魔法科高校の劣等生 -Masquerade Devil Hunter- 作:スダホークを崇める者
最近どうにも筆が進まなくて色々焦っております。(PS4購入からのニーアプレイもあるんですが、そもそも筆そのものが重い)
まあ失踪だけはしません。 たとえ更新頻度が落ちたとしても書き続けます。 過去作品(全くもっての別ジャンル)を大幅リメイクとか企みもしましたがそれもやりません。
自分の性格上、あっちこっち手を出したら確実に全部頓挫するので。
後艦これをかなり真面目にやりだしたのも原因かなーと。(ウィークリー全消化+マンスリーある程度消化で改修作業をやってます)
あ、ちなみに冬イベは甲→乙→甲で突破しました。 IマスS勝利なんていらなかった。
そんなこんなで暗雲漂う状態ですが何とかチマチマと打開できるように努めていきます。
九校戦4日目……1年生のみで行われる新人戦はここから開幕となる。
そして、それは同時にとあることを意味していた。
『知る人は知る、超高校級という言葉でも言い足りない技術を持つ司波達也が本格的にエンジニアとして暗躍する』……ということを。
しかも初日の今日、行われる競技はスピード・シューティングと、バトル・ボードの予選。
達也が担当するのは女子スピード・シューティング、女子アイスピラーズ・ブレイク、そしてミラージ・バットなのでいきなり彼が調整したCADのお披露目となるわけだ。
それを知ったからなのか、紫輝の表情からは僅かながらの愉悦が漏れていた。
「紫輝……なんかすごい悪い顔をしているけど何を企んでるのさ……。」
周りにもそれは伝わっていたのか、精神的に一歩引いているようにさえ見える。
まあ、紫輝がその程度のことを意に介すわけもなくて
「失礼だな、何も企んじゃいねえよ。 ただ我らの達也君が手掛けたCADを見て他校の連中がどんな愉快な反応を見せてくれるのかと思って顔がニヤけただけだ。」
「同意できる部分もあるけれど、その物騒な表情は隠しなさい。 私たちまで同類だと思われるのは嫌なので。」
「賛同部分がある時点で既に深雪さんも同類な気が……。」
美月の密かなツッコミに内で全力同意をする他の面々。
深雪の耳にも入ってこそいるが、ここで下手な反応をするのもアレなのであえてスルーしている。
流石は超高校級のブラコンのストッパー、直接何かをしなくても十分にその役割を果たしていた。
「あれ、そういえばほのかのレースっていつだっけ。 ここにいるってことは被ってるってわけじゃないんだろうけど。」
「私は午後の最終レースですよ。 だから気分転換がてらここにいるんですけど……。」
「何だか落ち着いてるわねー。 紫輝君効果恐るべしってやつかな?」
「人をドラッグみたいに言うんじゃありません。」
実際紫輝の我流の心構えを教えたことが要因だが、この言われようは心外だろう。
別に胡散臭い理論にもなりえないことを言ったわけではない。
真面目さを過剰摂取して凝り固まりがちな心に軽くほぐしを入れた、ただそれだけなのだから。
「達也さんに練習に付き合っていただいたし、更に秘策も用意してもらったから安心していいかなと思ったら少し気が楽になったんです。 ただ、それでも不安なものは不安です……どうしてもここ一番で弱いから……。」
「それくらいでいいのさ。 あんまり気が抜けすぎるのもミスの元、適度な緊張感もまた必要なものだ。」
「紫輝、すっかり光井さんのメンタルコーチになってるような……。 将来コーチとかやるつもりかい?」
「案外向いてるんじゃねえか? 割と面倒見良さそうだし。」
幹比古の呟きに大体は首を縦に振って肯定の意を見せていた。
ただ一人、深雪だけは思わず俯きながらもこんなことを呟いてしまっていたが……。
『それだと、全種問題なく飛べる生徒じゃないと弄って再起不能にしかねないわ……』と。
無論紫輝がこの呟きを逃すはずもなく、当然のように深雪にしか聞こえないよう、『2Aの練習地獄やらせるぞ』と笑っていない笑顔で告げた。
やはり、達也がいないと紫輝には全く勝てる気がしない。
……まあ、達也がいたとしてもせいぜい自分への被害が減るかもしれない、という気休め効果しか得られないのが悲しいところなのだが。
新人戦でも同じく、スピード・シューティング予選は単独によるスコアアタック方式だ。
対人戦ではないので、如何に自分のやり方で多くのクレーを破壊するか……その一点を追求すればいい。
真由美のように1つ1つをスナイプしてもよし、移動魔法を用いてクレー同士をぶつけて壊すのもよし。
とはいえ、戦法そのものは誰しも似通っていたので、途中で紫輝は思わず欠伸、更には意識が飛びかけていたが。
「紫輝、次は雫だからしっかりしなさい。」
「んあ? ……あー、サンキュ深雪。 流石に雫のを見逃したら後でどんな無茶ぶりされるか分かったもんじゃねえからな。」
「こんな真昼間から舟漕いでるって、実は疲れてるんじゃない?」
エリカの指摘に周りも心配そうに頷いていた。
観戦だけとはいっても疲れるものは疲れるし、その上時間を見ては移動してはリンクにて練習。
その濃密さは達也や深雪ですらも心配顔を浮かべるレベルなのだ。
「疲労については否定出来ねえな。 だが、むしろこのベストじゃない状態で練習できるってのも貴重だから丁度いいのさ。 それに、ダチの晴れ舞台見ないなんて悲しいことも出来ねえからな。」
「ははは、この状況すら利用するなんて流石だな。 でもマジで無理すんなよ?」
「大丈夫だ、いざって時は優しい妹分が膝貸してくれるらしいからな。」
「私はそんな約束をした覚えはないけれど。」
しかし、紫輝は何てことないように振舞っている。
ただ、実際問題強がりでも何でもなく、この状況をむしろ利用しているのだ。
それに、これからは下手をすると『本業』とスケートがある程度ドッキングすることすら有り得るのだ。
これくらいで根を上げてはまずやっていられない。
