相変わらず勢いだらけの私ですどうも。前回を見てくださった方々、ありがとうございます。見てくださる方々にも、感想をくださる方々にもいつも感謝をしております。これからも当作をよろしくお願いいたします。
基本的に1話4000字以上というのが私の理想でした。最近は平均5000字以上、前話に至っては10000字を超えているため、これからは普段5000字以上を目指していけたら、と思います。長ったらしい文章になりますが(前書きも同様)許してください、なんでもして下さい!
前回のあらすじ
・八幡「またシスコンか、壊れるなぁ……」
・天海、バレる
・大志、塾やめるってよ
あら……すじ………?
さて、職場見学はもうすぐだ。職場へのアポイントメントをとった後、注意事項を聞いてから、職員への質問を考える。これが職場見学前にやっておかなければいけないことだ。だから、俺と天海、そして戸塚は
俺『マッカンの千葉工場』
戸塚『八幡といっちゃんが一緒ならどこでも』
天海『ボーダー以外』
というそれぞれの意見を考慮し、千葉工場にアポイントメントを取ってほしいと担任に頼んでおいた。のだが。
学年集会において学年主任から言われた衝撃の言葉。
「職場見学についてですが、ボーダー本部という意見が圧倒的に多く、他の職場の意見がごく僅かでした。本来、他の職場を希望する人はその方面のバスを出してもらうのですが、流石に10人に満たない、となると―――」
繰り広げられる言い訳。最後の締めはこちら。
「――――そのため、学年全員でボーダー本部に行くことになりました」
周りでは「まあ、しょうがないよね」「別にボーダー本部でも……」「俺らはボーダー本部希望だったしな」「木虎ちゃんのあの目で見てもらいたい!」「嵐山さん…………」「時枝君のジト目……いい、いいわぁ」「か゛わ゛い゛い゛な゛あ゛み゛つ゛る゛く゛ん゛」などと、一部危うい奴もいるものの、特に文句は出なかったのだが。
「やべえよ、やべえよ…………」
「…………休みたい」
「あ、あはははは…………どんまい、八幡、いっちゃん」
…………この三人(主に二人)だけは別であった。天海はただでさえやる気なさげな無表情なのが、少し影がたった無表情となり、少なくとも俺には落ち込んでいるのがよく分かる。普段動かない眉が、ちょっと下がってるのがかわいい。天使。戸塚は落ち込んでいる俺たちを見て苦笑。励ましてくれるあたり天使。そして俺。
「……防衛任務入れてやろう」
…………目の濁りは恐らく人生トップクラスで酷くなっているだろう。天海以上にかかる影も加わり、今なら悪魔と他人から呼ばれても納得のやさぐれ具合であった。
「…………平塚先生」
「お、ひ、比企谷。それに天海も。い、一体どうした?」
「こんにちは。……少し、大事なお話」
「アンタ言ってましたよね。行きたい所を素直に書けばいい、と」
「…………」
目を所在無げに動かす先生。だがしかし、駄菓子菓子。あれ、違った。だがしかしのキャラクターの目ってあれだよな、結構俺に負けず劣らず淀んでそうだよな。枝垂ほ○るの目とかあれじゃん。瞳が大きくなった俺じゃん。分からんけど。とにかく俺達は容赦しない。
「ねえ、どうしてくれるんですかねぇ………………」
「僕達、ボーダーに行くことになりました」
「そ、それは、だな……って、待て、話を聞くんだ!」
「担任の先生、俺如きにものっすごい平身低頭だったんですよね。いやあ、いい先生ですよ。自分に非は無い筈なのに、ちゃ~んと謝ってくれて」
「……僕の担任もそう。ごめんねって。主任が言うこと聞かなくってって」
「あの、えっと。落ち着け?」
「まあ、何が言いたいか、というとですね」
「僕は、他の事を言いたいけど」
「…………俺達の期待を返せええええええ!!!!!!」
「あの、僕、休んでいいですか」
「正直スマンカッタ」
あ、俺も先にそれを言えばよかった。汚いなさすが天海きたない。
「比企谷君と僕、目立ちたくないので」
天海最高や!お前ならきっと言ってくれるって信じてた!ありがとう天海、お前ってイイ奴だな!やっぱり天海がナンバーワン!サイコー!愛してる!結婚しよ!」
「…………する?」
「……すまん、テンション上がっておかしくなってた。忘れてくれ」
前にもこんなことあったね。具体的に言うと大体2話か3話くらい前で。あれ?メタい?すまない、本当にすまない。ダイマなんだ。MAXコーヒーでも飲んで落ち着いてくれ。
*
「残念だが、この職場見学を休んだ場合、内申に大いに影響するのだ。お前たちには苦痛かもしれないが、正直私にもどうすることが出来ない。それについては、本当に申し訳ない」
「……先生は、若手。落ち込まないで」
「そうなんだ!そうなんだよ天海!私は若手だから、面倒なことばかり押し付けられて大事な事は偉いさんが決めてしまうんだ……職場間違えたかなあ…………」
あっ、ネガティブモードに入った。
「先生?」
「大体、ここの学校の教師は保守的な人間が多すぎるんだ。学校の体裁や予算よりもまずは子供達の意思をだな……」
……こりゃ面倒だな、折角いい人なのに。男が絡まなかったら、だが。しゃーない、他の先生に処理を任せよう。
「それじゃ先生、失礼しました。……ほら、天海」
「ん。失礼、しました」
「はぁ、私ももっと自由な学校で働けたなら今頃若い男の一人や二人、いやだが教師という職業自体、出会いが少ないし固いと思われている…………待て、教師と生徒……?いや、いかん。私の生徒はいつまでもよい教え子なのであってそんな感情を抱いては…………………………あれ、比企谷?天海?おーい?
