インフィニット・ストラトス~前世の記憶を持つ者~(完結)   作:ダーク・シリウス

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進撃&訪問

京都で起きた事件は瞬く間に世界中にも知れ渡った。元芸能人でISを動かせる五人目の男、織斑一誠が化け物―――ドラゴンになれる存在だと。ドラゴンの強さは未知数だが、ISの攻撃を耐えれる強固の鱗を持っている。ネットでも寄ってたかってドラゴンに攻撃しているISの映像がUPされていて、信憑性は高まっている。知性があり人語も操れることから知能が高いことが窺え、生物学の研究者や学者達からすれば前代未聞、サンプルを喉から手が出るほど欲しいぐらい手に入れたいが、政府や防衛省は一誠の逆鱗に触れてISが失う寸前だったことで危険視している。

 

「―――だから、言ったではないですか」

 

一誠とラーメンを食べ警告された男性がとある政府の一人に呆れていた。

 

「これ以上彼に突っかかってはいけないと私は言いましたよ。身をもって経験した上で申し上げたというのに」

 

「だ、黙れっ!お前だってあそこまで危険な存在だと知らなかっただろう!」

 

「ええ、はい。知りませんでした。ですけどね、彼は危険だと常々思っていましたよ。報告を聞くたびにハラハラしましたよ。ですけど、私達は彼に怒りを買ったようなものです。ISでも通じないのであればもう終わりですね」

 

「それが、防衛省を務める者としての発言かっ!?」

 

「尽力は尽くしますが、その所為で一体どれだけの人の命が失うのか怖ろしくて考えたくもないです」

 

水面下では焦燥で混乱しているが事の真相を知ろうとする記者達に対する政府の対応は―――。

 

『織斑一誠君は公私と共にIS学園の編入を拒み続けていましたが政府はそれを容認せず、執拗に迫っていたと聞きましたが?』

 

『彼は五人目のISを動かせる男性です。早くも高校を卒業して就職活動をしていたとしてもISを動かせる原因を追及する為にどうしても必要だったのです』

 

『それが原因で織斑一誠君がドラゴンになってISを破壊する原因となったら政府は一体どう責任を取るのですか!』

 

『彼が人類の敵となるならば、我々人類はありとあらゆる手段で無力化します』

 

『ISでも倒せなかったらどうするんですか?まさか、核兵器を使って無力化すると考えなのでしょうか』

 

『それ以前に政府は織斑一誠君がドラゴンだと知っていたのですか!』

 

『知っていて尚、執拗に迫っていたとしたらそれは政府の対応の問題ですよね!?』

 

『大統領、お答えください!』

 

政府に対する追及は昼夜問わず、お茶の間のテレビでも連日そのニュースが報道される。

そして織斑一誠の家族、千冬達も他人事ではいられない。

 

「・・・・・やはり、二人の身体には異常も見られません。普通の人間だという根拠や断定の理由は何とも言えませんが」

 

「そうか・・・・・」

 

二人を検査室に呼んで身体検査を行ったが、一夏と秋十もドラゴンになれる要素は見受けれなかった。麻耶の言葉に何とも言えない表情を千冬は二人の弟を見つめながらそう呟いた。

 

「あの、お二人とも。こう何か不思議な感覚とかわかりませんか?」

 

「「・・・・・そう言われても」」

 

問われた二人は理解できないと風に眉間に皺を寄せ、自分の手を見下ろしても不思議な感覚とやらは把握できない。

 

「・・・・・一誠が特別なのかもしれないな。あいつは昔から人より何倍も凄まじいところを見受けていた。あの髪と目が変わってからどこか雰囲気も変わっていたからな」

 

IS世界大会第二回目の時のことを脳裏に思い浮かべ、あの惨劇の現状の理由も改めて認知した。一誠は人ではないと。

 

「・・・・・織斑先生、あいつは、一誠は本当に俺達の・・・・・」

 

「織斑、それ以上言うな。―――あいつは私達の弟だ」

 

