METAL GEAR SOLID MILLION MONKEYS 作:竜田揚げ丸
ゴリアックを転送して数分。
『スネーク、聞いてくれ!この機体、自動操縦プログラムがついている!コックピットがあるのにだよ!しかもコックピットは人ひとりとサル一匹入るんだ!乗ってくれと言わんばかりの機体だよ、これは!』
オタコンが熱く語っていた。
「その話は何度も聞いた。何回言えば気が済むんだ。それからあと何分掛かるんだ」
『後数分だよ!あと何回言えば気が済むかと聞いたね?何回でもさ!』
はあ・・・とため息を吐くと、隣でピポ・スネークが通信していた。
「誰と通信しているんだ?」
「ウキーキキキッ(俺の生みの親のような人だ。ところでお前の周波数を教えてくれないか)」
「141.80だ。君は?」
「ウキ・キ・キ(036.37だ。今俺が通信しているのは036.03)」
「そうか。これから近くに敵がいるときは無線で話そう」
そうだな、とピポは相槌を打つ。
『スネーク。修復が終わったよ。今から転送を・・・』
オタコンから通信が入る。
「ウーキキキッ。キキッ(その前に、通信で言われたことを言おう)」
「わかった。言ってくれ」
「ウキーキキキッ。キィッ(空中戦艦は対空性能が高い。ワープしたほうが早く安全に行けるそうだが・・・せっかくゴリアックも修復されていることだしゴリアックで行くか?)」
「そうか。しかし俺たちはサイキッカーでも何でもない。ワープなんてできないぞ。だからゴリアックで言った方が・・・」
そう俺が反論したところで俺自身が思い出したのはサイコ・マンティスだ。
オタコンから通信が入った。
『スネーク、実はピポサルが転送されてくる場所があるんだ。そこから逆に空中戦艦に突入しろということだと思うよ』
「ふむ。だが鹵獲したゴリアックはどうするんだ?そろそろ転送するんだろう?」
「ウキーキキキッ。キキッ。ウキィ(ワープした場合ゴリアックは空中戦艦を破壊するために使う)」
納得した。だが・・・
「そのワープ装置はどこにあるんだ?」
『えーっとね。スネーク・・・』
「わかるかメイ・リン」
『ビルの中かしら・・・ソリトンレーダーじゃよくわからないけど・・・』
『いや、メイ・リン。それはあってる。ビル内から高エネルギー反応がある』
ビルの中ということは・・・・
「ビルの中に潜入しろということか」
『うん。ちなみにそこ、敵が多いよ』
「ゲッチュしながら進め、ということだな」
「ウキィ(了解した)」
ということでビルの中に潜入することになった。
そこまでは障害もなかったのだが。
「キキッ!(警戒を強化しろ、いつ侵入者が来るかわからないぞ!)」
そこには、いかにも戦車というシルエットという物体が鎮座している。
「おい、なんだあの戦車は」
『ウキ(ライトタンクだな。小型ミサイルとマシンガンを積んでいる。しかしこの装備なら―――)』
構える。だがしかし、
「やめておけ。気付かれると袋叩きにされかねない」
俺が制止した。
『ウキィ(では、こうするか)』
「スイカボムじゃないか。そんなものをどうするんだ」
『ウーキキッ(まぁ見ていろ)』
言われたとおりに見ていると、突如としてスイカボムが動き出した。
「あれは?」
『ウキキ。キキッ(リモートボムだ。動かせば攪乱も足止めも可能だ)』
そしてスイカボム改めリモートスイカボムがライトタンクの近くに行くと―――
ドォン‼(!)
