二人のぼっちと主人公(笑)と。   作:あなからー

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ふりかざせ地球剣 スクラム組んで 目覚めよ若き獅子たちよ ああ 初投稿です

「天海 樹は十分…」のあとに見るとチョッと分かります。

前回を見てくれた方々、有難うございます。なんかお気に入り登録も100件超えてて非常に驚いております。同じようなクロスオーバーを書かれている作者の方々に比べて劣る点については肩を並べるものがいない作品ですが、これからも緩くいきますので生暖かい目で見て頂ければ幸いです。

今回冒頭のアレのヒントは『新体操』です。法則は海賊戦隊ゴーカイジャーのED聞いてたら分かります。

それでは番外編その3(ぶっちゃけ本編でもよかったけど)、どうぞ。


番外編その3 天海 樹のトリガー選び

「この世界を変える」だとか

 

「みんな仲の良い平和な世界を作る」だとか。

 

「ハーレムを作る」だとか

 

「海賊王になる」とか。

 

「世界の全員と友だちになる」だとか

 

「ポケモンマスターになる」だとか。

 

 こういうのは「理想」と呼ばれるけれど、僕は全部実現不可能だと思っている。行動には何かしらの理論が伴うことが殆どで、ただフラフラしているだけの人にでも自分の中では一種の理論があって動いているものだと思う。

 

 この「理想」には、実現するための道筋があまりにも不透明過ぎる。理想の実現、とても素晴らしいことだ。けど、じゃあ何をどうすれば実現するのか?という事を考えると、途端に先行きが怪しくなる。

 

「ポケ○ンマスターになる」

 大きい理想だ。だけど、もう十何年も旅をしているのにいつまでたってもポケモ○マスターにはなれていない。人外にはなったけれど、新しいポ○モンがガンガン見つかっていく上、主人公より強いキャラクターもべらぼうに多い中で、一体彼はどのような道筋を描いているのだろうか?

 

「海賊王になる」

 これもとても大きい。ならば、海賊王になるためには何をすればいいのか?財宝を手に入れられればいいのか、武力で大海を獲ればいいのか。あの主人公のビジョンも、僕にはよくわからない。

 

 

「ハーレムを作る」

 男の夢だと皆は言うけれど、僕には分からない世界だ。3人も4人もいたら、その日誰が男と過ごすのかで争いが起きる可能性は否定出来ないだろう。どんなに良くても、二人までだと僕は思っている。

この二人、というのは何も恋愛においてだけではない。親友と呼ばれるものだって、二人いれば十分だろう。あくまで僕が思っただけだけど。

 

「世界を変える」

 どうやって? という言葉が第一に浮かび上がる。世界を変えるのはそう容易なことではない。偶然性を伴う様々な要因が沢山重なった中で世界は形成されている。世界を変えたことによる反乱への対応や変えるためのプランについて何か手段や案はあるのだろうか?恐らく答えは否だと思われる。

 

 

「世界の全員と友だちになる」「みんな仲の良い平和な世界を作る」

 僕は、このような「みんな仲良く」という理想が大嫌いだ。人間には相性というものがあるのだから、合う人や合わない人というのは少なからず存在する。

 

「合う人は合う人とだけ過ごせばいいじゃん」

 

 という人も居るかもしれないが、それはあくまでグループ分けによる問題の誤魔化しであり、「全員」「みんな」という言葉からは離れてしまう。

 

「理想」は「理想」でしかないのであり、それに道筋、つまりは行動なのだが、これがともなって初めて「理想」は「目標」になる。

 

 僕の勝手な考え方だと、

 

「理想」に少しの理論を与えたものが「夢」

 

「理想」に具体的な道筋や理論が示されたものが「目標」

 

 と考えている。

 

 つまりは、「理想」を実現させるためには、まずは「目標」へとそれを持っていく必要があるのである。理論、行動。この2つなくして「理想」を達成できるわけがない。様々な運も重なることで、よりその道筋は不透明になるだろう。しかし、上記2つさえ備わっていれば、時間はかかったとしても必ず目標への達成には近づけるはず。

 

 

 

