エンジュの秋風と中国に潜む黒き風   作:シセン

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ポケモンマスターを目指しているのは、マサラタウンのサトシだけではない……
そしてポケモントレーナーが目指す先もまた、ポケモンマスターだけではない……
幾千、幾万、それ以上の少年少女が、己の目指す道のためにポケモンと行動を共にしている……
これは、そんなトレーナーの1人である少年の物語……


プロローグ1

・・ホウエン地方 サイユウシティ

今年も開催されたホウエンリーグ・サイユウ大会もいよいよ決勝戦……

決勝まで勝ち上がったのは、どちらもジョウト地方から挑戦に来たトレーナーなのだが、

ジョウト地方にもホウエン地方にも生息しないポケモンを出しているという事で、

その内の1人が今大会の台風の目として注目されていた。

「「「ワアァァァァァッ!!」」」

そして、そんなトレーナーが戦う決勝戦もいよいよ大詰め……

決勝戦も既にクライマックスを迎えており、観客のテンションも最高潮に達していた。

電光掲示板に映っている2人のトレーナーとそのポケモン達の顔写真……

片方は4体、片方は5体のポケモンのシルエットが黒く表示されており、

どうやら片方のトレーナーが最後の1体まで追い込まれている様であった。

追い込まれているのは、紫色の髪でベンチにノートパソコンを置いてきている少年……

対するトレーナーは、紺色の髪で灰色の瞳、少女の様な顔立ちをしているが、

その鼻の上には横一文字に伸びた傷痕が刻まれている少年であった。

『さぁ、決勝戦もいよいよクライマックス!残りのポケモンの数ではソウマ選手が有利!

このままソウマ選手が逃げ切るのか、それともシンゴ選手が逆転するのか!?』

 

紫色の髪の少年『シンゴ』は、サトシがジョウト地方を旅していた時に戦ったトレーナーで、

当初はデータだけでバトルに勝てると考えていたが、データを奪いに来たロケット団の乱入や

サトシとのバトルを経てバトルへの情熱を取り戻したという過去を持っていた。

一方、『ソウマ』はエンジュシティ出身のトレーナーで、母親が元トップコーディネイター、

亡き父親はエンジュジムのジムリーダー『マツバ』と同じ『スズの塔』を守る一族であった。

 

「最後はお前に託す!行け、ブレード!!」

『ハッサムッ!』

シンゴの最後のポケモンは、パートナーである『ブレード』と名付けたハッサム……

「ハッサムか、相手にとって不足無いね。出番だよ、ゲッコウガ!」

『コウッ!』

対するソウマが出した5体目のポケモンは、カロス地方のしのびポケモン『ゲッコウガ』……

しかも本来青いはずの体が黒い色違いのゲッコウガで、より『忍』らしい印象を与えていた。

ソウマはジョウト生まれジョウト育ちだが、ゲッコウガは最初のポケモン……の1体である。

ソウマの母親が旅行好きで、普段はエンジュシティで舞妓の先生などをしているが、

仕事の合間によく旅行しており、ソウマも付き合わされる事が多かったのだが……

ソウマがトレーナーになる少し前、フランス旅行でミアレシティを訪れた時、

プラターヌ博士の研究所から誤って出てしまい、迷子となったポケモンを助けた事があった。

そのポケモンを返しに行った事が縁となってプラターヌ博士と知り合いになり、

お礼としてカロス地方の初心者ポケモンのタマゴを後日自宅に送ってもらったのである。

タマゴから孵った色違いのケロマツがゲッコウガへ成長し、今バトルフィールドに立っていた。

『シンゴ選手はハッサム、ソウマ選手はカロス地方のポケモンであるゲッコウガだ!