さて、そんなやり取りをしている間に雫が観衆の前に姿を現していた。
会場は一時の静寂に包まれ、それと共に開始のシグナルが順々に灯っていく。
(このシグナル、バリエーションとか作れば面白れえのにな)
開始のシグナルが割と豊富な某Qの3作目が脳裏に霞める。(原住民、鳩の鳴き声etc)
が、競技が開始されたと同時に発生したクレーの粉砕音によってすぐにリアルに立ち返った。
「うわ豪快。 クレーが文字通り粉砕されちゃってる。」
普段の物静かな雰囲気とは対照的な豪快な手法であった。
しかし、その豪快さとは裏腹に有効範囲に入ったクレーを的確に各個破壊している。
「有効範囲に入った途端に破壊されている……これ、もしかして有効エリア全域を作用領域に設定しているんですか?」
「その通りですよ。 領域内の固形物に振動波を与える魔法を使ってクレーを破壊してるんです。」
「振動波であれだけ粉々にするってことは、疎密波か。 ……しかも達也らしいやり方もきっちり入り混じってやがる。」
クレーの破壊数が20になる辺りには紫輝は雫が使っている魔法の骨組みをほぼ把握しきっていた。
というのも、達也の手口を肉眼だけである程度把握するのを1つの楽しみにしているのであえて詳細を聞いていないのだ。
「アレはクレーの有効エリアが1辺15メートルの立方体だということを利用して、その中に相似する形の作用領域を設定してる。 確実に有効エリア内で破壊することを考えて1辺10メートルってところか。 その立方体の頂点と中心の9つのポイントを震源としてるな。 こうすれば使用者の雫はクレーの位置を視認して震源を指定して引き金を引けばいい。 この競技は自身が動く必要性は皆無で更に有効エリアも動いたり範囲が変わることもないから、定数として扱えるのも大きいな。 七草先輩とは一風違って、こっちはトラップを仕掛けて確実に仕留めるって形になる。 やや大掛かりともいえるが、この規模を処理できさえすれば制御については気にしなくてもいい。 使用者の特性を最大限生かすこのやり方、まさに達也の手法そのまんまだな。」
矢継ぎ早に放たれる紫輝の仮説に思わず控えめの拍手が響いていた。
魔法の実態を知っているほのかと深雪も笑みを浮かべながら頷いていること、またほぼ同じ頃に鈴音が真由美と摩利に説明していることと殆ど変わらないということからかなり正確な見解であることは疑いようがない。
これまでの人生で直感や気配同調などと同じように鍛え上げられた観察眼がこの場で見事に発揮されていた。
「さっすが幼馴染、そういうところもちゃんと理解してるんだね。」
「肉眼でそこまで分析できるのも凄いですよね。」
「そりゃあな、達也に付き合ってテストとかちょこちょこやるし、分析力も自然につくもんさ。」
紫輝の観察眼への賞賛を尻目に、雫は危なげなく100個のクレーを全て破壊。
新人戦ながら飛び出たパーフェクトに、観客のざわつきは留まるところを知らない。
固有名称『
(あれはあれで参考になりそうだな……後で達也に詳細聞いておくか)
トラップという側面で上手く利用できないものか脳内試行錯誤も欠かさない紫輝であった。
その後、競技を終えた雫と達也に合流すると、先ほどの雫が使った能動空中機雷(アクティブ・エアーマイン)についてちょっとしたニュースがあることが判明した。
曰く、魔法大全……通称インデックスに登録申請が来る可能性があるとのこと。
魔法史上に名前が残るほどの事態、それも身内からそうなる人間が現れるということで周囲は浮足立っている。
……そんな空気の中、達也だけがどこか浮かない表情をしていることに気付いていたのは深雪と紫輝のみだった。
「……あ。 そろそろBグループの予選が始まる。 見に行ってもいいかな。」
「ああ、三高の有力どころが気になるのか? なら、俺も行くとするかね。」
「珍しいな、お前が興味を持つとは。 それより、少しでも休むべきなんじゃないか?」
「見てもしょうがないところは寝てるから安心してくれ。」
悪気もなく睡眠宣言をかます紫輝に達也は流石に溜息をつかざるを得なかった。
なお、この時周りは雫の時はちゃんと見ていたときっちりフォロー。
ただ、雫も流石に紫輝の義理堅さは信用していたのか自分の時は起きているのは分かっている様子だったようで。
「まあ器用さの無駄遣いとはこのこと。 でも、本来ならスケートの練習に専念しなくちゃいけないのに応援に来てくれてるから何も言えないよ。」
これだけを言って特に追及も何もすることはなかった。
(……まあ、それに加えてネヴァンを使っているとはいえ会場の監視もある。 正直、俺よりも遥かに疲れているだろうに……。)
更なる裏事情を知っている達也も、内心では紫輝の体調を労わっている。
肉体的だけでなく、精神的にも摩耗は避けられない状況なので少しでも休めるタイミングがあるならそれに飛びつくのは仕方のないこと。
そんなお墨付きを貰った状況なので、Bグループ予選会場に到着した後もお目当ての選手が来るまでは舟漕ぎの再開である。
「……これ、いっそ膝を貸してあげた方がいいのかな。」
「よしなさい雫。 ちょっとでも甘やかしたらすぐに付け入ってくるから。」
「というより、左右に全くブレないのもまた凄いですね……。」
他の面々も同じく、そこまで食い入るようには見ていない。
むしろ、睡眠に入ってることでいつ左右にブレてもおかしくない紫輝の様子を見ている方が多いくらいだ。
が、そんな状況もとある選手の名前がコールされた時点で終わりを告げるわけで。
「お、どうやら来たようだな。」
「わわわ、獅燿君!? 突然起きないでください!!」
「すっごい反応速度……。 寝首かかれても普通に反応しちゃいそうだね。」
きっちり眠っていたにも関わらず名前のコールを聞いた瞬間に反応出来るその反射速度にエリカは舌を巻いていた。
こういう場で発揮するには極めて微妙なものではあるが……。
(さーて、お前が見込んだのはどれほどだ?)
