二人のぼっちと主人公(笑)と。   作:あなからー

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 熱い血流れぬ鋼のマシン 平和の願いを凍らせる 明日に向かって 勇気を燃やせば 初投稿なんて 怖くない

 今回眠気眼のまま投稿したのでガバガバな部分が多いかと思われます。見つけ次第感想欄にでも指摘、ハイ、ヨロシクゥ!ええ、私の執筆してる時間は午前1時から3時くらいが基本ですとも(半ギレ)

 マジでよろしくお願いします、なんでもしますから!

 ~前回の3つのおはなし(36話)~
・皆「コーヒーうまうま」 雪「紅茶!」八「(MAX)コーヒー!」樹「カルピス!」
 八「一人だけなんか違う」

・隼人「皆で以下略」樹「ふざけんな!(マジギレ)」

・星がきれいだった(小学生並みの感想)」

 今回描写下手くそです。


肝試し(直球)

『お前に負けるなら悔いはないさ……!』

 

「あー!?また負けたー!」

 

「……勝ちました」

 

「もう一回!もう一回!!」

 

「また勝たせてもらいます」

 

 

 

「……なぁ出水、国近と天海、一体何やってるんだ?」

 

「最近サービス開始したトレーディングカードゲームらしいですよ。でもずっと天海が勝ってますけど。お陰でさっきからヤケになってます」

 

「ほう。トレーニングカードゲームとは国近も中々努力家なんだなー。どれ、俺もそのトレーニングとやらを」

 

「あっ、このバカ絶対分かってない」

 

 

 

『ふぅ、ここは寒いn『ふぅ、ここは『ふぅ、ここはさm『ふぅ、ここはs『……は寒いな』

 

「あー、うるさーい!!!!」

 

 ※茶番タイトル「国近と天海と某カードゲーム」 勿論(ほんへには関係)ないです。

 

 

 

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 ……目が覚めると誰もいませんでした。

 

 そんな言葉からボランティア二日目が始まる。皆それぞれ布団から出た跡があり、天海に至っては畳んでいるくらいだ。もう一泊するんだぞ?こういった布団の抜け方にも色々と個人の色があり、例えば葉山は丁度掛け布団が半分に折り曲がっている。きっちりしているにも程があるな。一方戸部はぐちゃぐちゃ。戸塚は……身体のぶんだけ盛り上がった跡がある。恐らく抜け出た形なんだろう。かわいいなぁ。

 

 取り敢えず着替えていると扉が開き、天使が出てきた。

 

「あ、やっと起きた!もう皆行っちゃってるよ?」

 

「すまん。俺寝すぎてたか?」

 

「ううん、時間は大丈夫。でも他の子達はもう起きてご飯も食べちゃってるから、八幡の分が無くなっちゃうよ?」

 

 成程、どうやら彼は、いや彼女は。

 

 

 …………

 

 

 戸塚は!どうやら俺の食事を心配してくれたようだ。将来いいお嫁さんになるんじゃないかな。

 

「すぐ行くから先行っててくれ」

 

「うん!あっ、でもその前に」

 

 ガサゴソとポケットから戸塚が取り出したのは携帯電話。

 

「僕、まだ八幡の連絡先知らないや。交換しない?」

 

 交換しない? こうかんしない?コウカンシナイ……?

 

 

 

「しようしよう今すぐしよう」

 

「やったあ!」

 

 笑顔で言い寄られて落ちない男子なんていないだろう、そんな戸塚の笑みに負けて思わず首を縦に思い切り振ってしまった。

 

 ゴキッという音がした。痛ってえ……。

 

 

 

 

      *

 

「よう」

 

 日焼け止めを塗っている天海。

 

「……ん。おはよ」

 

「おはようございます」

 

 新聞を片手に足を組み、コーヒーを飲んでいる平塚先生。

 

「うむ、お早う」

 

「ヒッキー、おはよう!」

 

「おう、おはよーさん」

 

 微妙に頭がハネている由比ヶ浜。

 

「結局永眠は取らなかったのね」

 

「あと60年待てっつってんだろ」

 

 60年が待てないせっかちな雪ノ下、それぞれに挨拶を交わして朝食に手をつけ始めた。おにぎりに豚汁、アジの開きと、普段食べる朝食よりよっぽど朝食らしいものを食べていると、パンパン、と手を叩いている音が聞こえる。

 

「さて、今日の予定だ。今日の夜には肝試し、それからキャンプファイアーをする予定だから、小学生が自由行動の昼の内に君達には準備を頼む」

 

 キャンプファイアー、ねぇ。碌な思い出がないな。

 

「フォークダンスとかするやつだね!」

 

「おぉっ!ベントラーベントラーとか踊るんですね!」

 

「UFOは呼び出さないわよ……。オクラホマミキサー、と言いたいのかしら?」

 

 隣で約一名阿呆な事を言っているやつがいるが、無視して豚汁を啜る。豚や鰹の出汁が出ておりとてもうまい。おにぎりにも合うためどんどん口の中に入っていく。

 

「それ、美味しい?」

 

「おう。なんつーか、ちょっと濃めの味噌が出汁とマッチしてるって感じだ」

 

「拘ったから。何時もは面倒だから粉末状の出汁を使うけれど、今朝のは水から出汁をとったものを使った」

 

 つまりこの豚汁は天海作というわけだ。そういえばあんなとこで働いているのに俺への弁当は和食が多いのは謎だが、作るのが楽というのもあるのだろう。俺だったら面倒な料理なんぞ弁当用に作りはしない。そもそも面倒だから料理もあまりしないってそれは専業主夫志望としてどうなんだろうか。

 

「天海は私が起きたときにはもう朝食の支度をしてくれていた、皆感謝するように。天海、美味かったぞ」

 

 とは先生の言葉。そういえば先生は天海の料理は初めてだったか。マジで料理には拘るからなコイツ。洗い物を面倒臭がる辺り、やはり天海らしいといえばらしい。キッチンが出来てからというもの、小町を含んだ俺達の夕食や夜食は天海の当番、片付けは他の奴という役割になっている。俺達は楽して美味いものが食える、天海は趣味の料理が出来るとお互いにとってメリットしかない。win-winってワケだな。

 

 そういえばさっきの踊りがどうたらでまた一つ黒歴史を思い出してしまった。あれは確か小学生の高学年だったかの時のキャンプで踊ることになって。その前にトイレに行っておこうと思ったワケだ。中々見つからず焦ったもののなんとかトイレを済ませて、遅れて申し訳ない事を伝えようと思っていた。そしてそのキャンプファイアーのある広場へとたどり着くと、もう全員で踊り始めるところだった。急いで駆け寄ろうとした時だ。

 

『人数は大丈夫か、全員いるかー?』

 

 この質問に対しての俺のクラスのリーダーの返事は、

 

『全員いまーす』

 

 俺はその時から既にステルスを習得していたのだろうか、いないことにすら気付かれずに皆が踊っている姿を見ていた。木陰で皆が笑顔で踊っている姿をな。しかもその後、森の陰で告白をしているマセガキなんかも見てしまったから大変だ。ああ、なんて人生というのは不公平なものなのだろうかと子供心ながら――――

 

「比企谷ー、目が腐ってるぞー。……ま、その目なら肝試しもバッチリだろ。仮装セットは置いてあるから、手分けして作業してくれ!」

 