 さて、ここまで偉そうに語ってきた僕の「目標」は「妹と猫を守る」という、至極シンプルなもの。勿論、その達成のために行動だってしてある。

 棍や双棍は毎日振っているしバイトもしている。つい昨日にはボーダーにも入ることにした。対人だけじゃなく、対近界民への対策をするため。

 妹は世界一かわいいし、うちの猫たちもなんだかんだで愛嬌がある。何故か無駄に知能が高いうちの猫だが、甘えるときはとても猫らしくて(?)微笑ましいものがある。特にミィは普段知的ぶっているから余計に甘える時とのギャップが激しく、癒される。

 

 そんな僕は今何をしているのか。

 

 

 

 

「形を変えられるのか」

 

「おう、足から出したりとかも出来るぜ」

 

「怖い」

 

「まあ限られてるけどな、そんな時は」

 

「……成程」

 

 

 トリガー選びの真っ最中。4000ポイントまで上げればB級に上がることが出来るということで、初めに使う訓練用のトリガーを選んでいる。

 

 今は模擬ブースに居るため、設定を弄れば色々なトリガーが使用できる。勿論訓練の時は1つだけだろうけど。

 

「レイガストって結構重い」

 

「ああ、確かに。あんま攻撃には向いてないよな~」

 

「僕だったら…レイガスト、シールドモード」

 

 正面と側面をレイガストで覆う。あとは……

 

「グラスホッパー、最大出力」

 

 思い切り踏む。そうすれば、

 

「ディストーションアタック」

 

「いや、実用性皆無だろ」

 

 夜天光は倒せない。

 

 

 

 

 腰にアイビスを構えて(重い)、擬似V.S.B.R。声真似もやってみる。

 

「こんなところにノコノコ来るから!」

 

「どこだよ(素)」

 

 

 

 僕がアイビスの反動でふっとんだ。

 

 

 

 

 

 手は回せないので両手首にスコーピオンを装備、グルグルと回す。

 

「なんとぉー!」

 

「うわ、やる気のねえ叫び声」

 

 

 感情が出ないので迫力80%ダウン。

 

 

 

 

 

 イーグレットを片手に跳躍、多めにトリオンを流し込む。うん、十分。

 

「ビーム・マグナムを使う」

 

「ビームじゃねえよ。つかスコープの意味」

 

 NT-Dも使えない。拳銃型のほうが良かったかも。

 

 

 

 

 

 

 シールドを少し柔らかめに広く展開、片手にはメテオラ。

 

「……私が死んでも、代わりはいるもの」

 

「なんで自分のシールドに押し込んでんだよ」

 

「中和を」

 

「無理だろ」

 

 そもそも威力がN2ほどはない。

 

 

 

 

 弧月を片手に跳躍し、試験的に出したバムスターへと斜めから斬りかかる。着地する瞬間に斜めにグラスホッパーを置き、さらに斜めに跳躍。

 

 

「……天空剣、Vの字斬り」

 

「分かる奴どれくらいいるんだろうな」

 

「米屋君、君の年代が分かるのがまずおかしい」

 

「お前も俺と同じ年だろ!」

 

 

 

 

    *

 

 

「楽しかった」

 

「俺は疲れたよ!お前無表情の癖に遊びすぎだろ」

 

「一応憧れではあった」

 

米屋君を振り回して過ごした一日。不満タラタラだった彼はカルピスで機嫌を直してくれた。ちょろい。

 

「んで、あんなに遊んでたけど結局使うトリガーは決まったのかよ?」

 

「初めの20分で決まってたけど」

 

「は?」

 

「ごめんなさいでした」

 

 

 

 

 

 

「スコーピオン?」

 

「うん」

 

「まあ軽いし初心者向きではあると思うけどな」

 

「……一戦だけ、模擬戦をお願いしたい」

 

スコーピオン。彼の説明によると、形も自由自在に変えられる。ならば、外側が尖っている、所謂ブレードトンファー(アニメ風命名)のようにもできる筈だ。ちなみに大体は剣のようにしているらしい。当然といえば当然か。

 

「勿論いいぜ!さあ早くやろうじゃねえか!」

 

「あれ?さっきとテンションが違う」

 

 

 