紫輝がなぜ彼女のことを認知しているのか。
直に見るのは初めてだが、事前に彼女のことは聞いてはいるのだ。
果たして、この仮面の悪魔狩りの興味を少しでも引くことが出来るのか……。
そんな期待を他所に、彼女……『十七夜栞』の予選が始まった。
もはや何度目か分からないクレーの射出……そして、それらが有効エリアに入った瞬間に1つのクレーが破壊。
そして、1つ目のクレーの破片が次々に別のクレーを破壊していく。
「え、何今の? 1つ目のクレーを破壊したのはいいとしてその破片がきっちり他のクレーに当たってるように見えたんだけど。」
「1つ目のクレーを振動魔法で粉砕、その破片を移動させ、連鎖的に他のクレーを破壊してるな。 なるほど、雫が豪快だったらこっちは繊細。 まさに対極だな。」
「待ってくれ紫輝。 簡単に言っちまってるけどそれってあのコンマ秒でそれぞれの破片を認識する必要があるんじゃねえか? もはやスーパーコンピュータレベルだぞ。」
レオの言うことはまさに正しい。
1個目のクレーを破壊、その一瞬で破片の位置を全て把握して移動させての連鎖破壊。
正確かつ素早い空間把握能力が無いとまず有り得ない芸当なのは言うまでもないこと。
スーパーコンピュータ勝りともいえるこの能力はもはや固有スキルと言っても過言ではない。
超人的な空間把握力と演算能力から繰り出される数式の連鎖……アリスマティック・チェインと言ったところか。
全く揺らぐことなく常時連鎖をつないでいき、瞬く間にスコアは100点を記録していた。
新人戦二人目のパーフェクトということで会場は再度騒然となったのは無理もないだろう。
一部ではこれもインデックスに登録されるのでは……という声も上がっている。
「達也さん、この魔法もインデックスに登録されるかもって……。」
「いや、それはないだろう。 あれはあの選手独自の空間把握能力ありきで汎用性が無いからな。 ただ、この個人特有の能力を突き詰めて特化される手法は金沢魔法理化学研究所のものだな。」
(……アイツの魔法もその類だったな。 どちらも分かりづらいし地味だが極めれば相当なアドバンテージなことに変わりはねえ。 ……そうだな、コッソリ試合見てやるとするかね)
気配同調や直感という同じく地味だがある意味強烈なスキルを磨き上げてきた紫輝はその有用性をよく理解している。
恐らく紫輝が九校戦に出場していれば……例えばモノリス・コードでは猛威を振るっていただろう。
本人の固有のもの、だが魔法に一見結びつかないように見えるものを生かすやり方は紫輝は好ましく思っている節はあった。
先ほどの連鎖破壊を見ても、少なくとも大半の凡夫とは一線を画していると評価していたのだから。
「それにしても、クリムゾン・プリンスにカーディナル・ジョージ……他にもこれだと三高の顔ぶれは九校戦からしても反則的だな。」
知名度が高い二人だけでもそうだが、他にも栞レベルの実力者がいるとなれば確かに学生の大会としてはレベルが行き過ぎている。
それだけの人材を揃えた三高に、達也は感心を抱かざるを得なかった。
「……確かにそうかもしれねえが、お前が言うとすっげえ白々しく聞こえるぞ達也。」
「珍しく紫輝と意見が合ったわね。 お兄様、人のことを言えた義理ではないですよ?」
「うん、同感。 ……獅燿君も同じくだけどね。」
「俺は非魔法系競技だからいいんだっての。」
紫輝から始まり、深雪、雫と立て続けにツッコミが入ってきた。
というより、達也の方が裏方で目立ち辛い分余計に性質が悪いとも言えなくもない。
レオと幹比古、美月は苦笑気味、ほのかは満面の笑み、エリカは茶化すような表情と、バラバラではあるが言いたいことはほぼ同じくな周囲の反応から達也の自己評価の低さから来るすっとぼけは通用しないようだった。
「じゃあ、私たちは準々決勝の準備に行くね。」
「そうだな、俺も念のため最終チェックをしておきたい。 使うのは予選とは違うCADだからな。」
「なら俺たちは会場へさっさと向かうか。 何をやらかしてくれるか期待してるぜー。」
「まあ、何かをやらかすのはもう確定だもんねー。 一体この期間で何回度肝を抜くのやらか。」
紫輝とエリカ、組んだら口では絶対に勝てないコンビの軽口に達也は内心でこうとだけ返した。
『少なくとも俺は二人のようなトラブルメーカーになった覚えはない』、と。
予選の全行程が終わり、スピード・シューティング女子は一高女子は全員きっちりと生き残る好成績ぶりだった。
決勝トーナメントに出場できるのは24人の内8人。 3分の1までふるい落とされるのでこの時点で既に大快挙と言える。
しかも同じ学校の選手同士が初戦でぶつかることはありえないので、下手すれば3人共ベスト4に残る可能性すらある。
仮にそれが起こってしまえば、最低でも2位~4位の合計30ポイント、最高だとワンツースリーフィニッシュで50ポイント独占まで有り得るのだ。