 世の不条理に思いを馳せている内に先生の話が終わってしまった。まだ食べきってないから先にこれを片付けてからだな。豚汁だけやけに多いんだがこれは絶対に作り過ぎじゃないのか。でも鍋にはもう残っていないから子供たちも頑張ったのだろう。

 

 アジを丁度食べ終わった所で突然声を掛けられた。

 

「ヒキタニくん」

 

 葉山だった。比企谷だよ、とはツッコまない。面倒くさいしこれからの付き合いとかねーだろうし、態々言う必要もないだろう。

 

「……今朝、天海君に謝られたんだ。言い過ぎてごめんって」

 

 天海は昨日言っていた事を早速実行したのか。変な所で律儀な奴だ、俺なら絶対謝らない。だって俺も考え方は違うとはいえ大体同じ意見だし。

 

「おう。んで、なんでそれを俺に?」

 

「……君は、俺と天海君、どっちが間違っていると思う?」

 

 成程、そういうことか。ただ、恐らく天海は言い方を謝っただけで言ったこと自体は正しいと思っているのだろう。それは目の前のコイツも同じ、自分の言ったことが正しいと思っていた。それは決して片方だけが間違っていて片方が正しいというのではなく、恐らく両立するのだろう。とにかく間違ってるかどうか、なんてのはコイツが考える事であって俺の考えることじゃない。少なくとも今は。

 

「さあな。ただ、天海は被害者の目線で、お前は傍観者の目線で考えただけじゃねえのか」

 

「……」

 

 ご馳走様でした。

 

 

 

 

 朝食の片付けが終わり、早速野郎共は準備を始める。皆が昼食用の木材を運んだりキャンプファイアー用の木を運び込んでいる中、ひたすらそれを柵を積み上げていく。……一人で。

 

「こうして黙々と一人で木を積んでいくと、まるでジェンガやってるみたいだな」

 

「えっ、ジェンガって一人で遊べるものなのか?」

 

 何、違うの?あれ一人用じゃなかったのか?

 

「……僕、並べてドミノにするものだと思ってた」

 

 最早用途が違う奴もいた。それ結局俺と同じ一人遊びじゃねえか。しかも地味に太いから、ドミノにするのは難しいんじゃないだろうか。変な奴。

 

 

 

      *

 

 

 

 完成させた時には誰もいなかった。別に寂しくなんてないやい。とにかく俺の仕事はこれにて一旦終了。それはともかく、だ。

 

「あっちぃ……」

 

 これがいわゆる「ファッキンホット」ってやつだろうか。ギンギラギンな太陽が容赦なく光線を浴びせてくる。俺には光の術はこうかばつぐんだから勘弁してほしいものだ。同じギンギラギンでもさりげない方が皆も嬉しいだろ。陰の多いとこ、森だな一旦避難打。

 

 うむ、日陰というだけで大分違うな。しかもなんか川のせせらぎなんかも聞こえてきて聴覚的にも……川のせせらぎ?

 

 涼むために音のする方角へと歩いていく。なんか同じような行動を昨日もしたような気がするんだが、あの時は鼻歌だったか。しばらく歩いていると目的地が見えてきた。ほう。なんかイイ感じだな。木陰もあるし涼めそうだ。

 

「きゃっ、冷たーい!」

 

 近くでキャハハと、如何にも元気な女子が上げそうな声が聞こえる。なんか妹の声が聞こえたが、小学生は自由行動とか言ってたし、恐らくそいつらだろう。

 

「あっ、お兄ちゃんだ!おーい!」

 

「えっ、ヒッキー!?」

 

 妹の声だった。え、なんであいつ水着なんて持ってきてる訳?由比ヶ浜もいるし。

 

「何してんのお前ら」

 

「平塚先生が川で泳げるって言うから……」

 

「ほーん」

 

 騙されて来た俺は知っている訳がない。

 

「そんな事より!お兄ちゃん見てみて!新しい水着だよ~!」

 

 そう言って小町がポーズを取っていく。

 

「ささ、感想は?」

 

 んー、あー、そうだな。

 

「せかいいちかわいいよ」

 

「うっわテキトー。それじゃあ、結衣さんのはどう?」

 

「ちょっ、小町ちゃん!?」

 

「うー、まあ、いいんじゃないのか?おう。似合ってるし」

 

「そ、そっか」

 

 胸の前で手を組み恥ずかしがる由比ヶ浜。その仕草は恐らく天然なのだろうが……たわわに育った桃、ゲフンゲフン。まぁ、そこがより強調されており、思春期男子には目に毒、いやこれを小学生のマセガキが見たとしても凝視は避けられない。現に俺がいくら目を逸らそうとしても自然に目が引き寄せられていく。成程、これが乳トン先生が発見した万乳引力の法則という奴か。中世にもこのような豊かなモノをお持ちになった女性がいた、というわけだ。我々男子は感謝せねばならない。

 

 取り敢えず煩悩を捨てるために顔を洗おう。うむ、心が洗い流されるようだ。だがいくら現れても俺の黒い過去が洗い流されない辺り、相当闇は深いらしい。

 

「……何してるの?」

 

「川に向かって土下座かしら?」

 

 流石にそれはないだろう。いくらなんでもあんまりだ。

 

「んなわけ……」

 

 言葉は、そこで途切れた。振り向けば美少女二人の姿。雪ノ下はパレオを纏っており、スレンダーな身体とマッチしている。一方天海は麦わら帽子にTシャツ、短パンと、ボーイッシュな格好だ。……そういえばボーイだった。もしガールだったら迷うことなく結婚を前提にしたお付き合い以下略。

 

「何だ、比企谷も来ていたのか」

 

 別方向からも声がするので振り向くと、ビキニを来た平塚先生が近づいてきていた。やるじゃないか先生、服を着たままでも分かるその抜群のスタイルは20代と言ってもいいレベル、アラサーとは言いつつももうさんじゅうこ

 

「ゴフゥッ」

 

「何か不埒なことを考えなかったか?因みに私はまだアラサーだ」

 

 

 なんで分かるんだよ……。

 

 

 

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 僕たちがしていたのは肝試しのルート確認と昼食の下ごしらえ。本来なら僕もキャンプファイアーのところに行く予定だったんだけど、料理の件があったので変更してもらった。終わってから来てみれば比企谷くんも丁度いた。そして平塚先生を見た途端目を閉じてニヤリと笑っていた彼は先生からの制裁を受けてしまった。何を考えてたかは分からないけど、その笑い方は、うん。駄目だと思う。

 

「お前は泳がないのか」

 

「泳ぐ気はないし、水着も持ってきてないから」

 

「そうか」

 

 その後、海老名さんや戸塚君、三浦さんなどが来て、三浦さんが雪ノ下さんの胸を見て「……勝った」とか言ってたり、比企谷くんや小町ちゃんのフォローでようやく気づいた雪ノ下さんが傷ついてたり、色々あったのだけどそんなイベントも終わり。

 

「比企谷くんは?」

 

「騙されたからな。水着持ってきてないんだよ」

 

「ん」

 

 そんな僕達は今何をしているのかというと。

 

「「…………」」

 

 皆が水遊びをしているのをただただ眺めている。涼しそうで非常に羨ましいのだけど、だから参加したいかと言われればそれは全く別問題。泳ぐのは好きじゃない。

 

「戸塚に水、掛けたかったな……」

 

 隣で比企谷くんがボヤく。彼は少し戸塚くんが好きすぎじゃないだろうか。戸塚くんも満更じゃないような顔をしているし、海老名さんも喜びそう。というのも、彼女はどうやら腐女子らしく(その兆候は昨日見えたんだけれど案の定というか)、曰く「ヒキタニ君は総受け!」らしい。

