後編はもう少し話が進んでから投稿しようと思います
あと、活動報告でアンケートを実施しています。
よかったら返信をお願いします
ゼロことルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは考えていた
ルルーシュはゼロとしてギルフォードが行おうとした公開処刑から団員を助け出す事に成功した。
そのおかげで黒の騎士団は復活する事ができた。
だが、まだ問題は山積みだった
領事館の広場では解放された団員達が酒盛りをはじめ、喜びを分かち合っていた。
だが、ルルーシュはそこには居なかった。
彼は領事館の執務室にいた。
理由はカレンの事だ。
団員達を助け出した時、解放された団員がまず気になっていた事はブラックリベリオン時になぜゼロが戦場から居なくなったのか?
その事をゼロに怒りと共にぶつけてきた。
ゼロはただ一言「勝利のため」と説明したが、ルルーシュはそれで納得するとは思わなかったが、以外にも藤堂がゼロの肩を持ちその言葉に玉城達が呼応する形でそれ以上問いかけて来るものは居なくなった。
納得していない者も多いだろうが、それは行動で示すしかないと考えた。
問題は次に問われた事だった
その問いは扇が発した
「ゼロ!カレンは何処に居るんだ」
その問いに黒の騎士団の団員全てがゼロの問いに耳を傾けた
それは解放された時に皆が気になっていた事
ゼロの作戦により中華連邦領事館のある治外法権区に落ちてきた車両から皆を助け出した時、その場にカレンの半身『紅蓮弍式』は居なかった。
だが、今いる領事館の広場には『紅蓮弍式』はひっそりとたたずんでいた。
そして今この場にも顔を出していないカレンの身を兄の変わりに見守ってきた扇が気にかけないはずはなかった。
団員達も心の中では気になっていたが、扇が聞くのを待っていたのだ。
「……彼女はバベルタワーの作戦時に負傷し、現在療養中だ」
「な!?なら直ぐに会わせてくれ!!」
ゼロの答えに扇は直ぐに反応を示した。
無理もない。
扇にとってカレンは親友に託された大事な女の子
時に兄のように時に父親のように大事にしてきた彼女が負傷したと聞けば動揺するのは必然だ
だが扇の願いを聞くわけにはいかない……いや、聞くことなど出来なかった
「今は無理だ……だが、近いうちに必ず会わせる」
「……そうか。すまなかったゼロ」
そう答えた扇の顔をルルーシュは直視する事が出来ず、直ぐ様領事館の中に戻っていった。
そんな暗い雰囲気を吹き飛ばそうと玉城が何処からか酒を見つけ出し、広場で酒盛りを始める事になったのだ。
「どうするべきか……」
「素直に全て話せばいいではないか」
「それが出来ないから悩んでいるんだ!」
部屋にいたC.C.がルルーシュの独り言に答えたが、それはとても了承出来るものではなかった。
今、黒の騎士団内部でカレンはゼロよりも信頼されている人物だ。
理由はブラックリベリオンの時に壊滅状態になった黒の騎士団を今日まで維持し続けた事だ
その事は皆が知っている事だ
だからこそ言うことが出来なかった。
カレンが男を取り、ブリタニアに渡ったなど……
下手をしたら今この場で黒の騎士団が完全に消滅してしまう
カレンの存在はゼロよりも重い存在になっていた
「だが、扇達に隠し続けるにも限界がある」
「分かっている!分かっているが……」
確かに扇達に隠し続けるのは不可能だ
だがこんなことでギアスを使うことなど出来ない。
ルルーシュは途方に暮れていた
そんな中、C.C.から以外な提案が出た
「なら扇だけに伝えればいいじゃないか……いや……扇だけにはなんとしても伝えるべきだ!カレンの為にも……」
「C.C.」
正直、意外だった……
カレンとはいがみ合っていたはずの彼女からそんな言葉が出るとは思わなかった
この一年、彼女はカレンと苦楽を共にした仲だ
恐らくその間に彼女達の仲も良好な物になっていたのだろうとルルーシュは感じた