……フッ、ついに生徒までにも見捨てられてしまったか…………だが比企谷、貴様だけはっ……貴様の魂も、一緒に連れて行く……比企谷っ、八幡……!」
怒る気が一気になくなってしまった。この怒りはどこにぶつければいいんだろうか。仕方ない、ここはあの川崎弟にでも……ん?なんか、目の前が眩しいぞ?ここ、屋内なんだが。 ! 光が、広がって…………
「!!!……おおきなほしが、ついたりきえたりしている。フフ、おおきい……。すいせいかな?………ちがう、ちがうな。すいせいはもっとこう、バーってうごくもんな。 ふぅ……あつっくるしいなここ。うーん……、でられないのかな?…………おーい、だしてくださいよー。ねぇ……」
「比企谷君、だいじょうぶ?」
「あれ、きこえてないのかな。おーい、きこえますか?あの、ここから」
あれ、めのまえにひとがいる。ちょうどいい、ここから……あれ?どんどんちかづいてるな。すごいなあ、ここ、ものすごくきゅうくつなのに。あ、ほっぺをさわられちゃったよ。ひとがすけてうごけるなんて、ふしぎだn
「比企谷君」
「おれ は しょうき に もどった !」
はっ、俺は一体何を?ここはだれ、私はどこ?ごめん、これ一回やってみたかったんだ。ハチマンワカルヨ。俺の名前は比企谷、ここは総武高校。よし、何も間違ってないな……………………っ!
つか。えっと。なんか、あの。俺の両頬をですね、あの。天海がですね。両手で抑えてまして、ですね。なんていうか、その、えっと、あの。
何を言いたいかというとですね。まあ、可愛いんですけど。マジで男かよって思うんですけど。まあ、戸塚もですけど。そう、戸塚。
…………これ、戸塚超えてるかもしれない。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
鬱だ。いくらなんでもあんまりだと思う。比企谷君はちょっとの間目がやけに澄んでたし。澄んでたというか、僕の目みたいだったというか。すーっと黒い瞳が消えていってて。そんな目で、いつもと違うしゃべり方されてビックリした。治したけど。方法は謎。頬を支えて見つめてたら治った。これから壊れた人を治すときはそうしよう。
比企谷君もおかしかったけど、僕も大概だったらしい。戸塚君には、
「そんなに落ち込まないで」
と励まされた。普段は比企谷君とマスターくらいにしか分かられることのない僕の感情だが、今回は結構分かったらしい。……ちょっと、感情が戻ってきてる?ううん、そんなことはない、と思う。でも。
……比企谷君と会ってからは、楽しい、と思うことが増えたかもしれない。これが、友情 というものなのだろうか。まだ、僕には分からない。
というかそんな事を考えている場合ではない。僕は目立たず生きていたい。これ以上目立ちたくない。ただでさえクラスに男子が少ないのに、そこでボーダーだとバレたらきっと面倒な事になる。…………ふむ。あっ、でも。
―――あんまりやりたくないけど。素直に頼むことが多分いちばん。
*
夕方にボーダー本部へ。お目当ての人物は、すぐ見つかった。小走りで駆けていって声をかける。
「すみま、せん」
「ん、ああ天海!頑張ってるみたいじゃないか」
「ありがとうございます。もうすぐ、B級」
「ん?おお、これは早いな!入って2週間もしてない内にもう3854なんて、中々できることじゃない。うちの木虎も燃えてたぞ?はははは!」
「C級の人と沢山やってたら、いつの間にか」
違う違う。こんな話をしにこの人に話しかけたんじゃない。
「……そうじゃなかった。えっと」
「?」
「――――――嵐山先輩、少し、お願いが」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
あったーらしーいあーさがーきたっうるせえ絶望の朝だよこの野郎!学生の大半は朝、絶望してると思わないか?きっと「また学校か……(絶望)」ってなってるぞ。希望の朝とか言えるのはリア充と小学生の低学年までなんだよ。
「また仕事か……」
「また学校か……」
「また君かぁ壊れるなぁ…………」
宅配を頼んだ人もウンザリ、やっぱり朝ってダメだわ。だが、ニチアサは除くぞ。プリキュア無しで俺の一週間はないのである。あ、あと最近はガンダムもやってるけど俺そんときまだ起きてない。エウレカセ○ンは見てたんだが、大分小さい頃だったしな。
