DAO《デブアート・オンライン》   作:夜中のタヌキ

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ゼオンさん、ゲーム厨さん、ZHEさん感想ありがとうございます。

今回1ヶ月以上更新できませんでしたがこんなことが続く予定です。

少ないでしょうがこんな小説を待っていた方には申し訳ないです。

ご期待に添えるものが書けていればよいのですが

それでは第6話始まります。


デブの送迎

貴方は人に怒る事ができますか?

貴方が怒るのは他人のためですか?

貴方が怒るのは自分のためですか?

 

貴方は怒る相手を理解してますか?

 

 

 

 

 

第55層のある日

 

現在の最前線である第75層から20層も下の層の主街区正門前に1組の美女と野獣が静かに佇んでいた。

 

「ガツガツガツガツ」

 

失礼、全然静かじゃなかった。

 

「ガツガツバクガツムシャバクガツガツムシャムシャムシャムシャアアア!」

 

~っ、とにかく美女と野獣が佇んでいた。

 

片方は栗色の長い髪を靡かせ落ち着かない様子でウィンドウと迷宮区の方角に忙しなく視線を彷徨わせている美少女。もう片方はというと木製の槍に刺さった丸太ほどもある肉を食べ愉悦の表情を浮かべる巨漢。

 

両者の名を美少女の方は血盟騎士団所属『閃光』ことアスナ、巨漢の方はこの二次小説主人公である肉汁商店店長『デブ』ことトムと言う。

 

そんな彼らが何故こんな場所にいるかと言うとある真っ黒剣士の訓練を見に来たからである。

 

先の決闘でキリトは血盟騎士団にめでたく?入団する事になったのだが、モジャ頭の斧戦士が黒先生の実力を見たいとのたまい現在に至っている。当然アスナは抗議を申し立てたがモジャ脳筋には届かなかったようで黒先生は訓練中だ。

 

「う~~~~っ」

 

「ゴックンッ、あ~そんなに心配しなさんな。訓練は迷宮区を抜けて56層に辿り着けば良いだけだろ?キリトの奴ならこんなモン楽勝だって」

 

そう言いつつ肉に刺していた槍をソードスキルを使い主街区の外へと投げ飛ばしウィンドウから再び同じ槍刺し肉を取り出した。

 

「確かにそうですけど心配なものは心配なんです。ゴドフリーはちょっと抜けてる所があるし、それにあのパーティーには…」

 

「鶏ガラ、か」

 

実はあのモジャ脳筋、キリトとの関係を知ってか訓練パーティーに鶏ガラ加えており訓練開始前に微妙な空気が漂っていたのである。彼女はそれを危惧しているようだ。

 

「ま~これでも飲んで落ち着きなさいや。ここで心配しても何にもならないんだから」

 

言いながらコップに入った黄金色の液体をアスナに差し出した。

 

「あ、ありがとうございます。ってコレなんですか?お茶って訳じゃなさそうだし」

 

「ああ、前に嬢ちゃんに貰った醤油を使って作製したラーメンスープだ。料理をマスターした嬢ちゃんの評価が聞きたくて持ってきた」

 

「完成したんですかっ!?」

 

「ああ、自信作だ。評価を頼む」

 

そう言われて液体を飲み込むアスナ。それを横目にトムはメッセージウィンドウを開いた。

 

「美味しい、美味しいですよトムさん。」

 

疑問に思ってアスナさん。そしてツッコンで。落ち着かせるための飲み物がラーメンスープって滅茶苦茶ですよ。貴方はこの場でツッコミが出来る唯一のキャラなんですから。モブはデブに直接ツッコミ入れられないんですから頼みます。

 

「それと――――トムさん?」

 

「うん?」

 

そうそれ!今だツッコめアスナさん。

 

「レシピ、教えて貰えませんか?」

 

ツッコンでえええっ!?頼むからツッコンでえええっ!?

