尚、タグを追加したので気付いたと思いますが……
この小説のオリキャラは、恋姫無双のキャラ(主に魏・董勢)をモデルとしています!
別の作品をモデルとしたキャラも今後登場しますが、ご注意下さい。
・・???
何処にあるのか分からない暗い部屋……
『プロト1の準備が完了しました。』
「……状況は?」
『処置は無事完了し、コンディションも良好です。』
「分かった。予定通りに進めろ。」
『ハッ!』
「……いよいよだ……これが成功すれば、悲願へ向けての計画が始まる……。」
モニターに映る部下らしき男に指示を出す人物……部屋が暗いので誰かは分からなかった……
チャイナリーグチャンピオンのレイウォンの薦めで、カナンリーグ挑戦を決めたソウマは、
初の海外での旅への期待と不安を胸に、ゾロアを始めとするポケモン達と共に中国へ旅立つ。
様々なライバル達との出会いや因縁、そしてバトルをこの時まだ知る由もなく、
中国の裏で蠢く闇と遭遇する事となるなど、まだ予想すらしていなかったのであった。
・・日本ジョウト地方~中国河南省間 飛行機内
『(ソウマ、ソウマ!中国が見えてきたぞ!)』
「分かったから、落ち着きなよ。他のお客さんに迷惑だろ?」
窓から見える中国に興奮気味のゾロアを落ち着かせるソウマ。
機内では一部のポケモンのみ同乗を許可されており、ゾロアも対象内なので機内に出ており、
他の乗客のポケモンも、同じくボールから出されてトレーナーと一緒に食事などをしていた。
尚、一部とはプリンやマリルなどの小さなポケモンやルカリオなどの人型に近いポケモンで、
リングマやゴローニャなど大型・重量級のポケモンは、出してはいけない事となっていた。
……まぁ、重量級のポケモンなんて出したら、飛行機が落ちてしまうので当然だが……
『(ソウマ。空港に着いたら、どうするんだ?)』
「明後日レイウォンさんが迎えに来るから、今日明日はポケモンセンターで休む予定さ。
明日は町を見物して、明後日はレイウォンさんに少林寺を見せてもらう事になってるから、
それが終わったらカナンリーグに挑戦開始だよ。」
『(オイラ、楽しみだぞ!)』
「僕もだよ。」
ソウマとゾロアが談話していると……
『お客様にお知らせ致します……当機は間もなく、雲の中へと入ります。
多少の揺れが予測されますので、座席にお座りになってシートベルトをお締め下さい。』
機内アナウンスが放送されると、立ち上がっていた乗客が席に座ってシートベルトを締め、
ポケモン達はモンスターボールに戻されたり、シートベルトを締めたりして待つ事にした。
「ゾロア、雲を抜けるまで大人しくしててよ。」
『(分かってるぞ。)』
ソウマはゾロアをしっかりと抱きかかえ、飛行機が揺れるのを待ち構えた。
しばらくすると、窓の外が雲に覆い隠され、雲の中の気流の乱れからか飛行機が揺れ始めた。
『(結構揺れるぞ……。)』
「けど、この程度なら問題無さそうだね。しばらくすれば、揺れなくなるよ。」
と、ソウマはゾロアと話していたが……突然飛行機が傾き始め、揺れも一段と激しさを増した。
「ウワッ!?」
『(な、なんだぁ!?)』
突然の事でゾロアを落としそうになるも、どうにか抱え直すソウマ。
「キャアッ!?」
「な、何なんだ!?」
突然の事で他の乗客もパニックを起こしていた。
「ゾロア、落ちないでよ!」
『(わ、分かってるぞ!)』
しがみ付くゾロアをしっかりと抱き締めるソウマ……その時であった。
「……!?」
ソウマの視線がちょうど窓に向かった時、窓の外を何か巨大な影が通り過ぎていった。
影が通り過ぎてから数秒が経つと、傾いていた飛行機が元の状態まで戻って揺れも治まった。
「……もう、大丈夫なのか?」
「何があったの?」
「お客様、大丈夫ですか?」
乗客や係員がざわめく中、ソウマは窓の外を見回した。
『(ソウマ、どうかしたのか?)』
「……ゾロア。今、窓の外に何かいた?」
『(そんな場合じゃ無かったぞ。)』
「……まぁ、確かにそうだよね……何かが飛行機とすれ違った様に見えたんだけど……。」
『お客様にお知らせ致します。正体不明の影が当機に急接近してきたため、
回避のために急旋回致しました。申し訳ございませんが、今しばらくお座席でお待ち下さい。』
機内アナウンスが流れ、とりあえず落ち着き始める機内……
しかしそんな中、ソウマは窓に映った影が気になって仕方がなかったのであった。
・・???