相性はハッサムが優勢だが、果たしてこれがラストバトルとなるのか!』

「終わりにさせない!ブレード、メタルクローだ!」

『ハッサムッ!ハァァァッ!』

両腕のハサミにエネルギーを纏って身構え、ゲッコウガに向かって駆け出すブレード。

「ゲッコウガ、つじぎりで受けて立つよ!」

『ゲコッ!』

ゲッコウガも右手に出現させた紫色のエネルギーを忍者刀の様に逆手に持って構えた。

走りながら【メタルクロー】と【つじぎり】をぶつけ合う2体……

互いにスピード自慢なだけあり、その速さは観客席からではよく見る事ができず、

トレーナーボックスにいるソウマとシンゴも、見失わない様に動きを追っていた。

「……かげうち!」

『コウ……』

『!?ハアッ!』

先に動きを見せたソウマが指示を出すと、ゲッコウガの姿がブレードの視界から消え、

ブレードの影から飛び出したゲッコウガが背後からブレードを蹴り飛ばした。

「負けるな、ブレード!シザークロス!」

『!ハアッ!』

『ガッ!?』

シンゴの指示を受け、【かげうち】を受けながらもすぐに振り返ったブレードは、

【シザークロス】を放ってゲッコウガを後方へと吹き飛ばした。

『ハッサムのシザークロスがクリーンヒット!効果は抜群だ!』

「……ねっとう!」

『!……ゲッコォォォッ!』

『ハアァッ!?』

ソウマの指示と同時に、ゲッコウガは吹き飛ばされた勢いを利用してバク転して立ち止まり、

そのまま口から高温の熱湯を吐き出してブレードに命中させた。

「みずしゅりけんで畳み掛けろ!」

『コォウ、ガッ!ガァッ!』

シンゴが驚いている間もソウマは更に指示を出し、ゲッコウガは両手に水を出現させると、

手裏剣状にして次々に放ってブレードに更に命中させていく。

『ゲッコウガ!ねっとうからみずしゅりけんへの連続攻撃をハッサムに命中!

シザークロスを受けながらも全く威力が衰えない!』

「クッ、やはり効果が抜群でも一撃では無理か。ブレード、つばめがえし!」

『ハアァァッ!』

「えんまく!」

『コォウ、ガァァァッ!』

【つばめがえし】で突っ込んでくるブレードに向けて黒い煙を吐くゲッコウガ。

「かまいたちで吹き飛ばせ!」

『ハアァァァッ!』

『!?』

ブレードの放った【かまいたち】の風圧で【えんまく】が吹き飛ばされ、

煙に紛れて姿を隠していたゲッコウガの姿が露になった。

「シザークロス!」

「どくどく!」

『ハアァァァッ!』

『ガアァッ!?』

ゲッコウガは口から紫色の液体を吐くが、はがねタイプを持つブレードには効果が無く、

ブレードは気にせず【シザークロス】を叩き込み、ゲッコウガは再び吹き飛ばされた。

『あぁっと!ソウマ選手、動揺したのかハッサムには効果が無いどくどくを指示!

