誤字、脱字、意味不明な文などありましたら、教えてくださると幸いです。
基本的に文章は一人称視点で進みます。
口調がおかしい、不安定など多々見受けられるとますが、私の力量不足ですので、お許しください。
Lv.★ 未知との遭遇
受注者:博麗霊夢
依頼主:八雲紫
目的地:雪山
メインターゲット:雪山草5本の納品
依頼内容:霊夢暇かしら?暇よね。一つお使いをお願いしたいのだけれども、頼まれてくれるかしら?雪山草はこの雪山の頂上近くに生えているわ。写真を添えておくから参考にして頂戴。5本集めたらあなたが今いる場所の近くにある赤い箱に入れてくれればクリアよ。よろしく頼むわ~。
-ベースキャンプ-
・・・何が「お使いをお願いしたい」だ。
神社の境内に何か紙が落ちていたから拾い上げてみたら、急に足元にスキマが広がって、気がついたらこのどこだかわからない場所に拾った紙と共に落とされていた。
暇じゃなかったといえばウソにはなるかもしれないが、こんな急に面倒ごとを押し付けられる義理はない。帰ったら何をし返してやろうかしら。
帰る手立てが見つからない以上、この雪山草というものを探しだし、赤い箱の中に入れなければならないらしい。紫の依頼書によると頂上近くに生えているそうだし、とりあえず上のほうを目指して進んでみましょうか。
-エリア1-
「うわぁ・・・」
思わず感嘆の声がこぼれてしまった。
凛とした湖面。生い茂る緑。雲の隙間から差し込む光芒。彩られた雪の白。そして遠方にそびえ立つ高き白峰。幻想郷にはない、幻想的な現実。その美しくも冷たい光景に、時を忘れ見惚れてしまった。
おっといけない。こんなどこかもわからない土地に長居するわけにはいかない。さっさと雪山草とやらを集めて神社に帰りたい。そして紫をボコボコにしてやる。
何やら湖近くの草を食べている毛むくじゃらの動物は無視して、上へと向かおう。
-エリア4-
寒い。
上のほうへと続いていそうな洞窟に入ったけど、一面中が氷で覆われており、それらが差し込む光に当てられて青白く輝いている。神秘的ではあるけれど、今はこれをのんびりと眺める気分でも気温でもないわね。
おや、こんな厳寒の洞窟に人影がある。おじいさんかしら。とても低い背に大きなカバンを背負っている。それと耳が長い?せっかくだし話しかけてみましょうか。
「なんじゃ、ワシに用かの?そうじゃ、せっかくだからコレを持っていくがよい。」
なんの変哲もない赤い種をもらった。・・・上に向かうとしよう。
-エリア5-
「ギャァオ!ギャァオ!」
洞窟を先に進むと、急に3匹の獣に襲われた。体躯は私より少し大きいくらい、雪を散りばめたような容姿に、ほんのり赤いトサカ、黄色いクチバシ。妖力も気力も、霊力も魔力も感じない。単なる力を振りかざす獣なのだろう。
対峙する。なかなか素早く、跳びかかってきたり冷たそうな玉を吐いてくる。ステップを駆使したトリッキーな動きをしてきたが、何の問題もない。
跳んできた1体の横っ腹に一撃。「ギャン!」
氷弾を出そうと溜めている1匹に一撃。「ギャンッ!」
こちらを警戒している残り1匹に素早く詰め寄り一撃。「クゥ・・・」
お祓い棒を叩きつけた。
ふぅむ。ここが幻想郷の外の世界である以上、見知らぬ土地、見知らぬ生態系、そして見知らぬ敵に出くわすのは覚悟をしていたけど、問題なさそうだ。
動く気力を蝕んでくるような寒さには閉口するが、春雪異変の時もこんな感じだったし、何とか大丈夫だろう。
洞窟の出口を見つけ、その傍らに野草が茂っているところがあったので雪山草を軽く探してみたが、1本しか見つからなかった。この洞窟を出た先、頂上付近に多くあるのだろう。
-エリア6-
寒っ!
