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『なぁ、一夏。どうして俺は此処にいて、お前と一緒にいるんだろうな』
「どうしてって…千冬姉が彰を戸籍上引き取ったからだろ?家族なのに離れて暮らすなんておかしいし」
『そこだよ、いくらIS学園に入学する為とはいえわざわざ俺自身の戸籍から塗り替えてまでする必要はなかったんだ』
「確かに、言われてみればそうだけどさ…俺はそれじゃダメだったんだと思う」
『ダメなのか?』
「千冬姉と一回だけIS訓練したんだけどさ、その時言ってたんだ。”孤独は人に傷を負わせる、孤高は人の心を殺す。果ての姿は空っぽになった人形だ”って」
『………』
「それを聞いて、悪いけどお前を思い浮かべた。彰ってどこか一線を引いてるっていうか、すごく、足りないんだ」
『足りない?』
「そう、足りないんだ。中学の時、弾が他校の奴らに絡まれて彰が単身で乗り込んだ時があっただろ?」
『片付けて帰ってきたらお前に殴られた日だな』
「うっ…悪かったって…まぁ、そん時も言ったけどお前は背負いこみ過ぎて、でもそれが当たり前になっちまってて、今すぐにでも壊れそうなのに平然としてる。それが友達として許せなかったんだ」
『物心付いた時からやってきた事だ、お前が心配することじゃないだろ』
「だからそれが足りないんだって。俺だって挫けたり心が折れかけたりする時がある。だけど彰はそれがない…っていうかその部分が足りてないんだ」
『人間らしくない、ってか?はっ…』
「笑い事じゃないだろ…それが足りないって事はさ、お前は誰にも心が開けないって事だろ?ずっと孤独で、でも孤高で在り続けて…」
『勘違いするなよ、一夏。俺はそんな特別な存在でも格好いい男でもない。実験の結果生き残ってしまった死にぞこないのモルモットだ。お前だってどうせ聞いているんだろう?』
「……聞いたさ、千冬姉に。でも、今のお前が此処にいるのはその過去を乗り越えてきたからだろ!たった一人で!」
『……何を怒ってんだ、とりあえず座れアホ』
「怒らずにいられるか!そうやって今も抱え込んで平然としてるから、千冬姉はお前を無理矢理でも連れ出したんだと思うんだ!」
『せっかくのお茶が冷めるぞ』
「あ、悪い…とにかく、彰が一人でいるつもりなら、俺はまた殴るぞ。そんであの時と同じ事を言ってやる」
『お前、俺を殴りたいだけじゃないのか?』
「……おい」
『冗談だ、湯呑割りそうな勢いで睨むな…』
「そもそも、ずず…はぁ…最初に会ったのは彰から来ただろ」
『初めまして、日本名は御剣彰だ。俺の任務の為にお前を守らせてもらう』
「それそれ、最初聞いたときは何言ってんだこいつって思った」
『その後弾に絡まれて一発で落とした記憶があるな』
「で、俺もムカついて戦ったけど当たらなくて諦めたんだよな」
『我ながら馬鹿みたいな自己紹介だったな。それでも俺は此処にいるからわからないものだ』
「だってお前良い奴だってわかったしな…あ、月見餅切れたから取ってくるな」
『いや小腹すいたからなんか作ろう。食材貰ってもいいか?』
「あー、それなら千冬姉もうすぐ帰ってくるらしいし、俺もなんか作ってやるか…」
『じゃあメインディッシュは任せた、俺は前菜とかやる』
「じゃあ何作るかだな……イギリス料理とか試してみ」
『セシリアの料理を忘れたのかお前やめろ殺されるぞ』
「あ、あれはセシリアの腕が悪いんじゃ……でもなんか不安だからハンバーグとかにしとくか…」
『今思うと、これ高校生の会話じゃねぇよな…はぁ…平和だな』
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