どくどくを弾いたハッサムのシザークロスが炸裂!これは厳しいか!』

「……そのまま地面に潜れ!」

『コウッ!』

しかしゲッコウガは、吹き飛ばされた勢いを利用してそのまま【あなをほる】で地面に潜り……

「つばめがえしだ!」

『ガアッ!』

『ハッ!?サムッ!?』

地面から勢い良く飛び出したゲッコウガは、そのまま【つばめがえし】に繋げて加速し、

突っ込むと同時に掌打や蹴りによる連続攻撃を叩き込み、ブレードをダウンさせた。

「ブレード!?」

『今度はゲッコウガのつばめがえしがハッサムにクリーンヒットォ!』

「(どういう事だ……シザークロスは2回とも確かに命中していた……

倒せないにしても、ダメージは相当のはず。あれだけの動きを見せられる体力は……。)」

「シザークロスはむしタイプの技……あくタイプを持つゲッコウガには効果が抜群だよ。

……ゲッコウガが『あくタイプのまま』だったらね。」

「あくタイプのまま?……しまった、そういう事か!?そのゲッコウガの特性は……。」

「そう。僕のゲッコウガの特性は、使った技と同じタイプに変化する『へんげんじざい』だよ。」

「だからどくどくを指示したのか。どくタイプにむしタイプの技は効き辛いから……。」

「君のハッサム、相当強いからね……迂闊なダメージを受けるわけにはいかなかったんだ。

僕達は勝つよ……全力の君達を全力で倒して、このホウエンリーグで優勝する!」

『コウ……』

ソウマの言葉と同時にゲッコウガは再び身構える。

「そうはいかない。僕達には目標にしている奴がいる……ソイツともう一度戦うために

僕達は家を離れて修行に出たんだ!まだまだ立ち止まってなんかいられない!」

『ハッサムッ!』

シンゴも負けておらず、ブレードもまだまだ戦えると構え直した。

「タイプを変えるなら戦略も相性も無い。真っ向勝負で一気に決めるぞ!メタルクローだ!」

「受けて立つ!つじぎりだ!」

『ハアァァァッ!』

『コウ、ガァァッ!』

「そのままつばめがえしを織り交ぜろ!」

「ならこっちは、でんこうせっかだ!」

『ガアッ!』

『ッサムッ!』

2体の姿が消え、線の様にしか見えないほどのスピードでぶつかり合う2体。

「ぎんいろのかぜだ!」

『ハアァァッサムッ!』

「かわせぇっ!!」

『ガッ!』

羽ばたきによる【ぎんいろのかぜ】の合間を抜ける様にかわして接近するゲッコウガ。

「ゲッコウガ!とっておきの技で決めるぞ!」

『コウッ!』

ソウマの言葉を聞くと、ゲッコウガは両手に水を出現させた。

【みずしゅりけん】かと思えば、手裏剣ではなく【つじぎり】の様に忍者刀の様な形になり、

一気に加速してブレードの懐に飛び込むと……

『コォウ、ガアァァァァァッ!!』

『ハアァァッ!?』

そのまま水の刀でブレードを連続で斬り付けて吹き飛ばした。

「ブレード!?」

吹き飛ばされた先でダウンし、起き上がろうとするブレードだったが……

『ハ……ハッサム……』

力尽きたブレードはそのまま仰向けに倒れて気を失った。

「ハッサム、戦闘不能!ゲッコウガの勝ち!よって、今大会の優勝者は……ソウマ選手!!」

「「「ワアァァァァァッ!!」」」

『決まったぁぁぁっ!激闘を制し、ホウエンリーグ・サイユウ大会に優勝したのは、

ジョウト地方はエンジュシティからやって来た、ソウマ選手だぁぁぁぁっ!!』

「……。」

優勝が決まっても沈黙を貫……いているのではなく、嬉し過ぎて言葉が出ないソウマは、

バトルフィールドに駆け出し、その勢いのままゲッコウガに抱き着いた。

「よく頑張ったね、ゲッコウガ!優勝だよ!僕達、ホウエンリーグに優勝したんだよ!」

『コウガッ』

ソウマに身を委ね、それに頷く様に鳴くゲッコウガ。

・・やったぞ、ソウマ!・・

バトルフィールド脇にあったベンチから飛び出した影がソウマに飛び付いた。

「うん!お前もよく頑張ってくれたよ、ゾロア!」

『(オウッ!ウシシシッ♪)』

飛び付いてきたばけぎつねポケモン『ゾロア』も嬉しそうに笑う。

 

……もうお分かりだろうが、このゾロアもソウマのポケモンで、テレパシーで喋る事ができる。

元々は、アサギシティの港に入港した海外からの貨物船に紛れ込んでいた所を保護され、

ウツギ博士が一時的に預かって今後どうしようかと考えていた所にソウマが訪れ、

仲良くなったためにウツギ博士から譲り受け、もう1体の最初のポケモンとなったのである。

モンスターボールの中は窮屈だからと常に外に出てソウマの肩や頭に乗っており、

この決勝戦でもトップバッターとしてシンゴのポケモンを2体倒すなど奮闘してくれた。

ちなみに、既に進化形のゾロアークになるには十分なレベルに達しているのだが、

ゾロアは今の姿のままが良いと希望し、ソウマも承諾して『しんかのきせき』を持たせていた。

 