「分かった……」
ルルーシュはそう言うと通信機の電源をいれ、扇に自分の所に来るように連絡を入れた
C.C.の意見を受け入れた
「ゼロ!カレンの事で伝えたい事があると言っていたが一体何なんだ?」
「扇……お前には真実を伝えておくべきだと思ってな……」
「真実って……カレンに一体何が合ったんだ!」
ゼロの言葉に扇が強く反応をしめしてきた。
それをみたC.C.がゼロの代わりに答えた
「カレンはブリタニアに渡った……自分の意志でな……」
「C.C.!何を言っているんだ!カレンがブリタニアに……ナオトの仇の方に行くなんてありえない!」
カレンの事をよく知る人物なら信じられない話だ。
カレンは自分の兄を殺したブリタニアを恨んでいる。
この思いが彼女を日本解放という大義に、そして黒の騎士団で戦う事を強く思わせる原動力のひとつだと知っていた
だから信じられない。
カレンが自分達を捨て、ブリタニアにいく理由が分からなかった
「残念ながら冗談ではない……」
「『ライ・アッシュフォード』この男がカレンの愛する者……」
そう言ってゼロが出してきた一枚の写真。
そこに写るカレンと同じ学校の制服に身を包んだ男に扇は見覚えがあった
「彼はナイトオブラウンズじゃないか!?」
「あぁ。だが、何故お前が知っている?」
ゼロは違和感を覚えた。
ライがナイトオブラウンズに任命されたのはブラックリベリオンから数ヶ月後の話だ
ブラックリベリオン時に捕まったはずの扇達がライの存在を知るはずがなかった
「一度だけ彼が面会に来たことがある……だからカレンの事を聞いてきたのか……」
それは今から二ヶ月ほど前の事だ
ブリタニアに捕まってから扇達は同じフロアの独房にこうそくされ入れられていた
自分達が起こしたことによりエリア11が矯正エリアに格下げされたと聞かされた時は自分の事を許すことが出来なかった
今、自分達はこうして生きているのに外にいる日本人達が自分達のせいで殺されている
独房の中で扇は毎日自分の行動は本当に正しいのか自問自答を繰り返す日々だった
今日も同じ日々の繰り返しだと思っていた。
だが、それは自分の独房に来た看守によって変えられてしまった
「おい!面会だ!早く出ろ!」
そう言って扇は看守に連れていかれてしまった
自分達のような重罪の犯罪者に面会などあり得ない
つまり、自分が連れていかれるのは面会室ではなく、処刑室だと確信した
これで終わりかと覚悟した
だが、その覚悟はあっさり打ち砕かれた
扇は面会室に連れてこられていた。
看守と共に面会室に入るとそこには一人の男がいた
銀色の髪に深い蒼の瞳。
そして女性のような端正な顔立ちをしていた
彼は立ち上がり、看守に近づいていった。
そして看守の胸ポケットに何かを入れ、それを確認した看守は笑みを浮かべ部屋を出ていった
「はじめまして。ナイトオブエイトのライ・アッシュフォードです」
男は自分に挨拶をしてきた。
正直、驚いた。
相手はブリタニア人。
しかもナイトオブラウンズの1人
そんな人間がナンバーズでテロリストの自分に挨拶をしてくるとは思わなかった
「早速なんですが、『紅蓮弍式』とそのパイロットの事を教えてもらいたいのですが……」
「俺は知らない……それはゼロしか知らない!」
席につき真っ先に聞かれた質問に扇は食いぎみで答えた
カレンの事は何も言わない。
これは扇達が捕まった時に幹部皆が固く誓ったことだ。
いくら黒の騎士団のエースと言えどカレンはまだ学生で未成年だ。
彼女の未来のため彼女の事は隠し通すと決めていた
「困りました……『紅蓮弍式』のパイロットか確認して欲しかったのですが……」
「確認って……彼女に何が!?」
彼の言葉に思わず声を荒げた
確認とは身元確認だろう
つまり彼女か分からない状態のものを確認して欲しいと言うことだろう。
そんな状態にカレンがなっているとは考えたくなかった
