二人のぼっちと主人公(笑)と。   作:あなからー

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足音が聞こえないか 遥かな大地を踏みしめて 5つの牙がやってくる 見せてくれ 初投稿です

これまでのお話を見てくださった方々、有難うございます。どんどん気温がこれから高くなりますが、皆様もどうかご注意ください。文明の機器に支えられつつ、より快適な夏になると良いですね。
 あと、前回元ネタのところ書けなくてごめんなさい。あの後机で突っ伏しました。睡魔には勝てず。


 前回のあら!すじ!

・比企谷、天海と戸塚を女の子認定

・ぼっちは気配が消せるらしい

・比企谷と由比ヶ浜、紆余曲折ありーの仲直り


多分合ってる。




それでは第二十話、どうぞ。


犬と猫、あなたはどっち派?

 すいきんちかもくどってんころりんッ!!

 

 

 

 さあ、冒頭の言葉とは全く関係がない日曜日である。仲直りと言っていいものか、取り敢えずまあ、いつもの所に戻ったというか。とにかく由比ヶ浜とは決着がついた。

 

 ……そういえば、何時ぞやに迅さんが「チーム組むよ」とか言ってたけどあれ天海だよな?そうであってくれ。あ、でもオペレーターいねえや。戸塚だッッ!!!オペレーターって大概女だけど戸塚の性別はもう戸塚だからいいんだ。つまり天海の性別も天海である。男でないなら恋愛対象に……うん、我ながらキモいわ。戸塚はまあ、あっちも認めているし友達でいいだろう。じゃあ天海はどうなのだろうか、と思う。速攻で友達を超えた。

 だってあの子俺とすげー波長が合うし。いいね、ドライな関係。他人に決して踏み込まずお互いにぼっちを貫く感じ。

 

 ちなみに今日の朝食はパンにヨーグルト、あとはどこぞの坂東が好きなゆでたまごだ。

 

 レイ!V-MAXだ! 『レディ』 

 

 それ違う、アスカのほうのエイジ。

 

『グランナイツの諸君、合神せよ!』

 

 それは右足のほうのエイジ。

 

『ハリー大尉!後は、頼んだ!!』

 

 同じエイジでもポゥのほうなんか覚えてる奴…………多いだろうなあ。

 

 

 

 朝っぱらからセルフ漫才をするくらいの元気はあるらしい。さて、ニチアサといえばプリキュア。日曜日といえばプリキュア。スマイルだったりスプラッシュスターだったりスイートだったりと様々なプリキュアを見てきたが、やはりプリキュアはいい。初代ブラックの靴下が臭い云々の超どうでもいい設定などもまた、面白さの1つだった。YESの方も良かった。弾けるレモンの香りって何だよ。情熱の赤い炎すき。

 

 はよ、仮面ライダーはよ終われ。大和だとか武蔵だとかはよく分からん。大和魂を見せてやれーー!!!!!突撃ィィィィーーー!!!!

 

 

 

 『敵の潜水艦を発見!』 『駄目だ!』 『駄目だ!』 『駄目だ!』

 

 脳内日本兵ごっこをしていると、小町が擦り寄ってきた。

 

「お、に、い、ちゃん」

 

「何だよ。お兄ちゃんはこれからプリキュアを見るんだから面倒事は聞かないぞ」

 

 俺は知っている。昔から小町が猫なで声をする時は大抵何かをねだるということを。そしてこれまでは大抵拒否権が存在しなかったことも。

 それ自体はいい。だが、今だけは駄目だ。俺にはリアルタイムでプリキュアを見た後録画した前回の話を見るという使命があるからだ。

 

「今日はですね、東京わんにゃんショーがあるのです」

 

「……おう」

 

 勿論知っている。毎年この時期になるとやってくるイベントだ。わんにゃんとは名ばかりで、鳥やらウサギやらもうお前らわんでもにゃんでもねえよなって奴らも大勢やってくるのだ。

 

 俺は動物は結構好きだ。何故ならこいつらにはわざわざ言葉でコミュニケーションを取る必要がないからである。人間は話をすることを何故か好むが、動物は人間と話が通じない。普通は。天海の家の猫は天海としか話せないらしいので例外だ。