『プロト1の収納、完了しました。』
「気付かれなかっただろうな?」
『問題ありません。ただ、プロト1の行動時間にまだ問題がありまして……。』
「その程度の事は予想の範囲内だ。準備でき次第、すぐに調整に移れ。」
『ハッ!』
暗い部屋に響く会話……果たして、プロト1とは……そして彼らの正体は……
・・中国 河南省鄭州市 国際空港
その後は問題が起きる事なく飛行機は鄭州市にある国際空港に着陸してから1時間後……
ロビーには警察やマスコミが来ており、乗客だったソウマも状況を聞かれていたのであった。
「……じゃあ、飛行機と何かがすれ違ったのは確かなんだね?」
「はい。何なのかまでは分かりませんけど……大型のポケモンが横切った様に見えました。
雲のせいでそう見えただけかもしれませんけど、翼の部分が動いていた様に見えたし……。」
「大型のポケモン……か。うん、ありがとう。調査の参考にさせてもらうよ。」
ソウマから話を聞いていた警察官は、他の乗客に話を聞くためにソウマから離れていった。
『(けど、ソウマ。本当に外に何かいたのか?)』
「そう見えたんだけど、あんなに大きな空飛ぶポケモンなんていたっけと思ってさ……。」
『(ふ~~ん……。)』
「とりあえず、今日の所はポケモンセンターに行こう。そろそろ日が暮れるしね。」
『(そうするぞ。)』
警察の聴取を終えたソウマは、空港を後にして最寄りのポケモンセンターへと向かった。
・・夜 ポケモンセンター 一室
『巨大なポケモンの影か……あの辺にそんな大型なポケモンはいないはずなんだがなぁ。』
ポケモンセンターの一室を借りた後、ポケギアに来ていた着信の番号に連絡を入れるソウマ。
飛行機での一件が報道された事で、心配になった面々がソウマの安否を知ろうとしたらしく、
着信を入れた面々に無事である事を知らせたソウマは、最後にレイウォンに連絡を入れた。
飛行機が飛んでいた場所に、大型のポケモンが生息しているかを聞いてみたのだが、
レイウォンからの返答は上記の通り、Noというものであった。
「それじゃあ、誰かのポケモン……って事ですか?」
『さぁな。いずれにしても情報が少な過ぎる……とりあえず、こっちでも探りは入れてみる。
何か分かったら、こっちから連絡入れてやるよ。』
「了解です。」
『そんじゃ、明後日に迎え行くからな。』
「は~い。」
レイウォンとの通信を終え、ポケギアをしまうソウマ。
「さてと、カナンリーグへの参加登録、今の内にしちまうかな。」
『(大丈夫か?日本人だからって、参加拒否とかされないかな?)』
「……そん時は観光でもして、どうするか考えるさ。」
ゾロアの言葉が現実になったらどうしようかと心配しつつ、ソウマは部屋を出たのであった。
・・ポケモンセンター フロント
「はい、登録完了しましたよ。日本から遠路遥々ようこそ。カナンリーグ、頑張ってね。」
「ありがとうございます、ジョーイさん。」
……部屋での心配は無駄に終わり、何の問題も無く登録が完了した。
尚、中国でもポケモンセンターにいるのはやはりジョーイなわけであるが、
他の国のジョーイとは服装が異なり、少しチャイナ服の要素が加わったナース服を着ていた。
「カナンリーグは河南省を始め、全部で5つの省が合同で開催しているポケモンリーグよ。
だから、この河南省で行き詰ったら、違う省のポケモンジムでジム戦をするのも1つの手ね。」
「ジムバッジはどれだけ集めれば良いんですか?」
「指定の省にあるジムであれば何処でも良いから、バッジを8つ集める必要があるわ。」
