今回から新キャラが続々登場しますので、お楽しみに!
少林寺で色違いのヒトツキを新たな仲間に加え、洛陽市を目指す事にするソウマ。
そこに、『カユウ』というソウマが助けたユエの父親の指示でやって来た女性が現れたのだが、
そのユエの父親こそ、洛陽市のラクヨウジムのジムリーダー『チュウエイ』であった。
チュウエイは娘の恩人に直接お礼を言いたいとの事で、ソウマ達はカユウの誘いを受け、
中国有数の財閥の総帥でもあるチュウエイの屋敷へやって来た。
そのまま屋敷で一夜をすごす事となったのだが……
朝になって屋敷中に鳴り響く警報……ポケモン泥棒が屋敷に侵入してきたのであった。
・・董家の屋敷
侵入してきた男性1人と女性2人からなる3人組はロケット団と名乗り、
男性がコレクション伯爵、女性の方はバッチとグーコという名前の様であった。
「ロケット団って、日本に拠点があるはずじゃ……。」
「あいつ等を知ってるのか?」
「噂程度ですけど……日本で人のポケモンを奪ったりしてる集団の名前が確かそうです。」
「オ~~ホッホッホッ!ロケット団世界進出の第一人者として、この中国にやって来たのよ!」
「何言うてんねん。伯爵が勝手に中国行きます言うてウチ等を巻き込んだんやないか。」
「バッチ!余計な事を言うんじゃないわよ!」
言っている事が食い違っているが、どうやらバッチが言っている事の方が正しい様である。
「……大した連中じゃないみてぇだな。」
「組織の方は大きいみたいですけどね。」
「キィ~~~~ッ!!喧しいわね!」
チュウエイとソウマの言葉にヒステリックに喚きながら文句を言うコレクション。
「ったく、悪事を働くのは勝手だが、俺ん家を巻き込まないで欲しいぜ。」
「丁度良いじゃないか、チュウエイ。この屋敷で悪事を働くのが第一歩ならば、
ここで連中を叩けば他に被害は回らないだろう。」
冷静に言っているが、要は親友や他の人々が被害を受ける前に潰そうと言いたいらしい。
「まっ、そうだな。とっととしばいて、警察に送っちまうか。」
「だったら、僕も手伝いますね。こういう悪人は僕も許せないんで。」
「オウ、頼むわ。ブン、お前は周囲に被害が行かない様に流れ弾を叩いてくれ。」
「ヤレヤレ、仕方ないな。エイ、お前はユエ様と一緒に下がってなさい。」
「分かったわ。さゅ、ユエ。」
「う、うん。」
チュウエイとソウマとコレクション一味を残し、他の面々はそれぞれ動き出した。
「キィ~~!たった2人でアタシ達3人と戦おうっての!生意気な!」
「舐めんなよ?こっちはジムリーダーと地方リーグ優勝経験者だぜ?」
「悪党風情に遅れを取るとでも思ってるの?」
「そんなの関係無いわよ!やっちゃいなさい、スリーパー!」
「行ったれ、エレブー!」
「えぇっと……お願いしますわね、ヤドン。」
『スリ~』
『エレブゥッ!』
『ヤァ~~』
コレクション一味がそれぞれポケモンを呼び出した。
「手下の2人は引き受けますから、あのオカマの親玉はお願いして良いですか?」
「オウ。家の庭に無断で入るとどうなるか教えてやる……バンギラス!」
『ギラァァァッ!』
「じゃあ僕は……グレイシア、ヒトツキ。」
『グレイッ!』
『ツキッ!』
チュウエイはバンギラスを呼び、ソウマはグレイシアとヒトツキを選んだ。
『(えぇ~、オイラじゃないのかよ?)』
「悪いな。ヒトツキに初陣させてやりたいんだよ。」
『(ブゥ~……。)』
「伯爵見てみぃ!あのガキのポケモン、2体とも色違いやで!」
「丁度良いわ!一緒に手に入れてやるんだから!スリーパー、ドレインパンチよ!」
『スリッ!』
スリーパーが【ドレインパンチ】でチュウエイのバンギラスに突っ込む。
