「何故あなたまで一緒にいるんですの!?」
「いいじゃない。幼馴染なんだし!」
俺は鈴とセシリアに挟まれて夕飯を食べていた。今日も食堂のおばちゃんは良い仕事をしています、と親指を立てたらおばちゃんもキメ顔でグッと親指を立てくれた。
何故か年上や職員の人達とはすぐ仲良くなれるんだよな、俺。
『喧嘩するほど仲がいい』
「「よくない(ですわ)!!」」
……こいつらも仲良くしてくれないものだろうか。
二人は火花を散らしながら睨み合っているし、俺はそれに挟まれて妙に居心地が悪い。
「大体、クラス代表戦の前なのに、敵である二組の代表と食事なんておかしいですわ!」
「敵以前に、私は幼馴染なんだからいいのよ」
ねー!とにこやかに同意を求められても困るんだが…
『俺にとったら鈴もセカンド幼なじみだけどな』
「ウソ!何で!?」
『ガキの頃、フランスに長期滞在してた時があってな。そん時に知り合った奴と結構長い間文通とかしてたから』
昔の記憶だからうっすらとしか思い出せないが、確か金髪の親子だ。母親の顔も、その子供の顔も。どちらも儚く今にも壊れてしまいそうな笑顔だったのは覚えている。
文通も中学生になってからお互いに忙しかったせいか途切れてしまったが、元気だろうか……
『ていうか、早く食わねぇと千冬さんに怒られるぞ?』
夕食だろうと、食堂の利用時間は決まっているのがこの学園だ。更に言えば一年生の寮の監督は千冬さんであり、時間外利用など許される筈もない。
「そういや、アンタ何部屋にいるのよ。一夏はあの箒って子と一緒何でしょ?」
千冬さんというワードに多少なりとも焦りを感じたのか、ラーメンを噛みながら鈴が問いかけてくる。ちゃんと噛まないとダメだぞ?
『まさかとは思うが、部屋に乗り込んでくるなよ?』
「うぐ……」
そのまさかかよ。何で乗り込んでくる気だったんだ。
『来るのは構わないが、相手は千冬さんだぞ』
「「えぇ~!?」」
仲が良いのか悪いのかどっちなんだお前ら…
見事にハモった二人を置いて、俺は食器の乗ったトレーをおばちゃんに渡し、困惑した二人に手を振った。
『じゃ、お休み』
「ちょ、ちょっと!」
「どういう事ですの!?」
俺が聞きたいくらいだよ…
――――――――――
『……はい?クラス対抗戦の警護に回れ?』
自室に戻った俺のパソコンに届いていたメールに、思わず声に出して読んでしまう。
『……いい加減、過労死するんじゃないか、俺』
長々と綴られたメールの内容を読む気にもならず、俺はパソコンの電源を落としてベッドに寝転がる。
頼むから、休ませてくれ…
そう願っていると、いつの間にか意識が暗転していた。