「(日本と一緒か。)分かりました。それじゃあ、今日はもう部屋に戻りますね。」
「えぇ、ゆっくり休んでね。」
「はい。」
こうしてカナンリーグへの登録を終えたソウマは、今日の所はもう休む事にしたのであった。
・・翌日 町中
中国入国から一夜明け……
「さてと……これで必要なものは大体買い終えたな。」
ソウマはポケモンセンターを後にし、旅に向けての買い出しをしていたソウマ。
『(なぁ、ソウマ~。ポケモンフーズは?)』
「まだこの間のが残ってるだろ?余計な荷物になるから却下。」
『(ブ~~……。)』
ゾロアと話しながら歩いていた、その時であった。
・・ちょっと、離しなさいよ!・・
「ん?」
何やら声が聞こえてきたため、ソウマは声のした方へと向かうと……
何やらいかにも悪人だと言いたくなる様な複数の男が2人の少女を押し込み、
黒塗りの車が猛スピードで走り去ると、車が止まっていた場所には数人の男性が倒れていた。
「ちょ、大丈夫ですか!?」
ソウマはまず、倒れている男性の1人に呼び掛けた。
幸い命に別状はなさそうだったが、どうやら太ももをナイフの様なもので刺された様であり、
他の男性も腕や足などから出血している様であるが、生きている事は確認できた。
「ウゥ……俺達の事は良い。早くあの車を……俺達が働いてる家のお嬢さん達が……。」
「って事は……これマジで誘拐事件なの!?なら急がないと!」
ソウマは首から下げたハイパーボールを投げ、スイクンを呼び出した。
「スイクン!この間あんな風に言ったばかりなのに頼るのはスッゴク申し訳ないけど……
女の子が誘拐されて大変なんだ。僕を乗せて向こうに走ってくれないか?」
『……クゥンッ!』
事情を察してくれたのか、スイクンはソウマが乗れる様にしゃがんでくれた。
「ありがとう、スイクン!」
ソウマはスイクンに礼を言いつつ、スイクンの背に乗った。
「ゾロア、しっかり掴まってなよ。」
『(分かってるぞ!)』
「す、すまん、頼んだぞ。」
「はい!スイクン、お願い!」
『クゥゥンッ!』
ソウマの合図と共に、スイクンは車の走り去った方向へと走り出した。
時間帯の都合か偶然か……
数が少なかったとはいえ、車道を走る車を次々と抜いていくソウマのスイクン……
伝説のポケモンな上に色違いのスイクンが車道を走り抜ける光景に人々は大騒ぎであった。
・・そこの君!ポケモンに乗って道路を走るなんて、どういうつもり!・・
そこへやって来た1台のパトカー……後部座席の窓から顔を出してソウマに話し掛けたのは、
中国でも警察官の一員らしいジュンサーであった。
「ごめんなさい!けど、女の子が悪い人達にさらわれちゃったんです!」
「何ですって!?あなた、その子の知り合いなの?」
「いえ、僕はちょうど目撃しただけなんですけど、放って置けなくて……。」
「……普通なら署に連れて行く所だけど、そういう事なら今回は特別に許可するわ。」
「ありがとうございます!それと、向こうのポケモンセンターの近くで、
誘拐された子の知り合いの人が怪我してたんです。救急車も呼んでもらって良いですか?」
「分かったわ、任せて!すぐに救急車と検問を手配して!」
「はい!」
ジュンサーが助手席に座っている警察官に告げると、警察官はすぐに無線で連絡を入れた。
『こちら503号車!黒いワゴン車が検問を突破!至急応援をお願いします!場所は……。』
「ジュンサーさん!女の子をさらったのも黒いワゴンです!」
「えっ!?」
無線から聞こえた情報を聞き、ソウマは車がワゴン車だった事をジュンサーに話した。