だから思わず声を荒げてしまった
それを見た彼は淡々と言ってきた
「なるほどパイロットは女性ですか」
「っ!?騙したのか!!」
嵌められた。そう思った
彼はこちらの反応を見るために嘘をついたのだ
扇は彼の事が憎らしく思えてきた
「彼女が生きている確証は何かありますか?」
「ブリタニアの君が聞きに来ている事が一番の証拠だ!」
もう答えるつもりはない。
扇は彼を睨み、目で自分の意思を伝えた
その意思を読み取った彼はため息をつきながら立ち上がった
「……そうですか。時間を取らせてしまい申し訳ありませんでした」
そう言って彼は扇の横を通り過ぎていった
その時の彼の顔を今でも覚えていた
その時は何故そんな顔をしていたか分からなかったが今なら理解出来る
彼も不安だったのだろう。
愛する者の所在が分からないことに……
彼も扇と同じようにカレンを大切に思っていた事に今はじめて気が付いた……
「彼とカレンにはその……」
「男女の関係だ。肉体関係もある……何よりカレンとライは愛しあっている……」
『愛し合っている』
この言葉が扇の心に深く突き刺さっていた
身分や人種など関係なく相手を想う
それは今の扇にも分かる事だった
「『特区日本』が設立されたら一緒になるつもりだったらしい。その時にお前に伝えるつもりだったようだが……」
「カレンが……」
扇は自分の知らない間に妹の様に思ってきたカレンが一人の女性へ変わってしまった事に寂しさと同時に嬉しさが沸き上がってきた
カレンがナオトを失い、まるで死に急ぐように戦場に身を投じているのに扇は心苦しい日々を送っていた
それが何時からかカレンからまるで腫れ物が落ちたように明るくなっていったのを思い出していた
その時は黒の騎士団として日本解放という大義が果たされようとしているのに胸を踊らせていたと思っていた
その時に井上に言われた「あんたも凄く鈍感ね」と
その意味が今分かった。
あの時からカレンは彼の事を想っていたのだろう。
そして自分の知らないところで愛されていたのだろう。
あれほど行きたがらなかった学校に行くようになったのはそのためだったのか
『特区日本』の話を聞き、真っ先にゼロに参加を進言していたのは彼と一緒になるためだったのか
カレンの想いに気が付いた扇はカレンの行動を責めるどころか誇らしく思った
そして何よりカレンの幸せを一番に願っていた
「カレンは幸せになれるんだな!もう戦わなくていいんだな!」
扇は思わずゼロに問い掛けた
だが、ゼロから帰ってきた言葉は扇が期待したものではなかった
「残念ながらそれは無いだろう……幸せになれはするだろうが
、戦いからは逃げられないだろうな……」
その言葉を聞き、先程捕まっていなかった団員から聞いたことを思い出した
「枢木スザクか!!」
ゼロを捕まえた功績により出世した裏切り者
日本の恥さらし
彼もライと同じナイトオブラウンズになっていた
そしてカレンとは面識があり、カレンの正体も知っている人物だ
「だが、カレンはそれを覚悟してブリタニアに渡った……意味が分かるよな……」
ゼロの言葉に扇は頭に浮かんだ言葉を口にせずにはいられなかった
「俺達とカレンが戦うのか……」
カレンが自分達を殺しにくる
そんな事を信じたくはなかったが次にゼロが言った言葉に納得してしまった
「知っているよなカレンの芯の強さを……あいつは簡単には折れない……覚悟しておく必要がある……」
そうカレンは一度決めたらテコでも曲がらない
そんなことゼロよりも扇の方が良く知っている
だから扇は覚悟した
覚悟した上でゼロに言った
「ゼロ!黒の騎士団幹部を集めてくれ!カレンの事は皆に話すべきか話し合って決めよう!俺だけが知っているべき話ではない!カレンの事を想うならな……」
そうカレンが決めたなら自分達も決めなければならない
カレンが敵になった事……
そして……
カレンを殺さなければならないかも知れないことを……