気ままにやっていくのでどうぞ暖かく見守って頂ければ と思います。
因みにこの作品はストーリー二割、茶番八割くらいでお送りする予定なので全く話が進まないのは仕様です。適当なネタぶち込みまくってたら長くなったとかではありません。
今回は私が他のクロスオーバー作品で感じた疑問について私なりの考察を入れています。
それでは第七話、どうぞ。
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まめちしき:料理の腕は天海≧雪ノ下>>>>>>>>比企谷>>>>>(超えられない壁)>>>>>>>由比ヶ浜
ボーダー本部へ着いた後、荷物を自室に置いてから早速防衛任務の準備をする。あまり広くないから作戦室があると便利なのだが、残念だったな、俺はぼっちだ!
今日の自虐ネタも完璧ですね。
しかも今日は加古隊との合同任務なのだ。終わった後即帰宅の準備をしなくては、また地獄を見る危険がある。双葉はマジで偉いわ。尊敬してる。遠征でいない太刀川さんとかは一口で死んだしな。俺は一皿きちんと食べてから死んだ。
しかもあの人、俺との修行の度にチャーハンを勧めるものだからこちらとしても断りづらい。八割位は美味しいチャーハンらしく、俺もその八割を食べたのだがアレはマジで美味かった。
そんな加古さんだが、別に友達ってワケじゃない。というか、俺に友達なんて作れる度胸はない。「友達になってくれ」なんて言えるわけがない。勝手にこっちが期待して、こっちが裏切られて。そんなのはもうゴメンだ。あの人は所謂師匠だ。
玉狛での師匠がレイジさんであるように、本部の師匠が加古さん。この人からは、主にハウンドやアステロイドの応用、射手としての動き方なんかを教えてもらっている。
っと考えすぎたな。じゃあ行くか。
「加古さん、今日はよろしくお願いします」
「こんばんは、比企谷君。よろしくね」
近くにいる双葉にも声をかける。
「今日は頼む」
「はい、比企谷先輩」
双葉と初めて会った時こそ警戒されたものの、差し入れに和菓子(白玉あんみつ)を贈ったら懐かれて今に至る。小町よりも手がかからないから楽だ。まあ小町は世界一かわいい俺の妹だから小町に勝てるわけはないけどな。先輩と慕ってくれるその姿はなんというか、俺みたいなのをそう呼んでくれて嬉しかったりする。勿論声には出さない。
「じゃあ行きましょうか。あ、比企谷君、今日はどうする?」
「あー……じゃあ任務終わった後でお願いできますか」
「分かったわ」
短いやりとり。これで炒飯は確定だろう。当たり来い、いや来てください。
そういえば、俺はたまに自分に疑問を持つことがある。
「なんで戦闘員なの?」
確かに俺は面倒くさいことが大嫌いだし、金のためとはいえそこまで身体を動かしたいわけでもない。波音立てずに静かに生きていたいし武器とか持って戦うガラでもないだろう。いつの間にか隊員になっていたが、この疑問は前々からあったし、ついでに考えてみることにする。つまりは
「ボーダーとして働くんだったらオペレーターとかエンジニアでいいじゃん」
というものだ。
さて、まずじゃエンジニアとして働かない理由について考える。
正直に言おう、単純に開発とかがめんどくさい。鬼怒太さんとか見てたら中々ブラックそうだし、俺できれば働きたくないし。ま、選択肢としては無しだな。因みにブラックっぽいのが一番の理由。
次、オペレーター。自分で言うのも何だが、割とオペレーター自体は向いていると思う。ゲームはあまり得意じゃないが、戦術シュミレーションだけなら自信がある。マップやレーダーなんかが見えるんだから、俺もオペレーターならいいところまでいけるとは思っている。じゃあなんでそうしなかったか。
バッカお前、オペレーターって女子ばっかじゃん。俺みたいな目が腐った男が入ってみろよ、阿鼻叫喚だぞ。自分で言うのもさすがに辛くなってきた。
大体新しいチームのオペレーターになったとしても人見知りの俺がそう簡単に打ち解けられる筈がない。そもそもコミュミケーションを取れる気がしない。
しかも人に物をガンガン言うとか生意気じゃん。俺はなるべく静かに生きていたいの。前言撤回、やっぱ俺向いてない。
あとはあれだ、俺のトリオン量が多かったのと、サイドエフェクトが活かせるのは戦闘員のほうに軍配が上がるからってのもあるな。だからオペレーターも無しってわけだ。
なんだ、やっぱり一番マシなの戦闘員じゃねえか。選んだ俺は賢いと言わざるを得ない。なんか納得したら気分がいいぞ。双葉にあとでなんか奢るか。
「お疲れ様でした」
「お疲れ様、比企谷君。じゃあまた後でね」
「はい」
加古さんがそう言って先に作戦室に戻っていった。後から双葉がついていくように…ってあれ?いない。いつもはついていってるのに…と思った時、後ろから俺の右頬に冷たいものが押し当てられた。
「うひゃい!!」
「……その叫び声はちょっと気持ち悪いです先輩」
我ながらそう思うよ、双葉。だがそう思うならまず俺にそれをやるな。何回でも叫び声を上げる自信があるぞ。