いくら本戦の半分のポイントとはいえ、独占という事態が発生すればじわじわと戦況を動かすことになる。
しかも一高はただでさえ摩利のバトル・ボード棄権という予定外の事態が発生しているので少しでもポイントをかき集めたいところだ。
「……で、雫を除く二人が勝ち上がったわけだからこれは大きいな。」
「そうですね! ああ、見てるこっちが緊張してきました……。」
「雫は勝ち抜くから大丈夫よ。 美月、深呼吸でもして落ち着いたら?」
言われるがままに深呼吸……しているように見えるが慌てすぎてて深くなっていない。
そんな様子に、両隣に座っている幹比古とほのかは少し気が抜けたような温かい視線を送っていた。
「お、来たよー。 あれ、同じ特化型だけど予選のとはちょっと形が違うのね。」
「……ん? いや、ちょっと待って。 あのCAD……特化型じゃない。 あれはFLTの車載用汎用型『セントール』シリーズだ!」
「全く、アイツはいつから驚かす趣味を持つようになったんだ? どこぞのロシア王者か。」
真っ先に気付いた幹比古、そして照準器付きの汎用型という本来なら有り得ない代物に驚く面々。
紫輝もあんまりに周囲を驚かせるようなことばかりするものだから、現代の男子フィギュア最強の彼の顔が浮かんでしまった。
予想通りの反応に喜色を隠そうともしない深雪は雫の持っているソレが達也のハンドメイドであることを補足する。
そんな中、達也の敷いた布陣を真っ先に理解したのはこれまた紫輝。
汎用型と特化型……この2種を一言で片づけてしまえば『PCかゲーム専用機か』。
使用できる魔法の系統が複数で、起動式を最大99個格納出来る万能の汎用型と、同一系統のみで起動式も9個しか納められない代わりに速さを追及する特化型。
スピード・シューティングならば照準器が使える特化型の方がベターなのは言うに及ばずだろう。
ただ、照準器が付いた汎用型だとしても起動式を増やせるだけ、むしろ速度が遅くなるという欠点がある。
……が、このトーナメント形式という状況ならばそのデメリットを覆す程のメリットがあるのもまた事実だ。
紫輝は真っ先にそれに気が付いた。
(全く、お前も人のこと全く言えねえっていうか、俺よりよっぽど人が悪いだろうに……。)
しれっとこんなえげつないことを考える辺り、他校の……特にエンジニアに同情を抱かざるを得なかった。
というよりも、ここまでえげつないエンジニアなど存在していいものなのか。
仲間内のざわつきは収まらないまま、雫の試合が始まった。
赤と白、見事に入り混じったクレーの群れが有効エリアに向けて放たれる。
先に動きを見せたのは、雫のターゲットである赤のクレー。
流れるように収束されていき、3個纏めての破壊。 対する白のクレーは軌道が外れて空振りに終わっていた。
「なるほど、収束系で自分のクレーの密度を高めついでに相手のクレーを弾き出すやり方か。 この上なく効率的だな。」
「そして単独なら収束系から振動系の連続発動というわけか。 汎用型の強みもしっかりと生かしてる戦法だ。」
「発動速度も予選で使ったのと殆ど差がないですね……。 達也さんの技術は本当に凄いですね。」
傍目で見れば雫が使っているCADが汎用型と気付く人間はほぼいないだろう。
実際別の場所で観戦している真由美も特化型と勘違いしていて、振動魔法が発動したりしなかったりの仕組みで頭を悩ませていた。
事前に聞いていた鈴音の説明を聞いて、最新にも程がある技術を使う達也にこちらもえげつなさを覚えたとか。
そんな周囲のざわつきを他所に、試合の方は雫が常に収束系で相手を妨害しているので点差は積み重なる一方。
誰の眼から見ても勝敗は明らかだ。
いつも通りの表情ながらもどこか余裕が見える、そんな雫の様子からもそれはよく分かる。
それはこの圧倒的状況だけが要因というわけではない。
達也が組み上げた術式は基本的に長所を徹底的に生かすものが多い。
逆に短所の精密さは大味なこの2つに対してはほぼ無用なのだ。
無理なく己のポテンシャルを生かして立ち回ることが出来るので、それだけでも精神的にゆとりは出て来るものだ。
普段から調整をしてもらっている深雪はもちろん、現在まともに使用できる術式が限定されている紫輝もその恩恵に与っている。
また、汎用型に照準器を足すという傍から見れば規格外なCADの全容など知らなくても問題ないという、雫の比較的ドライな部分もまたプラスに働いていた。
こうなってしまえば一高選手3人のベスト4は確定的。
ちなみに、組み合わせ上では雫以外の二人は準決勝で当たることになっている。
そして、雫の相手は予選で同じくパーフェクトを叩き出した十七夜栞。
傍から見れば事実上の決勝戦とも言えなくもない組み合わせと言えた。
……だが、紫輝、そして深雪の二人には不安の色はまるでない。
達也が既に布石を敷いているであろうことは、この場にいる人間の中で誰よりも理解しているのだから。
「……にしても、対人戦にも拘わらずパーフェクトがあっさり出ると、新人戦って何なんだって言われそうだな。」
