METAL GEAR SOLID MILLION MONKEYS 作:竜田揚げ丸
今回ですが、「サルゲッチュ ミリオンモンキーズ」からキャラクターの設定の改変の要素があります。
数年越しの投稿となりますが、お楽しみいただければ幸いです。
ピポトロンを撃退してから、俺はハルカとコミニュケーションを取っていた。
「ここからどうする気だったんだ?父親の居場所に関する手掛かりはあるのか?」
「…ここに来ればわかるって…」
「…何でそう思った?」
「…今回はピポサルが現れると同時にお父さんがいなくなって、街でこの戦艦のニュース映像を見たらスペクターというボスザルが居て。
だから、スペクターを捕まえてお父さんの居場所を聞こうと思ったんですけど…」
ハルカがはぁと大きくため息をつき、一方の俺は三色の黒ザルが消えたこの部屋の出口を見やった。
ディスクが落ちていたのを見つけ、側に歩み寄る。
状況的に考えて黒サル三匹が落としていったと考えられるものだ。
普通に考えれば手がかりなのだが、連中が落としていったであろうものだということを考えると手にするのは少し躊躇してしまう。
ただ、ハルカの父親に関する手掛かりもないので気は進まないがとりあえずオタコンに送る。
「オタコン、そのディスクはおそらく例の三匹が落としていったものだ。慎重に解析してくれ」
わかったとオタコンは言い、そこからすぐに解析を始めたようだ。
しかし、その後すぐに無線が飛んできた。
『スネーク。このディスクはプロテクトがかかってて時間がかかりそうだ。しばらく待っていてくれ』
「なるべく速く頼む。貴重な手掛かりだ」
しかし突如として、足音…それも靴のようなカツカツという音がが聞こえてきた。
「隠れるぞ」
こくりと頷いたハルカと共に、矢が刺さっている障害物の裏に隠れた。
靴の音は一人分。それに対してハルカは、
「ハカセさん達…ではないですよね」
「あぁ…奴らならもっと人数が多いだろう」
と言ってる間にも足音は近づいて来る。
物陰に隠れながら相手の顔を見ようとするも、帽子で顔が隠れていて誰かもわからない。
それでも俺たちは冷静に次の動きを決める。
「俺は奴に対しホールドアップを仕掛ける。お前には退路を断ってもらう。こいつを貸してやる」
「これって…」
「独自に改造したレーザーガンだ。奴が何か妙な動きをしたら牽制として足元付近を撃ってくれ」
「…わかりました」
とりあえずは了承してくれたようだ。
物陰から様子を見ると奴は真後ろを見ているようで、それを確認すると指を使ってハルカも分かりやすくカウントダウンを行う。
3、2、1…。
人差し指を倒し、0になった瞬間に俺は物陰から飛び出し相手にマシンガンを突きつける。
「動くな。…身に付けている物や装備をすべて外し、そこの格納庫のシャッターの前に投げろ」
「…」
言われた通り、相手は身に付けている装備を滑らせてシャッターの前に置いた。が、帽子は外さなかった。
俺はもう一度呼びかけた。
「帽子も含めてだ…捨てろ」
そう言った瞬間、相手は口を開いた。
その声は嫌でも忘れることのできない声だった。
「フッ…強気だな、お前は」
「…まさか!?何故貴様が此処にいる…!?」
俺が動揺した一瞬の隙を付き俺に接近してきたため、
このままでは奴の一撃をもらうと思った瞬間、レーザーガンの狙撃により奴が距離をとった。
「やはり仲間がいたな…そこか!」
奴は凄まじいスピードで装備を拾い上げ、ハルカの隠れている物陰に向けランチャーを放つ。
しかしハルカは着弾する前に物陰から転がり出て、レーザーガンを俺に投げ渡してから慣れた得物である弓を引き、放った。
それが直撃した奴は煙から何も無かったかのように歩いてくる。
その間にハルカは俺の近くに走って合流してきた。
「やるな…小娘風情が」
帽子が吹っ飛び、完全に顔が露わになった男の顔はやはり俺の想像通りの顔をしていた。
…右目には眼帯をつけ、鬼のような形相をしたその男。
そいつの名は…。
「BIGBOSS…!」
元FOXHOUND総司令官にして、俺の宿敵。
「なぜ貴様がここに…。貴様は確かにこの手で…!」