「けど、織斑先生・・・・・」

 

「私たち家族が信用しないで誰があいつのことを信用してやれる。誰よりも一誠を見て来たのは私達だ。あいつは、異様な力を持っているだけのただの人間だ。でなければ、一誠がずっと頑張って努力していたことを私達が否定するようなものだ。―――それを私はしたくない」

 

「「・・・・・」」

 

「それでもお前達が自分の弟だと認めたくないならそれでもいい。私一人でもあいつの心の拠り所となる」

 

償いでもあり、姉としての務め。一人先検査室を後にしようと出た矢先、楯無が神妙な顔つきで壁に背を預けて待っていた。

 

「織斑先生・・・・・政府から召喚の命が届いています」

 

「・・・・・大方、一誠のことと私や織斑達もドラゴンになれるか問い詰めたいのだろう。―――無視だ」

 

「よろしいのですか?」

 

「結果が見据えているのにわざわざ時間を割く必要もない。それにもうすぐ学園祭だ。そちらの方を優先すべきだとは思わないか?」

 

断る口実はいくらでもある。と、言ってはばからない千冬は楯無を引き連れ廊下を歩く。

 

「今のあいつは躊躇がないかもしれない。きっとISの破壊行動をするかもしれん」

 

「その根拠は?」

 

「ISの在り方に疑問を抱いていた。そしてISが全てを一誠から奪った。家族との時間を、家を、仕事を」

 

「・・・・・」

 

「用心しろよ。あいつは強い。もしかしたら私よりも強いかもしれん」

 

そんな相手とどう戦えばいいのか、対暗部用暗部の家系の次期当主になる楯無は異形との経験値は無いに等しい。殺す気で掛からなければやられるのは自分だ。相手は生易しいほど優しくない。何時どこに現れてくるのか分からない。まるでテロ組織のようにいきなり現れて事を仕出かす可能性もある。説得も不可能だろう。二人の頭の中に浮かぶ一誠は今―――。

 

北アメリカ北西部、第十六国防戦略拠点。通称『地図にない基地(イレイズド)』。本来ならば軍関係者であっても知られることのないそこに、今は銃声が響いていた。

 

「侵入者確認!6-Dエリアに至急救援求む!繰り返す、侵入者確認!6-Dエリアに至急―――ぎゃあああああああっ!?」

 

鳴り響くアサルトライフルの発射音。屈強な男達の怒号と悲鳴。軍靴の合奏。それら全て一人の侵入者と侵入者の影から湧く禍々しい生物達に向けられていた。

 

「・・・・・」

 

鉄の通路を一人歩く少年。そう、侵入者はたった一人の少年だった。歩く度に靡く真紅の長髪、一人、また一人と津波のように押し寄せてくる禍々しく黒い生物達によって呑みこまれていくその様子を淡々と見つめ一瞥し、通り過ぎる。通路の先からでも銃声と女性の悲鳴が聞こえてくる。視界に直接送られてくるマップを基に通路を曲がり、織、進んで行った。その途中、黒い生物からIS操縦者から手に入れたのだろうISコアを複数受け取り、一際大きな通路―――天井までは軽く五メートルはある―――に出たところで、少年と禍々しい生物達は通路上に新たな影を見つけた。その周囲には先に送り込んだ黒い生物達の残骸が散らばっていて、多勢に無勢の中で奮闘した相手は既にISを纏って元凶の少年を視界に入れて驚がくした。

 

「お前・・・・・!」

 

「意外だな。こんなところで再会をするなんて」

 

「織斑、一誠・・・・・!」

 

「アメリカ国家代表のイーリス・コーリング」

 

ある意味、因縁がある両者だった。

 

「―――ナタルはどうしている」

 

「・・・・・何でそんなことを聞く?」

 

「あいつが、最後にいなくなる際に言ったんだ。お前に会いに行くってよぉ」

 

ああ、そういうこと。と他人事のように納得し、イーリスにありのまま説明した。

 