そんなわけで職場見学である。これがホントの職場見学ってな!うまくねえよ。山田くん、座布団全部持って行って。えっ、元からない、だって?お前が今座ってる椅子だよ椅子!山田くん、あれ取ってきて。
ちゃうねん。学校行きたくないねん。だってバレたら面倒だし。まーた馬鹿にされるに決まってるんだよなあ。馬鹿にされるのには慣れきってはいるが、だからといって進んで馬鹿にされにいこうだなんて誰も思わないに決まっている。もしそんなやつがいたらソイツはMだ。俺はノーマルでありたいからなってだからそんな話じゃなくてだな。セルフツッコミもだんだん板についてきた。ぼっちスキルがどんどん上がっていくよやったねヒッキー!その渾名認めちゃうのかよ。
もうさ、バレてもいいんじゃね?つか、よくこんなに長い間隠せたもんだと思うよ。人と関わらないとこんなに隠し事ってうまくいくんだな。やっぱり友達多いとろくなことにならない事がこれで明らかになった。
「……はぁ、行くか」
心のダメマンが暴れる。ヤメロー!イキタクナーイ!イキタクナーイ!バレタクナーイ! バイプッシュダ。。。ヤ"メ"ロ"ー"ー"ー"ー"!!!!!!1
いや、俺の脳内荒れすぎじゃね?さて、開き直る覚悟は出来た。馬鹿にされる準備もできた。あとは適当に流すだけだ!
流すだけ。
「俺は今回皆の案内を務める、嵐山隊の隊長、嵐山 准だ!よろしく!」
「嵐山隊、木虎 藍です」
「同じく、時枝 充。よろしく」
「「「「「「よろしくお願いしまーす!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」
流すだけ。
「さて、今回は皆に軽く活動の紹介をしようと思う」
「「「「「「わああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」」」」」」パチパチパチパチ
「じゃあ、まず―――――」
流す、だけ。
「俺たちボーダーはこうやって、近界民から住民の皆を守るために色んな事をしている。これからも、応援してくれたらとても嬉しい。今回は来てくれてありがとう!」
「「「「「「ありがとうございましたーーーーーー!!!!!!!」」」」」」
流す……アレ?バレナカッタ。いやあ、職場見学は強敵でしたね……おや、霧が出てきたぞ。ふと、横にいた天海を見る。
……小さくガッツポーズをしていた。超かわいい、それもっとやってくれ。
戸塚を見る。
天海を見てニコニコしていた。超かわいい。その笑顔俺にも、あっ、くれた。やったぜ。
もう一度、天海を見る。目があった。お互い黙って近づく。
「「……俺(僕)たち、勝ったんだ」」
抱き合った。いや、マジですげーうれしい。だって嵐山さんだぞ?あの天然隊長が俺のことを見かけたら絶対にバラすし、木虎だってそうだ。時枝は例外だ、あいつは俺のことを察してくれるだろうからな。因みにあまり接点はない。だって俺、ぼっちだし。最低限の付き合い、これ大事。親密すぎず、遠すぎず。ビジネスパートナーとして大人の対応をしているのだ。だが、今日はバレることはなかった。つーか、ボーダーの誰にも目を合わされなかった。ほらな?ビジネスパートナーって大事だろ?無関係を装ってくれるんだぜ、決して無視されたわけじゃない。うん、悲しくなんかないぞ。負けないぞ。
思わず抱く力を強めてしまう。身体の小さい天海の頭は、丁度俺の首あたり。俺の顔が天海の髪らへん。やっべえ超いい匂いする。勝利の美酒に酔うってこんな感じなんですね。 …あっ、キュッて強めてきたよ。守ってあげたい。いや、守る(鋼鉄の意思)。
「……八幡?いっちゃん?いつまでそうしてるの!?」
頬をめっちゃ膨らませて戸塚が怒ってる。これが修羅場ってやつですね?男同士なんだよなぁ…………。
「……入る?」
「えっいいの!? ……ってそうじゃなくて!バス行っちゃうよ!」
「ああ、先生には伝えてあるが俺、今日ここでいいんだわ」
「僕は、家が近いから」
「あっ、そうだったんだ!じゃあ、また明日ね!」
「うん、また」
「おう、またな」
手を振って戸塚を送ってやる。というか戸塚、さらりと流したがお前、入りたかったのかよ。今度あまとつサンドでもしてもらおうかな。うん、我ながら中々キモイ。こりゃ海老名さん?あのBL好きな人のこと言ってられんわ。あっでもハヤハチは勘弁してくれ。とつあまの男の娘コンビ、あると思います。ハイ、ヨロシクゥ!