「ふん…そのような問答、意味も無いだろう。俺は此処に立っている。それがすべてだ」
どうなっているのか、理解を超えていた。
しかし奴はそこにいる。それは揺るがない現実だった。
俺が未だ動揺を隠せないでいると、奴はランチャーを発砲してきた。辛うじてそれを避け、その爆風を利用し俺たちは障害物へと身を隠すことにした。
「…聞こえていたな?」
『…うむ、聞こえていたとも…』
「あの…ビッグボスっていうのはあの人のことですよね?何か因縁がありそうな感じでしたけど…」
『あぁ、そうか…それはハルカちゃんは知らないよね…BIGBOSSっていうのは…』
「…俺の血縁上の父親だ」
「え…」
『だけど、とある地域で核まで用意して武装蜂起した。それを止めたのがスネークよ』
「メイ・リン、喋り過ぎだ。それよりもだ」
『先に進むならば絶対に倒さなければならんな…。しかしBIGBOSSか…遺体は確かにアメリカ政府が持っていたはずだ…一体何故…?』
大佐のその言葉を受け、俺はアウターヘブンやザンジバーランドでの戦いが頭をよぎる。
この手で奴を確かに討ち、その死体はシャドーモセスにてリキッド達が要求したはずだ。
「その人がどれだけ強いかはわかりませんけど…こちらのほうが人数は多いですから、多少は有利なんじゃ…?」
『どうだろうな…奴の場合人数差を実力でひっくり返してきかねん』
「だがとれる戦術が多いのは確かだ」
そう言った直後、奴が叫ぶ。
「どこに隠れた!!」
それと同時にこちらに向かってランチャーを発砲し、こちらの障害物を破壊してきたため、俺とハルカは別方向に転がり出た。
戦術を組み立てる前に戦闘行動を行うのは避けたかったが、しかし待っていたところで良い案は思いつかないだろうと判断し爆風が出ている間にダッシュブーツを履きメカボーを構えて突撃する。
「フン…居たな…!」
眼帯をしているため俺から見て死角となる左側から奇襲を仕掛けたが、奴の
そのまま奴の横をすり抜けダッシュブーツを外しながら体制を立て直し、メカボーとマシンガンを両手に奴と相対する。
「…時間がないというのに、とことんまで邪魔になる奴らだ…」
「俺がやり過ぎるというのは
俺がそう言うと、BIGBOSSは怪訝そうな顔をしてこう言い放った。
「…10年?」
「何…?」
俺がその言葉に疑問を浮かべると同時に奴はランチャーを捨てて銃を取り出し、発砲してくる。
着弾寸前、ギリギリの所でメカボーで奴の弾を弾いたその瞬間、奴はこちらに駆け寄りCQCの構えを取り俺の腕を取ってくる。
それに対してあまり使いたくはなかったが腕を取られており被害を避けるためやむを得ずCQCを使用すると、BIGBOSSはあっさり投げ飛ばされていった。
そんなBIGBOSSの姿を見て、俺の中に一つ疑惑が浮かぶ。
「…大佐」
『どうした、スネーク!?』
「奴は…
『どういうことだ…?』
「俺からの質問に対し具体的な理由や答えはすべてはぐらかしているし、奴はCQCの技術が異常に低くなっている。その上アウターヘブンやザンジバーランドのことを覚えていないようだった。…どうも奴らしくない」
『記憶を失っているという可能性はないのか?』
「だとしても、兵士としての技術は体に染み込んでいるはずだ。そして染み込んだそれはそうそう抜け落ちはしない」
そこでオタコンははっとした様子でキーボードを叩き始めたらしく、タイピングの音が響く。
そうしてオタコンは呟く。
『ピポトロンメタ…』
「あれがピポトロン…!?そんな、あれはどう見たって…」
ハルカが驚愕の声を上げる。
無理もない。ハルカにとっての「ピポトロン」とは赤、青、黄のどれかと黒色の体色をしたピポサルだ。
まさか人の形をとっているなど思いもしなかっただろう。
俺も先にデータで確認していなければ奴は大幅に技術が低くなってこそいるBIGBOSS本人、もしくはその顔だけを真似した素人としか考えられず、誰かが姿を変えているなどとは露程思わない筈だ。
『けど、ちょっとおかしくないかい?だってピポトロンメタは戦闘技術もコピーできるはずだ。なのにBIGBOSSのCQCをコピーしていないなんて…』