 

 

 なんて事を考えていたら、隣にスッと留美ちゃんがやってきた。

 

「よう」

 

「こんにちは」

 

「……ども。ねえ、二人は泳がないの?」

 

「水着持ってきてねえんだ」

 

「僕は泳ぐの、好きじゃない。留美ちゃんは何してるの?」

 

「……今日、自由行動なんだって。朝ごはん終わって、部屋に戻ったら……もう誰もいなかった」

 

「……そう」

 

 ちょっとした仲間外れだった筈が、一回相手を庇っただけで本格化するなんてこの子は思っていなかったのだろう。だけど、子供というのは純粋であるが故に残酷。自分たちの正義を疑わないから、罪悪感だって少ない。いつだってそう、数が多ければ多いほど、彼女たちは正義を振りかざしていた。

 

 気づけば、いつの間にか由比ヶ浜さんと雪ノ下さんがこちらにやってきていた。留美ちゃんに気づいたからか。由比ヶ浜さんが優しく声を掛けた。昨日も勢いで言ってしまったけれど、由比ヶ浜さんは今回、とても正しい行動をしていると思う。まず大切なのは受け入れようとすること。自分の味方になってくれる人間がいるのといないのとでは天地の差がある。それを恐らく彼女は分かっている。

 

「ねえ、留美ちゃん。よかったら留美ちゃんも私達と一緒に遊ばない?」

 

 だけど彼女は静かに首を横に振った。

 

「……ねぇ、二人は小学校の頃からの友達っている?」

 

「いない。一人目で既に中学の中頃に出来た奴だ」

 

「いない。比企谷くんが僕の最初の友達」

 

「……それは胸を張って言うことではないと思うのだけれど」

 

 雪ノ下さんは呆れたように言うけれど。

 

「雪ノ下さんはいる?」

 

「いないわ」

 

 さも当然のように言うけれど、それ、僕達と同類。

 

「あ、あはは……留美ちゃん、この人達が特殊なだけだからね?」

 

 乾いた笑いの由比ヶ浜さん。奉仕部3人の内2人がこんなのだから、彼女は大変だと思う。寧ろ入った事で奉仕部の活動効率は一気に上がったんじゃないか、というくらいだ。そして雪ノ下さんと比企谷くんはもう少しくらい愛想よくするべきなんじゃないか、と思う。

 

「お前が言うな」

 

「え?」

 

「いや、なんか言わなきゃいけない気がしたんだ、すまん」

 

「ん」

 

 比企谷くんは一体どうしたんだろう。彼はもうちょっと物事をハッキリ言わなきゃいけないと思う。

 

 

 

「由比ヶ浜、お前小学校の同級生で、今でも会う奴何人くらいだ?」

 

 唐突に比企谷くんがそう話を切り出した。

 

「ほえ?うーん……大体、一人か二人?」

 

「学年の人数はどれくらいだ?」

 

「三十人の三クラスだけど……?」

 

 その答えを聞くと彼は満足したように頷き、留美ちゃんの方を向いた。

 

「ということは、だ。卒業した後も友達やってる奴ってのは大体3%から6%くらいになる。男子が半数として、それを除いても殆どないと言っていい。八方美人なコイツですらこんなに低いんだぞ?」

 

 ああ、そういうことか。というか、僕としては由比ヶ浜さんのその友人の少なさが意外だった。もう少し多いのかと思っていたけれど。

 

「び、美人?エヘヘ、やだなぁ……えへ」

 

「……由比ヶ浜さん、褒められてはいないわよ」

 

「普通のやつなら大体ニ方美人くらいだから、それを4で割ったら約1%から2%。高く見積もっても3%くらいになる。そんくらいの数ならいくら切り捨てても無問題だな」

 

 嬉しそうな由比ヶ浜さんに呆れる雪ノ下さん、ドヤ顔の比企谷くん。それぞれ色んな表情を見せる。でも後者二人が愛想よくなるのには時間が必要。もっとがんばって。だけどそもそも僕たちは一方美人ですらないから0%だ。由比ヶ浜さんはそんな彼に苦笑いを浮かべながらも あ、でも と言った後に、

 

「1%だけでいいって考えたら、少しは気が楽になるかも。皆と合わせるのってやっぱりしんどい時もあるし……」

 

 と頷いた。その言葉にどこか説得力があるのは、由比ヶ浜さん本人の体験談だからだろう。体験しているからこそそこには理解が生まれる。

 

「……でも、お母さんは納得しない。いつも『友達と仲良くしてる?』とか聞いてくるし、林間学校でも、沢山写真撮ってきなさい、って、これ……」

 

 目を伏せながらデジタルカメラを取り出す留美ちゃんの声は、弱々しい。

 

「それに、シカトされると、自分が一番下なんだなって感じる。それは、ちょっと嫌だな……みじめっぽい。……でも、もうどうしようもないし」

 

「何故?」

 

 雪ノ下さんが最後の言葉について問うた。

 

「……私、見捨てちゃったし。もう仲良くなんて、出来ない。仲良くしても、またいつこうなるか、なんて分からないし。なら、もう、このままでもいいかな、って……」

 

 ……自分が一番下、か。留美ちゃんがそれを惨めだと思う気持ちは、もう僕には分からないけれど、それでも他人がどう感じるか、なんてその人次第。価値観の違いは変えられない。

 少なくとも僕は一番下を惨めだとは思わない。自分でのし上がる気にもならないし。大体自分の評価を上げるために周りに合わせるなんて馬鹿馬鹿しくてする気にもならない。

 そして仲良くなんて出来ないし仲良くするのが怖い、という彼女の心情。なら仲良くしなければ良い、そう言うのは簡単。だけど、それで現状が変わるのか?答えは否。このまま放っておいても恐らくしばらくは変わらない。何故なら彼女は周りから捨てられ、また彼女自身も周りを見限ったから。自分が変わることで何かが変わるなんて事はほぼありえない、ただの理想論。いくら彼女が変わっても、環境が変化することなんてない。例え何か自分が秀でたモノを見つけても、出る杭は打たれる社会の中では攻撃の的にするのには格好のネタとなる。それは大人でも子供でも変わらない。自分を偽るしかない、そんな澱みきった世の中で生きるのがどんなに息苦しいことか。

 

 自分の考えに没頭していると、急に比企谷くんが立ち上がった。留美ちゃんがそれを一瞬だけ見上げる。え

 

「……惨めなのは、嫌か?」

 

 と尋ねた。彼女はしばらく下を向いた後、小さな声で「うん」と洩らした。

 

「肝試し、楽しいといいな」

 

 そう言ってどこかへと歩いていってしまった。辺りには沈黙が訪れる。

 

 

 

 子の心親知らず、とはよく言ったものだ。何気ない言葉が我が子を縛っているなんて欠片ほども思っていない。全ては子供の為、そしてそれを聞いて安心する自分自身の為。良い親を気取ってもそれはこの子にとっては今は迷惑以外の何物でもない。

 

 ……少し、良いことを思いついた。

 

「ねぇ、少しカメラを貸してもらえる?」

 

「? ……はい」

 

「ありがと。雪ノ下さん、由比ヶ浜さん、ちょっと」

 

「「?」」

 

 作戦の内容を話すと由比ヶ浜さんは笑顔で「うん!」と頷いてくれ、また雪ノ下さんも「分かったわ」と、提案を引き受けてくれた。あ、でも少し罪悪感。

 