 

    *

 

『米屋陽介 対 天海樹 模擬戦 1本勝負 開始』

 

 

訓練用でも使えるように、今回装備しているのは片手だけ。今の僕がどれだけやれるか分からない。A級の彼に勝てる可能性は低いだろう。

 

「へえ、珍しいスコーピオンの展開の仕方だな!」

 

「槍?聞いてない」

 

「弧月を改造してもらったんだよ。じゃ、行くぜ!」

 

「……っ!」

 

速い。けど、初手の首狙いに簡単に当たってはやれない。右側にステップして回避して、そのまま突っ込む。

 

「………」

 

「うぉっと、あぶねえあぶねえ」

 

胴体を狙った攻撃は弧月の柄で防がれる。突きのようにしたハズなのに切っ先に綺麗に合わせてきた、だけどそれは悪手だ。

 

 

「っ!」

 

「うおお!?」

 

その防ぎ方ならトンファーを滑らせればいいだけだ。トンファーと突くナイフを別物と考えてはいけない。狭いところで止められたなら、こちらからそれをかわせば相手の腹に……

 

「でやぁ!」

 

「!?」

 

柄の後ろの部分で払われた?

これはキツい。勢いのまま相手の弧月の柄に足を押し当て後ろに後退、もう一度走って相手に近づく。

 

そもそも、槍とトンファーのリーチには歴然とした差が存在する。そこで負けている以上、僕に攻める以外の選択肢はないだろう。

 

「おいおい、これ手加減してる余裕ねーぞ…」

 

「……勝負」

 

突きを左に払い、そのまま回し蹴りを放つ。が、左手で防がれて相手は後退。だけどそう簡単に逃さない。そのまま相手へと前進、超クロスレンジに持ち込む。

 

「させない」

 

「全く、楽しいぜ…!」

 

トンファーと槍で最もトンファーが優れている部分は、スピードにある。弧月とスコーピオン自体で重さが違う上に、武器の問題もあるため、こちらの方が自然に手数は多くなる。が。

 

(片手とはいえ、こうも防がれるなんて)

 

さっきから僕の攻撃は全く直撃を与えられていない。全て防がれるかかわされていて、入ったとしてもあまりダメージを与えられない徒手空拳。

 

正直に言おう。強い。一見バカに思われる言動は、戦闘になった瞬間ナリを潜めて、残ったのは冷静な思考と洗練された槍術。どのような動き方をすればダメージを受けないかがよく考えられている。

 

「もっとだ、もっと! もっと来いよ!」

 

「言われなくても……!」

 

トンファーと槍の応酬。突きや払いを避け、こちらの切り込みは避けられて。互いにダメージは相手からの蹴りのみ。お互いに得意なレンジに持ち込もうと後退したり前進したりを繰り返す。

 

「そろそろ……っ、当たって欲しいんだけどっ!」

 

「おまえが言うなよ、な!」

 

右からの横薙ぎ払いを同じく右腕のスコーピオン(トンファー)で抑える。弧月に比べて耐久力が低いスコーピオンがミシミシと音を立てる。慌ててしゃがみながら上に反らし、新たに作りなおす。

 

(なりふり構ってられない)

 

米屋君へと突っ込む。狙いは中段突き。わざとらしく隙を作らないように、ジグザグに走りながら近づき、姿勢を低くしながら正面へ。

 

「でりゃあ!」

 

「っ(……来た!)」

 

ここでトンファーを回転させる。手首のスナップを活かしそのままトンファーで突きをずらし、裏拳の要領で顔を狙う。

 

「……そこっ!」

 

「んなっ!?」

 

上体を反らされる。そのまま数歩後退したが、かすり傷を入れる。戦闘不能まではもっていけなかったけれど、初めて顔に切り傷、つまり有効ダメージを入れることが出来た。このまま押し切る……

 

「押し切った…………と思うじゃん?」

 

「…?」

 

 

 

 

 

 

え?

