これからもこんなカンジの更新が続くと思います。
これも自分のモチーベーションの波が大きすぎるためですね…言い訳にもなりませんが
兎にも角にもこの話で2ケタ突入です。コレは喜んでいいのか?
それでは第10話始まります。
新たな役者が壇上に上がる。
スポットライトを浴びて観客を引き付けるその役者が齎すのは絆の種
この種を同じ壇上に上がる演者は育て育み役者は大きな芽伸ばす
それを見て観客は何を思うか。
偽善?、善意?、悪意、羨望?、はたまたそれ以外?
劇中の舞台上の役者たちにそれを知る由は無し
昨夜の突発クエストから約12時間後、デブはまだ教会内で朝食を食べていた。
既にデブの前にはうず高い皿の山々が連なり山脈と化している。この光景は教会では見慣れた光景であり初めは驚いていた子供達だったが今では日常の風景として受け入れていた。
まあ未だに教育上に問題があると保母であるサーシャには苦言を頂戴している訳だが。
そんなサーシャや子供達は現在割り当てられた各々の仕事についている。年少の子供達はサーシャのやっている教会の掃除を手伝い、年長組の少年たちは狩りに出ての食料調達、少女たちはデブが経営する肉汁飯店の支店でのアルバイトをしに行く準備を開始していた。
サーシャ自身はあまり狩りなど危険な行為は止めて欲しいと思っているわけだがここはSAO《剣の世界》である。己が剣で道を切り開かなければ生きることさえできないこの厳しい世界ではそんな甘い考えでは生活できない。子供たちもそれが分かっているが故にある時保母さんに頼み込んだのである。それでも渋るサーシャに《歩く肉弾頭》トムは「働かざる者食うべからず」と威圧感たっぷりに暑苦しい顔を近づけて言い放ったため渋々現在の状況に至っている。
「トムさん、何度も言いますけど食べすぎですよ。それに貴方がいるとテーブルが何時まで経っても片付かないからいい加減向こうの方へ行ってください。」
「そうだよおっちゃん、もうそこのテーブルで掃除が終わるから早く食べ終わってよ。」
保母さんに付いてきた子供たちがそれに同調して口々に不平を漏らす。そんな子供達の様子に渋々デブは皿の山脈をストレージに仕舞い込み椅子から立ち上がり玄関へと足を向けた。
当然生意気そうに一番最初に不平を垂れたガキには拳骨を頭の上に落とすのも忘れない。
「何処かにいくんですか?たしか今日は休日だから1日中教会にいるって言ってませんでしたっけ」
「ん~、まあ食後の運動がてら散歩に行って来るわ。ついでに今この層に居る商会の奴らと話してくるから昼までには帰る」
「え~。もう掃除終わるから遊んでよ~」
「こ~ら、おじさんにも色々あるんだから駄々を捏ねない。それにまだアギンには部屋の掃除が残ってるでしょ?」
そう言って弟に言い聞かせる姉の様な年長の少女の横にデブはしゃがみ、駄々を捏ねる子供の頭に太い掌を乗せ
「帰ったら遊んでやるからちょっと待ってろよ。帰ってくるまでに何がしたいか皆で考えとけよ」
と言い残して1、2回頭を撫でデブは再び玄関へと身体を向けた。
そんな折にノックの音が玄関から響く。
少し緊張する子供達を安心させるうように声を掛け保母さんが子供達に声をかける。
このはじまりの街では軍による徴税が行われている。徴税といえば聞こえは悪いが元々はこの街での警邏活動や配給のための寄付を募ったのが始まりである。しかし25層攻略が失敗に終わったのを境に軍の財政状況が悪化し、尚且つそれまでに膨れ上がった軍の規模を維持できなくなったため軍は今までの寄付という形態から納税、徴税へと変化していっていた。トンガリ頭の台頭によりこの流れはより顕著になり一度デブの逆鱗に触れ食育を受けたのにも関わらず今だ行われているその執拗なコルの徴収に街の人々は恐怖を感じていた。
デブは保母さんの姿と子供の中には涙目の少女や必死に唇を噛む少年を横目で眺めつつ玄関に向けて身体を進める。
「…もう一度磨り潰すか?」
