東方霊歌録   作:栂池

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 気づけば半年空いて、その間に1周年経ってしまいました……。


 かなり空いてしまいましたがこっちはまだ続きます。


第9話 〜桜下の決戦〜

◆

 

 

「……呆気ないな。もう少し手応えが欲しかったけど、あんなひ弱そうなのじゃ無理か。」

 

 次第に薄れる土煙の中に吹っ飛ばされた少年の姿を探そうとした私は、

 

「嘘……だろ…………」

 

 1枚のスペルを掲げ、涼しい顔で浮いている姿を見つけた。

 

「開始早々大技とは随分余裕だな?なら、そんな余裕を無くすまで……鏡符『無際限の魔鏡』!!」

 

 そう宣言すると、奴が忽然と姿を消した。

 

「…………どこに行った?」

 

「ほら、ここだよ」

 

「っな!?」

 

 真後ろからの声。

 振り向くと3(・)人(・)の(・)少(・)年(・)が弾幕を飛ばしている。

 

「ええい面倒な!」

 

 3本のレーザーを飛ばし3つの像を撃ち抜く。すると、

 

「ほらこっちだよ何やってんのさ」

 

「僕はここだよ」

 

「残念だったね」

 

「まだこれからだよ」

 

「……どうなってやがる………………」

 

 同じ像が数百浮かび上がってきた。

 多過ぎてどれが本体なのか全くわからん。でも早く潰さないとこの人数から弾幕来たら避けきれるか……?

 

「「「「「「「さあ、避けられるものなら避けてごらんよ」」」」」」」

 

「面白くなってきやがった!黒魔『イベントホライズン』!!」

 

 互いに数百数千もの弾幕を飛ばし、半数近くは相殺されながら殺到していった。

 

 当初はほぼ拮抗していた弾幕は、少年の像が減るにつれて魔理沙が優勢になっていった。

 

 

「ほらさっきの勢いはどうした?」

 

「「「…………」」」

 

 数百あった像もあと30程度まで減ったしそろそろ当(・)た(・)り(・)を引いてもいい頃合いじゃ……

「痛っ……あれを押しきるのかよ!?」

 

「何言ってんだ!弾幕はパワーだぜ?」

 

「ああよく判ったよ畜生!」

 

 そう叫んで距離を取ろうとする少年を追っていく。さっきまでの考えは完全に捨てて。

 

 

 

◆

 

 

 

「くそっ……まだ追っかけてやがる」

 

 小さく悪態をつきながら一旦空中で振り向き、3枚目を取り出した。

 

「炎符『火焔乱舞』!!」

 

 炎を模した弾幕が飛び、二重三重に環を形成していく。環が十分広がったところで順次第二幕に移行、内向きに5〜6分割しながら螺旋軌道を描く。

 単純ながら密度が高く、かつ中心をずらすことも可能なため極めて難解なスペル……の、筈だったのだが。

 

「おい、その程度か?」

「……ま、間が広すぎただけだ!」

 

 一度距離を取ったために遠距離に弱いという欠点を晒しただけに終わってしまった。

 

「距離ぐらい考えてやれっての!恋風『スターライトタイフーン』!!」

 

 そうして繰り出された弾幕は、ただ星弾を三方に撒いているようにしか見えなかった…………ほんの5秒ほどの間だけ。

 

「な……ちょぉぉっ!?」

 

 星弾から放たれるレーザーを咄嗟にかわす。

 だが、かわしたその先にまたレーザーがある。

 

「あ…………」

 

 もう避けられない。

 そう判断した僕は、咄嗟に霊を盾代わりに往なす。

 霊と光が交錯した瞬間……

 

「ぎ……ああああああっ!?」

 

 焼けつかんばかりの衝撃が走る。霊を突き抜けてきたのか或いは霊の感覚が伝わってきたのか、そんなことを気にかけることもしていられず、残る札の片方を取り出し一行の言葉を絞り出す。

 

「反射…『リフレクソロジーの応用』……っ」

 

 宣言と共に光の束から隔離される。

ゆっくりと体勢を立て直し、高らかに宣告する。

 

「隔絶と屈曲の狂気、とくと味わうがいいさ!!」

 

「一体何をしようって……!?」

 

 

 