「突破された検問って何処ですか?」
「ちょうどこの先よ。この先は町を出れば隣町と繋がる山道に出るわ。」
「分かりました、先に行きます!スイクン!」
「えっ、ちょっと!」
ジュンサーの制止を聞かず、ソウマはスイクンにスピードを上げる様に指示した。
「フライゴン!君は先に行って空から黒いワゴンを探して!」
『フライッ!』
更に空からも探すため、フライゴンを呼び出してワゴンを探す様に指示を出した。
・・郊外 山道
町から抜けた山道……黒いワゴンはそこを走っていた。
その少し高い位置にある獣道の草むらからソウマ達を乗せたスイクンが飛び出し、
黒いワゴンに気付かれない様に獣道を走っていくのであった。
フライゴンも黒いワゴンの真上を飛んでおり、見逃さない様に並行する様に飛んでいる。
「よし、あの車だ!」
『(やっと追い付いたぞ!)』
「問題はどうやって捕まった子を助けるかだな……。」
ソウマはポケギアを開き、周囲の地図を開いた。
「……よし、これならいけるかもしれない。」
『(どうするんだ?)』
「この先の分岐点に先回りして、隣町に繋がる道をゾロアの幻影で塞がった様に見せるんだ。
もう1つは先が台地になってて行き止まりになってるから、そこでブッ飛ばす!」
『(分かったぞ!)』
「よし、作戦開始だ。スイクン、お願い。」
『クンッ!』
スイクンはスピードを上げ、車よりも速く獣道を駆け抜けて行った。
・・黒いワゴン内
「ヘヘ……上手く行ったな。」
「あぁ。あの有名な財閥の総帥とその秘書の娘達だからな……たんまり身代金が手に入るぜ。」
車内にはガラの悪い男が4人と捕まった少女2人の合計6人が乗っており、
運転席と助手席に1人ずつ、後部座席には少女を挟む様に2人が座っていた。
「エ、エイちゃん……。」
「大丈夫よ、ユエ。きっと父さん達が助けに来てくれるから……。」
今にも泣きそうな銀髪の少女『ユエ』を慰める眼鏡を掛けた緑色の髪の少女『エイ』……
暴れない様にするためなのか、2人とも手を縄で縛られていた。
「(けど、この状況じゃ父さん達でも動けるかどうか……ポケモン取られちゃったし……。)」
2人のモンスターボールは、現在後部座席に座っている男の1人のバッグの中に入っており、
今の状況では、仮に助けが来ても上手く助かるかどうか分からなかった。
「……ん?」
すると、運転していた男が前方の道の片方が崖崩れで塞がっている事に気が付き、
もう片方の道に進路を変更したが、しばらく道を進むと……
「クソッ、行き止まりかよ。」
進んだ道の先は台地の崖下だったため、仕方なく車を止める男。
「あの崖崩れが起きてた道の方が隣町への道だったのか……仕方ねぇ、さっきの所まで戻れ。
ポケモン達に岩を退かさせて、とっとと隣町まで逃げるんだ。」
「そうするしかねぇか。」
そう言って、運転していた男が車をバックさせようとすると……
「ん?……どうなってんだ?」
「どうした?」
「バックしねぇんだよ。」
「何?」
いくらアクセルを踏んでも車が動かず、助手席の男が車から降りて調べてみると……
「な、何だ、こりゃ!?」
なんと、後輪のタイヤ周辺が揃って氷漬けになっていたのである。
「どうしたんだ?」
「タイヤが凍り付いてんだよ!これじゃあ、走れねぇ!」
「何だって!?」
車の様子を見た男の言葉を聞き、運転席の男以外の他の男達も車から降りた。
「オイ、まさかアイツ等の中の誰かが追い掛けて来たんじゃないのか?」
「まさか、あの傷だぞ?歩くのだってやっとのはずだ……運転なんてできるかよ。」
