幻想殺しと電脳少女の学園都市生活   作:軍曹(K-6)

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戦いの結末は勝利か否か Being_Unsettled.

上条当麻とオリアナ=トムソンは人がいなくなった道路で向かい合っていた。

片方は拳を握り、もう片方は握った手の中に単語帳を持って。

オリアナが単語帳の一ページを咥えた瞬間、戦いは始まった。

が、上条は動かない。何かしたかという表情でそこに立っていた。

 

「相手をなめるなって、よく貴音にも言われるんだけどさ。体質のせいかな。どう見てもザコにしか見えないんだわ」

「あら、自分が強いからって相手を見下しちゃ駄目だぞ?」

「安心しろ。見下してるんじゃない。退屈なんだ。張り合いのある相手がいなくて、な」

 

上条はそう言うと、頭部に炎を灯す。そして、手袋をグローブに変えると。オリアナを右手で指さして。

 

「お前には枷をつけたまま戦ってやるよ。聖人戦の時は、武術を使ったけど、よく考えたら単なる身体能力戦でも勝てたかもな」

 

上条は笑って、

 

「オペレーションX」

 

上条の攻撃が放たれた。

地を削り、迫るそれをオリアナは走ることでかわした。互いの戦闘スタイルを崩す戦い方だ。

オリアナは相手に死角を作らない事を得意としている。だが上条の幻想喰い(チカラ)は死角を作るチカラだ。それに加え、上条が手に入れてきた数多のスキル。

目の前にいるのが本当に人間なのか、オリアナは疑問に思う。

いくら自問自答しても答えが出ない。直接聞くしかないのか、と思いオリアナは声を出す。

 

「あなた、人間なの!?」

「一応な。ただ、この力は学園都市生じゃないし。天然素材(うまれたときから)でもない。全て俺の努力の上にある物だ。・・・・・・霊丸!」

 

そう言って繰り出されるのは指先に溜められた死ぬ気の炎。業名は別アニメだが上条は気にしない。

オリアナも負けじと魔術を発動させる。

 

「動いたら死ぬわよ」

「それ、動けって言ってるようなもんだぞ」

 

上条は有言実行した。真空刃の壁をスルスルと通り抜け、当たっていないように見える。

 

(かわしている!? いや、違う・・・。ダメージが全く入っていない! どんだけ堅い皮膚してんのよ)

「いるか? ナッツ」

「ガウッ」

 

上条が問いかけて出てきたのは、たてがみが炎の小さなライオン。

 

「ナッツ。形態変化(カンビオ・フォルマ)。モード(イクス)

 

上条がそう言うと、指にはめられていたボンゴレリングが、指に付けるような大きさのガントレットに変化し、そこからチェーンで小指にあまり装飾のされていないリングがはめられる。

 

「大空のリング。Ver.X」

 

それと同時、上条がはめていたグローブの形状もかなり変わっていた。

全体的に赤を基調とした金属製のものでできていて、炎のアクセントやXの文字が目を引く。手の甲のクリスタルは、VONGOLA FAMIGLAの文字が入ったXで留められている。

少し視線を落とせば、右太ももにも大型の金属アクセサリーがついている。

 

「行くぞ」

 

オリアナは身構えたが、上条はその場から姿を消した。高速移動を開始したのだ。

所々に炎の残留が見える。様々な方向に飛んでいるのだろう。

 

「くっ!」

 

オリアナはその中で、煌々と光る光が高速で移動しているのを見つける。

 

(あれかっ!)

「X BURNER エアー」

「くっ!」

 

ギリギリで回避したオリアナは魔術を発動させる。当たるかどうかじゃない。当てたら終わるのだから。

 

(アイツ、何か隠してるな? おそらく一定以上のダメージを持った者を強制的にダウンさせるとかそういった魔術でも持ってんだろうな)

 

上条は冷静に状況分析をしながら、ニタリと笑う。

 

(さっきからアイツは二度同じ手を使ってこない。単語帳のページを破り捨てている事からもそれは証明できる。そして、同じ手を使ってこないと言う事は、その攻撃の直後に()()()()()()()()()()()()()()()は無いってことだ)

 

上条は両手の炎を消すと、地面に降り立ち次の攻撃に移る。

影から取り出したハーディスの銃口が、火を噴いた。

 

「なっ!」(実弾!?)

「殺意を教わった。間違った感情で人を殺してはならないと、何のために引き金を引くのかも教わった。だが今これだけはいえる。あんたらがいると大覇星祭は成功しない!」

 

さらに続けて二発。上条は発砲するが、魔術で受け止められたりする。

 

(あと、三発・・・。三発撃たせれば勝機は見える・・・!)

「さて、終わりだ」

 

銃声は一発。だが飛んできた銃弾は三発だった。

 

(早撃ち! でもこれで弾切れのはず!)

 

単語帳のページを口で破ったオリアナが魔術を発動させたと同時に見たのは、明らかに人間が使う物では無い大型の自動拳銃だった。

放たれた銃弾はオリアナの魔術をいとも容易く破壊した。

 

「十三ミリ炸裂徹甲弾。とても人間にゃ扱えない代モンだぜ」

 

その名はジャッカル。とある吸血鬼が使っていた専用銃である。その特別製から、上条はとある筋でそれを重宝している。

 

「カミやん!」

「土御門!?」

 

上条がそう叫んだ瞬間。オリアナは笑ってとある魔術を発動させた。カキン、とグラスとグラスの縁をぶつけたような、澄んだ音が響く。

瞬間。

土御門元春の体がくの字に折れ曲がった。脇腹を片手で押さえる彼は、ガチガチと震えてオリアナを睨み付けている。

 

「やっぱりあなたは怪我を負っているのね。大事なお友達が大変な事になるわよ?」

「なん・・・・・・だと・・・・・・ッ!?」

 

上条は取り引きの事などとうに頭の中から消えていた。土御門をやられたという感情だけが彼の思考を埋め尽くしていた。

 

「許さねぇ・・・! 絶対に、一発ぶん殴るッ!」

「良いわよ。来なさい。遊んであげる」

 

上条は息を吐くようにして駆け出すと、魔術を発動させる前に決着をつけようとする。

 

「気が早いわねぇ。早漏の童貞クンは嫌われるぞ?」

「行動の速遅とソレは関係ないだろ?」

 

単語帳が唇に到達する前に、上条の体がオリアナの懐に飛び込んだ。

 

「喰らえッ!!」

 

オリアナは絶句したまま、眼前を見る。

同時。ゼロ距離で、少年の右拳が発射された。

 

ボゴォッ! と、例えるならソレは、剛田武が放つものだ。

 

「めり混みパンチッ!」

 

真正面から放たれたソレは、そのまま軌道を変えると、オリアナの首から上をアスファルトに埋め込んだ。

 

「・・・・・・めりぃクリスマス!!」

 

めり込み具合が気に入らなかったのか、上条は両足の全体重でオリアナの顎辺りを押し込む。

 

「・・・・・・よし。土御門をどうにかしないとな」

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