スコアを見ていの一番に紫輝の口から発せられたこの呟きは、雫の圧勝による歓声で当然のようにかき消されていた。
超高校級ともいえる二人が遂に準決勝でぶつかる時が訪れた。
片や新魔法
もう一方は正確無比の軌道予測からの連鎖、『数式連鎖』で着実にスコアを重ね、その正確性からこちらも観客を驚かせた栞。
パッと見二人とも表情があまり動かないクールビューティだが、その戦術は対極的。
新人戦とは思えない好カードっぷりから試合開始前から会場の熱気は飽和状態だ。
……そんな中、一時的にだが1ヶ所だけそんな熱気から隔離されている席がある。
『(……どうやら、あの時の人造悪魔は保険程度って解釈が正しいようだな。 っていうかこっちも流石に参ってきた。)』
『(同感。 それに貴方、試合を見ながら神経を張り巡らせてるじゃない。 いい加減精神だけでも休ませなさい。)』
一見試合が始まるまでの睡眠学習しているように見える紫輝だが、その裏では諜報役……ネヴァンと念話で情報共有を行っていた。
彼女の言うように、紫輝はこの九校戦が始まってからもずっと周囲への注意を怠っていなかった。
まあ、悪魔への注意を密にしていたので摩利が被害に遭った精霊による妨害は看破することは出来なかったわけだが……。
だが、それ以降は警戒対象を悪魔だけでなく精霊などの霊子情報体まで拡大。
己は可能な限りリソースを霊子の知覚に割いていた。
悪魔が潜む『魔界』と人間界の境界を認知できる紫輝は、いわば他次元に対する感覚が敏感とも言える。
境界の歪みほどの精度は無いが、それでもリソースを割けば一般的な魔法師よりは非活性状態の霊子を認識することはできるレベル。
退屈な時に睡眠学習をしているように見えたのは、余計な視覚情報を得ないようにしていただけ。
それでも表向きは平気なように振舞えるだけの余力はあるのだから、大概タフである。
『(正直お前だけに偵察を強いるのもアレだよな……せめて後1体そういうのが出来るヤツがいてくれりゃあ……。)』
『(まあ、本音を言えばそうだけれども、そう都合よく見つからないでしょう。)』
人間を見下さない悪魔というだけでも条件は相当厳しい上に、情報戦を得意とする上級となるともはやいるかどうかというレベルだ。
だが、一人で悪魔関係の表裏どちらの作業もこなすとなると契約悪魔の多様性も拘りたいところ。
まあ、今はとにかく雫の試合を見るということで、使い魔越しの会話は中断し目を開ける。
同時に今まで張り詰めていた空気を若干だが緩めていた。
視線を中央に向けると、すでに雫と栞が持ち場に着いてCADを構えていた。
(さーて……このレベルになると裏方同士の戦いにもなるが、果たして達也に対抗出来るかカーディナル・ジョージは)
この戦いは、表向きこそ雫と栞の戦いだが、裏では達也と真紅郎の腹の探り合いでもある。
互いの準々決勝を見てどこまで相手の手を読んで対策が出来ているか、はたまた事前に大局を見据えているのか。
達也のやり方を熟知していて、更に今回の戦い方もかなり看破している傍観者の身としては興味深い一戦であった。
そんな紫輝の心境を他所に、今回の新人戦きってのタフな試合がスタートした。
先に仕掛けるのは当然のように雫。 準々決勝同様栞のクレー……今回は白だが、それをことごとく軌道を逸らしていく。
しかし、栞はそれを全く意にも介さず……というより軌道の逸らし方が分かっているかのように連鎖を決める。
「雫の戦術が覆されてる……! 点数はまだ五分だけど……。」
ポイント的には五分、しかし展開的には雫が不利。
その状況に早くもほのかは慌てている……美月やレオも似たような反応を見せているが。
射出クレーが50を超えた辺りになってくると、ジワジワと差が広がってきている。
「おいおい、これちょっとばっかしヤバくねえか? 凄い嫌な感じだぞ。」
牛歩だが確実に差がついている状況に段々不安の色を隠せなくなってきている。
実際、この会場にいる大半の人間はこのまま行けば栞が勝つものだと思っているだろう。
雫には更なる対抗策は無く、成すがままにされているように見えているのだからそれは当然と言えば当然。
「おーい皆の衆。 まだ半分くらいなのにそれは早計ってもんだぜ? 勝負ってのは最後まで分からんぜ?」
「紫輝の言う通りです。 それに、雫の担当技術者は誰だと思っているのですか?」
しかし、深雪と紫輝は動揺の色すら見せていない。
深雪は担当技術者が達也ということから来る絶対的信頼から。
紫輝にもそれはあるが、それ以上に雫が全く持って平常心を崩していないように見えるのも大きな要因だ。
(遠めでも分かるっての、アレは全く勝負を捨ててないってことくらいは。 そして……)
視線の先を栞に移すと、こちらも一見は平常通りに見える。
……だが、紫輝のカンは明らかにそうではないことを告げていた。
(何故……ここにきて疲労感が?)
