やはり俺が魏で働くのはまちがっている。   作:いけし

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彼の三国志はここで終わる?

 

目が覚めたら、そこは荒野だった。

なんだ、この状況は。小町、お兄ちゃんとうとう頭がおかしくなったみたいだ! 

 たしか道路に飛び出した犬を助けようとして車に轢かれたはずなのだが…… 

 とりあえず現状確認したところ轢かれたにもかかわらず怪我はなく、制服のポケットには財布と圏外を映したスマホがあった。

 比企谷八幡16歳、高校デビューする前に異世界デビューしちゃったってか

 

「笑えねぇー」

 

 いつまでも悲観している訳にもいかんな。

誰かに会わんことには、自分の現状も正しく把握できねぇし、とりあえず歩くか。

 

 

 

 歩きはじめて10分。早くも第一村人ズに会った。

黄色い布をあしらった中華風の服を着た男3人に、その男に拘束されている猫耳フードの少女。

コスプレ……じゃないよな? それにしてはやけに自然だし。まあそれはさておき、見るからに厄介ごとだ。

幸いなことにまだあちらは、俺の存在に気づいていない。流石はステルスヒッキー。猫耳少女には悪いが離脱しよう。

 

「ちょっと、そこの猫背男!助けなさいよ」

 

「え、ちょっ」

 

 なに巻き込んでくれてんだ、あの猫耳っ

 

 

 人生で初めて刃を向けられ、一瞬硬直してしまいあっさりと野盗に俺は捕まったとさまる

 

 

「ちょっとあんた、私を助けもしないでなに捕まってるのよ。これだから男は」

 

「ちょっと待て、俺は悪くない。悪いの世間だ。もしくはお前」

 

「なにふざけたこと言っているのよ!私が悪い訳ないでしょ。冗談はその腐った目だけにしなさい」

 

「初対面でひどくありませんかね?」

 

「ひゃっ、こっち見ないで。孕んじゃうじゃない」

 

「おめーら、うるせーぞ自分たちの立場わかってんのか?」

 

 

 くそ、マジでやべーな。どうやって逃げ出したもんか。

 

 

 

「兄貴、女はともかく男の方はどうします?」

 

「めんどくせーし、金目のもんだけ、はぎ取ってほっておくか」

 

 

 おいおい、このままじゃカエルみたく干からびて人生を終えてしまう。それは御免こうむる。

 

 

「お兄さん方、お兄さん方。金になる話があるんですが」

 

 慣れない笑顔を浮かべ、野盗たちに話しかけると野盗たちの顔が歪み、隣から悲鳴があがった。

 

 「どんな育ち方したらそんな怖え顔できんだ……ん、金になる話?ゆってみな」

 

「俺の懐に世界に1つしかない貴重な機械がある。しかし、それは俺にしか扱えない。解放してくれるなら、それを使ってお兄さん方金儲けに役立てよう。だから俺の命だけは見逃してくれ!」

 

 

 俺の得意技、土下座をしながら渾身の命乞いをした。

会話の雰囲気からあまり文明が発展していないことは推測できた。なぜ言葉が通じるなど、色々不可解なことはあるが、とりあえずは異世界だからってことにしておこう。ついでに隣から何やらガヤガヤ聞こえてくるが気にしないでおこう。

 

 「ははっ、こいつの縄を解いてやれ」

 

 俺の渾身の技に完全に警戒を解いた野盗たちは縄を解いた。ちょろいな。

 

 

 そして俺は、隙だらけの手下その1の腰から短刀を盗み、野盗の大将の背後に位置取り盗んだそれを突き付けた。

 

 「ちょっとでも動けば刺す。手下の二人、10歩下がれ」

 

 

 媚びた風韻気から一転して鋭い気を発した八幡に男達の顔が驚愕の色で染まる。 

中二病を抉らせてた時に覚えた、護身術が役に立つとは。

 

「おい猫耳。縄といてやるからこっち来い。あと手下、お互いを縛り合え。しっかりとだぞ」

 

「命令しないで。男のくせに」

 

 

 野盗を全員縛った後、できるだけ早くその場所から離れた。

 

「……おい、街までは後、どれくらいだ?」

 

「あまり近くに来ないで。野盗から助けたぐらいで調子に乗るんじゃないわよ。あと1時間もかからないわ」

 

「そう……か」

 

 野盗に立ち回った時にできた掠り傷が焼けるように熱い

 

 

「え、ちょちょっと。なに倒れてるのよ」

 

はやくお…なさ…

 

猫耳の慌てた表情を見ながら俺は意識を手放した。 

 

 

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