「留美ちゃん、3秒だけ目を瞑って」

 

「? うん」

 

 素直に目を瞑ってくれる。根は矢張りいい子なのだ。後は適当にカウント。

 

「いち、に、さん。二人共、彼女を」

 

「はーい!ほら、留美ちゃん!」

 

「鶴見さん、前をしっかり向いてなさい」

 

「え!?ちょっと!?」

 

 由比ヶ浜さんが留美ちゃんの右腕を、雪ノ下さんが左腕を捕まえて彼女に顔を寄せた。

 

 僕が提案したのは、彼女の両親への証拠作り。三人の写真を撮る、これで彼らへの建前を作ることが出来る。あと、体勢的に留美ちゃんの腕にそれぞれの胸が押し付けられるんだけど、格差が激しいからとても雪ノ下さんには悪いことをさせたと思う。今度お菓子を持っていこう。

 

「はい、ちーず」

 

 ぱしゃっと。

 

「少なくとも1枚写真が撮れた。後は、明日の夜中に電源を点けっぱなしにしたまま寝ていれば言い訳が出来る」

 

「うわ、なんかヒッキーみたい……」

 

「伊達に比企谷君の友人ではないようね……」

 

 二人共、僕に失礼だと思う。僕は彼よりはまっすぐに生きてきた、筈。

 

 ……違う、そうじゃない。僕は後、これだけは留美ちゃんに言わなきゃいけない。

 

「……これも、『友達は沢山作るものだ』『仲良くするものだ』っていう価値観に縛られた大人からの逃げの一手。案外、簡単でしょ?」

 

「…………」

 

「逃げることは、負けることじゃないから。逃げたくなったら何時でも逃げていい。他のどんな人がそれを否定しても、僕は、僕だけは絶対にそれを肯定する」

 

 これは僕のプレゼント、そう言ってある技術を留美ちゃんに教えておく。彼女は疑問符を浮かべていたけれど、これを覚えていたらある程度自衛的には問題ない。

 

 お昼ご飯の準備してくる。そう由比ヶ浜さん達に言ってから立ち上がって三人から離れる。

 

 僕が言うことは言った。これから彼女がどんな行動を両親に対して取るか、それは分からない。立ち向かうのか、現状のまま過ごすか、逃げるか。選択肢は沢山ある。決めるのは、彼女自身。彼女のやりたいようにやればいい。

 

 後、比企谷くんが肝試しで何をするかなんて知らないけど、そこでもきっと僕には僕でやれることがある。元々集団じゃなきゃ何も出来ない子達なんて、一人ひとりは別に大したことはない、ただの子供。徒党を組んで強がっているだけ。

 

 

 

 そんな人間関係を破壊するのは、簡単。あ、でも。……肝試し、やだな。

 

     *

 

 

「「「「……………………」」」」

 

「な、なぁ。これって……肝試し、だよな?」

 

「その筈、だけど」

 

「……なーによこの安っぽいコスプレ衣装」

 

 衣装が入っている段ボールの中にはお化け役として使えそうなものが殆ど無く、三浦さんが言ったように大半がコスプレ衣装だった。キャプ○ン・ファルコンの衣装なんて誰が使ってたんだろう。キャプテン繋がりでキャプテン、○メリカの衣装もあったけど、本当に誰得。月に代わってお仕置きしそうなセーラー服や30世紀から犯罪者を逮捕するためにやってきて現代人にレッドをやらせる某戦隊のコスプレもあって、ここは何をする場所なんだろう、と思ってしまった。皆も大体微妙な顔つきをしている。大体。

 

「たかーまがーはらーにー!」

 

 巫女服を着こなす海老名さんを除けば。

 

 

 

 

 なんとか使えそうなものを見繕って、それぞれ仮装を始めていった。

 

「魔法使いって、オバケになるのかなぁ……?」

 

 魔女のような格好をした戸塚くん。比企谷くんがそれを見て「怖いぞ」と冷や汗を垂らしていたけれど、流石にこれは怖くない。

 

「お兄ちゃんお兄ちゃんっ!」

 

 そんな比企谷くんに声を掛けたのは妹の小町ちゃん。じゃーん!という掛け声と共に決めポーズを取っていた。

 

「……何ソレ、化け猫か?」

 

「んー、多分?分かんないけど、可愛いしいいよね!」

 

 どっかのアニメで見たことがあるような、そんな姿。……思い出した、あにゃまる探偵キル○ンずぅ だ。ちょっとフリフリした衣装をつければ多分出られる。

 

「…………」

 

 そしてそんな猫の衣装をくまなくチェックする雪ノ下さん。もう一回僕の家に招待してみようかな。多分今度は大丈夫、だと思う。

 

 そんな雪ノ下さんは雪女。比企谷くんが言ってたから雪女。因みに彼はゾンビらしい。少し土埃をつければ本格的になる気がしないでもない。

 

「天海、何時にもましてテンション低いな」

 

 そんなゾンビ役の比企谷くんにそう問われた。……正直、あんまり言いたくはないんだけど。

 

「……怖いのは、無理」

 

 恥ずかしいことに、僕は本当にそういうのが苦手。小学生の時、いじめの一環で呪○2を密室で見せられてからというものの、お化けとかホラー系が一気にダメになった。数少ない、堪えたいじめ。その場では必死に耐えたけど、今やられたら逃げ出す自信すらある。バイオハザ○ドシリーズも一生するつもりがない。

 

「ま、お化けつっても着ぐるみだ。映画の奴だって大体は創作なんだから出て来る筈ねえよ」

 

「それもそうか」

 

「で、お前どうする?」

 

「……ちょっと、することがあるから」

 

 

 

 後は……あそこでポーズを取っては落ち込んでる由比ヶ浜さん。小悪魔姿らしいが、そのスタイルも相まってサキュバスにしか見えない。思春期の男の子にはきついかもしれない。がんばって。

 

「……ねえねえ、ヒッキー……どうかな?」

 

「ん?あー……お化けじゃないが、なんとなく悪魔っぽさあるからいいんじゃね?」

 

 目を逸らしながら返答する比企谷くん。目を逸らそうとはしているけれど、瞳が由比ヶ浜さんの方に引き寄せられている。そういえば彼も思春期だった。がんばって。

 

「……それで、例の件はどうするのかしら?」

 

 それを見ていたのか、不機嫌なオーラを出している雪ノ下さんが比企谷くんに質問をした。悔しそうな顔で、ほんのり顔の朱い由比ヶ浜さんをチラ見しているのが見えた。……がんばって。まだ諦める時間じゃない。

 

「…………俺は、留美ちゃんが皆と話すしかないって思ってた。だけど、昨日の天海君の言葉と今日のヒキタニ君の言葉で、何が正しいのかが分からなくなった」

 

 やっぱり、昨日きつく言い過ぎたかな。所詮他人の意見だから変に影響受ける事もないと思うんだけど。つまり比企谷くんのせいだ。そう思って彼を見ると、あっちも僕のことを見ている。どうせ彼は僕が悪いと思っているのだろう。

 

 …………さて。少しチャレンジ。

 

「……チラッチラチラッ(昨日のお前酷かったし相当堪えてるんじゃね)」

 

「チラッ……チラチラッチラッ?(謝ったから問題ない。今朝比企谷くんが何か言ったんじゃ?)」

 

「チラチラチラリンチラチラリン(ねーよ。言ったっつってもあいつの相談を適当に流しただけだ)」

 