「元気にしているよ。俺には勿体ないほど素敵な女性だわ。こんな俺の傍にずっといてくれるって言うんだからさ」

 

「・・・・・てめーが洗脳したんじゃねーだろうな」

 

「ヒデー。俺はこれでも平和主義者な方なんだぞ」

 

「平和主義者の野郎が、この基地に襲撃してきた時点で信用できないぜ?」

 

「ごもっとも。今の俺は―――できるかぎり全てのISを破壊してこの世から力を奪うことを目的にしている。本来のISの在り方に正す為に」

 

「力には力をってか。分かりやすくて好きだな。だがよ、その所為で辛い思いをする連中だっているんだ。お前の企みを潰してやるぜ!」

 

言うなり、瞬時加速(イグニッション・ブースト)で一誠に迫るイーリス。しかし、同時に一誠は足元の影が団扇状に広げ四メートル級の生物を五体『創造』した。

 

「なっ!?」

 

「悪いけど、お前の相手をしている暇はないんだ。ああ、お前のISコアを貰うけど俺と戦いたかったらまずこいつらを倒せ」

 

容易くイーリスを掴んだ生物は壁に向けて叩きつけた。その間、のんびりと足を前へ運び視界に入る強固そうな扉へと近づく。

 

「ま、待て!私と―――がっ!」

 

「そいつらに勝てないんじゃ、俺にすら勝てないさ」

 

一方的な蹂躙を受けるイーリスを他所に扉へとたどり着いた一誠は光の刀身を具現化させて一閃。

 

「さて・・・・・四六七個のISコアの奪取の道のりは遠い。チャッチャとできるかぎり全部奪おう」

 

数十分後―――アメリカの基地が一つポッカリと何かに抉られたような穴と共に消滅した。基地にいた人員は全員生存しているが一人残らず負傷していた。

 

だが、基地の襲撃。ISコアの奪取の事件はこの一件だけではなかった。束の協力で全世界に点在する全てのISコアがある場所の四分の一が一度に襲撃されISコアを奪取されたのだった。

 

―――♢―――

 

「・・・・・説明は以上だ。織斑一誠は企業会社や基地の関係者の命を一人も奪わずISを破壊、コアを奪って姿を消した。しかも基地の破壊は消滅という形でな」

 

「「「「「・・・・・」」」」」

 

「この学園もいずれ襲撃されるだろう。専用機持ちは常に警戒するんだ。例え命だけは助かることが分かっても気を緩めるな」

 

世界各国同時多発事件。しかも人の命を奪わず襲撃を成功している一誠の実力は計り知れない。専用機持ちの一夏達は動揺と真剣、困惑しながら千冬の話に耳を傾ける。

 

「もしも、ここに襲撃したら・・・・・殺すつもりで戦わなければならない。それほど織斑一誠は強い。一切の情も湧いてはならない。例え・・・・・家族でも友人でもだ」

 

 

 

「おおー、さっすがいっくんだねー。半日でこれだけのコアを持ってきてくれるなんて」

 

「一週間以内には殆ど集まる予定だからな」

 

袋に積まれた大量のISコアを見て、束は感嘆の声を漏らす。ナターシャもマドカも、一誠の仕事っぷりに言葉を失うほど驚嘆していた。

 

「・・・・・スコールがこれを見たら間抜けな顔をしていそうだ」

 

「あ、それは見てみたいかな?セレブの間抜けな顔とやら」

 

その瞬間の写真を撮ってやりたいと意地の悪い笑みを浮かべる一誠とマドカは似ていると思ったナターシャの胸の内でしか知らない。

 

「・・・・・ところで、お前はこの後どうするつもりだ」

 

「今日はコア集めを止めてのんびりするつもり。―――せっかく地球を眺められる月面にいるんだ。滅多にお目に掛からない地球を見たいがそれがどうかした?」

 

「・・・・・暇なら、私を強くしろ」

 

