METAL GEAR SOLID MILLION MONKEYS 作:竜田揚げ丸
ワープし、突入してからは見つからないようにゲッチュを繰り返した。そして戦艦内にいるFOXHOUNDや一部行っていない(行けないところもあるのだが)エリアのピポサル以外のこのフロアのピポサルはあらかたゲッチュし片付けた。
が、しかし。
「オタコン。ロックされている部屋以外を確認してもメタルギアはなし。それから…メサルギアもなしで、ゴリアックばかりだ。これからどうする?いっそのことゴリアックでドアをぶち破るか?」
『いや、とりあえずブリッジまで行って、この戦艦内のどこにメタルギアやメサルギアがあるか調べて、ロックされてる場所にあればロックを解除しよう』
「了解した」
ピポ・スネークに今の通信の内容を言うと、
「ウキ、ウキッキ(ああ、わかった)」
と返された。彼に一つ、俺は聞いてみた。
「わかったのは良いが、君はどこにメタルギアがあるのか知らないか?」
「ウーキ、ウキキッキ(わかっていたらこんなことはしていない)」
「そうか、悪かったな」
会話を切り上げ、搬入用エレベーターに乗って登っていくと、徐々に上の階層が見えてきた。
エレベーターが止まった後通路を進んでいき、ゲッチュしながら進んでいくと、唐突に上から狙撃された。
「狙撃…ウルフか!」
「ウキ、ウキッキ(また厄介なのが出てきたな…どうする?)」
「どうするも何もないだろう。倒さなければどうしようもないが…」
どうしようもないが、こちらは狙撃武器等はない。
しかたなく俺たちは遮蔽物に隠れた。
「ウキ、ウキッキ(狙撃武器などないようだな…まずいぞ)」
「ここはオタコンに任せて何か武器とかを待つしかないだろうな」
ゲッチュしたときに何枚かチップを手に入れていた。
やはり現地調達とはいっても、武器を直接携帯するよりもこっちのほうがはるかに軽い。
「オタコン、チップの組み合わせだが、何かないか?狙撃されてる。恐らくはヤツだ」
『そっか、ウルフ…ちょっと転送してみてくれないかい?』
「わかった」
言われた通り転送すると、オタコンはうーんとしばし考えていた。
もちろんこっちは遮蔽物に隠れっぱなしで、ウルフは時々移動までするので俺たちは文字通り死にかけている。
『よし…!これなら…!』
「何かできたのか!?」
『エアキャンサーだ。計画のみに終わった兵器、フライングプラットホームの設計図とかを元に、いろいろと改造をして最終的にチップで作った反重力装置にレーザー砲、マシンガンまでくっつけた代物だ。結構役に立つんじゃないかな?』
「なるほど、直接ウルフのところに行ってその硬い装甲で弾丸を防ぎつつレーザー砲で倒せと。しかしウルフが弾丸を変え徹甲弾を撃ってきたらどうするんだ?反重力装置が壊れたら俺たちはあの世行きだろう?」
『いやいや、チップでできた複合装甲だ。徹甲弾なんか目じゃない。これはもうオーバーテクノロジーだよ。チップは全部終わったら研究してみようかな?数枚持って帰ってきてくれるかい?』
「余っていたらな。それにしてもチップは万能だな」
『うん。大概の物ならできそうだ。あ、そうそうエアキャンサーは圧力には弱いから気を付けてね?それじゃ、送るよ』
通信が切れ、エアキャンサーが送られてきた。
切れる直前に涙声で、
『ウルフ・・・また、君なのか‥‥』
と呟いていた。
「ウキ、ウキキッ(いいのか?声をかけてやらなくても)」
ピポ・スネークが尋ねてきたが、俺はこう返した。
「ああ。あいつはああ見えて強い奴だ。俺の方が強いと思うかもしれないが、この任務だってアイツがいなければ成立していないんだ。俺が死ぬからな」
軽く冗談交じりに話をしていると、ピポ・スネークは、何かを呟いた。
「…ウーキ、ウキキッ…(…なるほど。それが貴様の強さか…)」
「何か言ったか?とにかく、ウルフを倒すぞ。うまくいけばゲッチュも狙える」
「ウキ、ウキキッ(確かにぐずぐずしている暇はないな。メタルギアも探さねばならない)」
二人(正確に言えば人間一人とサルが一匹だが)でエアキャンサーに乗り込み、ウルフに真正面から挑みに行った。
「ウキ、ウキキ(まさか、真正面から挑んでくるなんて…そのマシンは、彼の物かしら?けれど私はスナイパーよ。この近距離で、外すわけがない!)」
「それはどうだろうな。スナイパーに正面から挑むということは、何かあると思わないのか!?」