「……チッチッチラチラ……チラリッチラチラチラリ(その時に言い過ぎた事があるかもしれない。……彼、頑固そうだから余程じゃないとこんなにならないと思うんだけど)」

 

「チラリ……チラリーラチラチラ」(よく見てるな……結局何がどうなってんだよ)」

 

「……チラリラッチラッ?(……もう面倒だし葉山くんが悪いって事でいい?)」

 

「チラチラ(んじゃそれで)」

 

 

 ……なんということだろう、本当にアイコンタクトだけで会話が成立してしまった。そろそろテレパシーを送ることが出来るようになる日も近いんじゃないだろうか。

 

「必死に目を動かして、何をしてたのかしら?」

 

「んおっ!?」

 

 テレパシーの練習をしていたら、横で雪ノ下さんが比企谷くんに詰め寄られているのが見えた。助けてくれオーラを受信。

 

 無視。めんどくさい……。

 

「だから、二人の案を教えてほしい。君達なら、どうする?」

 

 葉山くんの話は続いていたみたい。待たせてごめん。

 

 今分かった。彼は被害者の目線を分かろうとしないのではなく、『分かろうとしても分からせてくれない』もしくは『分かりたいけど分からない』のかもしれない。

 

 何故なら、顔立ちは整っていて皆とコミュニケーションも積極的に取れるようにしてきた彼が被害者になることなんてないから。被害者に近付かないでその気持ちを汲み取る、というのは難しい。だから、少しでも感情移入してもらえるように、彼の前で被害者の目線、気持ちというのを少しでも知ってもらおう。彼のような表舞台で生きる人間は、もっと多くの人と接すだろうから。少しでも、彼の負担が軽くなるように。……話す内容は、かなり酷いものだけど。

 

「僕は――――」

 

「待ってくれ」

 

 ストップがかかった。比企谷くんを見ると、

 

「天海の案を聞く前にまず俺の案を聞いてほしい。最後まで聞いて納得行かなければ天海の案を使おう」

 

 

 

 

 ……聞かされた案は性格の悪い人、比企谷くんみたいな人が考えそうな案で、尚且つ僕が便乗しやすい案であることも分かった。なら遠慮なく使わせてもらう。

 

「……比企谷くん、耳」

 

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 天海の奴め。共犯なのに逃げやがった。というか、あのアイコンタクトがあいつに行ってないのおかしいだろそれよぉ。

 

 さて、そんなこんなで肝試しがスタート。例の女子グループの班は最後になるように小町には言ってある。その間俺達はそれぞれの仮装で頑張っているのだが。

 

「うわぁぁぁぁぁぁ!?ゾンビ、本物だぁぁぁ!!」

 

「キャアアアアアアアアアアアアアア!!?」

 

「じゃあ俺、逝くから(気絶)」

 

「火炎瓶を!誰か!」

 

 何故か一番怖がられているのが俺なんだが。本物じゃねえよ。おい、おーい。倒れた奴、誰か助けてやれよ。あと火炎瓶は勘弁しろ。投げるならTankだろ。ラッシュでもないのに火炎瓶投げるな。

 

 …………ふぅ、俺の演技力も捨てたもんじゃないらしいな。完璧すぎて涙が出てくるくらいだぜ。

 

 と、ここでピロリロリン♪という着信音が鳴る。

 

『いっくよー!』

 

 小町からのLINEだった。そーれ!アイスストーム!

 

 ……このネタが出て来る辺り、比賀や天海に毒されてきた気がする。

 

 作戦開始を葉山達に伝え、ゾンビは終了。元々ゾンビの真似なんかしてねえけどな。立ってただけ。立ってただけで小学生倒せるとか俺チートじゃね?違う?すまんかった。

 

 さて、雪ノ下や由比ヶ浜には帰ってもらった(戻ってきた留美のケアを頼んだ)し、葉山達を観察する。

 

 ……笑い声が聞こえてきたな。そろそろか。じゃあハイ、ヨロシクゥ!

 

「あっ、お兄さん達だよ!」

 

「あはは、チョーフツーの格好してる!」

 

「だっさーい!」

 

「この肝試し、ゼンゼン怖くないしー」

 

「高校生なのにあったまわるーい!」

 

 煽り性能が平均以上の小学生女子ってやべえよ……。流石に天海とか他の口が達者な連中には敵わないが、それでも十分相手をイラつかせる効果はあるだろう。さて、まずは初動だ。

 

「……何タメ口聞いてんだよ、あぁ?」

 

 作戦はこの戸部の初動が一番大事なんだが……やるじゃないか。マッカンを奢ってやろう、9本でいい。……こりゃ比賀のせいだな、本格的に。

 

「ちょっとあんたらさぁ、調子乗り過ぎなんじゃないの?別にあーしらさ、あんたらの友達でも何でもないんだけど?」

 

「……っ!?」

 

 目に見えて少女達が怯えだした。三浦のその姿が似合ってる、なんて言ったらまた怒られるから言わないが、正直かなり似合っている。

 

「つーかさー、さっきあーしらの事超馬鹿にしてたやついるよね?あれ言ったの……誰?」

 

「……ごめんなさい」

 

 三浦が木の幹にヒールを突き刺す。ゴスって音したぞ?由比ヶ浜とか完全に引いてるし、やべえよやべえよ……。

 

「あーしはさ、誰が言ったか聞いてんだけど。聞こえなかった?」

 

「俺らの事ナメてんのか?おいコラ?」

 

 ここまでで思ってたんだが……こいつら、マジで演技うめえな。三浦は正直元々あんなんだから驚かないが、いつも軽くて馬鹿で語彙力のなさそうな戸部の演技力に正直驚いている。今まで馬鹿にしててすまん。これからちょっとだけ俺の中の評価を上げといておこう。良かったな戸部、他の葉山グループの中でもトップクラスだ。他の奴等知らないし。

 

 その後、葉山が登場、タイムリミットを設けると、由香と呼ばれる少女が押し出されていった。先程の煽りの中で『だっさーい!』の担当者だったか。担当者ってなんだよ。残り一人で揉める三人。さっき『頭悪い』とか言ってた少女は必死に保身に走っていた。……ありゃ駄目みたいですね(呆れ)。そいつを見る目がだんだん悪くなってるし。さて、そろそろ出番か。

 

 最後を締めようと立ち上がろうとした瞬間、奥の方から眩しい光と共にシャッター音が鳴り響き、留美と少女が手をつないでスタート地点へと戻っていく。

「こっち! 早くっ!」

 

 もう一人の選ばれた奴の手を取って留美が逃げ出した。どういうことだってばよ。

 

「うっ、ちょっと……目が……」

 

「デジタルカメラのフラッシュ……か?」

 

 なる程な。取り敢えず葉山達を労うとしよう。

 

「よう。お前らに変な役押し付けて悪かった」

 

「べ、別にあーしはあの子の為にやっただけでアンタの為にはやってないし!」

 

 俺に対してのツンデレはいらんぞ。どっちかっつったらオカンか。

 

「お、そうだな」

 

「なぁなぁヒキタニ君、俺の演技、どうだった?」

 

「正直見直したわ。一番嫌な役だったろ、悪かった」

 

「そうっしょそうっしょ!?やー、俺も自信あったんだよねー!……それに、これで少しでも留美ちゃんが助かるならオッケーっしょ?」

 

