二人のぼっちと主人公(笑)と。   作:あなからー

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地球にピンチがやってくる でっかい未来があぶないぜ 孤独の宇宙から オー 今こそ 初投稿です

これまで見てくださった方々、ありがとうございます。なんか初めの時とは大分天海の性格が変わっているなあと思う方もいらっしゃるかもしれませんが後々直す予定です。
これからを考えて、どうしても設定を変えざるを得なくなってしまったため、時系列及び前の話との矛盾が出てくるかもしれませんがそこは指摘して頂ければ幸いです。如何せん私自身が文章を書き慣れていないため、どのように書いていけばいいのかということに関しては手探りのままなのです。

前回のあらすじ

・天海のお料理教室(大嘘)

・テニス描写(大嘘)

・ギャルとの再会(大嘘?)

大体あって………る?




1/3の奇妙な友情

 コイツの名前は折本かおり。

 

 俺が中学校からの知り合いで、遺憾ながらもアイツには親友扱いされている。まあ、俺としても、その、友達がいるというのはだな、別に悪くはない。それに、別に俺はこいつが嫌いではない。底抜けの明るさには中学時代に何度も助けられた。ギャルっぽい言語と雰囲気をぶち壊しまくるのは気に入らないが、それでも直らないものは直らないために最近では諦めている。

 

 忌々しいが、こいつにはかなりの恩があるのである。それにはまず、俺の過去をある程度語る必要が出てくると思う。

 

 

 

 

 

 えっ誰に?ねえ、俺誰にこの話しないといけないの?

 

 

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 中学1年生の時。この時の俺は今のように目の死んでいない、とても善良でクールで慎重な…………ああはいはい嘘だよすみませんね。

 

 昔から俺は根暗で臆病でコミュ障だったよ!!! まあ、運動もそこそこできたし、勉強はサイドエフェクトの影響もあり(数学以外は)いつも高得点だってとれた。今は苦手な数学だって小学生の時はある程度こなせていた。

 友達は出来ないし、周りからは何故か無視されたり馬鹿にされたりしたし、笑顔で「友達になろう」と言ってきたから俺にもようやく友達が、と思ったらパシリ要因だったりストレス発散の道具になったこともあったし、先生に相談したらなんとかなると思っていたら「いじめられる方にも何か原因はあるんだよ」とわけのわからないことを言われたりはした。

 

 今でこそこうして他人とはある程度のコミュニケーションこそ取れるが(ごく一部だが)、中学生の頃にはもう家族以外の人間を信じることが出来なくなった時もあった。女子が俺に笑顔で近づいてきたときは絶対に罰ゲームだろうと思っていた。そもそも俺の周りの女子は小学生の高学年から上辺だけいい顔している奴が多すぎた。これも俺が女性が好きでない理由の1つでもある。表では笑顔、内心では他人のことを平気で蔑んでいる、そんな人間の汚い部分なんて沢山見てきた。生徒だけじゃない、先生だってそうだった。俺の両親は俺の味方こそしてくれたものの、妹である小町の方に殆どの愛情を注いでいて、俺に向ける感情は小町のそれよりもずっと希薄だった。いつの間にか、相手の考え方が分かるようになった。人の上辺に騙されることも、アホみたいな表面だけの正義に惑わされることもなくなった。

 

 そんな俺は、いつしか友達を作ろうとするのをやめた。どうせまた裏切られるのなら、最初から作らなければ良いだけの話だしな。言わば「ぼっち」になったのも必然、人の醜さが分かる俺は孤高を貫くことが出来る……と思っていた。ん?いや、別に今は思ってないぞ、ホントだぞ。

 

 中学に入った時も、この性格は治らなかった。というか正直、今でも女子は苦手だ。正確には「治っていない」のほうがいいか。

 

 その上、4年前のあの災害だ。両親は亡くなり、残ったのは親の生命保険が降りたことによるお金と小町、そしてカマクラだけ。学校自体は三門市から少し外れていた上に、他の生徒も三門市外の奴が多かったからか、クラスで両親や家族が亡くなったという奴はほとんどいなかったらしい。そして俺は、その「両親が死んだ奴」であった。子供がこんなだからバチが当たっただとかなんだとか、酷い言われようだった。もう、誰の話も聞きたくない。小町さえいればいい。当時の心境はこんな感じだったかと思う。