 

この異色の二人組が放つ言えない会話は周囲のモブを混乱させていたそうな。

 

 

 

 

アスナはウィンドウを覗きながらではあるのだが落ち着いたのかデブの差し出したラーメンスープを味わっていた。

 

それを視界に入れつつデブはキリト達が出て行った方角に身体を向けた。

 

「さて、そろそろか」

 

そう呟きながらデブは先ほど届いたメッセージを一瞥する。

 

 

受信メッセージ:1件

From:HENTAI

TEXT:中間地点の安全地帯に到着、指示を

 

 

このデブにメーセージを送ってきた彼はアバター作成時に『HENTAI』と登録したがためにこのSAOでの約2年間をこの名前で過ごさなければならなくなった特級の被害者である。この事実に愕然とした彼はSAO開始から1ヶ月は始まりの街で引き篭もっていたのは此処だけの秘密だ。今では吹っ切れたのか変態道を極めんとする日々を嬉々として送っているらしい。

 

彼の特技はスニーキング。隠蔽特化のスキル構成をした肉汁商会きっての諜報員であり現在デブの命によりキリトたちを尾行しているのである。

 

ちなみにこんなことをさせているのはヒースクリフとの契約が原因なのだがトムは彼にその事実を教えていない。しかしそれでも彼がデブの命を忠実に行っている所を見れば彼のトムに対する信頼の深さが窺い知れるだろう。彼もまたトムに救われた一人であるのだ。

 

そんな彼からのメッセージを見たトムは正門から出てストレージからサーフボードのような幅の広い刃を持つ3mはある重槍を取り出しウィンドウから真っ黒坊主のアイコンを見る。

 

 

 

デブとて鳥ガラがキリトのパーティーに加わっているのを見て何も思わない訳ではなかった。

 

 

 

そして真っ黒坊主のアイコンが灰色になると白い閃光が正門を駆け抜けようとしいた。それを丸太のような片腕で掴み引き止める。

 

「離してっ!キリト君が、キリト君がっ!!」

 

「落ち着け嬢ちゃんっ!幾ら【閃光】の脚でもこの距離は遠すぎるっ!!」

 

「じゃあどうすればいいのよっ!このままじゃキリトく「任せろ」―――え?」

 

言うが速いかトムは重槍を構えてアスナを槍の峰に乗せる。

 

「俺が送ってやる。」

 

重槍が淡い桃色の光を放ちそして徐々に光が大きくなる。

 

「刃は潰してあるからしっかり摑まってろ。半分ぐらいなら距離を稼いでやるから後は頑張れ」

 

そう言ってスキルモーションに入る。アスナはトムのやろうとしていることに気がつき言うとおりに槍にしがみついて衝撃に備える。

 

「行って来いっ!!」

「ハイッ!!」

 

そして重槍は桃色に発色しながらアスナを乗せて一直線にキリトへ向かって飛んでいった。

 

 

 

投擲系スキルの弾の速さは敏捷値に依存する。では、飛距離は?

 

答えは筋力値である。筋力値は武器の装備重量やストレージ容量だけではなく投擲距離にも関係するステータスである。それにより筋力値極振りのトムがアスナを乗せた重槍も投擲できたわけであるが、普通に投げれば弾の速度は『閃光』の異名を持つ嬢ちゃんに劣るほど遅い。それでも「任せろ」と言えたのはソードスキルが存在するからである。

 

投擲系ソードスキル初級技『ロングシュート』。同じ投擲系スキルの初級技である『シングルシュート』と同じく投擲系の武器を1つだけ投げるソードスキルであるがこのスキルの違いは1点ある。これはスキル継続飛距離の長大化でシングルシュートでは筋力値を上げても精々30mだったスキル継続飛距離が筋力値により相手に届く限界までと強化されている。

 

このソードスキルの恩恵があったからこそアスナに「任せろ」と言えた訳だ。

 

 

投げ終え暫しスキルにより硬直していたデブは動けるようになるとHENTAIと2、3メッセージをやり取りし安堵の溜息をついた。これで契約成立である。

 

デブは無事に嬢ちゃんはキリトの元へと辿り着けたようで安心していた。鳥ガラはキリトに殺されたようだが、まあキリトには嬢ちゃんがいるから何とかなるだろうと楽観視する。

 

ただ、鳥ガラが気になることを言っていたとHENTAIはその台詞をメッセージに書いていた。

 

 

「ラフコフに入れてもらったのはつい最近だぜ。この麻痺テクもそん時に教わった…」

 

 

「…ふむ」

 

一瞬思案顔になるデブ。そして何を思ったのか突然デブは笑い出だした。

 

「はっはっはっはっはっはっはっはっ」

 

周囲の人間達は突然笑い出したデブに驚いていたがそんなことは気にせずトムは笑い続けた。

 

「はっはっはっはっ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――フザケンナyohoutyouyarou」

 

 

そう言い残しトムは固まった笑顔を貼り付けたまま転移門へと向かっていった。

 

 

 

 

 




ネームミスはあると思うんです。ネカマしかり、厨二ネームしかり…

だからHENTAIと名前を付ける奴もいる筈です。

ちなみに彼、本名は太郎です。


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