 今回認識したのは、こいつらも考え方は違ってもそれぞれ留美を心配していたこと。まぁグループに所属するって共通点もあったのかもしれんが、とにかくその御蔭で助かったのは事実だ。因みに、俺の中では戸部の評価が今のところグングンと上がっている。いやまあこいつ馬鹿だけど、悪い奴ではないんだわ。うん。

 

「……葉山。お前にも迷惑かけたな」

 

「いや、構わないよ。それより、天海君は?」

 

「…………あ」

 

 

 忘れてた。

 

 

 

 逃げ出して必死に走っていった五人。その後を木陰からなんとか追いつく。だが、彼女らのゴールに向かっていた足はまた止まった。

 

「ねえ、逃げられると思ってた?あんなに高校生が来てたら後は誰もいないって思ってた?ねぇ、今、どんな気持ち?」

 

  そこには、包丁を持った天海が首を傾けて無表情なまま、立っていたから。……頭に血糊をベッタリとつけて。

 

 ……まぁあの包丁オモチャなんだけどな。刃が引っ込むやつ。シャコンって。だが、ドッキリといい損ねた先程の事の恐怖が残っているまま次の恐怖に出くわした少女たちに、それを見分ける冷静さは残っていないだろう。よって、

 

「ひっ……」

 

「あ……ああ…………」

 

「逃げ出すなんて、悪い子」

 

「えぐ……うぅ……ひっく」

 

 あいつらにとってはそれは本物に見えてるっぽい。現に泣いてる奴いるし。玩具であることを知っている横から見てたら凄くシュールなのだが、当事者と傍観者の間では明確な認識のすれ違いが存在する。それはどこでも変わらないから仕方ないな。

 

「……一人だけ選んで。時間は短ければ短いほどいい」

 

 沈黙。先程留美に助けられた事があってか、さっきと同じように彼女を送り出すことを躊躇しているようだ。

 

「……鶴見」

 

 さっき二人を見放した三人の内の、気が強そうな少女が口を開いた。それを聞いた留美は悲しそうな顔を最早隠そうともしない。だが、先程二人目に選ばれた少女。彼女はそんな留美を申し訳なさそうに見つめていたのが見えた。あれが天海の言う、『被害者の目線』を知った、ということだろうか。もしもそうなら、この少女はきっと少し前進出来たのかもな。人間の強さも弱さも汚さも知って、少しずつ成長していくだろう。多分。我ながら自身の思考への自信がなくてビックリだわ。

 

 さて、ここからがさっきとは違うポイントだな。

 

「この子でいい?じゃあ、あとの四人はここに残って」

 

 その言葉に、先程留美を送り出した少女が信じられないような顔をして、

 

「え、え?だって、一人選べばって……」

 

 と言うが、この少年は意に介さない。

 

「誰もこの一人が残る、なんて言ってない、よ?残りの四人を助けてあげるとも、言ってない。あ、そこの子、もう出口へ行っていい。僕が許すのは選ばれた子だけ」

 

 天海はそう言って留美の方を向くと、ゴールを指さした。だが留美は動かない。動けない。何故ならここで見放したら、その時点でグループの少女達と同じになってしまうから。自分だけ助かろうとするというのは、責任感が強そうな彼女には無理だろう。それを分かっていて天海はこう言っている。

 

 うーん。なんて性格が悪い奴なのだろう。演技とはいえ呆れてしまう。意地の悪さで言えば米屋以上だな。何度アイツに「……と、思うじゃん?」と言われたことか。俺は戦闘型じゃねえんだよ。そんな米屋より、今の天海は悪い奴だ。

 

「誰かに何かを押し付けて自分は保身に走る。そういう考え方がね、僕は一番嫌いなんだ」

 

 それ割と多いで。なんで訛った。

 

 動かない彼女を一瞥した後、今度は残りの四人へと近づいていく。中にはへたり込む奴もいた。あれはさっきで既に駄目になりかけてた子だな。

 

「君達はあの子に押し付けたよね?さっきもそう、第一にあの子を生贄にして、それからまた違う子に責任を押し付けて見放した。君達三人の中で彼らを煽ったのは二人。二人目の子を含めたら三人。責任的にはそんな君達が残るべきなのに、まず彼女を生贄に差し出した。だから代わりに僕が君達を"教育"しよう」

 

 少女達を見下す天海。プレッシャー的には十分なんだが、身長のせいであんまり見下してる感がないのが物凄く残念だ。そんな俺の感想だが、右手の得物(偽物)が恐ろしいのか涙目のまま震えるだけ。その中で、天海は先程二人目に選ばれた少女に指を指した。

 

「ねぇ、見放された、そこの君。由香ちゃん、だったっけ。あの時、どう思った?惨めだった?怖かった?辛かった?あいつらだけ助かろうとするなんて不公平だと思わなかった?」

 

 どう?

 

 その問いに対して、天海への恐怖で震えながらも、その女の子が僅かに頷いたのを見届ける。

 

「そして、何もしてないあの子が生贄にされていたのに君を助けた。その時、君はどう思った?」

 

「……ワケわかんなかった。…………っく、でも、いつもこんな目に合わせてたのに、また突き放すような、ひっく、真似しちゃって。ひぐっ、ごめんねって」

 

「そうだよね。だから、この子達にも同じ目に遭ってもらえばいい。最悪で最低で惨めで理不尽で不条理で意味不明で残酷で絶望的で、そんな目に遭えば、皆公平だから。由香ちゃんは見逃してあげる。その気持ち、忘れちゃ駄目だよ」

 

 そう言うと玩具の包丁を空に翳しながら、天海は残された三人の少女へと近づいていった。演技が見事すぎて、逆にやり過ぎ感が凄い。さっきの気が強そうな女の子まで泣いてるし。これバレたら問題になりそう。割とマジで。

 

 その時。

 

「……あのっ」

 

 手を上げたのはまたしても留美。今度は何を考えついたのだろうか。天海はピタリと足を止め、首だけを彼女に向ける

 

「……何?」

 

「さ、さっき懐中電灯を落としちゃったから、貸してもらえますか?」

 

「……いいよ、貸してあげる」

 

 クルリと振り返り、留美に近づいていく。その瞬間、

 

「……えいっ!!」

 

「っ!? ぐぅっ」

 

 ……留美が天海に思い切り正拳突きをかました。えぇ……(困惑)。

 まさかこんな事になるとは思わなかった。留美は倒れた天海を視認すると、先程の二人目の手を取り、

 

「こ、こっち!」

 

 と再び先陣を切って走っていった。遠ざかるそれを確認した後、俺は木陰から天海の方へ歩いていった。

 

 

 

 ……夕方に話した策。

 

『人間っつーのは、極限状態に陥った時こそ本性が出てくる。本当に怖い思いをしたら、何が何でも自分を守ろうとするだろ。天海が逃げるのも一種の自己防衛だな。とにかく、そんな時には人間は他人の事なんて考えていられない。周りの人間を犠牲にしてでも助かろうとしたがる。小学生なんかは尚更かもな。あとはそうやって醜い部分を晒し続けたら、もう仲良くなんてできないはずだろ。そうやって連中の関係を……バラバラにする』

 

 我ながら最低な思いつきだった。承諾されて良かった。

 

 そんな最低な策を話した後に囁かれた言葉。

 

『……一度壊れても、それだけならまた再生するかもしれないから。壊すだけじゃなくて、再生不可能なくらい木っ端微塵にする。後、留美ちゃんの理解者を少しでも増やしたいから、比企谷くんのその案、少し利用させてもらう。具体的には(中略)で、最後にしゃこんってして少しお説教』

