IS―インフィニット・ストラトス―灰色の騎士   作:芦屋戒

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4P目

 

 

俺はパニッシュメントのハンマーを引き、引き金に指をかける。

 

「俺が合図したらアイツに向かって衝撃砲を撃ってくれ。最大威力で」

 

「いいけど………当たらないわよ?」

 

「いいんだよ。当たらなくても」

 

なるほど、一夏の考えが読めた。

 

瞬時加速は、エネルギーを内部に取り込んで圧縮して放出する。つまり、外界からのエネルギーでも構わないのだ。

 

『なら俺が初撃で奴の隙を作る。ぶちかませ』

 

「おう、しくじるなよ」

 

『ぬかせ、バカ』

 

俺は推進翼にエネルギーを最大まで貯める。瞬時加速を使わずとも、アトにはそれと同等の加速力が備わっているから問題はない。

 

また一夏と顔を見合わせ、翼をはためかせた瞬間。

 

「一夏ぁっ!」

 

ピットからハウリングと一緒に声が響いた。拡声器を使った箒の声だ。

 

何やってんだアイツは…!

 

「男なら……そのくらいの敵に勝てなくてなんとする!!」

 

『マズイ…!』

 

予想通り、Unknownのロックが俺達から箒へと移行し、銃口が箒に向けられた。

 

「箒!逃げろ!!」

 

言っても間に合わない。

 

なら、迷ってる暇もない。

 

『行くぞ一夏!』

 

推進翼のエネルギーを一気に放出し、爆音を轟かせながら奴に肉迫する。

 

「鈴!今だ!!」

 

「ってアンタ!そこじゃ当たっちゃうわよ!?」

 

「いいからやれ!!」

 

「あーもう!どうなっても知らないわよ!!」

 

ドン!と重い衝撃を背中に受けた一夏は、そのエネルギーを後部スラスター翼に取り込む。

 

そして、零落白夜を発動した。

 

俺はトリガーを引き、パニッシュメントに新たな力を加える。

 

刀身が赤いエネルギーに包まれ、二倍は長い芯のあるレーザーサーベルを作り上げた。

 

『「うぉオオォォオ!!」』

 

二人同時に瞬時加速を使い、一夏は右腕を、俺は首上を、斬り裂いた。

 

しかし、偶々射程圏内に俺がいたのであろう、残った左腕の反撃をモロにくらい、

 

『がっ…あ………!?』

 

的確に狙ったかのように首を締め上げられる。そして絶望的な事にその左腕の先にはレーザーの砲口が最後の余力とばかりに光を集め始めていた。

 

『………狙いは?』

 

「完璧ですわ!!」

 

瞬間。

 

客席から、ブルー・ティアーズの四機同時射撃による青い閃光が奴の体を正確に射抜いた。

 

『流石はセシリア。やってくれると思った』

 

「当然ですわ!私はイギリスの代表候補生ですから!」

 

高々と誇るセシリアに苦笑いしながら、戦いは無事に終わった。

 

 

―ISの再起動を確認!ロックされています!―

 

 

筈だった。

 

奴は左腕を最大出力形態にし、ゆらりと俺に標準を合わせた。

 

瞬時に状況を確認する。俺の背後には箒、隣には一夏がいる。避ける選択肢は、ない。

 

『オオオオオオオオオオオォオォオ!!』

 

俺は一瞬でパニッシュメントのハンマーとトリガーを引き、奴に向かっていく。

 

眩い光の中で何かを斬った感触がしたが、俺の目の前は、

 

 

 

真っ白になった。

 

 

 

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