「良く頑張ったな、ブレード。準優勝だけど、前に比べれば立派な成果だよ。ありがとう。

まだまだ再挑戦までの道のりは長いけど、また一から鍛え直しだ。」

『ハッサムッ』

「……ご苦労様、ゲッコウガ。今はゆっくり休んでね。」

『コウッ』

一方のシンゴも、頑張ったブレードに対して労いの言葉を掛けており、

ゲッコウガとブレードをモンスターボールに戻し、ゾロアがソウマの肩によじ登った所で、

ソウマとシンゴはフィールドの中央へと互いに歩み寄った。

「最初から最後まで気が抜けなかったよ。」

「こちらこそ、まだまだ自分が知らない事がたくさんあるんだって認識できたよ。

特に最後、君のゲッコウガが見せたあの技……あんなの初めて見たよ。」

「そりゃそうだよ。あの技は僕とゲッコウガで考えた、所謂オリジナル技ってやつだからね。」

「オリジナル技?」

「みずしゅりけんの要領で両手に水を集めて、つじぎりを出す時の様な刀の形に圧縮し、

つばめがえしの速さで連続で叩き込む……それがゲッコウガのとっておき、『水月乱舞』さ。」

「複数の技を組み合わせた技……なるほど、そういう戦い方もあるのか。」

「そういえばさ。シンゴが目標にしてる奴って、どんな人なの?」

「僕は以前、パソコンで調べたデータだけでバトルには勝てると考えていた……けど、

そのトレーナーはその考えをぶち壊してくれた、バトルの熱さを思い出させてくれた奴なんだ。

……だから何時か、その恩返しも兼ねて彼にバトルを挑みたいと思っているんだ。」

「そっか……頑張ってね。けどもし、また機会があったら僕ともまたバトルしてね。」

「あぁ!……っと、忘れていた。ホウエンリーグ優勝おめでとう、ソウマ。」

「ありがとう、シンゴ。」

『ワァァァァァ!!』

ソウマとシンゴが握手すると、スタジアム中から歓声が響き渡った。

 

その後、閉会式も無事に終了し、選手達は故郷や新たな目的地へとそれぞれ向かっていき、

ソウマもエンジュシティに帰る事になったのであった。

 

・・1週間後 エンジュシティ エミヤ家

「……ん?」

カーテンの隙間から差し込む光が顔に当たり、目を覚ましたソウマが上半身を起こした。

「……ふあぁ~~……よく寝たぁ……って、うわ~~……もう11時か、寝過ぎたな。」

ホウエン地方から帰郷し、エンジュシティに戻って来たのが3日前……

久々の我が家という事もあってか、帰ってからのソウマの起床は何時も昼の方が近かった。

「……ゾロア、起きなよ。もうじきお昼になるよ。」

『……アァ~~……(おはようだぞぉ~。)』

枕元で丸くなっていたゾロアも、背伸びしつつ起き上がった。

「はい、おはよう……まぁ、もうすぐ昼だけど……母さんは仕事に行ってるだろうし、

下行ってテレビでも見ながら、これからの事でも考えるかな。」

ベッドから出たソウマは、寝間着から着替えて1階に下りた。

 

・・エミヤ家 1階リビング

『(これからどうするんだ?あのおっちゃんにリベンジ行くのか?)』

「そのつもりなんだけど、その前にカントーリーグに出てみようかなぁ~とも思うんだよ。

カントーリーグを回りつつ、ジンダイさんへの再挑戦に向けても調整できて一石二鳥ってね。」

そう言いつつソファーに寝転がり、カントー地方のパンフレットを広げながら考えるソウマ。

 

ソウマは初めて挑戦した地方リーグ『ジョウトリーグ』でベスト4という好成績を残し、

その後バトルフロンティアのオーナー『エニシダ』と出会い、バトルフロンティアに挑むが、

ピラミッドキング『ジンダイ』に敗退し、一度挑戦を中断してホウエンリーグに挑戦した。

ホウエンリーグに優勝したら、ジンダイに再挑戦しようと考えていたが、

一度カントー地方を旅して回ろうかとも思い始めていたのであった。

 

「ん~~……アサギから船で行こうか、それともコガネからリニア……って、どっちも高いな。

……となるとちょっと時間は掛かるけど、やっぱ何時も通り歩きかな。」

『(えぇ~~……オイラ、たまには乗り物でビュンって行きたいぞ。)』

「バ~カ。お前は良いけど、こっちは有料なんだよ?無駄遣いは旅では厳禁なの。」

『(ブゥ~~……。)』

ソウマの言葉に頬を膨らませるゾロア。

「となれば、そろそろ旅の準備を始めるかな。」

いずれにしてもカントー地方に行く事は決まったため、旅の準備を……

『ピリリリリッ!』

「ん?」

しようとしたその時、ソウマが愛用しているポケギアの着信音が鳴り始めた。

「もしもし?」

充電中だったポケギアにソウマが出てみると、電話の相手は……

『よぉ、ソウマ。元気してるか?』

「レイウォンさん!」

全中国ポケモンリーグ、通称『チャイナリーグ』のチャンピオン『レイウォン』だった。

 