『パァァァッ!』
スリーパーの【ドレインパンチ】が、バンギラスに決まってしまった……が、
『……』
直撃したにも関わらず、バンギラスはビクともしていなかった。
「な、何よ!?全然効いてないじゃない!?」
「……しっぺがえし。」
『ギィィラァァァァッ!!』
『パァァ~~ッ!?』
チュウエイの指示が出ると、バンギラスはスリーパーを逆に薙ぎ払ってしまった。
【しっぺがえし】は後攻、つまり相手の攻撃の後に攻撃すると威力が倍増する技だが……
それを差し引いたとしてもその威力は凄まじく、屋敷入り口の壁まで吹き飛ばされた。
「ス、スリーパー!?」
スリーパーが横を通り過ぎていった事に気付いたコレクションが慌てて振り向くが、
壁にめり込んだスリーパーは、目を回して戦闘不能となっていた。
「うわぁ~~、凄い威力……っと、僕も負けてられないな。」
「し、勝負はまだこれからよ!バッチ、グーコ、やっておしまい!」
「ヘイヘイ。エレブー、グレイシアにかみなりパンチや!」
『エレッ!』
「迎え撃ってグレイシア、あなをほる!」
『グレイッ!』
エレブーの【かみなりパンチ】をかわして地面に潜り……
『レェイッ!』
『ブゥッ!?』
地面の中から飛び出してエレブーを吹き飛ばすグレイシア。
「やってくれるやないか!エレブー、気合や!かわらわりを叩き込んだれ!」
『エレブッ!』
「つか、グーコ!お前も指示出さんかい!」
「そうですわねぇ~……じゃあヤドン、みずのはどうで行ってみましょう。」
『ヤァァ~~……』
エレブーが【かわらわり】を仕掛ける前にヤドンが【みずのはどう】を波の様にして放った。
「ヒトツキ、まもる!」
『ツキッ!』
ヒトツキがグレイシアの正面に出て、【まもる】で【みずのはどう】をガードした。
「まもるは驚いたが、今がチャンスや!エレブー、行ったれ!」
「させないよ!グレイシア、シグナルビーム!」
『グゥレェェイッ!』
『エレェッ!?』
グレイシアが口から放った【シグナルビーム】がエレブーに命中すると……
『エレ……エェレブゥゥッ!』
【シグナルビーム】の効果で混乱したのか、所構わず【でんきショック】を放ち始めた。
『ヤァァ~……』
しかも隣にいたヤドンにも命中させており……効果は抜群ではあるのだが……
普段と表情が変わらないためにダメージを受けているのか分からなかった。
「だぁぁ、アカン!混乱してもうた!?」
相棒が混乱した事にバッチも戸惑う間も、エレブーは【でんきショック】を放ち続け……
「……!」
ソウマはふと【でんきショック】が向かう先を見ると、そこには1匹のポケモンが……
・・フォッコ!・・
【でんきショック】の先にいるフォッコを庇うため、ユエが飛び出してフォッコを抱き締めた。
「ゾロア、あくのはどう!」
『ゾォアァァァッ!』
ソウマが指示を出し、ゾロアが【あくのはどう】を放って【でんきショック】を弾いた。
「今の内に早く下がって!」
「は、はい!」
「ユエ、こっち!」
ソウマに言われ、後から来たエイに付き添われる形で後ろに下がるユエ。
「一気にケリ付けた方が良いな……グレイシア、ふぶき!」
『グゥゥレェェェイッ!』
『レブゥゥゥッ!?』
グレイシアの【ふぶき】が直撃し、氷漬けになりながら戦闘不能となるエレブー。
「エレブー!?」
「ヒトツキ、ヤドンにつじぎり!」
『ツキッ!ツゥゥキッ!』
『ヤァァ~……』
つかさずソウマはヒトツキに指示を出し、ヒトツキは【つじぎり】をヤドンに叩き込む。
またもや効いているのか分からない泣き声を上げるヤドンだが……
『ヤァァッ?』
吹き飛ばされた先で置き上がろうとし、首を傾げた後にカクンと気を失った。