 とにかく、目さえ合わせて逃げられなければむしろあっちから来てくれるまである。だから正直行きたくないわけではないのだが。

「それでね、小町ものっすごく行きたいなーって思ってるんだけど……あぁ、小町ってばか弱いから悪いお兄さん、あっ、お兄ちゃんが悪いのは目だけだから安心していいよ。今の小町的にポイント高い! ともかく、悪い人に捕まってしまうかもしれないのです!!」

 

「叫べよ」

 

「……恐怖で声が出ないって言う話、知ってる?」

 

「スマンカッタ」

 

「だ・か・ら」

 

「……ああ、もう。わーったよ、行くよ!だからせめてプリキュア録画させろ、帰ってきたら見る」

 

「……ぶれないキモさがあるなあ、お兄ちゃんは」

 

 

 放っておいてくれ。某戦車道が人生だとか言う奴だっているんだ、プリキュアが人生だっていいじゃないか、にんげんだもの はちまん

 

 すみませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おおぉーー!!」

 

「やっぱりわんにゃんショーの意味分かんねえよな」

 

 なんで幕張メッセにペンギンなんているんですかねえ……。ちなみにペンギンはラテン語で「肥満」という意味らしい。この前小町に話したらドン引かれた。

 そんなペンギンや鷲、インコやオウム。相変わらず今年もアホみたいに強い、鷹までいる。わんにゃんとりショーでもいいんじゃね?語呂わっる。

 ……うわ、カメレオンまでいる。もはや動物園。馬場Pの話はヤメロォ!

 

「あっ、お兄ちゃん!ウサギだよウサギ!」

 

 プロデューサーさん! ウサギですよウサギ! シンデレラなんとかよりも俺は前の奴のほうが好きだ。まあ、どちらかと言えば、程度だしそもそも俺はあまりそういうたぐいのものに興味がない。

 

「踏んじゃいそうなくらい可愛い!!」

 

「お前それSにも程があるだろ」

 

 可愛さの余りグシャットフィスト。シールドトリガー発動!!

今の環境だとクソカードだろうけどな。大正義スパイラルゲート、大正義フェアリーライフ。俺は困ったらアレをデッキに組み込んでいた。水単速攻、もしくは水闇スレイヤー。あとは闇単体でひたすら手札を捨てる嫌がらせをするデッキ。自然文明要素0だった。

 

「いやー、うちのカマクラもウサギみたいに可愛かったらいいんだけどなあ」

 

「……厳しいな」

 

 

 最近太ってきたし。

 

 

 

 色々回っていると、小町に袖を引かれる感触がした。振り向けばコッソリとある方面を指差している。

 

「……ねえねえ。あの人、もしかして雪乃さんじゃない?」

 

「は?…………マジかよ」

 

 いたよ。マジでいたよ。あ、でも前に天海の家に行った時やたら猫見てた気がする。横目でみたらものっそいいい笑顔だった。その笑顔少しだけ俺にもくれればいいんですけどね。

 

「あんまりこういうとこ来るような人には見えなかったんだけどなー」

 

「あいつ、猫が好きっぽいんだよ。……だが、あれは…………」

 

「うん……」

 

 

 

 

 

 

「迷子やろなあ」

 

「せやなあ」

 

 何故か訛ってしまった。

 

 

 

*

 

 

 

「雪乃さーん!こんにちは!」

 

「あら?小町さん、こんにちは。……貴方がここにいるということは、彼もいるのでしょうね」

 

「いちゃ悪いか」

 

「そんな事は一言も言ってないじゃない。それに、例え思っていたら貴方自身に直接言っているわ」

 

 

 それはそれできつい気もするが、雪ノ下なりのフォローだと思うことにする。自分で言うのもなんだが、どうやら最近俺は丸くなりつつあるようだ。小町が言うなら間違いないのだろう。……変更点が微塵も分からねえ

 

「お前は猫を見に来たんだろ」

 

「……何故そう思ったのかしら?もしかして貴方、私が猫と戯れるところでも見ていたの?完全なストーカーね。今すぐ通報させてもらうわ」

 

「待て待て待て。お前、天海の家に行った時の事覚えてるだろ」

 

「天海君?……ああ、あの時ね。はぁ…まさか比企谷君に見られているなんて思ってもいなかったわ」

 

「『うふふ』とか『にゃー』とか言ってた奴のセリフじゃなむぐっ」

 

 もの凄い速度で口を塞がれた。あ、めっちゃ目怖い。今回は俺悪くないぞ。

 