「比企谷先輩、今日もありがとうございました。…これ、お礼です」
「俺のことをお兄ちゃんと呼んでくれたら死ぬほどかわいがってやる」
罰?マッカンをくれる女子にお灸を据える必要なんてあるわけねえだろ。馬鹿なの?もうさっきのも八幡許しちゃう!双葉マジいい子、ボーダーの俺の妹。多分俺が一番話した時間が長いのはコイツだろう。一番仲がいいのもコイツか、もしくは今はいないが綾辻とか、あと那須くらいだろう。というかそれ以外に特別に仲がいいやつがいない。
「お、おにっ……気持ち悪いです比企谷先輩!」
そう言って走って行ってしまった。やべえ超かわいい。恋愛感情?バッカお前、双葉は小町より年下なんだぞ?アイツは妹だ。むしろ実妹にしたいまである。小町と双葉、タイプの違う二人の妹…………最高じゃね?小町への愛は俺が世界一と自負しているが、もし双葉が妹になったら俺は双葉に二番目に愛情を注ぐだろう。もちろん一番目は小町だ。
妄想が過ぎるな。とっとと着替えてシャワー浴びて訓練室でも行くか。ちなみに今日の収穫はモールモッド3体、バンダー1体。中々だった。
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せめて片付けは……と思ってたら、どうやら雪ノ下さんがやっていてくれたらしい。彼女の考え方は僕とは相容れないけど、こういう細かい気遣いが出来るのは素直に尊敬に値する。
「ミィ、クルト。餌、どうぞ」
二匹の猫を呼ぶと、テケケケと走ってくる。意識を猫に集中させてから話しかける。人から逃げ続けたお陰で猫を会話ができるというのはなんというか、皮肉。
「ごめん、急に人を呼んで。事情があったから」
「いいんだよ、ご主人。僕たちは拾われた身だからね。でも、あの長い髪の毛の女の人、怖かったよ……ずっと僕達のほう見てたし」
「……そうなの?」
意外な事実。雪ノ下さん、猫が好きなのかも。通りで入ってくるときにミィ達の方を見てたわけだ。ずっととは思ってなかったけど。
「いいから早く飯をくれよ飯、お腹すいた」
「ああ、ごめんクルト。今出す」
バイトやら何やらで昨日は構ってあげられなかったから。上の階で寝てたのを起こすのも悪いと思ったし。
「ん」
「ありがとう、頂くよ」
「もっと高いやつくれよー」
「贅沢言わない」
やっぱりこの能力は便利だ。しかし、人間レベルの知能で喋ってる気がするのは気のせいだろうか。あとミィは少し僕に似てきたような気がする。クルトはそろそろ慎みを知ってほしい。
「ご馳走様。僕は寝るから」
「ごっそさん。俺も寝る」
「気のせいだった」
やっぱり思考回路は単純だった。さて、バイトに行く時間だ。夕飯はクッキーがあるから問題ないし、バイトの時間まではまだ余裕もある。また運動してから行くかな。
*
今日も今日とて公園へ。トンファーは昨日やったから今日は棍。
棍を使う上で大事になるのは技術。だけど、それ以外に身体の柔らかさとかもあると思う。捻ったりした時のリーチが大分変わってくるから。と言っても、棍自体割とリーチは長いからあくまで攻撃セオリーの一種みたいなもの。
両手に、片手にと、横薙ぎに振りながら持ち方を素早く変える。もしもすごく身体能力が上がったらモン○ターハンターの操虫棍とかみたいに使えるんだけど。残念ながら現実は甘くない。
僕が使う上でのトンファーとの大きな違いは、攻撃に使うか防御・牽制に使うか という点。トンファーで防御はほぼ期待できないから、攻撃なのは当然とする。防御はできるけど。
棍はリーチが長いから、例えば相手がナイフを持っていてもこちらが早く対処できるのが大きいアドバンテージとなる。逆に、狭い路地とかだと辛い。
お疲れ様。今日もバイトだ。
*
「マスター、こんばんは。今日もよろしくお願いします」
「やあ樹くん。今晩もすまないね」
「お金のため、ですから」
「それでもだよ、君には助かってる」
「はぁ」
やはりこの人には勝てない。ニコニコとした表情を変えもせずにサラリとこちらを褒める。反応に困ってしまう。
「そうだ、新しいバイトの子だけど、まだ自己紹介してないよね?」
「はい」
頷くと、マスターは少し部屋を出て今度は女の人を連れて入ってきた。僕よりも背が高い。カッコいいなあ。
「料理及び雑用担当の天海です」
軽く頭を下げる。対面にいる女の人は、遠慮がちに自分の名前を告げた。その後、マスターと一緒に再び部屋を出ていき、三度マスターが部屋に入った。
「……彼女も、君と同い年なんだ」
「!……了解です」
この人はきっと、困ってる人を的確に見抜いているのだろう。彼女は、そんな顔をしていた。そこに救いの手を差し伸べてくれるマスターを、事情はどうあれ僕は尊敬している。
「料理、してきます」
「ああ」
僕はただお金のために働こう。妹のために働こう。
女の人は後に出てきますが察して下さい。
猫と会話している天海はサイドエフェクトではありません。それもまた番外編があったら。それでは。