「あらあら~~。」
「ちょ、伯爵!これ、うち等が束んなっても敵わんで!?」
「グギギギ……スリーパー、戻りなさい!」
コレクションがスリーパーを戻すと、バッチとグーコもそれぞれポケモンを戻し……
「き、今日の所はこのくらいにしておいてあげるわ!覚えてらっしゃぁ~~いっ!」
「ちょ、待ちぃや、伯爵!」
「あらまぁ~……それでは皆さん、失礼しますわ。」
負け惜しみを言いながら逃げるコレクションとそれを追うバッチとグーコであった。
「……何だったんでしょう、一体……。」
「さぁな。ともあれ、捕まえ損ねちまったな……ブン、被害状況は?」
「お前のバンギラスがポケモンを吹っ飛ばしてできた塀の穴とその地面の穴くらいだ。」
「ウグッ……。」
「ごめんなさい。」
「ソウマ君は気にする必要は無いよ。チュウエイ、お前の給料から差し引いとくぞ。
お前なら今月分から取ってもお釣りが出るだろう。」
「はい……。」
ブンワの言葉にガクッと肩が下がるチュウエイであった。
「あ、あの……。」
「ん?」
そこへ、フォッコを抱えたユエが近付いて来た。
「ありがとうございました。助けてくれて……。」
「どういたしまして。けど、お礼を言うならゾロアにね?」
「はい。ありがとう、ゾロア。」
『フォッコッ!』
『(ウシシシッ、オウ!)』
ユエとフォッコに礼を言われ、くすぐったそうに返すゾロア。
「俺からも礼を言うぜ、ソウマ。いざって時のためにグラエナ達に隠れてもらってたが、
お前さん達の方が対応速かったな。ジグザグに動くでんきショックを正確に落とすとはな。」
それを証明する様に、他の物陰からグラエナやヤミラミが出てきた。
「いえ、そんな……たまたまこっちの方が速く動けただけですよ。」
「謙遜すんなって。さて、そろそろ朝飯にするとしようか。」
チュウエイの言葉に一同が頷くと、屋敷の中に入っていくのであった。
・・董家の屋敷 廊下
着替えのためにソウマと別れて部屋に向かうユエ達。
「……。」
エイとチュウエイが話している中でユエは無言を通し……
「ユエ?」
しばらくすると立ち止まった事から、エイ達が振り向いた。
「どうかしたか?」
「……お父さん、お願いがあります。」
すると、俯き気味だったユエがチュウエイの方を向きながらある事を話した。
・・数時間後 広間
「えっ?ユエとエイを僕の旅に同行させてほしい?」
朝食を終えると、ユエとエイを連れたチュウエイが、ソウマにそんな事を話した。
「昨日話した通り、ユエとエイの2人旅だと危険だからOKを出せなかったが……
ユエ達を助けてくれたお前なら任せられると俺も承諾したんだ。」
「けど……。」
「まぁ、一応異性って事もあるから、こっちからもう1人同行させてもらう。
昔から家と付き合いのある子で、成人間近だから色々教えてくれるだろう。」
「はぁ、それは良いですけど……。」
「……まぁ、強いて言うのなら。」
そう呟きながら、チュウエイがソウマの肩を掴み……
「ユエに何かしようとしたら……二度と日の目を見れなくなるからな♪」
「(わぁ、マジの目だ。)あの、肩痛いんですけど……。」
目が笑っていない笑顔を見せつつ、まるで万力の様にソウマの肩をギリギリ締め、
ある程度の所で釘刺しは終わりとばかりにソウマの肩から手を放した。
「……けど、君達は僕と一緒で良いの?」
「不本意だけど、本っ当に不本意だけど……ユエが今回は引き下がってくれないのよ。
だから、ボクも一緒に行くって事で了承したわ。ユエに手を出したら、マジで殺すわよ。」
「(ここまで過保護過ぎるのもどうなんだろうなぁ……。)ユエ、僕と一緒で本当に良いの?」
「はい。」