ソウマとレイウォンの出会いは、1年前に遡る……

ジョウトリーグを終え、エニシダからバトルフロンティア挑戦の誘いを受けたソウマだったが、

挑戦する前、ソウマの母親『アキホ』が福引で当てた中国旅行に一緒に行く事となる。

その旅行の途中、アキホと別行動を取っていたソウマは、ポケモン泥棒の現場を偶然目撃し、

泥棒を追い掛けるソウマであったが、そこに現れたのがレイウォンであった。

その泥棒は中国で暗躍する盗賊団の一味らしく、レイウォンは泥棒のポケモンを全滅させ、

そのまま泥棒を殺そうとしたため、やり過ぎだとソウマはレイウォンを止めようとする。

レベルが違い過ぎて返り討ちに合い、それでも止めようと合気道でソウマ自身も挑むものの、

あっけなくソウマも投げ飛ばされてしまうが、ソウマに免じて泥棒を殺す事を止めた。

その時のソウマの度胸と身に秘めた波導の素質を気に入ったレイウォンは、

波導の力を見込んでゲットしながらも自分と反りが合わなかったリオルをソウマに譲り、

自分と張り合えるくらいに強くなったら、本気のバトルしようぜと発破を掛けたのであった。

ちなみに、そのリオルは現在ルカリオに進化してソウマのエースポケモンとなっており、

実は先週のホウエンリーグでも、6体目としてゲッコウガの次に控えていた。

ソウマも波導の存在、そして世界にはまだ自分が指も触れられないほどの高みがあると知り、

それまで以上に強くなりたいと思う様になり、気持ちも新たにバトルフロンティアに挑戦した。

カントーのバトルフロンティア最後の砦であるジンダイに善戦しながらも敗北したソウマは、

再挑戦の前にもう一度地方リーグに挑戦しようと考え、何処に挑戦しようか考えた結果……

ジョウトリーグの帰り道、色々あってゲットしたミロカロスの生息地『ホウエン地方』へ旅立ち、

そして先週、ホウエンリーグ・サイユウ大会で優勝を果たしたのであった。

 

『どうだ?波導は使える様になったか?』

「えぇ、おかげさまで。ルカリオから教わりながら色々応用したりして、

『見聞色』と『武装色』は使える様になりましたよ。あと、属性の波導も少し。」

『そうかそうか。ところで、ようやく地方リーグに優勝できたみたいだな。』

「えっ、なんで知ってるんですか?」

『たまたまお前の出てたポケモンリーグの話をテレビでやっててな。良かったじゃねぇか。』

「ありがとうございます、レイウォンさん。」

『で、だ。俺からの優勝祝い……って大層なもんじゃねぇけど……お前、中国に来ないか?』

「えっ?」

『そろそろお前も、海外のポケモンリーグを経験した方が良いだろ?

旅の費用はある程度俺が出してやる。チャイナリーグの1つに挑戦してみるつもりはねぇか?』

「チャイナリーグに……本当に良いんですか?」

『たまには師匠らしい事をさせろ……って言っても、俺自身はそんな大層な事してねぇけどな。

んで、どうする?同じ地方リーグでも、こっちは参加するトレーナーの数もレベルの上だ。

お前が今以上に強くなりたいってのなら、海外のリーグに挑戦してみるのも手だぜ?』

「レイウォンさん……はい。行ける様に母さんを説得しますから、OKだったらお願いします。」

『そうこなくっちゃな。じゃあ、話がついたらそっちから連絡をくれ。』

「分かりました。」

 

その日の夜、ソウマは夕食の最中にレイウォンとのやり取りの事をアキホに話した。

中国のポケモンリーグに挑戦したい……海外なので、最初は返答に困ったアキホであったが、

ソウマの真剣な表情を見て、何を言っても無駄だと判断したアキホは、承諾したのであった。

 

次の日、ソウマはレイウォンに中国行きが許された事を話し、今後の計画を考え始め、

その結果、本戦までの時間に一番余裕のある中国の地方リーグの1つ……

河南省を中心とした幾つかの省が合同で開催する『カナンリーグ』に挑戦する事となった。

まず、中国でレイウォンと合流した後、かつて彼が修行していたという『少林寺』に寄り、

そこからカナンリーグに挑戦する事で決定した。

 

 

1人の少年がポケモン達と共に旅立つ……この世界では珍しい事ではなかった……

しかしこの旅立ちがソウマの運命に波乱を巻き起こす事となるなど……

この時、ソウマもレイウォンも誰も想像だにしていなかったのであった……

 

 

……To be Continued!

 

 




申し訳ありません!
一度誤って削除してしまったので、再投稿しました。

誤字修正しました。(16・07・01)
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