雪混じりの風がビュンビュン肌に打ちつけてくる。前言撤回、対策もなしにこんな寒さの中にずっといたら、飛ぶどころか動くこともままならなくなってしまいそうだ。
と、あそこにいるのは麓にもいた毛むくじゃらの草食獣ね。この雪山の極寒の環境でも適応できるようにあの毛の量になったのだろう。麓の彼らよりもどこかせわしなさそうにしている気がするのだけれど、彼らにとっても今日はかなり寒い日なのかしら。
雪山草はちょっと小高くなっているところから2本手に入った。これであと2本。
もうすぐ頂上。そこまで行けば雪山草は集まるだろう。向かいましょうか。
-エリア8-
さすがに頂上近くということもあって、先ほどよりも風が冷たく強く感じられる気がする。ここまで来れば雪山草の残り2本も集まるだろう。
見つけた。そびえ立つ崖の麓に雪山草が何本かまとまっている。
そしてその傍らには、先ほどから見る毛むくじゃらの草食獣の死体があった。生態系で上に立つ獣にやられたのだろう、無残にも肉が鋭い爪のようなもので引き裂かれた跡がくっきりと残っている。傷を見るに、それほど時間は経っていないようだ。
これ以上の面倒ごとは御免だ、早く雪山草を摘んで赤い箱のところに戻ろう。
そうして雪山草を摘み始めた私を、
大きな影が覆った。
「っ!」
間一髪急襲を避けた私の前に立ちふさがったのは、あまりにも大きな力で。
霊力でも妖力でもない、純粋な力。正に暴力で。
その獣の咆哮は、私の心に警鐘を鳴り響かせるのには十分すぎて。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアオ!!!!!」
「うっ、うるさっ・・・」
予想外の大きな咆哮に思わず耳を塞いでしまう。
ひるんだ私に、猛獣が突進してくる!
「っ、二重結界!」
緊急的に結界を発動し、間を取る。
だが目の前の暴力の塊は、そう時間をかけずに私の結界を引きちぎってくるだろう。
手持ちに戦える用意をしてきていない今、バカ正直に対峙する理由はない。
ひとまず撤た・・・
バキン!
結界が引きちぎれた音がした。
まさか。奴にとって初めてであろう結界を、ものの10秒ほどで突破してくるとは。
深く考えている時間はない。すぐにでもこっちを追ってきそうな様子だ。
この頂上付近に来た道とは逆の少し狭くなっているほうに駆ける。
「ギャアアアアアアア!!!」
案の定追ってきた。体勢を落とし四本足で猛進してくる。
! 小さい横穴がある。このまま直進して追われるよりも、奴が入ってこられないであろうこの横穴に一時避難することにしよう。
横穴を抜け、小さなスペースに着地する。
奴はやはりこの横穴は抜けられないようだが、必死に突進してきたり、雪の積もった地面を抉り飛ばしてきている。たまに先ほどの咆哮も織り交ぜてくるが、この距離でもかなりけたたましい。
さて、足元に生えていた雪山草を回収し、5本集まったところで、一度状況を整理しよう。
何故紫は、わざわざこの依頼を私に押し付けたのか。雪山草の回収なんて、スキマを使えば動かなくてもできるし、そうでなくても式どもにまかせればよい。
依頼書を読んだ時からおかしいとは思い、何か裏があると警戒はしていたが、紫の狙いは私に今雪の壁を挟んで相対している獣と遭わせる、ないし戦わせることが目的なのだろうか?
雪山草を集めるのはあくまで名目で、私がこの脅威を知ることが目的だとすれば。
私が脅威を知る必要性があるということは。
それはすなわち、この脅威が幻想郷に襲来する可能性があるということにつながるのではないか。
・・・はぁ。帰ったら紫をボコボコにするつもりだったけど、その前に少し話し合いが必要になりそうね。
さて、考え事をしている間に奴の攻撃の手が止まった。諦めたか、それとも息をひそめて期をうかがっているか。
入ってきた横穴から戻るのは危険だろう、どうやら回って先ほど雪山草を摘もうとした崖の上に行けるようだ。そこから下の様子を窺うことにしよう。
崖の上まで登りきった。下の様子を見てみると、いた。雪山草のそばで狩られていた草食獣の肉をむさぼっている。
改めてその姿を観察してみる。
橙と青の鱗、ムチのようにしなる尾、発達した背の骨格、翼膜ついた両腕、そして鋭く凶悪な牙の覗く暴君の顔。
間違いなく奴は、この雪山の生態系の頂点付近に君臨する゛絶対強者”なのだろう。
一通りの考察が終わったとき、同時に奴も草食獣を平らげ、辺りを見回していた。そして、目が合った。目と目が、遭った。
できれば見つからないまま別の場所へ行くまでやり過ごしていたかったが、見つかってしまったものは仕方がない。
