部屋をあとにしたあとC.C.は今後の事について考えていた。
「…‥さてどうしたものか…‥」
ここ数ヶ月の調査で、ゼロこと、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの所在は掴めていた。彼は今アッシュフォード学園にいた。ゼロであったこと、大切な妹ナナリーのことを実の父親で世界の3分の1を支配するブリタニアの皇帝、シャルル・ジ・ブリタニアにあのギアスにより記憶を改ざんされ、偽りの記憶と、偽りの弟を与えられC.C.を誘き出すためのエサとして、ブリタニア軍の厳重な監視下で生かされていた。
ギアスとはC.C.の様にコードを持つ者と契約を交わした人間に与えられる一種の超能力だ。能力は多種多様で、ある者はあらゆる人種から愛され、ある者は他人の心を聞く事が出来た、ある者は他人の自我を喪失させ自分の意のままに操る傀儡に変えた。ルルーシュも『絶対順守』の力があった。その力を用いて、ゼロとなり、数々の奇跡を画策し、黒の騎士団を、日本人を奮い起たせた。
だが、今の彼はただの学生としての記憶を与えられ、力の事も力の使い方も忘れてしまっていた。
「記憶を戻すだけなら私だけでも出来るが…‥問題は敵の戦力だな…‥」
敵の主戦力であるKMFの数は今の黒の騎士団と差ほど変わらないと考えていた。問題なのはそのKMFに乗るパイロットの方だ。こればかりはどうにもならない。黒の騎士団はブラックリベリオン時に主要幹部のほとんどが捕まっていた。数では同等でもその戦力の質にかなりの差があった。
その差を埋めるのが戦略なのだが、黒の騎士団にゼロに並ぶほどの知略を練れる者は存在しなかった。
そうなればあとは質を求めるしかなかった。その一点に関しては黒の騎士団の方が上回っていた。
カレンの実力は間違いなく世界でトップクラスのパイロットだ。
もう一人の実力のあるパイロット 卜部巧雪もカレンほどでは無いがかなりの実力者だ。
だからこそ今回の作戦ではカレンが重要になっていた。
カレンと卜部が敵の大多数を殲滅し、その間C.C.がルルーシュに接触し記憶を戻す作戦だ。だが…‥
「…‥なぜ私は今のタイミングであんな事を言ってしまったのだ…‥」
実際C.C.はカレンに対してあんな質問をするために彼女の部屋に行った訳ではなかった。本当はただ心配で様子を見に行っただけだった。しかしそこで見たカレンの表情に、仲間として…‥1人の女として見てはいられなかった…‥
切なさと絶望に蝕まれていた表情を…‥
カレン自身は気が付いていなかった。卜部も、他の黒の騎士団の団員も気が付いていなかった。C.C.だけが…‥人よりも長い年月を生きていた彼女だからこそ気が付けた…‥
だからこそ無視する事が出来なくなってしまった。
誰だって自分の大切な人間を殺す事が嬉しい人間などいない…‥大切な人間に殺されて嬉しい人間などいない…‥だが、カレンは強かった…いや強がっていた…‥本人も気が付かないほどに…‥だから気が付いていなかった…‥徐々に自分の気持ちを絶望に蝕まれていることに…‥
「カレンには幸せになって欲しい。いや、幸せになってもらはなければ困る。だか…‥どうすればいい…‥どうすれば上手くいく…‥なぁルルーシュお前ならどうした…‥」
その問いには誰も答えてはくれない。
カレンはC.C.が自分に言った事を真剣に考えていた。
ライと共に同じ道を歩いて行くか…‥
ライと戦場で対峙し、お互いに命を奪い合うか…‥
片方を選べば、女としての幸せを得ることが出来る
だがそれは死んでしまった兄と仲間との夢を捨てる事になる
片方を選べば、兄と仲間との夢…‥日本人としての誇りを得ることが出来る。だかそれは愛する者の命を犠牲にする事になる。
カレンにとってそれはどちらも捨てることは出来ないものだった。愛する兄との夢…‥愛する男との未来…‥どちらも捨てることなど出来ない…‥
本来なら今頃はどちらも失う事なく、幸せに生きていたはずだった…‥
『行政特区日本』
それはカレンにとって正に希望だった…‥
感想を書いてくれた方
ありがとうございます。
期待してくれる以上頑張っていきたいと思います。