雫の準々決勝での戦法を解析、シミュレートして最適化したアリスマティック・チェイン。
規模は当然大きいので消耗こそ激しいが、そこも当然考慮している。
焦りや緊張から飛ばしているわけでもなく、ただ淡々と戦法をなぞっているだけのはず。
そのはずなのにこの疲労感は何なのか……。
(くっ……! いけない、何とか持ち直さないと……こんなところで、負けていられないのよ!)
十七夜家への養子縁組が決まったことでようやく光が当たる道に上がってこれた。
その為に手を差し伸べてくれた親友であり戦友……一色愛梨の為にも負けるわけには行かない。
疲労が隠せないながらも、何とか気力で補っていた。
(……そろそろキツそう。 どうやら達也さんの予測通りの展開みたい)
対する雫は準々決勝と変わらず淡々とクレーを破壊していく。
序盤リードされても全く焦る必要は全くない。 逆にそこで対策されたと変に動いたら相手の思うツボ。
後半になれば、準々決勝の試合も利用した仕掛けが効果を見せるからとにかく耐えろ……そう指示を受けた。
どういうことなのかは雫には分かっていない。
達也に対する絶大の信頼感。 首を縦に振るのはそれだけでも十分な理由だ。
別の場所……第三高校の代表首脳陣が集まっている場所では栞の疲労が見えていない者が大半なのか、リードしていることに沸いている。
まあ、観客も紫輝と深雪を除く面々は栞有利と見ているので当然だろう。
しかし、真紅郎と将輝の二人だけは栞の様子に違和感があることに真っ先に気付いていた。
「まずいなジョージ……十七夜が明らかに疲弊しているぞ。」
「抜かった……! 北山選手のCAD、アレは恐らく汎用型だ! あれだけの起動式が特化型に収まるわけがない!」
真紅郎の半ば断言と言っていい推測を聞いて将輝も度肝を抜かれていた。
照準付き汎用型CADという鬼札。 元々理論・工学方面に強いわけではない彼からすれば有り得ない代物でしかない。
だが、真紅郎の記憶の中には存在していた。 していたのだが……どの企業も発表していない状況だったのだ。
あくまで昨年デュッセンドルフで発表されたばかりで、流石にあり得ないだろうと初めから可能性を弾いていた。
それを真紅郎の油断・慢心と取るのは流石に酷であるが。
「待った、だが準々決勝では規模が限定されていたぞ。 まさかわざと少ない数の起動式で戦っていたのか!?」
「恐らく誤認させる作戦だったんだ。 しかもあの発動速度は選手自身に相応の魔法力が無いと成り立たない、唯一無二の策。 こんなCADを用意するだけでもとんでもない上に、選手の能力を100%生かした戦術も展開するとは、一高にはこんな隠し玉が居たのか……!」
やってることは別の例えを用いれば、本来11000回転まで回せるエンジンで上の2000回転を封印したレブ縛りを行ったようなもの。
そこまで聞けば、将輝も達也の狙いに気付いたようだった。
何故特化型だと誤認させたのか……それは完全なる雫に対する対策への更なる対策。
「特化型だと認識すれば、こちらは9つの起動式に対応出来るように設計すればいい……だが、99の起動式になったら話は別というわけか……。」
「そう、明らかにオーバーワークだ。 もう十七夜は限界が来ていてもおかしくない!」
真紅郎のその言葉と同時に、堅実に決めていたはずの連鎖が初めて途切れた。
栞も見るからに息が上がっており、その違和感は徐々に観客にも浸透しているようだ。
……そして、この様相を作り出した張本人は思い通りに事が運んでいることに満足そうな表情を浮かべていた。
ただ、その表情をもし幼馴染が見ていたら、確実に『人が悪い笑み』と称するであろうことは言うまでもないだろう……。
「少しずつですが盛り返してます! このままなら逆転も有り得ますよ!」
「有り得るっていうより、もう確定だろうな。 相手さんの精密計算が狂ってきてるからな。」
完全に達也の戦術が機能していることを確認出来たので、もう見るまでもない……紫輝は完全に断言していた。
まだ慢心は出来ないとも言えるが、雫の様子を見ればそんなものは全くないだろう。
ただただやるべきことを淡々とこなす。 そこに余計なモノが入り混じる心配は全く感じられない。
「でもよ、何で相手は疲れてきてるんだ? 前の試合では最後まで余裕そうだったのによ。」
「簡単に言えば、達也は三高が対策するであろうことを見越して準々決勝に布石を用意したってわけだ。」
準々決勝から続く布石……少ない起動式で戦ったこと、それで相手に雫が使うCADは特化型だと完全に勘違いさせたこと。
それで9つの起動式に対する対策をさせ、雫には99の起動式で戦えるように調整したものを手渡す。
この準決勝の裏で行われていた心理戦を事細かに説明した後の全員の表情は何とも形容しがたいものになっていた。
「流石は達也君っていうか……本当にえげつないね。」
「実技が苦手だからこそ心理戦に長けたっていう側面もある。 アイツは才能が無いヤツなりの戦い方ってやつも良く知ってるのさ。」
「そういう戦術をまだまだ披露していくってなったら、驚いてるだけで疲れそうだね。 でも、そんな達也がバックについてるってなると担当して貰ってる選手は心強いだろうね。」
「当然ですよ、吉田君。 お兄様がついてくださればまさに百人……いえ、万人力です。」
味方でいればこの上なく頼もしい。 改めてそのことを知らしめる結果となった。
更に高まる兄の評価に、深雪は久々にブラコン節を発揮していた。