この高さでは奴は特に攻撃手段を持ってなさそうに見えるが、何をしてくるのだろうか。
すると、呻りをあげながら崖側にむけて突進をしてきた。そして、
崖に爪を突き刺しながら登ってきた。
「ちょっ・・・!」
入れ替わるように私は崖から飛び降りる。まさかそんな芸当ができるとは。
先ほどと位置関係が逆転し、私が凶悪なその姿を見上げていると、
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアオ!!!!」
一つ大きな咆哮を上げ、飛び去っていった。飛べたのか・・・。
何はともあれ、とりあえず最初の地点に戻って雪山草を納品しましょうか。奴と対峙している間は忘れていたけど、寒さで凍えてしまいそうだ。
-QUEST CLEAR!-
-博麗神社-
赤い箱に雪山草を放り込むと、近くにスキマが開いた。相変わらず趣味の悪い無数の目の空間に足を踏み入れると、見慣れた私の神社がそこにあった。
「霊夢お疲れさま。いい避暑になったかしら?」
今回の元凶が軽口をたたきながら寄ってきた。本来なら顔を見た瞬間夢想封印を叩きこんでやろうと思っていたけど、今すべきことはそうじゃない。
「紫、あれは何?この依頼の意図は何?」
「あら、気が早いのね。さっそく本題に入ろうなんて。」
「紫。」
「わかったわよ!わかったからその手に持ってるお祓い棒をしまってちょうだい!」
チッ。相も変わらず食えない妖怪だ。
「あれは、外の世界で猛威を振るっている猛獣。モンスターよ。
そして外の世界には彼らを討伐する狩人、モンスターハンターが存在しているの。
昔はハンターの数とモンスターの数が釣り合っていて、人々はモンスターを適度に恐れ、そのモンスターをハンターが狩る、という図式があったの。
でもひと昔前にハンターの数が減ってしまって、モンスターによる被害が激増して、人々がモンスターを過度に恐れるようになってしまった。
そしてモンスターが過度に畏れを取り込んでしまった。簡単に言うと、一部のモンスターが、完全とは言わずとも、妖怪化をしてしまったの。
少しして今の時代は、人々は自分たちの村を厳重な防壁で覆い、なるべく外へ出ない、その村の中ですべてをやりくりするという形が増えてきているの。
これによって、今の幼い子供たちは壁の外のモンスター達の世界を知らない。モンスターを怖がる、畏怖するということを知らない。
これによって、少しでも妖怪化してしまったモンスターが、畏れを失いつつある。畏れを失った妖怪がどうなるかは、もちろん霊夢ならわかるでしょう?
そう、外の世界の猛獣たちが、幻想の扉を叩きつつあるのよ。」
「・・・。」
説明を受けて、私は先ほどの猛獣、モンスターを思い返していた。
あのモンスターからは、全く妖力などは感じなかった。あのモンスターは妖怪化していないということだろう。
だが、妖力なしであの圧倒的な暴力をふりかざす存在が、更に妖力を身につけてしまったら、更なる暴力が生み出される。そしてその存在が、幻想郷に襲来する可能性がある。
「今のところは、私と藍で簡単に対処をするだけで結界を抜けられる心配はなさそうだけど、私が冬眠に入っている時期に大きな動きがあると、もしかするかもしれないわ。」
弾幕ごっこ制定後における幻想郷において、直接人命を奪うような異変はないし、妖怪により人命を奪われることもそれほど多くはない。
しかし、理性を持たないモンスターどもにとっては、幻想郷の事情など知ったことではない。目の前の有象無象を引き裂き、噛みちぎり、蹂躙しつくすだろう。
恐らく紫は、今後幻想郷の有力者たちにも私と似たような形で外の世界のモンスターに触れさせ、万が一の襲来へ対策をさせるだろう。
そして私は博麗の巫女。幻想郷の調停者として、先頭に立ち事態に備える必要がある。
「・・・理解したわ。」
「そう。さすがに理解が早くてありがたいわ。これから頼むわよ。」
紫から右手が差し出される。
私はその右手に自らの右手を差し出し、握手をする。
「でもね、紫。」
右手に思いきり力を籠める。
「えっ、ちょっと、霊夢?あなた何を・・・。」
「モンスターに備えさせるのと、急にあんなところに送り込んだのは別件よ?」
左手に握りしめたお祓い棒を、振りぬいた。
読んでくださりありがとうございます。
もし気が向かれる方がおられましたら、感想、批評等お待ちしております。
また、全く書き溜め等ないので、更新はかなり遅いです。
次も読んでやろう、という方がいらっしゃいましたら、気長に待っていただけると幸いです。