 

 似たようなもんだった。まあ、天海がやってたのがそれだったんだが…………いや、迫真の演技だった。目の見開き方とか首の傾け方とかが狂人っぽくてより恐怖感が上がった。俺だってあの包丁本物に思えたくらいだしな。万が一問題になったら俺が責任を取ればいいだろう。もうあいつらのライフは0だろうし。まだ俺達のバトルフェイズは……あの正拳突きで終了したんだよなぁ。鶴見留美、恐るべし。あいつのせいで俺達の計画の一番の締めが2つとも台無しだ。

 

 

 

「お疲れ」

 

 その言葉に反応すると、何でもないように天海は立ち上がった。そのまま、空を見ながら二人で歩く。

 

「……慣れない事をすると、疲れる」

 

「マジで演技上手かったぞ。傍から見てたら完全にサイコパスだ。最後のやられ方も良かった」

 

「褒められてる気がしない」

 

「気のせいだろ。つか、あれはお前が教えたのか?」

 

「そう。トンファーは言わば空手の派生型だからって師匠が言っていた。だからまずは空手から覚えなきゃいけなかった。適当にプレゼントとして教えたけれど、ここで使ってくるとは思ってなかった。……予想以上にしっかりした拳だった」

 

 見てました。可愛い掛け声とは裏腹に、中々のスピードだった。将来空手部に入ったらいいとこいくんじゃねえかあいつ?その時のために美味いラーメン屋の屋台でも教えておいてやるとするか。

 

「なる程な。……さて、それより、だ」

 

「……うん。あの後の事は僕らは干渉出来ない」

 

「あんなんで得られる関係が、果たして本当の友達なのかね」

 

「あり得ない。少なくとも僕にとっては。だけど友達じゃなくても、繋がりさえあれば彼女は大丈夫」

 

 彼女は僕と違って、強くなれるから。そう締めくくった。

 

「そうか」

 

 正直コイツにどんな過去があったのか、気にならないと言えば嘘になる。だけど、取り敢えず今は話してくれることを待っているとしよう。そんな事より、だ。

 

「天海。一つだけ質問がある」

 

「?」

 

「…………………………ここ、どこだ?」

 

「……………………え?」

 

「……(道に迷っちゃ)いかんのか?」

 

「いかんでしょ」

 

 比企谷、天海両名。

 

 気が向くまま歩き続けて、気がついたら道に迷いました。やっべえ。

 

 

 

     *

 

 

 

 どうしてこうなった。自業自得です本当にありがとうございました。こういうシチュエーションが苦手な天海がこちらの服の裾を掴んでくるのがとてもグッドなのだが、いかんせんこのままでは不味い。とにかく真面目に道を探すが、携帯は圏外、近くにヒントもない。どうしたものかと首を捻って考えていると、ガサガサガサ、と草むらから音が鳴り、人影が見えた。

 

『あれれ?』

 

 そこにいたのは小学生くらいの少年。如何にも元気印が似合いそうな子供だった。

 

「!?」

 

『ねえねえ、どうしたの?』

 

「……君は?」

 

 天海が思いっきりビクッと反応したものの、子供だと分かると落ち着いた態度を取り戻した。ああ、そういえばコイツ怖いの駄目だったっけか。つか、なんでこんなとこに子供がいるんだよ。

 

『僕はここに遊びに来たんだけど、丁度君達を見つけてさ。あ、そこのゾンビの仮装したお兄ちゃん達、千葉村に遊びに来た人達だよね?』

 

 おい、いきなり俺に振るな。

 

「おう。あとこれはノーメイクだ」

 

 どいつもこいつも俺の事ゾンビゾンビって言いやがって。そろそろ『これはゾンビ○すか?』に出演できるんじゃないだろうか。

 

 

『もし迷子なら、案内できるよっ!ココらへんの地形は詳しいから任せてよ!』

 

 と胸を張った。……俺達、迷子なんて一言も言ってないんだが何故わかったんだろう。まぁでも、状況を考えたらそう考えるのは自然なのかもな。山奥に二人でいてキョロキョロしてたんだし。

 

『じゃ、ついてきて!』

 

「お、おい」

 

『はーやーくー!!』

 

 天海と顔を見合わせる。

 

「……ここは」

 

「ああ。変な子供だけど、道案内してくれるんならいいか」

 

 急かしてくるしな。分かったからそう慌てるんじゃない。まだ慌てるような……時間だわ。

 

 

 

「近くに住んでるのか?」

 

『まあね~!いつもここで遊んでるんだ!』

 

 笑いながらどんどんと少年が進んでいく。俺達はそれについていった。

 

「……他の子は?」

 

『この時間は寝てるよ?だから今僕だけの遊び場さ!』

 

 笑いながらまた少年が進んでいく。ドヤ顔してんだろうな、とか思いながら俺達はついていった。

 

「お前、いつも夜に遊んでるのか?」

 

『ううん、そんな事はないよ!あ、でも太陽が出てるとどうにも力が出ないんだよなー』

 

「なんだそりゃ」

 

 笑いながら少年が進んでいく。そういや歩くスピードは結構早いのにコイツ足音静かだな、とか思いながら俺達はそれについていった。

 

 

 他にもとりとめのない話をしながら少年についていくと、遠くの方で明かりが点いているのが見えてきた。あれは……キャンプファイアーの火だな。

 

 

 

「炎が見えてきたな」

 

『おっ、じゃあもう大丈夫かな?後は君達で大丈夫だよね、それじゃあね!』

 

「おう、助かった――――」

 

「待って」

 

 そそくさと去ろうとする少年を天海が呼び止めた。一体どうしたんだろう。

 

「……お礼がしたいから、このまま来てほしい」

 

 天海が少年に言った。成程、確かに素早くここまで来られたのはコイツのお蔭だな。だが、少年は苦笑しながら、

 

『あはは。気持ちは嬉しいんだけど、残念ながらお腹は空いてないんだ。君達を見ているのは楽しかったよ!カレーも美味しそうだったし!じゃ、ばいばーい!』

 

 そういって森の中へと足を向け…………?足、が、……ナイ?今まであったのに?消えた?あれ、膝から、先が、ナイ。ナイ。ナイ。しょうねんはそのままきえてしまった。

 

 

 

「「…………」」

 

 

 

 ……顔がサーッと青くなるのが自分でも分かる。そんな感覚がした。顔をなんとか動かして天海を見ると、まさに文字通り顔面蒼白な状態だった。俺もきっとこんな顔をしているのだろう。マトモに身体が動かせない。

 

「……なぁ、天海」

 

「……ななななななな、なに?」

 

 天海の肩が震えている。いつも無表情な仮面は壊れ、瞳の色は変わらないものの目を見開いてガクガクとしていた。もはや今の状態でもヤバそうなんだが。

 

「いま、今の奴、その」

 

 

「……足、なかった」

 

 

「そ、そうだよな。……と、いうことは」

 

 

「う、うん」

 

 

「「……………………」」

 

 ……そういうことなんだろう。

 

「そういえば、足音……」

 

 

「しなかった……」

 

 

 

「太陽が出てたら力が出ないのも」

 

 

「ゆ、ゆゆ、ユウレイ、だから」

 

「………………」

 

 証拠が多すぎて、最早否定できる要素がないんだが。ちょっと待ってくれ、こんなのアリかよ?そ、そんな、まさか本当にいるなんて思わないだろ?