(……まあアレだな。 これは達也様々であって、素材自体は負けてなかったぞ……って言っておいた方がいいのかねえこれは。)
何かを振り払うように、最後の力を絞って放った最後の連鎖は失敗に終わってしまう。
雫の勝ちを確信した紫輝は、もし何か言う必要があった場合のシミュレートを早々としていた。
まあ、そこまで立ち入る気は毛頭ない。 他校同士なのだし、そこまでお節介を焼くつもりもないしあちらも望んでいないだろう。
そんなことを考えている内に試合は決着。 96対92というハイスコア同士の僅差で雫が勝ち上がった。
これで一高の優勝・準優勝独占は確実……いや、下手すれば3位すらももぎ取ってしまうだろう。
接点は無いから断言はできないが、このような負け方となると割と長引く危険性が大きい。
聞いている限りだと完全優勝を謳っていたのに自分のせいでそれが絶たれてしまったとなれば……。
(やれやれ、難儀なもんだな……俺らもその内枠取りだ何だがあるから他人事じゃねえわな)
それも所属する学校どころか国レベルの話なのだから、笑うに笑えない。
まあ、紫輝は世代的にまだその圧力を分かち合える戦友、黒須柊がいるだけまだマシだ。
今現在、たった一人でシニアで世界レベルで戦っているあの選手に比べれば……。
(まあ、まずはコロラドで結果出すことからだな。)
あの選手と肩を並べる……というのは行き過ぎだが、足元に及ぶにはまずは国際大会での実績から。
国のスケート事情を引っ張るとかそういうのはまずそこを立ち位置とすることから考えるべきだ。
新人戦スピード・シューティング女子は全試合終了。
紫輝の予想通り、一高のワンツースリーフィニッシュと文句なしの成績。
3位決定戦でも栞は精彩を欠いた状態のままで、本来なら勝てる試合をあっさりと落とす羽目になってしまった。
同情するつもりはない。
この世界では挫折は付き物。 そこで折れてしまえばそれまでだし、這い上がれば更なる高みを目指せる。
少なくとも紫輝が『偉人』と認める先人たちはそれらを乗り越えて大成していた。
……そんなドライな紫輝はさておき、新人戦初っ端からの圧倒的成績は他の代表メンバーも大いに沸いている。
「凄いわ! 新人戦いきなりの1位~3位独占なんて! 北山さん、優勝おめでとう! 明智さんと滝川さんもよくやってくれました!」
「それと達也君、これは君の功績でもあるからな。 エンジニアとしてはこの上ない快挙だぞ。」
「ありがとうございます。」
そしてここにもドライというか置いてけぼりな男が一人。
達也としては今回の大快挙は選手自身の力が大半のウエイトを占めていると思っている節がある。
ただ、それはとんでもない過小評価でしかない。 少なくともそれが周りの認識だ。
「後、北山さんが使った
「わ、本当に来ちゃったんだ。 凄いじゃん司波君!」
予選終了後のもしもの話が本当になってしまい、周りは更にヒートアップしていく。
これほどの栄誉、本来ならば諸手を上げて喜ぶのだろうが……達也はとある事情によってそう出来ない。
「そうですか……。 なら、開発者については北山さんの名前を回答してください。」
「え!? だ、ダメだよアレは達也さんのオリジナルなのに、そんな手柄を横取りするような……。」
「おいおい達也君、謙遜も行き過ぎると嫌味っぽくなるから止めておいた方がいいぞ?」
まさかの開発者記名辞退にその場は一転してどよめき一辺倒と化す。
いくら自己評価が低く、かつ目立つことを苦手とする達也とはいえこればかりは見過ごせないとばかりに周囲も止めるが、達也は全く意に介さず
「自分で作っておいて使いこなせない、そんな開発者として名が残るのは流石に恥ずかしいだけですよ。 俺が実践しても碌な速度じゃないですから。」
「ま、まあまあそれについてはいいじゃない。 折角の最高のスタートなんだから、ここから先もこの調子でお願いね、達也君!」
堂々巡りになりかけたところを真由美が上手く切り上げてくれた。
折角の好スタートを水に流すような真似をして変な影響を与えない、まあこの場において最も助かる配慮だ……達也としては。
嫌味な謙遜と言われようと、達也には大っぴらに名前を……具体的には素性を明かせない事情があるのだから。
ここまで目立つことを嫌がると変に感づかれないか心配もあったが、その心配は杞憂に終わりそうだ。
なお、同じ頃達也のエンジニアとしての脅威性に逸早く気が付いた真紅郎が早速自軍の他メンバーと情報共有を行っていた。
その際には超高校級どころで済まないレベルのバケモノ……そうとまで称している。
こうして、達也の底知れぬ才は徐々に他校に知れ渡っていく。
……まあ、肝心の司波達也=トーラス・シルバーの片割れだということに至る者は誰もいないのが救いではあるが。
バトル・ボード午後の試合までの間、紫輝は存分に暇を持て余していた。
ルシファーへの定期連絡をしていたところなので他の面々とは一旦分かれている。
(……会場で合流する方が手っ取り早いだろうからな。 それにしてもやることがねえ。)
悪魔の監視はネヴァンを一旦下げた手前やるわけにはいかない。
滑りに行く程時間もない。 それならば夜にでも滑りに行く方が遥かに時間の有効利用になる。
はてさてどうしたものか……そう思って適当に歩みを進めていたその時だった。
「……あら?」
「ん? どうしたのじゃ愛梨……?」
「……あーれま、何というドンピシャなタイミングのエンカウントなことか。」
顔こそ見てはいたが、こうして面と向かうのはそこそこに前のことだ。