 

 まあ、そんな時に会ったのが折本だった。いつものように机の上で突っ伏して脱力してた時のこと。

 

 

 

 

 

 

 

「ねー、もうすぐ授業だけど何寝てんの?」

 

「…………別に。寝てねえよ」

 

「もしかして狸寝入りって奴?ウケる!」

 

「いやウケねえし」

 

この会話から、俺たちの奇妙な付き合いが始まった。

 

 

 

 

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 比企谷八幡。あたしが中学の頃からの大親友!でもいっつも腐ったような目してるんだよね、ウケる!いやウケねえから(声真似) ……なんちゃって、あはは!

 

 

 思えば、比企谷は男子の中でも一番一緒にいて楽しい奴なんだよね!いっつも屁理屈ばっかり言ってて面倒事を嫌がる癖に、誰もやらないからとかなんとか言って結局やっちゃったりしてた。あんなに捻くれてるのに優しい、捻デレってやつかな!おっかしー!

 

 小学校の頃からあたしは人とお話するのが大好きだった。色んな子と楽しくおしゃべりして、友達を一杯つくっちゃおう!ってね。小さい頃はとっても楽しかったよ!男子とも仲が良かったし、一緒に鬼ごっことかもして遊んだ。

 でも、高学年の頃かな。あそこら辺から、ちょっと皆変わっちゃった。勿論あたしも変わったよ?でもね、そんなんじゃなくて、なんか皆、影でヒソヒソ言ったりすることが多くなってさ。普段はあんなに仲がいいのに、なんで悪口を言うんだろう?だなんてその時は思ってた。だけど、その後にあたしの陰口がヒソヒソと聞こえた時、皆のことがちょっと分かんなくなっちゃった。あたしもケッコー傷ついてね、

 

「友達ってなんだろう」

 

とかって思ってたんだよ。

 

 

 中学に入ってから、あたしには親友と呼べる子が出来た。その子、あたしの目の前で

 

「かおりってさ、アホだよねー!」

 

 って言ったんだよ?それもものっすごい笑顔で!ウケる!

 最初言われた時は、「この子ひどい子だな」って思った。だけど、その子は絶対に陰口を叩かなかったの。悪いことやいいことをひっくるめて本人にぶっちゃけまくってた。その時にね、思ったんだ。「カッコイイな」って。あたしは今まで他人に合わせながらバカやってたりしてたけど、なんとなく虚しくなる時もあった。本音を隠しながら生きるっていうのは、あたしにはちょーっとしんどかったんだよね。でもその子とは自分の本音をばしばし言えて、彼女もあたしに本音を言って。そんな応酬をしてるのがお互いに楽しくて。いつの間にかとっても仲良くなっちゃった!あはははは、もう最高だったよ!

 

 その1年後くらいかな、化け物が出てきてさ。隣の三門市の人とかがいっぱい死んじゃったって聞いた。うちのクラスでも、何人か家族が亡くなったっていう話があってさ、酷いかもしんないけど、あたしは「自分のところじゃなくてよかった」って思っちゃったんだ。今のあたしなら、そんな昔のあたしをオシオキしてるかもしれないね。

 

 で、その両親が亡くなった子が比企谷って言うらしかった。クラスの子曰く、

 

「暗いし目も変な感じだしキモイ」

 

 酷い言われようだった。でも、親友の子に会ってから、人の話を勝手に信じるのはやめてみようって思ったの。自分でしっかりと話して、その人の事をちゃんと知っとかなきゃね!

 比企谷は窓側後ろの席で寝てた。あんなに言われてるのに学校に来てるだなんて、もしかして比企谷ってMなの?とか思っちゃったり! あははははは!!