 四方八方へ通常弾をばら撒く。一見どうと言うことのない弾幕は、直後あらぬ方向へ跳ね返り致命的難度と化す。相手にしてみれば、いつどこから飛んでくるかわからない上、耐久型であるが故に延々付き合わされる極めて面倒な代物。

 

 

「光撃『シュート・ザ・ムーン』‼」

 

「………………え?」

 

 

 ……万策尽きたと思っていたのに、スペル使用も辞さないとは。

 

 

「……でも、詰めが甘い」

 

 

 一度反射位置を調整し、先にスペルブレークを起こす。すると今度こそ打つ手をなくした白黒が立て続けに被弾していく……と、思っていたのだが、

 

 

「あっ……」

 

「やっと終わりか、手こずらせやがって」

 

 

 2、3発命中したところで時間切れになってしまった。

 

 

「さあ、どうする?まだ手はあるぜ?それともここで降参か?」

 

「……………………」

 

 

 まずい。

 ここまですべて対処している以上、本当に打つ手があるのだろう。

 スペルはあと1枚……でも、こいつを使うのは危険すぎる。仮に倒したとしても、その時僕自身がその場に立っていられるだろうか?

 ではどうする?通常弾でち(・)ま(・)ち(・)ま(・)攻撃しても効果はないだろうし、今更スペルカードを足すなんてことできるはずが……いや?

 以前幽々子様に何か言われたよな?確か……

 

──イメージさえ確立できていれば、何でも生み出せるはず──

 

 そうだ、「何でも生みだせる」のなら、スペルカードもできるんじゃないのか?……いや、でも弾幕と札のどっちをイメージしていけばいいんだ?

 

 

「おーいまだかー?」

 

「……ちっ」

 

 

 どうすればいいかさっぱりだけど、もうやるっきゃない……!!

 

 

「散弾『ショットガンシューター』」

 

 

 

 宣言と共に、ありもしない札を取りだす。直後、即席のスペルは半ば以上暴発し、結果を確認することもできずに後方へ大きく飛ばされてしまう。僕は霊も駆使して地面に叩きつけられないようにするので精一杯だった。飛ばされた先のことにも気を向けられないほどに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「失敗したか……!?」

 

 

 ようやく安定を取り戻した時、僕は周囲に溢れる膨大な霊気の存在に気付いた。僕があたりを見回すと、

 

 

「……西行……妖? でも、何故……?」

 

 

 ここしばらく8分咲きのまま散ることもなく屹立していた西行妖。その大桜から、今朝僅かにしか感じなかった霊気が、いまや少し離れてもはっきり感じられるほどになっていた。

 

 

「霊気……弾幕……もしかして?」

 

 

 何故、さっき暴発したのか。その理由が環境にあったとしたら……?

 札を生成したあの瞬間、周囲の霊気から弾幕を作り出していたなら、暴発したことも十分説明がつくし、ここなら問題ない……はず。旗を巻くのは失敗してからでもいい。

 

 

 

 

 

 

 

 あの少女がほぼまっすぐこちらへ飛んで来るのがみえた。

 

 

「……撃ち落とす」

 

 

 再び構え、今度はゆっくりと弾幕のイメージを集中させる。そのイメージに応えるかのように気が流れこみんていく。そして…………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━面倒だ、しばらく借りるぞ━━━

 

「なっ……」

 

 

 何を、と発することもできず、僕の意識はそこで断ち切られた。




冷「いくらなんでも」
妖「遅すぎです」

 ……本当にごめんなさい。


 ……では改めて。
 今回もお付き合いいただきありがとうございました。栂池です。

冷「今回やられっぱなしに見えるの気のせいじゃないよね? 冷泉です」

妖「一応ヒロインのはずなのに全く出番ないから来ちゃいました。妖夢です」

冷「早速なんだけど、ここ数回の後書きの空気は何なのさ? 座談会っぽくなってるけど」

 確かに座談会です。ただ後書き書こうとするとどうもいまひとつだったからごm……登場人物たちに喋ってもらおうと思ってこんな体裁に落ち着きました。

妖「それもいいんですけど、今後どうするんですか?」

 あー……今後のことなんだけど、ここで話すと少し長くなるから、活動報告の方で説明したいと思います。

妖「…………それ更新に間に合うんですか?」

 間に合わせます。では、今回はこの辺で

冷・妖「また次回まで!」
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