首を傾げながら質問するソウマに対し、ユエは少し頬を赤くしながらもしっかりと返した。
誘拐されて助けられた時や昨日のコレクション伯爵達と戦うソウマの姿を見て、
ユエは憧れの様なものを抱き、彼と一緒なら父もエイも旅を認めてくれるのではないかと、
意を決してソウマと旅に出たい事をチュウエイに話したのであった。
「(ムグググ……ユエに絶対悪い虫をくっ付けない様にしないと!)」
幼馴染みとしてずっと一緒にいたエイは、ユエがソウマに憧れを抱いた事もすぐ理解でき、
昨日の戦いで実力も咄嗟の事でもすぐに動ける判断力も認めるが納得がいかないため、
彼女もユエやソウマの旅に同行すると言い始めたのであった。
「……分かりました。お2人は確かにお預かりします……ていうのは、何か違いますかね?」
「ハッハッハッ!まぁ、畏まんなくても良いさ。なら、明日までに準備するから、
今日も泊まっていけ。同行者が来次第、ポケモンロードの入り口まで送らせるからよ。」
「分かりました。」
こうして、ソウマの旅に更に新たな仲間が加わる事が決まり、再び一晩がすぎた。
・・翌日
「そろそろ来るはずなんだが……。」
ユエ達の旅の準備も終わって同行者の到着を待つのみとなり、屋敷の門前で待つ一同。
・・おっちゃん、来たでぇ~・・
一台のオートバイが門前に止まり、乗っていた人物がオートバイを降りてヘルメットを取ると、
紫色の髪を結い上げ、袖が肩から下が無い革ジャンとジーパン姿の女性だった。
「悪いな、シア。いきなりユエ達の旅の同行を頼んじまって。」
「かまへんて。元々ちぃとばっか遠出しようと準備しとったからな。丁度良かったで。」
「なら良かった。」
「おはようございます、ユエさん。」
「ユエっち、おはようさん。エイもはよ~。」
「おはよう。」
「そんで……アンタが話に聞いたソウマやな?」
「はい、初めまして。ソウマです。」
「ウチはシアや。まぁ、今日からよろしゅう頼むで。」
「こちらこそ……それにしても、どうしてコガネ弁を?」
「ウチ、昔ちぃとばっかコガネシティに住んどってな。それ以来、ずっと使っとるんや。」
「へぇ~……僕、エンジュ出身なんです。」
「ホンマか?そら奇遇やなぁ~。」
「ほらほら、話は車の中で良いだろ?そろそろ出発しないと、ポケモンロードで野宿だぞ?」
「おっと、そらあかんな。」
「そうですね。チュウエイさん、お世話になりました。」
「気にすんなって。それより、ユエ達の事を頼んだぜ。」
「はい。」
「それじゃあ、乗ってくれ。一度ポケモンセンターに寄るから、ポケモンを準備すると良い。」
「分かりました、ブンワさん。」
中国では現在、ポケモンを6体以上連れて良い事になっている。
ポケモンバトルに出せるのは通常通り6体までであるが、ポケモン図鑑を操作する事で、
バトルに出す事のできるポケモンを選択・入れ替えが可能となっているのである。
ちなみに、バトルに出すポケモンの入れ替えができるのはバトルの前までという決まりで、
バトル中に相手のポケモンが予想と違うからと言って、入れ替えようとするのは反則となる。
その後、チュウエイやユエ、エイの母親、カユウ他使用人達と屋敷で別れを告げ、
ブンワの運転する董家の車でポケモンロード洛陽ICにやってきたソウマ達は、
最寄りのポケモンセンターで移動用のポケモンを準備し、ポケモンロードへと向かった。
・・ポケモンロード洛陽IC(インターチェンジ)入り口
「ユエ様、エイ、気を付けて。」
「はい。」
「分かってるわよ。」
「ソウマ君、シア、娘達をよろしく頼むよ。」
「はい。」
「分かっとるって♪」
ブンワの言葉にそれぞれ返すソウマ。