そんなことを呟き、デブは扉を開けることにした…………………………その野太く短い足で
「すみまsグハァッ!?」
「キリト君ッ!?」
「パパッ!?」
何かがドア越しにぶつかる手応えを感じたのでそのままドアを開け放つとそこには仰向けに倒れたキリトと見知らぬ黒髪の少女を抱えたアスナが居た。
「おん?ありゃぁたしか…………………………うん……ま、いいか」
デブは少し思案したが食い物と関係しないと判断し即座に考えるのを止め視線を向けると黒髪の少女とアスナは慌てた様子でキリトに近づきキリトの安否を確認していた。
「嬢ちゃんたちだったか。久しぶりだな元気にしてたか?」
そんな中、平然と何もなかったように問いかけるデブ。
「キリト君が元気じゃありませんよっ」
「パパ、だいじょうぶ?あたまわるい?」
「……………ユイ、悪いじゃなくて痛い、な」
怒ったアスナの後ろでは少女がキリトの頭を撫でていた。
「ああ、まあそんなにカリカリしなさんな。ホレ、これでも食って落ち着けよ嬢ちゃん」
「 い り ま せ ん 」
「そうか?うめぇのに勿体無い」
そう言ってトムはストレージから取り出したハンバーガーに齧り付いた。
そうこうしている内に軒先で倒れていたキリトが起き上がり石畳に胡坐をかいていた。
「あててて、来ていきなりこれはないだろトム」
「すまんすまん。まあお前さんも食いねぇ」
そう言ってハンバーガーを文句を垂れるキリトの口の中に投げ込む。
「んぐっ、ぷはぁっ!なにすん……あれ?これ旨いな」
「新作のエビチリバーガーだ。旨ぇだろ?」(グッ)
「ああ、旨いよこれ」(グッ)
男二人でニヤリと笑って親指を突き出す。
「もう、二人してなにやってるのっ」
「いいじゃねぇか嬢ちゃん、キリトも喜んでるし。良かったらレシピいるか?旦那が旨いって行った物食わせてぇだろ?」
「……いただきます」
そう言いながら顔を赤くして俯き加減でレシピを受け取るアスナ。うん、これは食い物にしか興味のねぇ俺でも素直に可愛いと思うわ。
そんなことを考えふと視線を下に向けると黒髪の子供が物欲しそうにジィっとトムの方を見上げていた。
「なんだ黒髪の嬢ちゃん、お前さんも食うかい?」
問いかけると眼を輝かせて頷かれたのでストレージからもう1つバーガーを取り出して半分に割った。
「多分この大きさは食いきれねぇだろうから嬢ちゃんには半分な?」
「ぜんぶでもだいじょうぶだよ?」
「それだとキリトの嫁さんのご飯が食べられなくなるぞ。それでもいいのか?」
「……パパのおよめさん?」
「アスナの嬢ちゃんのことだ。つうか、パパァ?」
「うん、それであうなはママだよ」
さも当然というようにデブの疑問に答える嬢ちゃん。
「………ふむ、まあいいか。で、どうする嬢ちゃん。もう半分いるか?」
少し考える素振りをしてから首を横に振ったのでデブは黒い小さな頭を太い掌で撫で、半分に割ったハンバーガーを渡した。もう半分は当然デブの腹の中に納まる予定である。
「いただきます」
「召し上がれ」
礼儀正しく食事の挨拶をする黒髪の嬢ちゃんにデブは笑みを浮かべて返事を返した。そして自身も一口でバーガー(半分)を食べ終え満足したトムはご両親(仮)に視線を向ける。
「で、だ。どういうことか説明はあるんだろうな御両人?」
「ははは………………言わなきゃ駄目か?」
「お前さんらが良いならがそれで別にいいが………鼠にこの件を詳細に垂れるが構わないか?」
「止めて下さいお願いします」
「止めて下さいお願いします」
綺麗にシンクロした黒髪の嬢ちゃんのご両親(仮)を見ながらデブはお茶請けは何がいいか考えるのだった。
ユイさん登場。
この話を書くにあたって2巻を読み直したんですが出会った頃のユイさんは漢字をしゃべれなかったんですね。
てっきり初めから普通にハキハキ喋ってるものだとばかり……
まあなんにせよこれにより新たな演者のお陰で物語が進みます。
あとは私のヤル気次第っ
ヤル気があれば外伝書きたいなぁ