やはり俺が魏で働くのはまちがっている。   作:いけし

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彼と彼女の邂逅は彼女のペースで進んでいく

 

「知らない天井だ」

 

 

……そういえば俺、異世界に来てたんだっけか? 

そうだ、いつの間にか斬られた傷が痛んで倒れたんだ。あの猫耳助けてくれたんだな。

 それにしても……

 

 

「夢じゃなかったのか」

 

「さっきから何、一人でぼそぼそ話しているのよ。気持ち悪い」

 

「うひゃっ」

 

 

 部屋の端っこに猫耳がいた。なんでそんな端にいるんだよ。外見だけじゃなく習性も猫なの? 

 

 

「なんでそんな所にいるんだよ」

 

「どこにいようと私の勝手でしょ。男なんかの近くにいたくないだけ」

 

 

 さいですか。

 さて、なんとか人里には来られたみたいだが、俺の置かれている現状を確認しないとな。今後の行動方針も立てられんし

 

 

「ちょっと聞きたいことがあるんだが」

 

 

 

 

 あれから猫耳に色々聞いたのだが、どうやら俺は三国時代にタイムスリップしたようだ。ちんりゅうや漢王朝などあまりわからない単語が多く出てきたが、曹操という人物名だけは詳しくはないが知っていた。なんか怖い人ってことしか知らないんだけどね。どうやら俺を助けた猫耳は、曹操の部下だそうだ。

 

 

 まだまだ情報不足だが当面の目標は仕事を見つけて衣食住を確保することだな。……難易度たけぇー。でも、元の世界に帰る方法がわからない以上、この世界での生活基盤は整えないとな。

 

 

「と、ところであんたに言っておきたい事があるんだけど……」

 

「ん? なんだ、よく聞こえん」

 

「うるさいわね! お、お礼を……」

 

「お礼? ああ、確かにまだ言っていなかったな。あの時は助けてくれてありがとな」

 

「ちがっ、そうじゃなくて私のほうこ「桂花、入るわよ」

 

「か華琳様!なんでこんな所に」

 

「部下が命を救われたのだから、様子を見に来るくらい当たり前でしょうに」

 

 

 俺のぼっちとして培ってきた勘が告げる。こいつはやばい。上手く言えんが、強化外骨格を纏っているような、そんな雰囲気を感じる。

 

 

「あら、目を覚ましていたのね。今回は私の部下を救ってくれてありがとう。礼を言うわ。」

 

「はあ」

 

 こいつが猫耳が言ってた曹操なのか? 女? 俺の記憶では曹操は男なのだが……俺の知っている過去と合致していないということか

 

 

「桂花、この男の目がひどいことになっているのだけれど、いったいどんな毒をもらったのかしら」

 

「華琳様、おそらくその目は、元からでございます。私が初めて会った時からその有様でした」

 

「悪かったな。目が腐ってて」

 

「あなたの過失ではないわ。あなたの目が元からそんな有様だったという事実が受け入れられない私の心の弱さがいけないのよ」

 

「それ謝ってないよね? 貶してるよね? 」

 

「あんた、さっきから華琳様になんて口の利き方してるのよ」

 

「っ、すいません……でした」

 

「別に構わないわ。むしろ敬語を使うのをやめなさい。あなたに敬語を使われるとなんだか気持ち悪いわ」

 

「華琳様! そんな男に敬語を使わせないなんて」

 

「桂花、私の決定に文句があるの?」

 

「い、いえ。そういう訳では」

 

「なら問題ないわね。そういえばまだ、あなたの名前を聞いていなかったわね。私の名前は曹操よ。あなたは? 」

 

「比企谷八幡だ」

 

「珍しい名前ね。どこの生まれなのかしら」

 

 

 どう言ったものか……未来から来たと言ったところで頭のおかしい奴にしかならんしな

 

 

「この国から海を越えてずっと東にある島国だ。記憶が混濁していて思い出せないのだが、どういう訳か目が覚めたらこの国にいた」

 

「ずっと東の島国……聞いたことがないわね。戻れるあてはあるの? 」

 

「そんなあてはない。ついでにお金も寝床も仕事もない」

 

「そう。あなたは部下の恩人でもあるし、当面の生活費と職を斡旋してあげても良いけど……あなたもといた国では何をしいていたのかしら」

 

「学生だった」

 

「学習塾に通っていたのね。だったら読み書き計算はできるの?」

 

「計算はできるが……たぶんこの国の文字はわからん。そこにある本の文字読めんし」

 

「そう……」

 

 

 文字を読めないのは致命的だけれども、異国の文化を知っていて学に通じているのは魅力的だわ。ただでさえ文官が不足している我が陣営には欲しい人材ね。

 

 

「ただし使えれば、だけどね」

 

「ん?どういうことだ?」

 

「比企谷八幡」

 

「ひゃい」

 

「いくら部下の恩人であろうとも、国をすべる身としては簡単には家臣にはできないわ」

 

 あれ?俺そんなこと言ってな

 

「なのであなたを試させてもらうわ」

 

 

 こうして俺の社蓄としての第一歩が踏み出された。

 

 

 

 




昔読んだ本に、作家は全裸活動をしているようなものと書いてあったのですが、実際自分の書いたものを投稿するとその意味がわかりました。
この緊張は慣れないんでしょうね。
出来るだけ早く投稿していくので、これからも読んでくれると嬉しいです!では
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