 ……え、ウケない? うん、その性癖はあたしもちょっとウケないかなって思った。

 でも、比企谷は別にMでもなんでもなかった。ただ周りに興味がなさそうではあったけど。でもあいつは興味なくてもあたしにはどんどん興味が出てきた。だって初めての会話が

 

 

「ねー、もうすぐ授業だけど何寝てんの?」

 

「…………別に。寝てねえよ」

 

「もしかして狸寝入りって奴?ウケる!」

 

「いやウケねえし」

 

 

 これだよ?

 

「いやウケねえし」 だって!ほんとウケる!今までこんな返し方してくる人いなかった!もうあたしの好奇心もワクワクも絶好調だよ!

 それからは事あるごとに比企谷にちょっかい(決して冷やかしとかじゃないよ、嫌がらせなんてウケないし)を掛けたりしては本気で嫌そうな目をされた、でもそんな目がもの凄く死んでて、それがすごく面白くて。アイツからは『話しかけんなオーラ』がバリバリ出てたけど、そんなの関係なしに話しかけ続けた。

 

 比企谷に中途半端な仮面は通用しない。これは他の女子との話し方でちょっとだけ分かった。きっと、比企谷と話すまではずっと気づかなかったんだろうなって思う。アイツの顔見てると、本気で嫌そうな顔をする時と無表情に近い時が多くある。といっても嫌そうな顔をする時は大抵あたしと話してるときなんだけどね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 比企谷について他の子に聞かれたこともいっぱいあったなあ。でも、酷いもんだったよ?

 

「折本さん、比企谷に何か弱みでも握られてるのか!?」

 

とか、

 

「かおり、アイツなんかになんで構うのよ?」

 

とか。

 

「折本って比企谷のことが好きなのか?」

 

なんてのもあった。なんか、比企谷が悪く言われるのは気に食わなかったんだよね。アイツは嫌々ながらもなんだかんだであたしに付き合ってくれたし、無茶ぶりを振っても速攻で拒否されたし、話しかけたら嫌そうな顔されるし………

 

 

 

 

 …………あれ?もしかして比企谷ってあたしのこと嫌いなのかな?って思ったこともある。でね、聞いてみたんだ。勿論他の皆の前じゃなくて、あんまり人の来ないとこで。「もしかしてあたしが話しかけたら迷惑?」って。

 

「迷惑だよ、ようやく気付いてくれたのか」

 

「ぼっち生活で目立たないようにする予定だったのに、お前のせいで目立っちまうじゃねえか。なんかお前のことについて根掘り葉掘り聞いてくる奴とかもいたし嫌がらせも増えたし、お前を脅迫してるんじゃないだろうな とか言う奴までいたんだぞ?全く、俺がこんな自由人を脅迫したとして従うはずがないだろうに」

 

 

 正直、傷つかなかった、と言ったら嘘になる。あたしの見えないとこで、あたしのせいで比企谷が言われ続けているのが許せなくて、何よりそれに気づかなかったあたしが許せなかった。それに、迷惑って言われて辛かった。ああ、あの嫌な顔はホントにあたしのことが嫌いだったんだなって思った。

 

でも違ったんだよね。

 

 

「お前みたいな人気者が俺ごときに構ってんじゃねえよ。お前の印象まで悪くなってどうすんだ」

 

って、アイツは言った。

 

 

 本当にどこまでもお人好し。自分の事は棚に上げて、ただあたしの心配をしてただけ。比企谷は自分の立場が分かってるから、そんな奴とあたしが話したら、あたしにもそのとばっちりが来るかもしれない。後で聞いたら、「そこそこ迷惑だった」とは言ってたけど、それでも一番はあたしに迷惑を掛けないようにって思ってのことだって。もちろん比企谷はそんなこと一言も言ってなかったけど、あたしはそう思うことにした。でも、あそこまで自己評価が低かったらいくらなんでも生きにくいし、それ以上に他人の評価が低くちゃダメだよね?

 

だからもう少し、比企谷には迷惑を掛けることにした。ごめんね?

