を引き裂き空気を叩き潰す普段聞く事ない異常な音。その音が響いた瞬間には上条の体は車の屋根に乗っていた。
「上条・・・・・・当麻・・・・・・」
「よう、ステイル。アリサは返してもらうぜ?」
「くっ」
「無駄無駄。この距離じゃむやみに魔術は使えなッ・・・おうわ!」
ステイルのそこまで力のない足払いと、車の急ハンドルで上条の体が投げ出される。が、そこはトンネル。好都合だと言わんばかりに、壁を蹴り。さらに加速する。
「オンドゥルルラギッタンディスカー!!!」
『もう何言ってるかわかりませんよご主人?』
上条はエネウィングをしまい。さらに加速する。そして天井付近でこう一言。
「オペレーションX」
『了解しましたご主人。X BURNER発射シークエンスを開始します!』
速攻でゲージを合わせると、上条は天井を蹴った。
「X BURNER エアー!!」
ステイル達の車を超え、その眼の前の地面を抉る。そこに落ちた車が横転し、停止した。
「さて、ステイル君? アリサを返してもらおうか? それとも今ここで、
「あいにく先程新たな命令が下ったんでね。「あれ」が何か分かるか?」
「・・・・・・宇宙エレベーター「エンデュミオン」だろ?」
「違う。シュメールのジグラット、バベルの塔、万里の長城、ギゼーのピラミッド・・・合理性を超えた規模を持った建築物は―――例え純粋に科学的に作られていても存在した時点で魔術的意味合いを帯びてしまうのさ。問題なのはそこに「聖人」を組み込んで・・・、超規模魔術装置にしようとした人間がいることだ」
「レディリー=タングルロード。だな?」
上条がそういった瞬間。どこからともなく現れた黒鴉部隊の六本足がアリサを掴む。
「シャットアウラ=セクウェンツィア!!」
『来るなっ!!』
「アリサちゃんを離しなさいっ! シャットアウラ!!」
『関係などないくせに・・・何故お前は邪魔をする!!』
その言葉の後に、円盤が飛び出してくる。
(まずい!)「逃げろ。上条当麻!」
ステイルがそういった瞬間。上条の左隣りで金属音がする。見ると、ワイヤーが円盤に刺さっていた。
そしてそれは空気を吸い込むと一気に爆発した。
その後には上条の姿はなく、あったのは燃え尽きようとする紙だけだった。