「では、ポケモンロードについて説明するよ。料金所だったあの入り口を抜けたら、
ポケモンに乗って地図通りに河北省を向かえば良い。ポケモン達に乗ってとはいえ、
河北省までの道は長いが、サービスエリアにはポケモンセンターがあるから、
基本的に野宿する心配は無いだろう。まぁ、道路脇ならできなくもないがな。」
ちなみに、ポケモンロードは飛ぶ事もできるポケモンであっても利用できるが、
目的地への道を間違えたからと道路上空から出てはいけないルールとなっている。
「分かりました。それじゃあ、チュウエイさん達によろしく言っておいて下さい。」
「あぁ。旅の無事を願っているよ。」
「はい!」
そう言ってブンワと別れてICの入り口を抜けると、他にも何人か人がおり、
各々がポケモンを出して出発していくが、中には自転車を使っている者もいた。
「自転車もありなの?」
「車とか排気ガスが出る乗り物じゃなきゃね。徒歩で行こうとする馬鹿もいるけど。」
「チャレンジャーだね、その人……。」
エイの言葉に、長い道のりをひたすら歩く人のイメージが頭に浮かんで苦笑いするソウマ。
「ほな、早速出発と行こうやないか。」
『ヒヒ~~ンッ!』
そう言って、シアが最初にモンスターボールを投げると、中からギャロップが出てきた。
「シアさんもギャロップを持ってたんですね。」
「おっ?ちゅう事は、ソウマもギャロップで行こう思うたん?」
「えぇ……出てきて!」
そう言ってソウマもモンスターボールを投げると……
『ヒ~~ンッ!』
出てきたギャロップは、灰色の炎を放つ色違いのギャロップであった。
「ほぉ~……色違いのギャロップ見るん初めてやな。」
「そうですか?」
ちなみに、現在のソウマの手持ちは……
ゲッコウガ、ゾロア、グレイシア、ルカリオ、(フライゴン)、ヒトツキ、(スイクン)、
そして立った今呼び出したギャロップと、(他二体)である。
(()で名前が囲まれたポケモンは、現在モンスターボールが小型化してロックされている。)
余談だが、ソウマは自分のジーパンのベルトの部分を少し改良しているため、
モンスターボールを最大12個まで装着できるが、念のために空きを2つ残していた。
「アンタ、グレイシアとかヒトツキとか、色違いのポケモン多いわね。」
「アハハハ……まぁ、パートナーの1体のゲッコウガも色違いなんだけど……
な~んでか、色違いのポケモンと会う機会が多いんだよねぇ~……。」
『(別に狙ってるわけじゃないのに、不思議だけど本当だぞ。)』
「それ、かなり凄いんちゃうか?」
「そうなんでしょうけど……いずれにしても、色が違ってもポケモンはポケモン、
僕の大切な仲間な事は変わりませんよ。ユエとエイもポケモン出して出発しようよ。」
「そうですね。お願いします、ゴーゴート。」
『モォ~~ッ』
「分かってるわよ。頼むわね、ケンタロス!」
『モォ~ッ!』
ユエはゴーゴート、エイはケンタロスを呼び出し、それぞれの背に乗った。
「よっと……ギャロップ、頼んだよ。」
『(コクッ)』
ソウマもギャロップに跨り、撫でながら頼むと、ギャロップはしっかりと頷いた。
「どのジムにするかは旅をしながら考えるとして……目指すは河北省だ。皆、準備良い?」
「オウ!」
「はい。」
「フンッ」
約1名ちゃんと返答しなかったが、とりあえず準備は良い様である。
「それじゃあ……出発!」
ソウマの掛け声と共にポケモン達はそれぞれ河北省への道を進み始めた。
いよいよ、ソウマのカロスリーグへの挑戦が始まった。
新たな仲間を加えたソウマ達が、これから中国でどんな展開を送っていくのか……
それは、これからのお話である。
……To be Continued!