 

 

「ねえねえかおり、あの比企谷とは結局どういう関係なの?」

 

「比企谷?ああ!」

 

 

 

 

 

「あたしの、超大事な、親友だよ!」

 

 

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―――本当に。

 

「本当にあの時は余計なことしてくれやがったな」

 

「ごっめ~ん」

 

「それ謝ってねえだろお前コラ」

 

「お、もしかして怒ってる?あははは、ウケる!」

 

「ウケねえよ」

 

 大変だった。クラス中が固まった後、主に男子からの殺気を飛ばされたし。なんで俺が悪いみたいになってんだよ、悪いのはこの目の前にいるアホだ。あっちをどうにかしろあっちを、俺に構うな。お前たちも俺なんかに話しかけたくないだろ? と、ひたすらクラスの奴に念を送り続けた。目を瞑って。

 

 まあ、そんなテレパシーが通じるわけなかったんだけどな。残念、俺はエスパータイプではなかったようだ。折本に恨みの目を向けると、アイツは腹を抱えて笑ってやがった。あいついつかシメる、と心に決めた瞬間だった。

 

 で、今も悲しいかな交流は続いている。LINEも返して(「おう」とか「ああ」とか)いるし、電話にだって反応(応答するとは言っていない)している。決して嫌なわけじゃなくて、コイツと関わると大体面倒なことに巻き込まれてしまうのだ。……今、俺は雪ノ下に巻き込まれまくってるけどな。

 

「そんなことより小町ちゃんは元気?」

 

「お前小町に手出したらどうなるか分かってんだろうなオイ」

 

「……それはないわー、比企谷。正直キモイよ」

 

「きっ……!? 兄が妹の事を心配するのは当たり前だ」

 

「で、小町ちゃんは元気?」

 

「人の話をだな……もういい。相変わらずだよ。なんだ小町ポイントって」

 

 何、貯まったら何かご褒美があるの?もしそれなら兄への暴言をもっと減らしてほしい。愛のない暴言にお兄ちゃんのメンタルはボロボロなのだ。

 

「小町ポイントまだ貯まりきってないの?ダメだなー比企谷」

 

「何ポイント貯めりゃいいのか分かんねえんだよ」

 

 八幡か?八幡だから80000ポイント貯めりゃいいのか?今どれだけポイント貯まっているかくらい知りたいが、アイツの事だしどうせ適当なんだろう。

 

「小町ちゃんも元気、と。いやあ、電話ではお話してるんだけどやっぱり気にはなっててさあ、安心したよ!そんで、比企谷は今からバイト?」

 

「バイトじゃねえっつってんだろうが。仕事だよ仕事。防衛任務だ」

 

折本には俺がボーダー隊員であることは言ってある。元々その事を折本に相談したからだ。小町の説得も手伝ってくれたし、あとはこいつがこのことを言いふらさないか不安で不安でしょうがなかったんだが、

 

「親友の秘密を他人にバラすようなことは絶対しない」

 

と、何やら真剣な顔で言い切られてしまった。俺って折本にとってそこまで高いポジションなの?実はちょっと嬉しかったりする。

 

「まあ気にしない気にしない!ほらほら、頑張ってね~!」

 

「うるせえ」

 

 手を振られながら再びペダルを漕ぐ。途中で後ろを振り返ったが、こちらから見えなくなるまで笑顔で手を振っていやがった。…………全く。恩も返さなければいけないし、色々と面倒には巻き込まれるし。どうしようもない奴だ。

 

 

――アイツの名前は折本かおり。……俺の数少ない友人であり、認めたくはないが、俺の親友だ。




 夜中に溜まってたガンダムUC見ながら書いてたので文もぐっちゃぐちゃです。許してくださいなんでもしません。
 
 私自身の周りに折本のような人がいたためかはわかりませんが、結構好きなキャラクターです。
 ちなみにお互いドライな関係を築けるというのは、私にとっての友人関係の理想でも有ります。現実は非情である。

真面目な話は苦手(どう書けばいいのか分からない)です。



こんな感じで。ではでは。

追記というか感謝というか (6/13)
この小説に有りました沢山の誤字や脱字を修正してくださった方がいました。お名前は省略させて頂きますが、この場において感謝をしたいと思います。本当に有難うございました。

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