「・・・おい、これじゃ根本的には変わっていないんじゃないか?」
『・・・ウキィ・・・(直接殴りに行った方が速かったな)』
「そんなことをいつまでも言っている場合じゃないだろう。敵が来るぞ!」
「キキッ(敵だ!)」
ライトタンクがこちらに向かってくる。
「構えろ!」
「ウキィ!(わかっている!)」
俺はビームランチャーを、ピポ・スネークは恐らくパイナップルボムを持っているのだろう。
「撃て!」
ビームランチャーの青い爆風と、パイナップルボムの緑色の爆風が重なる。
「ウゥッキ!?(やったか!?)」
「キィィィィ!(くそおおおお!)」
「まだだ!もう一発叩き込め!」
さらにもう一度、緑と青が重なる。タンクからピポサルが落ちる。
「ウキィ・・・(うぐ・・・)」
「ゲッチュゥ‼」
ゲットアミをかぶせ、転送する。
「まだ終わってないぞ、敵がどんどんくる」
「ウキ、ウキキ(わかっている、しかしまず隠れたほうがいいだろう。多数の敵と戦いたいのなら話は別だが)」
「だろうな」
俺はオタコンに連絡を送った。
『どうしたんだスネーク。何かあった?』
「ああ。ダンボールを送ってほしい」
『ああ、隠れるんだね?わかった、今から送るよ』
段ボールが送られてきた。
「キィ。キキキ(俺も入れてもらっていいか?)」
「当然だ。この任務、君の力は不可欠だからな」
「ウキ(感謝する)」
そして俺とピポ・スネークがダンボールに入る。
「キィ、キキキ(侵入者を見つけ次第、攻撃せよ!最悪殺せ!)」
何やら物騒なことを言っているが、連中にとっての敵は目の前のダンボール箱の中にいる。
しかし相手はアウターヘブンやザンジバーランド、シャドー・モセスのゲノム兵達に並ぶ。
いくらザル警備だといっても腕は相当立つだろう。嗅覚も人間より上だろうしな。
「そんな相手に対し戦えとは、どっかの誰かは知らないがなかなかひどい任務を押し付けてきたな。」
そうつぶやいたとき。
『おい、それはワシの事かの?』
「ウ、ウッキ・・・(ハカセ・・・・!)」
「ハカセ?ということはあんたがキャンベル大佐の同期の博士でピポ・スネークの生みの親、何より今回の事件の依頼者か?」
『そうじゃよ、ソリッド・スネーク』
そのじいさんはいかにも、という声をあげていた。
そして通信の方から、
『ゲッチュ!』
『これで最後かしら?』
『そうですね、ナツミさん。このエリアはすべてゲッチュできたようです』
という、少年ぐらいの男の声と、女二人が話している声が聞こえた。
「おい、そこに何人いるんだ。子供の声まで聞こえたが・・・」
『ん?そうじゃの、わしを入れて4人じゃよ?それに君が言っている子供とは、カケルくんの事じゃな』
「カケル?ということはサルを普段ゲッチュしている、サルゲッチャ―の・・・?」
『そうそう、そのカケルじゃ』
「メサルギア事件の時には林間学校に行っていたあの?」
『それはしょうがないじゃろう。一生に一度の林間学校なんじゃし、ゲットアミも故障しておったんじゃからの』
・・・・。そんなことで俺は駆り出されたのか?
『ま、そんなことは置いといてじゃが・・・そっちは今どうなっておる?』
「いまはダンボールの中だ。多数の敵がいてな」
「ウキッ。ウキキ(いや、もう敵はいないぞ)」
『ふむ、そっちの空中戦艦にはまだ乗れておらんのじゃな?』
「そうだ。今から乗り込むためにビルの中に潜入したらこのザマだ」
『そうか・・・。実は大変なことがあったんじゃ』
「どうした?」
『うむ・・・。どうにもメタルギアやらメサルギアが戦艦に配備されているらしいんじゃ。しかもそっちにはやたら多くじゃ』
「その情報はすでに受け取っている」
『ちょっとごめん。スネーク』
オタコンが介入してきた。なにか気になることでもあったのだろうか。
―――――ん?待て、初めて聞いたことのように驚いていたな。
『お久しぶりです、ハカセ』
『おお、オタコンか!ステルス迷彩はできたか?』
『はい、おかげさまで』
『そうか、よかったの』
『ところでハカセ』
『なんじゃオタコン。はっきり言わんか』
『その情報を提供したのはハカセではありませんか?』
『はぁ?なーにをいっとるんじゃ?』
つまりオタコンが言いたいことは、
「情報をくれたのはあんたではないのか?」
『そうですよ、ハカセ』
『そんなこと言われてもの。送っておらんものは送っておらんのじゃ』
では誰が・・・・?