「……まあいいわ。それで、一体何の用かしら?貴方が私にわざわざ近づいてくる理由が分からないのだけど」

 

「猫のコーナー、逆だぞ」

 

「…………不覚だわ」

 

 

 

 

 

 

 

 三人行動になりました。とはいっても、

 

「小町が先に見たいものがあるから」

 

と、寄り道はさせてもらったが。顔には出ていなかったが、手がせわしなく動いている辺り、意外とこいつ感情豊かなんじゃねーのとか思ってしまった。

 

 とまあ猫のスペースまで来たのだが。

 

「何、あれ」

 

「……すげえな」

 

「……羨ましいわ」

 

大分広いスペースに、一箇所だけやたら猫が集まっていた。頭の上やら肩の上やらと、色んな所に座っている。そして、その頭の上なのだが。

 

 しっぽ……極端に短い

 

 種類……三毛

 

 体型……細い

 

 

 

 

 どーーっかで見たことあるんだわ。すっげえ見覚えがあるというか、むしろそれしか思い浮かばないというか。さり気なくその座っている人物の正面に行くと

 

 

 

 

 

 

「………………………………」

 

 

 

 

 

 

 

 銀の髪。小さい背丈。目は閉じられているが、それでも分かる表情の希薄さ。黒いシャツは少し大きいのか、若干萌え袖。

 

 天海が、そこに座っていた。横には水筒。絶対にカルピスだと思う。

 

 

 

    *

 

 

 

「比企谷君、雪ノ下さん。こんにちは」

 

 寝ていたわけでは無かったようだ。声をかけるとゆっくりと目を開けた後、いつものやる気なさげな目で

 

「ん」

 

 と言われた。解読班もお手上げである。そしてこの、

 

「お兄ちゃん!?もしかして、この人と知り合い!?すっっっごい可愛い!雪乃さんとはベクトルが違う美人っぽくもあるし、なんかクーデレって感じだね!やー、お兄ちゃんも隅におけないなー!いつの間にか雪乃さんとかこの人とか、遥さんもでしょ?女を誑かすもの程々にしないと刺されちゃうよ?かーなーしーみのーって!まあでもお兄ちゃんに二人と、みたいな甲斐性なんかないし多分大丈夫だろうけどね!小町もお義姉ちゃん候補がこうも多いと困っちゃうなー、皆いい人ばっかりだけど!

 …あっ、どうもー!私、比企谷八幡の妹の小町です!いつも兄がお世話になってます!」

 

「天海 樹。こちらこそ、いつも比企谷君には。依頼も、手伝ってもらった」

 

 アホな妹、略して小町の暴走だ。ほら、雪乃も急にこっちをゴミを見るような目で見るな、俺は別に悪くない。で、天海。お前は自分の性別をとっとと言ってしまえ、お前は女じゃないだろ、天海だろ。何も間違ってない。

 

「アホ。天海は女じゃねえよ。お前戸塚の時も間違えてただろ」

 

「なんか、男の人がこうまで可愛いと、女の子からするとちょっと微妙な気持ちになるよね」

 

 反省ゼロ。この前テニススクールに行く途中の戸塚と、小町と一緒に帰っている俺が出会った時も似たような反応をしていた。あとその発言については俺はノーコメントだ。ダンガンロ○パの某男の娘の時はマジで俺は女だと思っていた。でも「ご主人タマ」は流石にないと思った。

 

「……天海君」

 

「ん」

 

「どうやったらそんなに猫が寄るのかしら。私としては真剣に教えてほしい所なのだけれど」

 

「……優しくする」

 

「そのコツが分かれば苦労しないのだけれど……」

 

 こちらもこちらで暴走気味。目がマジだ。少しは自重しろ。猫がちょっと怯えてるだろ。あっ、気づいた。すげえ慌ててる。

 

 こうして考えると、雪ノ下も別に完璧超人ではなく、女の子らしさもあることが分かる。少なくとも雪ノ下姉よりはずっと可愛げがあるだろう。あくまで比較して、の話ではあるが。

 そして天海。何故か猫の数は増えている。何、あいつ動物集める習性でもあるの?でもボーダーの戦闘ログ見てみたら滅茶苦茶つえーんだよな。強くて動物を集めて無表情で何考えてるのか分かんなくて…………なんかそんな奴某三国志のアレなキャラクターにいたような気がする。や、別にやったことはないが。知識として知っているだけで。未成年だしな。