「―――ほほう、だったら俺のことお兄ちゃんって呼んでくれないか?」

 

そしたら強くしてあげると、キラキラと期待に満ちた目で一誠は願ったがあっさり一蹴された。ふざけるなと言わんばかりに回し蹴りをしてだ。それを軽く手の平で受け止め、不敵の笑みを浮かべる。

 

「甘い甘い。しかも蹴りに力が足りないぞ?」

 

「・・・・・ちっ」

 

「俺の実力を認めてくれているなら、ちぃーねぇーちゃんを『姉さん』と呼ぶように俺のこと『兄さん』って呼んでもいいんじゃないかなぁ。家族なんだしさ」

 

足を解放されたマドカはジッと一誠を見つめる。実力は確かに認めている。力もだ。超えるべき壁を超えるには越えるべき壁の全てを知り、己も知って強くなる方法が懸命だ。この前世の記憶と力を受け継ぎ覚醒した一誠は千冬だと思い、実力を得れば自ずと強くなって千冬を超える可能性が高いかもしれない。

マドカの体に埋め込まれたナノマシンも束の手で除去された。命令違反をしても脳中枢を焼き切られることはない。何も縛られず自由に行動ができる。マドカは本当の意味で自由の身となった。残るのは己の目標、打倒千冬だけだ。

 

「・・・・・」

 

差し伸ばされた手を見つめるマドカ。一応認めている兄と共に過ごすのは決定事項みたいなものとなっている。それは何時まで続くか分からないが―――付き合ってやるとそっぽ向きながら一誠の手を掴んだ。

 

「分かったよ・・・・・兄さん」

 

「―――っ」

 

初めて兄さんと呼ばれた喜びは歓喜極まり、嬉しさのあまり束が千冬に抱きつく感じで一誠もマドカを抱き締めた。生まれて以来、誰かに抱き絞められたことがないマドカは初めて誰かの温もりの感覚を知った。ギュッと安心させてくれる家族の温もりは不思議とマドカの心を落ち着かせる。悪くない、と思ったのは内緒。

 

―――???―――

 

一人の女性は初めて訪れる豪邸の玄関の前に立っている。彼女はある目的の為にこの家の『住人達』の協力が不可欠だと判断し一人訪問を臨んだ。今しがたインターホンを鳴らして十数秒が経っている。

 

ガチャリ。

 

「はい。どちらさまでしょうか」

 

扉を開け、中から銀髪にメイド服を着た女性が訪問者の対応した。女性は物腰柔らかく名乗り上げた。

 

「私は原始龍と言うドラゴンですが、是非とも皆さんに協力をして貰いたいことがあり参りました」

 

「・・・・・協力?」

 

怪訝そうに自らドラゴンと名乗る原始龍―――一誠を自分の世界に連れて行こうとした女性を見つめるメイドは「協力の内容は」と問うた。

 

「強力なドラゴン達を確保することです」

 

「・・・・・どうして私達に協力を求めるのですか?」

 

「―――あなた方の実力を見込んで助力を求めておりますので」

 

ニコリと微笑む原始龍に訝しいんで、メイドは一先ず中に入れる選択をした。来訪者を何時までも玄関先に立たせて話をさせるわけにもいかず、家の中に招き入れる。

 

「広いですね。それにとても静かです」

 

「・・・・・」

 

掃除はされているがどこか寂しげな雰囲気が漂っている。まるで何年も人が住まなくなって放置されている感じだった。哀愁を醸し出している家の中でメイドは原始龍をリビングキッチンに案内する。その場所もまた影が差している感じでどこか寂しそうだった。

 

「他の皆さんはいまどうしていますか?」

 

「・・・・・外泊や仕事、冥界や天界へと様々な事情で殆どこの家には帰っておりません。私を含め数名のメイドや数人の住人しかおりません」

 

「―――あの者が亡くなって以来からずっとですか?」

 

ピクリッとメイドの綺麗な手が震えた。しかし、表情には出さない。

 