考えているとオタコンが話しかけてきた。
『スネーク、任務内容は変更だ。情報提供をした奴を調べること、本当にメサルギアやメタルギアがあるのか確かめるということだよ』
『おーい、ゲッチュも忘れるなよー』
『っていうかハカセさっきから誰と通信してるのさ?』
『あ、渋いおじさんね。名前はなんていうの?』
「待て、お前達は子供だろう?おいハカセ、子供を戦場に巻き込むとはどういうことなんだ」
俺が質問するとこんな答えが返ってきた。
『彼らはサルゲッチャーじゃよ。それに、戦場に巻き込んだのは事故なんじゃ』
「事故?」
『まぁいろいろあっての。そっちを頼んだぞ』
『ハカセ、あのヘリ来るよ‼』
『破壊しないと戦艦内に潜入できませんね』
『・・・まぁそういうことじゃ』
無線が切れた。
「・・・君の親はいつもこうなのか?」
「ウキ。キキキ(正確には親代わりだ。しかもやつは飄々としててよくわからん)」
「そうか。オタコン、任務をつづける」
『うん。頑張ってね、スネーク』
こちらの繋がっていた無線も切る。
「よし、行こうか」
「ウキ(わかった、しかし…)」
「どうした?」
「ウキィ?(ザル警備過ぎないか?)」
「さぁな。俺に言われても困る」
と返したところでダンボールから出た。
「ついでだからライトタンクも奪っておこう。君が乗るか?」
「キキィ(いいのか?)」
「ああ。俺は別に構わない」
わかった、と返してピポ・スネークは乗り込んだ。
「ウゥキ。ウキキ(乗り心地は悪くない。メンテもしっかりされている)」
ピポ・スネークが色々やっている間に俺はオタコンに連絡を入れる。
「オタコン。ここからさらにどこに進めばいい?」
すぐに答えが返ってきた。
『うん、そこからまっすぐにいけばワープ装置があるはずだ。ただ・・・』
「どうした?」
『どうも敵が多いんだ。集まっているっていうか・・・』
「とにかく敵が多いんだな。わかった」
『うまくライトタンクを使って敵を殲滅、ゲッチュしてくれ。がんばってくれ』
通信を切りピポ・スネークに今のを伝達をしておく。
「ウキィキキキ(敵が多い?)」
「そのようだ。うまくそれを使って殲滅してくれ、だそうだ」
まっすぐ先に進むとカラスがたくさんいたが、なにより目を引いたのは
「・・・・おい、これは何だ?」
「ウ、ウキキ!?(ヘビータンク!?)」
とても巨大な戦車が道をふさいでいる。
『スネーク、後ろに大きなエネルギー反応がある!それを突破しなきゃ空中戦艦には乗り込めない!』
「わかっ…!」
『どうしたんだいスネーク!早く倒さないと!』
俺が途中で言葉を失ったのは動き出したからではない。コックピットが開いてピポサルがでてきたからだ。
しかもただのピポサルではない。こんなことを言い出した。
「ウーキキキッ(久しぶりだな、
「まさか・・・お前は!」
「ウキーキキキッ!(そうだ。バルカン・モンキーだ!)」
「ウーキキキ!?(馬鹿な!?)」
そういう会話をしながら、オタコンと通信をとった。
「オタコン、レイブンだ。バルカン・レイブン・・・・いやバルカン・モンキーが再び俺たちの前に現れた」
『レイブンだって!?シャドー・モセスで君が倒したはずじゃ・・・・!?』
「わからない。だが、確かに奴だ。喋り方、俺の呼び方にデカいバルカン砲・・・完全にレイブンだ。ピポサルになっているが――――」
『ピポサルに・・・・?ピポ・スネークは君の戦闘データをピポヘルに移したものだ。きっと敵はそれを利用してかつての
「つまり、またFOXHOUNDを倒さなくては空中戦艦に乗り込めないということだな。わかった」
通信を切り、ランチャーを取り出し、放つ。Bランチャーはエネルギー切れを起こし、途中からレーザーガンに持ち替えて撃った。
ピポ・スネークもまた、ライトタンクからミサイルを撃ち応戦する。
そして、そのうちヘビータンク自体は壊れたのだが―――――
「やったか!?」
「ウキーキキキッ!(甘いぞ、蛇!)」
「クソッ!」
あそこまで撃ったのに、鎧も砕けていない。ピンピンしている。
ピポサルになっても屈強だ。
そしてそのうち、緑色の閃光がライトタンクに連射された。
「ウキィ!(クソッ・・・・!)」
ライトタンクが破壊される。
どうやらバルカン砲からランチャーの弾が乱射されたらしい。
上手く物陰に隠れオタコンに
「オタコン!なにか遠くから攻撃できる強力な武器はないか!」
『
「おい俺は今チップなんて持っていないぞ!」
「ウキィキキキッ!(これを使え!)」
「白と緑のチップ・・・・!オタコン、今から送るぞ!」
『わかった!数分持ちこたえてくれ!』
通信が切れた。
「数分か・・・・行けるか?」
「ウキキキッ(問題ない。俺がリモートボムでうまく攻撃する、相手の気を引いてくれ)」
「了解した」
レーザーガンを構え、相手を挑発する。