 

「みぃー」

 

「なー」

 

 おっ、俺のところにも……あれ、こいつら天海ん家の猫だ。あんま人に懐かないとか言ってなかったっけ。そんなのはどうだっていい!奴らを愛でるチャンスだ!ん?霧が出てきたな……。

 

「まあいいか。ほらよ」

 

 胡座をかいて両手でミィ……と、クルトだったか――を撫でる。ビクッとしたのは一瞬だけで、その後はおとなしく身を任せてくれた。かわいい。クルトはなんか猫版由比ヶ浜って感じがする。顔がもうアホっぽい。しかも弱そう。クルトと名付けた理由がちょっと分かる気がする。1マナ500は伊達じゃない。転生プログラムの生け贄になったのだ。

 対してミィ。こっちは賢そうだ。一度懐けば腹まで見せるクルトとは違い、静かに目を閉じている。これは猫版雪ノ下?……なんか違うな。雪ノ下は前足で引っ掻いて来そうだからな。…………なんか、猫版天海みたいだよなぁ。大人しい。でもコイツ天海の頭の上で寛いでたの俺は覚えてるからな。妙に気品があったが。

 

 

 ふぅ。平和だ。もう夕方まで猫触ってていいかもしんない。猫も飄々とした奴が多いからな。なおかつ媚びる力を持つ、そうまさに小町!あざといな流石小町あざとい。決めポーズに☆が見える所とかマジであざとさの塊だと思う。可愛いけど。

 

「あっ、ヒッキー!それにゆきのん、いっちゃんまで!!」

 

 

 

 

 ん?

 

 

 

 

 

 

 

「皆やっはろー!あっ、ヒッキー、チョーカーありがとう!サブレもこれで逃げ出せないよ!」

 

 またいつもの面子が集まってしまった。サブレは犬コーナーで眠ってしまったらしい。マイペースすぎる。

 

「ままま、お兄ちゃんお兄ちゃん!聞いてないよ、まだこんなに可愛いお義姉ちゃん候補がいるなんて!!!!あっこんにちは!私、妹の小町って言います☆ いつもお兄ちゃんがお世話になってまーす!」

 

 猫を放ってすっ飛んできた小町。その動きはさながらクロックアップ。CAST OFF.

 

「お、おね……!」

 

「アホか小町。コイツともそんなんじゃねーっての。由比ヶ浜も訂正を……あれ、由比ヶ浜?おーい、アホガハマー」

 

「えへ、えへへへっ、お、お義姉ちゃんとか……恥ずかしいなあ……そっか、そうなんだー……」

 

「だーめだこりゃ」

 

 

 

 

 いつもと変わらぬ光景。由比ヶ浜はやはりアホで、雪ノ下は猫バカで。小町はあざとく面倒くさく。 そして天海は猫に囲まれて毎度おなじみ無表情。俺も無言でミィやクルトを撫でる。

 

とことん平和な一日だった。




ねこかわいい。 捨て猫拾った経験のある私ですが、懐いてくれるのにはものすごい時間を要しました。その為、ミィやクルトが比企谷に懐くのは「ご都合主義」という形で保管して頂ければ、と思います。



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もっとねたー


・すいきんちかもくどってんころりん
嘉門達夫「この中に一人」より。
「この中に一人、ころんだ奴がおる。 お前やろ?」

・ゆでたまご

某元野球選手。おは朝にも出てましたね。

・レイ!V-MAXだ!
打ち切りになったのが悔やまれる。OVAも見ました。

・グランナイツの諸君、合神せよ!
一応もう一人の主人公。メイドがかわいかったです。

・ハリー大尉!後は頼んだ!
シルバースモーで後でアホみたいに活躍する泣き虫ちゃん。初期のイメージが悪すぎる

・敵の潜水艦を発見!
BF1942より。だめかぁ……(´・ω・)

・戦車道が人生
ガルパンはいいぞ

・馬場P
「ガンダム勢は民度が低いとか、ガンダム勢は動物園だとか!」

・プロデューサーさん!ウサギですよウサギ!
地味っ子。

・グシャットフィスト
4マナで3000以下のクリーチャーを一体破壊。

・ダンガンロ○パ
1のほうがすきです

・某三国志
恋姫†無双とか?(ネタバレ)

・なんだっていい!奴らを……
霧が出てきたな……



今回はこんなとこ。ではでは。

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