そう叫ぶと同時に、下部ハッチからピポ・スネークが飛び出していく。これでピポ・スネークが奴を倒してくれれば俺はこれを操作してこれについているゲットアミを使用し、ウルフをゲッチュするという算段だった。しかしその目論見は外れた。
《ウィィィィィィン…》
「オタコン!どうなっている、どんどん高度が下がっているぞ!」
『ええ!?そんな…僕は何もしていないよ!いや、待てよ、落ち着けハル・エメリッヒ。原因がわからないなら、調べるだけだ…』
オタコンが原因を調べ始めた。
しかし、高度が下がり切って再び上がるのは骨が折れる上、爆発して死ぬ可能性すらある。
だとしたら今の俺にできることは…
「うおおおおお!」
エアキャンサーから飛び降りる。ただそれだけだった。
ピポ・スネークがこちらに駆け込んでくる。それに対してニヤリと笑って見せると、彼も同じようにに笑った。
だが、それは仲間を想うそれではなく、むしろ宿敵が未だに生きていることを喜んでいるような笑みだった。
「ウーキ、ウキッキ(そうか。やはりまだ生きていたか。相変わらずしぶとい奴だな、貴様は)」
「なにを‥?」
その言葉に、貴様という呼び方に、その話し方に。このような話し方をするのは奴しかない。
最初からこの蛇は
MONKEYHOUNDのリーダー、即ち元はFOXHOUNDで武装蜂起し、FOXDIEにより殺されたあの男。
リキッド・スネーク。
そのコピーが今、俺の前に立っていた。
「ウキ、ウキキッキ(久しぶりだな、兄弟。残念ながらお前と一緒にいたのは、お前のコピーではないのさ。ハカセとかいう奴の名を騙ってお前の相棒にメタルギアやメサルギアがあると知らせたのは…俺だよ、兄弟)」
「まさか、ここにメサルギアやメタルギアなんて…?」
まんまと乗せられた。その悔しさを認めたくないから、俺はいまあんな質問をしたのだろう。
こいつの真の狙いはやはり俺なのだろう。
「ウキ、ウキッキ(ああ。すべて貴様をここにおびき出すためだけのえさに過ぎない。1年近く前に俺にFOXDIEを感染させ、俺を殺した貴様をな)」
「…そうか。だが、ここでお前をゲッチュしてしまえば、無事ここから脱出できるだろうな」
「ウーキ、ウキッキ(いや、やめておけ。ここで仮に一歩でも動いてみろ。ウルフもいるからな、間違いなく撃ち殺されるだろう。さて、知りたいことがあるからな。オセロット)」
その後ろの通路から、例の拷問マニア―――シャラシャーシカ、リボルバー・オセロットが歩いてくる。
勿論、かつて失った右手ではなく左手で器用にガンスピンをしながら、だ。
「フン、まんまとかかったようだな。貴様にはこちらに来てもらうぞ、スネーク?」
「…残念ながら、俺は何も知らないぞ?」
「それはどうかな。実はオクトパスの姿が見えない。考えられるのはお前がゲッチュしたということだけだ」
なんのことだかは、本当にわからない。だがオセロットは絶対に俺がゲッチュしたと思っているらしい。
オセロット、リキッド(本人曰くウキッドらしい)、ウルフを目の前に捉えたまま退路を探す―――しかし背後のエレベーターからレイブンとその部下たちであろうピポサル達が上がってきた。
そしてリキッドの後ろに浮遊するピポサル―――マンティスが現れた。
「これで逃げ場はなくなったな?」
「クソっ‥!」
「ウキ(連れていけ。拷問にかけろ、シャドー・モセスの時のようにな。DARPA局長と同じようにはするなよ)」
「また拷問か?芸がないことだな」
「ウーキ、ウキキ(残念ながら、今回は電気回転ベッドだけではないぞ。電気は変わらんがな。期待しているといい。連れていけ)」
そうして俺はピポサルに連れていかれる。
足を固定され、半ば引きずられる形になる。
そのまま、リキッドが勝ち誇ったかのように言った。
「ウキィ、ウッウッキィ(今度こそ終わりにするか、スネーク!)」
オセロットもまた、愉快そうに口を歪める。
「楽しみだ、スネーク。また貴様を拷問できようとはな」
数が多すぎる。俺はここで抵抗すればここで殺されるということを直感的に悟った。
何よりも使いたくないのだ。裏切り者に教わった技など。
オタコンに連絡しようとも思ったが、今から拷問されるというのに通信したところで意味はない。
俺は引きずられながら拷問室に放り込まれ…そこから先は、全身に痛みの広がる時間だった。
割と間が開きました。ごめんなさい。
ぶっちゃけこれ待ってくれてる人いるのかな…(小声)
それはともかくリキッド・オセロット・ウルフ登場。
次の話はメタルギア恒例・拷問イベントからです。
次の話も読んでいただき、楽しんでいただけると幸いです。