 

 

 

「"幻踊弧月"」

 

「…………!?」

 

数歩下がったことにより、槍の先は十分こちらを捉えられる。その穂先が曲がり、行く先は僕の胸元深く。裏拳の反動で体勢を崩した僕にかわせるはずがなく、そのまま穂先は胸に刺さる。

 

『戦闘体活動限界、強制脱出』

 

『勝者、米屋陽介』

 

 

 

    *

 

 

「……負けた」

 

「ふう、あぶねー……」

 

やっぱり強かった。まさか穂先が曲がるなんて思ってなかった。正直めちゃくちゃズルいと思う。だけど負けは負けだ。悔しい。顔を俯かせていると、近づいてきた米屋くんが僕の肩を叩く。

 

「天海」

 

「?」

 

「お前、すぐにB級になれるよ。俺が保証してやる」

 

「!」

 

顔を上に上げると、昨日も見せてくれた明るい笑顔で彼は笑っていた。。戦闘の時に見せる人をバカにしたようなニヤケ顔じゃない、綺麗な笑顔。それを見て、僕は。

 

 

 

 

羨ましい。カッコいい。と、思った。

 

 

 

「早く上がってこいよ!」

 

 

 

「……うん」

 

「!!! お前っ今……!」

 

 

負けたけど、とても清々しい気持ちだ。今までいなかった、僕をきちんと対等の存在として見てくれて尚且つ友人のように接してくれる人がいる。そんな人から「待ってる」なんて言われたら、頑張るしかないじゃないか。

 

 

 

「強くなろう」

 

 いつか追いつく。いつか追い越す。今はまだ届かないけど。すぐに差を詰めてみせる。

 

 

 

 

 

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「今、あいつ、笑った…よな?」

 

 正直、めちゃくちゃかわいかった。男の癖に女子みたいな見た目してるし、まるで女子が笑ったような……はっ、イカンイカン。俺はホモじゃない。

 

 

「さて、気分もいいし、今日もバトるか!」

 

 

待ってるぜ、天海。だけどいくら追いついてきても、突き放してやるよ!




米屋君謎のライバルキャラ化。私の作品の米屋はかなり強めの設定にしました。と言っても元々強いんですけど。



あと天海はホモではないです(断言) これだけははっきりと真実を伝えたかった。
でも最後のとこだけみたら色々と捗る(意味深)かもしれませんね。

米屋✕天海(見た目が銀)……あれ?普通のカップルじゃね?

現在(暫定の)天海 樹のステータス

トリオン 11

攻撃 8

防御・援護 6

技術 6

射程 1

機動 ? 

指揮 ?

特殊戦術 ?

メイントリガー 訓練用スコーピオン

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補足欄(というか元ネタというか)

・みんな仲の良い以下略
某金髪の編で詳しく話すかもしれないけれど、一応。因みに作者本人もこの考え方は嫌いだったりする。

・海賊王になる
麦わら君の決め台詞。あれいつ終わるんだろうね?

・世界の全員と友だちになる
うろ覚えですが「仮面ライダーフォーゼ」の如月弦太朗のセリフ(のつもり)。ライダーフォルムはダサかったけどスイッチで武器が色々切り替わるってのは面白かった。クウガが一番すき。

・ポケモンマスターになる
10万ボルト喰らって生きてるとかあの世界の人間ちょっとおかしくない?ロケット団も人外だと思う。

・ディストーションアタック
機動戦艦ナデシコより。ルリすき、ラピスもっとすき。うえだじろうさんは喉大丈夫だろうかといつも思ってる。

・「こんなところにノコノコくるから!」「なんとぉー!」「もっとだ、もっと!もっと来い!」
機動戦士ガンダムF91より。シーブックは歴代主人公の中で一番好きです。次点でカロード、アルが続きます。キャラクター全体ではプルズが好きです。本多知恵子さんには最大限の感謝を。

・「ビーム・マグナムを使う」
完全勝利しそうなアレより。フルコーン死すべし慈悲はない。

・「私が死んでも以下略」
新劇場版よりも旧のほうがすき。緒方恵美さんは大好き。

・天空剣Vの字斬り
知ってる人とは友達になれる。フィリピンではソウルアニメと化した神神アンド神な作品。スパロボにも結構出てるけど、あまり使ったことはないです。

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やっぱりこれ本編じゃね?とおもいました。ではでは。

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