「どうした!やはり知能は猿か!?レイブンの名が泣くぞ!」
「ウキィ、キキキ‼(今はバルカン・モンキーだ!レイブンなどではない!)」
バルカンランチャーが緑色の光弾を放つ――――前に、スイカボムが滑りこみ、爆発。緑色の爆発を見て、ピポ・スネークが叫ぶ。
「ウキッキ!?(やったか!?)」
しかし、そんなピポ・スネークの言葉とは裏腹に、バルカン・レイブン――――現在はバルカン・モンキーだそうだが―――が、ゆらりと立ち上がった。
「クソッ‼オタコン、まだか!」
『もう少し…あともうちょっとなんだ、持ちこたえてくれ!』
「オタコン!」
『よし…!ようやくできた!スネーク、今から転送する!』
俺が急いで障害物の後ろに隠れると、Hランチャーが転送されてきた。
この形状は…
「この形…まるでスティンガーだな。ホーミングということは、機能的にはスティンガーと同じか?」
『ああ、そうだよ。敵が曲がり角にいてもすごいカーブを描いて相手に当たるんだ。使い方はスティンガーと同じように、≪相手にロックをかけて撃つ≫。簡単操作だ』
「ついでにニキータのように自由に動かせると良かったんだがな」
『それはエネルギーがだんだん弱くなるから駄目だよ。大体ビームをどうやって操るっていうんだい?僕としてはこれでも頑張った方なんだけど…』
そんなことを聞かれると、答えは見つからず、黙っているとオタコンが再び喋りだした。
『スネーク。そんな深く考えないでくれ。今はレイブンを倒そう』
「ああ、そうだな。今はメタルギアを破壊するのが優先だったな」
『うん。早く先へ進もう』
通信を切ると、Hランチャーを構え、発射。
青色の閃光がレイブンに飛んでいく。
「ウキィ!?(なにぃ!?)」
「ウキ、ウキキキッ!(よし、効いているぞ!)」
そのまま連射していると、
「ウキ、ウキキ(お前の今の実力は分かった。だが、本番は次だ)」
「ウキ、ウキキィ(チッ、逃げられたか。だが、勝敗は決した。逃亡・・・それは死を懇願するよりも哀れな敗れ方だろう)」
バルカン・モンキーが逃走、ワープ装置が扱えるようになった。
ついでにエネルギー缶を回収、弾薬補給もしておいた。
オタコンに
「ふぅ・・・。オタコン、ワープ装置が使えるようになった。それにしてもまた
『まあまあスネーク。敵の戦い方が分かっているだけマシじゃないか。奴らだって不死身なわけじゃない。そんなのいたらもうそれは人間じゃないよ』
「わからんぞ?弾丸が避けたり核爆弾を一人で作ったりするやつがいるかもしれん」
『うーん・・・それはもはや人間じゃなくて、化け物って言ってもいいかもしれないね』
『こんなところでそんなこと議論しててもしょうがないわ。もう・・・私たちの任務は化け物議論じゃなくて―――』
「メタルギアの破壊。わかっている。もっとも、その情報の確実性も揺らいできてはいるがな」
『そんな風に疑ってたらキリがないわよ。
「いや、いい」
『そう。シャドー・モセスの時みたいに用もないのに呼ばないでね?』
あれは悪かったとは思っているが・・・まだ根に持っていたのか、メイ・リンのやつ。
いくらなんでも引きずりすぎじゃないか。
「ああ。あれは悪かった。ではそろそろ任務に戻る」
『そこから先は空中戦艦内になると思うから、気を付けてね』
「了解」
無線を切ると、ピポ・スネークが話しかけてきた。
「ウキ、ウキキキッ(話は済んだか?)」
「ああ、行こう」
そうして俺たちは空中戦艦内に突入した。
どうでしたでしょう、第3話。バルカンさん敵前逃亡。
オタコン「簡単にハカセさん達日本サイドの時系列をまとめてみるよ。見えないのにどうやってまとめてるんだとかいうツッコミはなしで」
PM 00:00 サルゲッチャー達がゴリアックを東京テレポートにて返り討ちに。
PM 02:16 スペクターと呼ばれるサル率いる第三勢力(しかし恐らくサルゲッチャー達の味方だろう、という話だ)が新宿を制圧。
PM 04:01 秋葉原で不審なトレーラー発見、スペクターたちがこれを破壊。
PM 06:32 地下街をサルゲッチャー達が制圧。
PM 11:58 危険メカをスペクターたちが破壊。(なおこれは闘いで激しく損傷、使い物にならなかったらしい)
AM 05:08 コンテナターミナルをサルゲッチャー達が制圧
AM 08:19 コンビナートから衛星レーザーが放たれるのをサルゲッチャー達が阻止(危険メカと同様、使い物にならなかったらしい)
PM 03:07 ヨットハーバーをスペクターたちが制圧
PM 07:49 スペクターたちがスタジアムで100匹のピポサルを捕まえ、空中戦艦に突入。
PM 11:18 警備が手薄かと思ったら、新たにメカが転送・サルゲッチャーたちはこれと対峙(本文ハカセとの通信記録)←今ここ。
未だに内部からの情報はないんだけど…まぁ、そこはスネークに期待しよう。