・・おまけ
「間違いないんでしょうね?」
「間違いあらへん!あの坊主はポケモンロードから河北省に向かったはずや!」
さてこちらは、董家の屋敷から逃亡して、近くの森にいるコレクション伯爵御一行だが……
ターゲットをソウマ達に切り替えたらしく、仕入れた情報を基にソウマを追おうとしていた。
「とにかく、さっさとあの坊やからポケモンを手に入れないと……。」
「せやなぁ。そうせんと、ウチ等出世できひんもんなぁ……。」
「そうじゃないわよ!もしアタシが失敗したなんて、『アイツ』に知られでもしたら……。」
「アイツ?」
「誰の事でしたかしら?」
アワアワしているコレクションに、誰の事だと頭に?マークが浮かぶバッチとグーコ。
・・フッフッフッフッ……聞こえましたぞ。・・
「ヒィッ!?」
「「?」」
突如、何処からともかく響いてきた声に、コレクションがビクッと震えた。
・・フッフッフッフッ……フ~~ッフッフッフッフッ……・・
声が周囲に響き渡り、一同は声の主を探してそこら中を見回すが、何処にもその影は無い。
・・ルードヴィヒ=ブレスト=フォン=マインシュタイン=コレクション伯爵様……略して。」
途中までは周囲に響き渡る声だったが、最後には何故かコレクションの足元から聞こえ……
「坊ちゃまぁーーーーー!!」
「出たぁぁぁぁ!?」
コレクションの隣に二頭身ほどしか身長の無い白髪のモヒカン頭に眼鏡の老人がおり、
老人がすぐ隣にいた事に気付いたコレクションは、絶叫を上げてその場で飛び上がった。
「なんや、チュウザエモンのじいちゃんやないか。」
「お久しぶりですわね。」
「はい、お久しぶりにございます。」
一方、バッチとグーコは普通に挨拶し、老人『チュウザエモン』も普通に返した。
「お聞きしましたぞ、坊ちゃま!作戦に失敗したそうですな?」
「ギクッ!?」
逃げようとするコレクションを見ながら、眼鏡をキラリと光らせるチュウザエモン。
「坊ちゃまが悪の道に走られた時、私は坊ちゃまが選んだ道ならばとお見送り致しました。
しかし!一度決めた事を達成せずに終わるとは、日本男児とは言えませんぞ!」
「アタシはドイツ人だって言ってるでしょうが!アンタってばいつも日本男児、日本男児って、
日本男児が何だって言うのよ!」
「日本男児とは即ち、男の中の男の事!私は亡くなられた先代様に誓ったのでございます!
坊ちゃまを必ずや男の中の男に……日本男児にすると!」
先代様……つまりコレクションの父親である。
このチュウザエモンなる人物……実はコレクションの家に代々仕える執事なのである。
日本人だが若い頃にドイツに渡り、そのままコレクションの家に執事として仕える事になり、
以後は男性の主人を男の中の男に鍛えるべく、しごいてしごいてしごきまくってきたのである。
コレクションが渡日したのも、チュウザエモンから逃げるため……というのもあったのだが、
チュウザエモンも追い掛けてきて、ロケット団に入った後も失敗の度にしごかれてきたのだ。
「アタシは、そんなものになりたくないって言ってるでしょ!」
「Shut UPでございます!さぁ、坊ちゃま!私と共に男修行をなさいましょう!
そして男修行を成し遂げ、見事に任務を達成なさいましょうぞ!!」
「冗談じゃないわよ!バッチ、グーコ、さっさとあの坊や達を追うわよ!」
そう言いながら走り去っていくコレクション。
「「バッチ……グー♪」」
どうやら彼女達の決め台詞らしく、それを言った後にコレクションを追い掛けた。
「逃がしませんぞ、坊ちゃまーーーーっ!!」
そしてそれを追い掛けるチュウザエモン……果たしてこの先、どうなる事やら……