「・・・・・貴女には関係のないことです」

 

「関係はございます。私も、生前のあの者と交流を持っていましたから」

 

「・・・・・昔話をする為に訪れたのであればお引き取りを」

 

メイドの目が彼女に対して非難する眼差しを送り出す。まるで、知っていてわざと話をほじくり返している相手と話したくないといわんばかりに。そんな眼差しを向けられても態度を変えず、

 

「あの者が無くなって早くも五年・・・・・時の流れが速いですね」

 

「・・・・・」

 

「命を代償にして世界を救ったあの者は、神々の間でも人間達の間でも揃って英雄と認識しています。彼の者もきっと誇らしく、後顧の憂いもなく死―――」

 

「その減らず口をいい加減に閉じないとその喉を切り裂くわよ」

 

メイドから冷たい敵意と殺意、体に仕込んでいたのか一本のナイフを手に原始龍の喉に向かって突き付けた。

常人であれば、青い顔をして恐怖で体が震えあがるだろうメイドの脅しに原始龍は平然と真っ直ぐ言い放った。

 

「会いたいですか?あの者に」

 

「っ・・・・・」

 

「大勢の者から愛された彼の者と会いたいですか?」

 

幾何学的な円陣が複数展開した。それは映像を映し出す立体的な円陣で、メイドに見せているソレは・・・・・。

 

「―――――っ!?」

 

「協力してくれますね?―――彼の者をこの世界に連れ戻す手助けを」

 

龍化した一誠と複数のドラゴン達。メイドは酷く動揺し信じられないと首を振る振ると横に動かす。

 

「そんな、だって、あの方はあの時・・・・・!」

 

「亡くなりました。ですが、新たな生を受け今この瞬間でも生きています。―――異世界で幸せとは言い辛いですが確かに彼の者なのです」

 

「っっっ・・・・・!」

 

「私も接触をし、私の世界に連れて行こうと試みましたが協力する人間がいるようで失敗に終わりました。私一人では彼の者がいる世界に混乱を招く他に手も足も出せません」

 

ナイフを持つメイドの手を両手で包み込み、了承を求める原始龍の瞳から真摯的な眼差しを向けられるメイド。

 

「―――彼の者をこの世界で幸せにしなければなりません。自ら正体を明かしたことで異世界の人類は受け入れず、彼の者を孤独な人生を生かそうとしています。そうさせない為に、あなた方の協力が必要なのです」

 

諭すように説得する原始龍の言葉はメイドの心にまで届かせ・・・・・ナイフが手から零れ落ちた。それは目から涙が、涙を頬に流している彼女の心情を表しているかのようだった。

 

「・・・・・本当にあの方なのですか」

 

「厳密的には違いがあります。彼の者は生まれ変わり前世の記憶―――この世界で過ごした記憶と力を受け継いだ者です」

 

「・・・・・私達のことは、記憶で知った他人、と言うことなのですね・・・・・」

 

「残酷ですがその通りです。ですが・・・・・彼の者人格は同じです。家族を大切にし、誰からも愛されていました」

 

「・・・・・変わらないのですね。生まれ変わっても」

 

メイドは頬に流れる涙を指で拭いて、静かに頷いた。

 

「・・・・・わかりました。私から皆様にお伝えします。協力してくれる者がいるかわかりませんが」

 

「感謝します。では、数日以内にまた訪れます」

 

座ったまま原始龍は光に包まれてメイドの前から消え去った。一誠達ドラゴンを映す映像を残したままでだ。

いなくなって少し経つとメイドに話しかける者が現れる。

 

「咲夜―――これは」

 

「・・・・・事情は後で説明します。全員を呼び集めてくれますか?仕事中でも強引にです」

 

「・・・・・わかった。どういうことなのか説明してくれ」

 

「ええ・・・・・」

 

メイドの中で確固たる決意が生まれた。例え、自分達が知っている者ではなくても。傍にいてくれるならそれでいいと。

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