『していないのではなくできなかった、もしくはそれを行うには時間が足りなかったのかもしれん。
とにかく今ではBIGBOSSの技術や経歴は奴がアウターヘブン、ザンジバーランドと国家反逆を立て続けに行った結果、秘匿されているんだ。奴の遺志と技術を持った危険因子を増やさないためにな。それに技術は要らなかったのかもしれん。知る人ぞ知るBIGBOSSという兵士達の中での絶対的な
「BIGBOSSが持っていたカリスマ性に惹かれた兵士達を利用できるというわけか…」
もしそうなれば事態は更に厄介なこととなる。
ただでさえ数で勝り、その技術力で各都市を制圧してきたピポソルジャー達に十分な作戦立案のできる人間が混じれば奴らは更に柔軟な動きができることになる。
各国の正規軍は更なる苦戦を強いられるだろう。
それこそ最終的に「猿の惑星」となってしまう可能性が出てきてしまうのだ。
「とにかく今こいつに表舞台に出られるにはいかない、ということか…」
『その通りだスネーク。何としてもそいつをここで止めるんだ!』
大佐の指示と同時にマシンガンを抜き、BIGBOSS…ピポトロンメタへと向け、発砲した。
奴は人間離れした動きでそれを回避し、ランチャーを素早く回収し俺に向け砲弾を放とうとしていた。
その瞬間、死角から飛び出したハルカが狙いすましたかのように弓を引き、エネルギーを放つ。
「何…っ!」
それに気づいた瞬間、奴は俺たちが先程やったように物陰に隠れて防ごうと動き始める。
しかしそれを予期していたのかハルカは4本の矢を番え、叫ぶ。
「ホーミングアロー!」
先程黄色のピポトロンに向けて使用した、相手を追尾する矢がピポトロンメタに向け飛んでいく。
「くっ…」
退避が間に合わないと判断したのか、ピポトロンメタは最初のエネルギー弾を自身の持つランチャーを放って相殺しつつ、マシンガンを使い追尾する矢を的確に落としていく。
その一連の行動を奴がしている間に俺はダッシュブーツを使い、体制を低くしながら奴に忍び寄る。
そうして奴が全ての矢を落とした頃には俺は奴の真後ろに立ち、メカボーをBIGBOSSの姿をとった敵の脳天に振り下ろす。
「ぐぅ…っ!」
呻き、体制を崩した瞬間に正面に回り込み、顎をメカボーで殴りつけた上で腹に拳を入れ最後に奴の腕と胸ぐらを取りCQCの要領で床に叩きつける。
「がっ…はぁ…ッ!」
一連の攻撃で取り落とした武器を足で奴の手に届かない所に退かしつつ、俺は銃口をピポトロンメタに突き付けた。
「どうした。BIGBOSSはこの程度では倒れなかったぞ?」
「貴…様…ァ…!」
「ふん、所詮その程度という訳だな。…まぁいい、お前には知っていることをすべて吐いてもらう。この騒動の黒幕は誰だ?ハルカの親父さんは何処に居る?」
「……」
「答えろ!」
そう言ってマシンガンを頭部の真横に向けて撃ち込む。
しかしながらそんな圧倒的に不利のはずの状況の中でBIGBOSS…ピポトロンメタはその口をグニャリと曲げ、嗤う。
「フフ…その様子では伝説の傭兵とやらも、我等の真の目的を全く知らないようだな…」
「何…?」
その時頭に直接声が響く。
『喋り過ぎだ。お前にはまだ使命があるのだ、私に処罰をさせるな』
これは超能力…それもテレパシーのようだ。
それを聞くと同時に突如何かが壊れるような轟音がすると同時に、大きな煙幕をたてて俺の視界を遮った。
スモークの類ではなく、土煙。
『初めまして、だな。ソリッド・スネーク…』
その言葉と同時に先程までは何の気配もなかった筈の俺の真後に気配を感じた。
振り向くと金色の瞳を持つ「そいつ」が鋭い目つきで俺を見ている。
俺が「そいつ」をそう認識した瞬間、俺の身体はハルカの近くに吹き飛ばされていた。
「スネークさんっ!」
「…大丈夫だ。それよりも…」
一体何が起こったのか確認するために煙幕を見やると、そこには2つの影があった。
再び轟音がしたと思うと今度は煙幕が晴れ、そこには白い体毛が体を覆う人間のような身体に狼を思わせる頭をもつ一体に加え、白いゴリラのような生物がピポトロンメタを肩に抱えていた。
そいつらの名は。