男達がこの事態に動揺していると……
・・グレイシア、ふぶき!・・
『グゥレェェェェイッ!』
「どわぁぁっ!?」
突然飛んできた【ふぶき】を受け、男の1人が氷漬けになってしまった。
「な、何だ!?」
「オイ、一体どうした?」
車に残っていた運転席の男が車から出てくると……
「ガッ!?」
突然後ろから聞こえた声に振り向くと同時に、衝撃と共に男の意識は暗転し、
男が倒れた場所には、棒の様な物を振り下ろしたソウマが立っていた。
ソウマが持っているのは、普段から護身用に持ち歩いている三節棍であり、
今までの旅でも何度かタチの悪い連中に絡まれた際に返り討ちにした事があったため、
木製ながらもかなり硬い材質でできているが、気絶する程度に加減するのはお手の物だった。
「ガハッ!?」
すると、もう1人の男も近くで崩れ落ち、そこには同じ様に波導の棍を持つルカリオがいた。
「ありがとね、ルカリオ。」
『(事情が事情とはいえ、大丈夫なのか?)』
「加減してくれたでしょ?」
『(そりゃあな。)』
「な、何だ、テメェは!」
「何だって言われても……誘拐の現場を目撃して追い掛けてきた通りすがりなんだけど……。」
「ガキの癖に俺達の邪魔をしやがって!このまま無事に帰れると思うなよ!」
最後の残った男が懐から銃を取り出した瞬間……
「フライゴン、いやなおと!」
『フゥラアァァァァッ!!』
「ギャアァァァ?!」
真上からフライゴンが【いやなおと】を放ち、あまりの煩さに耳を塞ぐ男だが、
怯ませるには十分な効果を見せ、思わず銃を落とすのであった。
「今だ!」
「!?」
耳にヘッドホンをして音量を最大にする事で【いやなおと】を防ぎながら男に近付き、
気付いた男は【いやなおと】で苦しみながらもソウマを捕まえようと腕を伸ばすが、
ソウマはその腕を掴み、そのまま男を合気道で投げ飛ばした。
「ゲッコウガ!」
『コウッ!』
そこにゲッコウガが現れ、そのまま男を押さえ込んだのであった。
『(上手く行ったぞ!)』
全員を倒し終えると、近くの草むらからゾロアとスイクン、そしてグレイシアが姿を現した。
「ふぅ……全員車から出てきてくれて助かったよ。グレイシア、ふぶきご苦労様。」
『レイシアッ』
男の1人を氷漬けにしたのもそうだが、車の後輪タイヤを凍らせたのもグレイシアであり、
ソウマは近寄ってきたグレイシアに労いの言葉を掛けながら頭を撫でた。
「スイクンもここまで走ってくれてありがとね。お前じゃなきゃ追い付けなかったよ。」
『クンッ』
ソウマはスイクンにも礼を言うと、返す様に頷いた。
「さてと……皆、コイツ等が起きない様に見張っててね。」
『(分かったぞ。)』
ソウマはゾロア達に男達の見張りを頼み、車の後部座席のドアを開けた。
「大丈夫?怪我とかない?」
「は、はい……。」
「ア、アンタ、誰よ!」
「僕?君等の連れの人に頼まれて追い掛けてきたんだ。待ってて、縄解くから。」
ソウマは少女の縄を解いていく。
「はい、解けたよ」
「ありがとうございます。」
「……礼は言っておくわ。」
縄を解いたソウマに対し、礼儀正しく礼を言うユエと素直に謝ろうとしないエイ。
「どういたしまして。えぇっと……。」
「あっ、私ユエって言います。」
「……エイよ。」
「ユエとエイね。僕はソウマ……っと、僕邪魔だね。出られる?」
ソウマはドアから離れ、ユエとエイが車から出てきた。
「アンタ、これ1人でやったの?」
「んにゃ。ポケモン達が手伝ってくれたんだ。」
