幻想殺しと電脳少女の学園都市生活 作:軍曹(K-6)
VS.削板軍覇
「お前、スゲー根性だな!」
「ん?」
いつも通りの目に戻った上条の耳にそんな声が聞こえてきた。混乱中のはずの会場に、たった一人、体操服のジャージを肩にかけた少年が飛び込んできていた。
「さっきから見てたが、お前、スゲー根性だな」
「は? ・・・え? 今時根性論?」
「俺は削板軍覇。超能力者の第七位だ。お前は?」
「上条当麻。無能力者の一人だよ」
そう言って上条はつまらなさそうに言った。実際問題、目の前にいるこの男に彼は興味が無いだけなのだろうが。
「ハイパー・エキセントリック・ウルトラグレート・ギガエクストリーム、もっかいハイパー・・・」
「?」
「すごいパーンチ!!」
直後起きた爆発と、その威力全てを上条当麻は受けきっていた。右手で己の身体を庇うようにして。
(念動砲弾・・・だったか? どう考えても念動力系の能力じゃあねーだろこれはっ!)
「すごいパンチを受けきるとは・・・なかなかの根性だな!」
「・・・・・・付き合ってらんねー・・・。一撃で決める」
上条はそう言うやいなや、いつも通り拳を握り削板の腹部に一撃を叩き込んだ。
会場を振るわせる轟音に、皆の視線がそこに集まる。上条はいつも通り、感触の無くなった拳の先を少し眺めて、踵を返して歩き―――
「こりゃ、根性入れねーとヤベーな」
―――だそうとして止まった。
(なっ・・・! 相応な威力で殴ったはずだぞ!? 一体どんな身体の構造してりゃ今の攻撃で起き上がれる!)
「こねーのか?」
(インパクトの瞬間に威力を受け流した・・・? 根性論を掲げる奴にそんな事ができるとは思え・・・)
「超・すごいパンーチッ!!」
「ッ!」
上条は相手の力を冷静に分析するために、あえて左手で受ける。
(コイツ! 根性でここまで強くなったとしたら、ほぼ俺の下位互換だぞ!?)
「さっきまでの根性はどうしたーっ!」
「っ。根性じゃねーよっ!」
人の反射神経を超えた速度で繰り出された上条の拳を、削板は首を捻ってかわす。
(見えてっ!)
「根性ッ!」
「潰されてTシャツにでも張り付いてろ!」
言い合いをしながら上条と削板は闘いを継続する。上条は技術優先で、削板は力優先の拳がぶつかっていく。
「超ッすごいパンチ!」
「連続・普通のパンチ!」
拳と拳がぶつかり合うが、その威力も数も上条の方が上だった。
(削板軍覇・・・超能力者、第七位・・・念動砲弾・・・・・・。良く分からない力って言う点では、
「根性ォォォ!!」
「るせぇ! 何でもかんでも根性で何とかなると思うなバカ者め!」
上条はそう言うと、右手に赤いボンゴレのガントレットを出現させた。
「パワーフルチャージだっ!」
『All,Right.Master』
「マスターブラストッ」
前方に構えられたガントレットから、異能の力をかき消す幻想殺しの力を持ったエネルギーの奔流が削板軍覇に向かって撃ち出された。
「スゲー根性だ!」
(・・・また根性かよ)
それすら耐え切った削板にある種の尊敬を抱きながら上条は腰を落とす。
(コイツ相手に本気になるのもどうかと思うけどな・・・。脚力全開で行くぜ!)
瞬間。上条の体がかき消えた。
そして、消えたと思ったら数十人に増えていたのだった。
「おおっ。すごい根性だな」
「「「「行くぜ。両手連続・普通のパンチ」」」」
そして競技場に噴煙が舞った。
とりあえずここまで。
思いついたら続きをこの話に加える予定。