「ピポトロンJにピポトロンG…。まさか豪華三本仕立てとはな」
ハルカが弓を構えるものの、ピポトロンJが手で制する。
『今は君たちと戦うつもりはない。もっとも、望むならば相手になってやろう。…私ではなくこちらのGが、だが』
「…あなた達の目的は何?お父さんは何処!?」
ハルカがそう問うと、ピポトロンJはかぶりを振って答える。
俺はその間にちらりと武器のエネルギー量を確認する。
…マシンガンやレーザーガン、ショットガンはともかくランチャー系統のエネルギー量が少なくなっていた。
『君たちがこの先に進めばそれもわかるだろう。そうするならば勿論妨害させてもらうがね』
「今すぐあなた達から情報を…!」
弓から手を離してエネルギー矢を放とうとするハルカをしかし俺は制し、ブーツと牽制用にショットガンとマシンガンの準備をしておき、逃走の用意をする。
ここでこいつらと戦闘することとなれば確実にただでは済まず、そもそもピポトロンJの態度は攻撃を誘うためにこちらを挑発しているように見えたからだ。
「止せ。ここで乗ると奴らの思うつぼだ」
「でも…!」
「…それに、俺たちはさっきまでの戦闘で武器のエネルギーを使いすぎた。補給が必要だろう」
その忠告にハルカは納得していない様子であったが、一方のピポトロンJは俺の言葉を聞いて小さく拍手をしていた。
『流石は伝説の傭兵、といったところだな。状況をよく理解している。君のことだ、Gと君たち自身の力量差についても既に理解しているのだろう?』
俺は返答こそしなかったが、実際問題補給無しで奴らを全員撃破するのは不可能に近いと考えていた。
マシンガンやレーザーガンはチャージのパワーアップパーツの影響で弾薬は自動で補給されるものの、ランチャー系統の武器への補給はエネルギー缶が必要なのだ。
あのゴリラのような生物兵器相手ににランチャーの弾薬が心許ない状態で本格的な戦闘を行うのは避けたかった。
『安心したまえ。我々は今君達にどうこうするつもりはない。…私としても君達にはしてもらうことがあるのでね』
「…どういうこと?」
『何、こちらの話さ。…さて、我々はメタを早急に回復させる必要がある。申し訳ないが今は君達に時間は割けない』
「私達よりもそちらを優先するの?」
『その通りだ。始末するにも捕らえるにも時間がかかる上我々も君達も無傷というわけにもいかないからな』
「なら俺達はお前達が撤退したあとにゆっくり進ませてもらう」
『構わない。我々は君達をもてる力すべてで歓迎させてもらうだけだからな。…代わりに、というのもおかしな話だが。一つ教えておいてやろう』
そう言ってJは腕を組んで、静かに俺達が求めるものについて零した。
『そこの少女…ハルカといっただろうか?この船には君の父親の動向をまとめたデータがある』
「…!?それは本当…!?」
「待て。それが本当だとして何故俺達に伝える?お前にとって俺達は敵の筈だ」
『信じないのであればそれでも良い。が、仮にここで私の話を信じなかったとして君達には他に情報があるのかね?』
そういって口角を僅かにあげるピポトロンJ。
奴の言う通り、俺達には他に行くあてもない。
俺が歯噛みしていると、奴はふっと息を吐きながら笑い話を続ける。
『この船にはさまざまな場所に端末がある。が、データは何処の端末からアップロードされたかあいにく忘れてしまってね。すまないが君達の方で勝手に探してくれたまえ。健闘を祈るよ』
そう言ってJとG、及びGに抱えられたメタは転送装置で去っていく。
敵である筈の俺達に情報を与え、困惑する様子を見届けながら。
act10を読んでいただきありがとうございます。
ピポトロンJの設定や性格はミリオンモンキーズよりもサルゲッチュオンエアーのものに近くなっています。
理由はかなりメタい話になりますが、ミリオンモンキーズの描写からだと何ができてどういう性格でどうやって戦うのかがさっぱり解らないからです。
なので、これから登場する彼の口調や性格、戦い方は基本的にオンエアーの設定に準じたものとなりますのでご了承ください。
最後に、更新がだいぶ遅くなってしまったことをお詫び申し上げます。