「アンタのポケモン……って、スイクンじゃない!?しかも色違いの!?」
「へぅ……色違いの伝説のポケモン、初めて見ました。」
「そう?」
ソウマ達が話していると、先程のジュンサーが数台のパトカーを引き連れてやって来た。
「ジュンサーさん。」
「あなた、1人で犯人を倒したの?」
「ポケモン達の力がありましたから……じゃあ、逮捕はお願いします。」
「分かったわ。」
ジュンサーが合図すると、他の警察官が気絶している誘拐犯達をパトカーに乗せ始めた。
「あなた達の方は大丈夫?怪我は無い?」
「は、はい。」
「手は縛られてたけど、他は何もされてないわ。けど、一緒に来てた人達が……。」
「彼の話を聞いて、救急車を向かわせてあるわ。怪我はしてるけど、命に別状は無いそうよ。」
「良かった……。」
「それじゃあ、詳しい話を聞きたいから、一緒に署まで来て貰える?あなたも良い?」
「えぇ、良いですよ。」
ジュンサー達に同行するため、誘拐犯達とは別のパトカーに乗ろうとするソウマ達。
・・あっ、待て!・・
「えっ?」
最初にグレイシアに氷漬けにされていた男が氷から飛び出し、そのまま逃げ出した。
流石に完全に凍結させれば凍死するために威力を抑えた事で氷が脆くなっていた様で、
乗せようとする警察官達の一瞬の隙を突いた様であるが……
「皆!」
『『『『『『!』』』』』』
ソウマの掛け声と共にソウマのポケモン達が一斉に動いて男の前に立ち塞がり、
ジュンサー達警察官も包囲する様に男を囲み、逃げ道を完全に断ったのであった。
「クッ!?」
『(逃げようとしても無駄だぞ!)』
『(大人しくお縄に付きな。でないと、お仲間より痛い目見る事になるぜ?)』
「……クソッ!俺達の計画が、こんな餓鬼どもなんかに!!」
男は悔しげにその場で膝を付き、警察官に取り押さえられながらパトカーに入れられた。
「最初から最後までありがとうね。」
「いえ、こっちも自分から飛び込んだ身ですから。」
「それでもよ。そうだ、一応身分を証明できるものを見せて貰っても良いかしら?」
「あっ、ポケモン図鑑で良ければ……はい。」
ソウマはポケットからポケモン図鑑を取り出し、ジュンサーに見せた。
「預かるわね。えぇっと……へぇ~、日本から来たのね。」
「はい。カナンリーグに挑戦しようと思って。」
「なるほど……はい、ありがとう。」
「どうも。」
犯罪歴が皆無だったため、ジュンサーは警戒を解いてポケモン図鑑をソウマに返した。
その間にソウマは、ゾロア以外の面子をボールに戻し、ゾロアを自分の肩に乗せていた。
「それじゃあ、改めて一緒に署まで来て頂戴。あなた達、ご家族は?」
「えっと……私達、洛陽から来たんです。」
「今日は買い物のためにこっちまで来て……。」
「じゃあ、お家の電話番号を後で教えて貰える?ご家族にも知らせないといけないし……。」
「はい。」
「分かったわ。」
会話をしながらソウマ達はパトカーに乗り、ジュンサーも乗ってきた白バイに跨った。
そして気絶している男をパトカーに乗せ終えると、一行はその場を後にするのであった。
……To be Continued!
『ポケットモンスター サン・ムーン』の公式サイトを見てきました!
今回はハワイが舞台なんですね……最初の3体では草タイプのモクローが気に入りました。
他の2体も良い感じで、果たしてどう進化していくのか……ゴツくなったら、どうしよう……
表紙のポケモンはライオンとコウモリの様ですが、どんなポケモンなんでしょうか……
今後の更新が見逃せませんね!
誤字修正しました。(16・07・01)