最近話を脱線させる実力がついてきた気がする。これは結構大事なぼっちスキルで、こっちに話が飛んできそうになった時に唐突に話題を変換させれば、相手の興味は俺なんかより別の話題の方に行く。俺は静かに暮らせる。な?皆も脱線スキルは頑張って育ててみような。だがJR,テメーはダメだ。同じ脱線でもスケールが違いすぎるんだよ。
「じゃ、僕も。また明日」
「おう」
天海に別れを告げ、取り敢えずボーダー本部へ。何があったか分からんが取り敢えず嵐山さん達にお礼を言いにいった。の、だが。
「ああ、それなら天海にお礼を言ってやってくれないか?あいつ、一週間雑用係をするからその代わりに自分と比企谷の存在を黙っててほしいって頼みに来たんだ。勿論これくらいで雑用なんかさせるわけにもいかないから無償で引き受けたけどな」
「はぁ…………確かに感謝は受け取ります。ですが私も、ただ天海先輩に頼まれただけですので。交換条件として模擬戦には付き合ってもらいますが」
「天海先輩に頼まれましたからね。なんかカルピス沢山貰ったんですけど、一本いります?希釈タイプ、5本貰ってもって感じなので」
「あっ比企谷君?それなら天海君に……。え?俺は何もしてない?う~ん。あっ、じゃ、じゃあさ、比企谷君がオススメする本買ってくれないかな?」
以上、嵐山隊。時枝からのカルピスは貰った。ちなみにぶどうのカルピスだった。
「あら、比企谷君。それはお礼をする相手を間違えているわよ?まあ、どうしてもというのなら……そうねえ、あっ、じゃあ今度また私の炒飯を食べてもらえるかしら
?新しいアイテアが浮かんでね、早速誰かに食べてもらいたかったのよ」
「あっ、比企谷先輩……!えっと、じゃあ今度また、色々教えてもらっていいですか?でも、あの人へのお礼も忘れないであげてくださいね」
以上、加古隊。炒飯については喜んで辞退、もとい申し訳ないが遠慮させてもらった。双葉に教えることってぶっちゃけあるか?こちとらBラン、あっちはAラン。しかもあっちのが絶対強い。俺が教えられるのは精々せこい戦術くらいだ。
次の日。
「天海、俺一ヶ月間お前の言うこと何でも聞くわ」
「?」
この後めちゃくちゃ天海を崇めた。ついでにカルピス買ってやったらすげえ喜ばれた。必死に口の端を指であげてて喜びを表現してるの、マジで微笑ましかったよ。
口止めってマジで大事です。条件さえつければ飲んでくれる優しい世界。ちなみに私が口止めを頼んだ時は1週間こき使われました。現実って厳しいなサム。
そもそも職場体験で深い所まで教えるわけもなし、活動紹介をして理解を増やす方向で。模擬戦とかの予定もあったけどカット。ボーダーの活動上ありえないから仕方ないね。
サブタイトルの「裏切られた予想」は八幡の「バレると思っている」下りであり、全く悪い方向には裏切られてません。一応。
平塚先生は別に悪くありません。完全に八つ当たりです、本当に以下略。
----------------------------------------------------------------------------------------
元ネタ。元!ネタ!そうだよ元ネタだ!
・かわいいなあみつるくん
ググってください。出てくるかは謎。(元ネタ説明する気なし)
・駄菓子菓子。
アニメも漫画も見てません。タイトルだけしってたので出してみた所存。
・おおきなほしが以下略
Zガンダムとかいうネタの宝庫。リメイク版では精神崩壊しませんでした。女達の存在ってすごい。
・エウレカセ○ン
スパロボのニルヴァーシュ強すぎないですか?レントンとエウレカ無双ですよ。連続ターゲット補正はいらないです
・ヤメロー!イキタクナーイ!
僕アニメは全部見ました。漫画?何年鷲巣との戦い続けてたんですかねえ……
・いやあ、職場見学は強敵でしたね
盗作BGMでちょっと話題に。エストポリスの名曲を霧で汚してはいけない。
多分こんな感じ。ではでは。