幻想殺しと電脳少女の学園都市生活 作:軍曹(K-6)
船は沈んだ。それは乗っていた者全てが海へと投げ出されたことに等しい。
アニェーゼがいるアドリア海の女王に通信が入る。どうやら、上条達が乗っていた船が沈んだことを伝えるための通信らしい。
が、どうやらその船の沈没跡の下部に巨大構造物があったようだ。アニェーゼは少し考える。上条当麻自体は信用できる者だ。あの時自分の願いを聞いてくれた時、オルソラを助けに来たときと同じような決意があった。だが、組織とはなんだ? 彼はあの時単体で・・・。
(天草式・・・ッ!)
そして、アドリア海の女王に今一度通信が入る。
『ビショップ・ビアージオ! 緊急です!』
「何だ?」
『敵がいます! 敵は炎で空を飛んでいるようですが・・・・・・』
「・・・・・・何?」
(上条当麻・・・・・・!)
*
上条はその両手に灯した炎で自由自在に空を飛んでは、海水を凍らせて出来たその艦隊を炎の熱で溶かしていた。
「・・・・・・貴音? 貴音? 聞こえるか?」
『はいはい聞こえますよ-?』
上条が耳にかけたヘッドフォンから貴音の声が聞こえてくる。上条は少し安心して
「スピーカーにしてもらえるか?」
『分かりました!』
ブツッ。と音声が一度途切れもう一度繋がる。切り替えが行われたのだろう。
『とうま! また一人でやるつもり!?』
「そんなつもりは毛頭ない。そこにいるんだろ? 建宮」
『ああ』
「お前ら天草式にも要請を仰ぐ。あのデッカイアドリア海の女王の破壊とアニェーゼ=サンクティスの救出のな!」
『・・・・・・分かった。だが勝算はあるのか? 勝てない戦に人員を割くわけにはいかないぞ』
「ハッ。なければ、
上条は笑うと、空中でXBURNERを放つ。
『・・・・・・・・・・・・』
「俺が動く理由はいつも一つだ。俺がしたいことをするため。今回はそうだな・・・。今回も俺の我が儘だ。付き合いきれないのなら帰ってもいいぜ? 俺と貴音だけで何とかするからよ」
『今回はお前達の救出という目的で、それなりに装備は持ってきている。だが、俺達の位置もバレているため、あまり奇襲は出来ないぞ』
「任せとけ。貴音、俺達で上下艦の危険性を落とすぞ」
『了解です! ご主人!』
貴音が上条の側の空中にエネとして出現する。その両手には大型の
“閃光の舞姫エネ”の出撃だ。
「ほんじゃまぁ、いつも通りに」
「いっきまっすよ~!!」
ドンッ! と上条達は暴れ始める。それと同時、下に向いていた敵の目が、上条達を探すことに必死になった。光速に近い動きで破壊活動を続ける方が危険度が高いと判断されてのことだろう。
上条と貴音は別々の艦に降り立った。と同時、少し離れた艦が左右に揺れる。どうやら上下艦が激突したようだった。
「・・・・・・おーおー。派手におっぱじめやがって」
「・・・遠慮という言葉を知らないんでしょうかね~」
「「さあ、お前達の相手は目の前だ。今夜は遊び明かそうぜ!」」
同時に二つの閃光が炸裂した。
「人間魚雷、回天。って知ってるか?」
修道服の男達は首を傾げる。
「伝わってないならそれでもいいけど、その名の通り、爆弾を人間が操作するっていう物なんだけどな。ただ落とすだけなら人間は必要ないんだ」
上条がそう言って指を鳴らすと、空中に穴が開き、黒い大きな筒のような物が落ちてくる。それはその船に激突すると大きな爆発を起こした。
「それが回天だ! 敵の船を沈めるために日本の軍が作り出した命を粗末にする恐ろしい兵器なんだぜ!」
あっはっはっ! と上条の笑い声がその場に響く。上条は振り向くと、数隻分離れたところにあるアドリア海の女王に向かって飛び出した。
一方、榎本貴音は。
「いっきまっすよー!!」
巨大な白い翼を展開し、そして叫ぶ。
「
その羽の一枚一枚がミサイルに変化し、周りの船を破壊する。当たらなかったものも、向きを変換し、必ず命中していた。
「科学の力はこんなもんじゃあすみませんよっ!」
貴音も同様に、アドリア海の女王に向けて駆けだした。