 

「そ、それに」

 

「天海!?おい、大丈夫かよ!」

 

 天海が更に震えだした。顔は真っ白、いや普段から白いんだが、更に青白くなっている、そんな顔のままで腕を抱き、か細い声で言葉を紡いだ。

 

「僕、お礼が、料理、だなんて、一言も、言ってない」

 

「え…………あ……!?」

 

 ……………確かに、『お腹が空いてない』アイツは、確かにそう言ってた。

 

「……も、もっと言ったら、あの子、『カレーも美味しそうだった』って言ってた。とと、という事は、いちにちめから、ぼくたちと、いっしょに…………」

 

 俺達、と、一緒に、いた。ずっと、いた。

 

 

 

 

「「……………………」」

 

 

 

「「うあああああああああああッッ!!」」

 

 ふざけんな!!一日目から幽霊に憑かれるなんて誰が想像するんだよ!!

 

 

 

「比企谷くんのばかばかばかばかばかッ!オバケなんていないって言ってたじゃないか!!信じてたのに、信じてたのにっ!あんなのがいるなんて、聞いてない!」

 

 俺の全力疾走についてくる天海。その身長でよくやるもんだってそんな事考えてる場合じゃないだろ!しかもなんか天海涙目になっててかわいいってだから今考える事じゃねえ!

 

「俺だって今までいると思ってなかったんだからしょうがねえだろ!?あんなのが現実にいるなんて誰も信じねえよ!!つかなんでいるんだよ!?」

 

「そんなの知らない!!僕が知りたいくらいだ!もうやだ二度と千葉村なんか来ない!ナツに頼まれたって行かないから!!」

 

「同じくな!!もう騙されない!騙されないぞ!!」

 

 走る、走る。とにかく明るい所、電気のあるとこへ!!なんだってんだよ俺らがなにしたってんだ友達作らないのが悪いのかそうなのかいやそれとも目があんなんなのが悪いのかどんなんなんだよでも天海も俺も目が変っていう共通点があってそれでってそれおかしくないかなんで目が腐ってるだけで取り憑かれなきゃいけねえんだよ俺は絶対に信じないぞ!!

 

「ちょ、ヒッキーどうしたしっ!って、いっちゃんも!?ホントにどうしたの!?ちょ、待って!」

 

「怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い」

 

「な、何があったのかしら?比企谷君?貴方本当に大丈夫なの!?」

 

「あ、ああああああ。だいじょうぶ、だいじょばないぞ」

 

「大丈夫じゃない!?」

 

 もう嫌だ。こんな所にはもう来ないぞ。何が肝試しだ、マジモンがいるなんて聞いてない聞いてない聞いてない聞いてないああいうのがいるんだったらもっと早く言えってそりゃ無理かでも今までにもああいうのがあったかもしれなくてそういうそういう話を聞いているのなら予め俺達に言ってくれ頼むから。…………な、なんとか、少しは落ち着いたぞ。いや、今でも身体ガックガクだけど。だがもっと酷いのはあっちだろう。

 

「い、いっちゃん!しっかりして!」

 

「天海!?一体何があった!?そんなに震えてどうしたんだ!」

 

「無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理」

 

「ちょ、しっかりしろし!どうしたってのよ!」

 

「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ、ゆうれい、ゆうれいが、おばけで、ぼく、ひきがやく、ぼくたちとととと、いいいいっしょに、かれーをたべて、いっしょにいて、ずっといて、ずっとみてて、みちにまよったら、いつのまにかあんないで、きえて、ゆうれいでおばけで…………うぅ……」

 

「いっちゃん!?いっちゃーん!!」

 

「」

 

 もはや壊れたオモチャだな。自分より乱れている人を見ると落ち着く、というのは間違いじゃないみたいだ。しばらく震えてからついに気を失ってしまった天海を見てたら俺の体の震えもいつのまにか止まって「八幡!?寒いの!?」なかった。もうやだ。

 

 どこかで、からかうような笑い声がしたが、絶対に気の所為だ。気の所為に決まってる。

 

 

 平塚先生から何か言われた気もしたし、留美からも何か言われたが、それどころじゃなかった。あーあー、きこえなーい。

 

 

 …………こんな所、マジでもう来ないからな!!




 リアル幽霊に遭遇して震える天海を書きたいだけでした、ごめんなさい でも後悔はしてないです あ、でももっとちゃんと書けばよかったかなあ
 比企谷と天海、お互いにブーメランを投げていくスタイル。あと比企谷はこんなにビビリじゃねえよって方もいるかと思います。が、私は彼が想定外の出来事に出くわした場合相当パニクると思っていたのでこうなりました ごめんなさい(2回目)
 ここ追記 想定外かつ対処不可能な出来事に出くわし以下略 でした
      そんなの大体誰でもそうなるんだよなぁ (作者は)悔い改めて

 葉山グループの聞き分けがいい?これはそういう作品だから仕方ないね、あんまり出番がないからココらへんで変わる強烈なヒントを掴ませておかないと後々空気なんですよね。ごめんなさい(3回目) こいついつも謝ってんな


あっれー、今回シリアス()だった筈なのにそこそこネタがあるぞ?
・冒頭の茶番
シャドバとかいうカードゲーム。私はインストールこそしたもののあんまりやってないです。

・ファッキンホット
くそ暑い

・太陽の光線がこうかばつぐん
『ロマンシング・サ・ガ』シリーズより光の術「太陽光線」。私は2をやり込みました。イーリスかわいいよイーリス つよいしかわいいし ホーリーオーダー男?ポイーで

・キャプテン・○ァルコン
『F-ZERO』シリーズよりキャプテン・ファルコン。スマブラで一躍有名に。ファルコン・ランチ!

・キャプテン・ア○リカ
MARVELのアレ。私は見たことないですけど、アイアンマンが好きな知人が教えてくれました。

・月に代わってお仕置きしそうなセーラー服
ジュピターすき タキシード仮面とかいうウサミミ仮面みたいなネーミングセンス嫌いじゃないです

・30世紀からやってきて以下略
『未来戦隊タイムレンジャー』より。ダブルベクター、持ってます。プロバイダスも持ってます。タイムシャドウも持ってます。多分平成の戦隊モノで一番すき。

・あにゃまる探偵キル○ンずぅ
『あにゃまる探偵キルミンずぅ』より。知ってる人は知ってる。詳しく知りたかったら調べてみよう!中の人が同じなあたり、制作サイドは狙っていた可能性も……?

・呪○2
天海のトラウマであると同時に私のトラウマでもある呪怨2。パラノーマル・アクティビティと一緒に見せてきた父親を私は絶対に許しません。

・バイオハザ○ド
5が一番すきです。

・火炎瓶のくだり
『L4D2』より。私はFPSあんまり得意じゃないので昔はこれしかやってませんでした。チャージャー死ね(豹変)

・そーれ!アイスストーム!
ぷよぷよ。連鎖ボイス的にはアミティだったかもしれない。私ぷよぷよ~んで時代が止まってるんで……。

・マッカン奢って9本
俺は謙虚だからな

・美味いラーメン屋の屋台
行きませんか?行きましょうよ!

・これはゾ○ビですか?
もはや伏せ字が意味をなしていない件。『これはゾンビですか?』です。実は殆ど見たことがないですごめんなさい(4回目)。

 さて、これと番外編一つでこの作品は一旦休止となります。私が勉学に集中しなければいけないのです。落ちてても受かってても、2月の終わりか1月の中頃には少しだけ更新します。あとがき長くてごめんなさいいつもです。では。

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