あちらはきっちりとこちらのことは覚えているようなので足を止めざるを得なかった。
「本当に一高に入学していたのね……スケートの方は大丈夫なのかしら、紫輝。」
「ご心配無用、その辺もリサーチした上での入学だ。 流石にミドル勝っといて終わりなんてふざけたことはしねえさ。 ……ところで、何だか目をぱちくりさせてる連れはいいのか?」
至って自然に会話に入っていたからか、もう一人の女子は完全に置いてけぼりになっていた。
……ただ、目を白黒させている理由はそれだけではないようにも見えるが。
「愛梨、おぬし懇親会の時に並み居る男子をこっぴどく振っていたのはもしや……?」
「なっ、ちょっと沓子!? 彼とはあくまで友人なだけで、邪推されるようなものではないわ!」
「そういう反応は藪蛇だから止めとけって愛梨。 あー、名乗るのが遅れたが獅燿紫輝だ。 見ての通り一高在学のしがないフィギュアスケーターだ。」
あからさまな反応を見せてしまった愛梨のフォローも兼ねて沓子と呼ばれた女子に対し名乗る。
するとあちらも名前に心当たりがあるのか、暫く考え込んでから思い至ったのか納得の表情を浮かべていた。
「おお、おぬしがか! 愛梨から色々と聞いておるぞ。 わしは四十九院沓子、この後のバトル・ボードに出場するから時間があったら見ていくとよいぞ。」
「そういえば、貴方の名前は無かったような気がするけれど……今日は応援かしら?」
魔法師界とは別の界隈の紫輝のことをそれなりの頻度で話していることに意外性を感じていた。
てっきり非魔法系競技は眼中にも無いものだと思っていたのだから……顔には出してはいないが。
その後の男子の方にも一応名前は目を通しているが故の言葉に、紫輝は如何にもという風に苦笑混じりの表情を見せる。
「俺は発動速度以外はボロボロだからな。 発動速度は学年2位だったが学科の追い風も空しくギリギリ二科生さ。」
「二科……こちらでいう普通科のことね。 確かにそれなら出場は難しいけれど、そのままってわけじゃないでしょう?」
「そりゃあな。 スケートの為に入ったとはいえいつまでもこの位置はいい気分じゃねえっての。」
「それなら特に言うことはないわ。 来年までに這い上がってきなさい。 あの時の下剋上のように。」
なかなか過激な激励に紫輝も口端を上げていた。
それは要するに、『来年のこの舞台で戦う所を見せてみろ』ということ。
紫輝にとってはこの上なく有り難い、気合の入るエールである。
「愛梨にここまで言わせるとは……まあ、わしの直感もおぬしは只者じゃないと告げておるから分かるぞ。 わしも来年を楽しみにするとしようかの。」
「全く、スケート以外でこう期待されるのは慣れねえもんだが……有言実行させてもらうから首を長くして待ってろ。 ……で、さっき妙に顔曇らせてたが……もしかしなくても彼女のことか?」
「紫輝には関係ない……と言いたいところだけど、聞いてもらえるかしら。」
てっきり門前払いが来るかと思っていたので若干だが面食らってしまう。
とはいえ、あちらが聞いて欲しいと言うのならば聞き手に徹することとする。
(……大体予想通りの状態か……。 まあ、分からないでもないがな……あー、達也のヤツ本当コテンパンにしてくれたな。)
本人はカーディナル・ジョージ=真紅郎に相対するための策だったのだろうが……。
本来なら本人の問題と言って余計な口を出さないのだが、友人関係となったら話は変わる。
だが、あんまり深く入っても仕方ないのであくまで持論を展開するに留めることにした。
「彼女は愛梨がその素質を見出してその手を取った。 その手を差し伸べてくれたお前に対する、いわば『信頼』……それに報いようとしてたんだろうな。 で、今回完全優勝を狙ったそれで自分が足を引っ張った。 言うなれば報いることが出来なかった……まあ、これはあくまで俺の推論だが。 だが愛梨、お前も別に彼女の才能だけを見込んだってわけじゃねえだろ?」
「当然、違うわ。 私は栞となら切磋琢磨して成長できる……共に高みへ行けると、そう思った。 それが一番よ。 だからこそ、今回の敗北は責めていないし、むしろこれを糧に更に成長すればいい。 それだけなのだけれど……。」
普段はあまり表に出てこない愛梨の奥底、それを簡単に引き出している紫輝に沓子はこれまた面白いものを見つけたような目で見ていた。
そして、紫輝はこれ以上何も言う必要はない……そう判断していた。
こうなってしまえば後は当人たちの問題、余計なことは言わなくていい。
「なら、その奥底で思ってることをぶつけてやればいいさ。 彼女は自分が思っているほど柔な心はしてねえんだろ? なら、まずは周りがそれを信じてやらないとな。 複雑かつ微妙な情ってやつだが、それこそが何よりの支えにもなる。」
「ふむ……その口ぶり、おぬしも似たようなことがあったのか? 妙に説得力があるぞい。」
「……まあ、その通りなんだが。 よく分かったな。」
「直感じゃ。 これに関してはそうそう外さないと評を貰っておるのじゃ。」
そう、この自論はまさに紫輝の実体験から来るものなのだ。
それについて詳しく語ることはまだしないが、そのような事態が紫輝にもあったのだ。
沓子の指摘により判明した意外な事実に、愛梨は思わず笑みを零していた。
「貴方にもそんなことがあったなんて、少々意外ね。」
「俺にだって面倒だった時期くらいあるさ。 そういうのを越して今があるものだ……で、時間大丈夫なのか? 特に四十九院さんは。」
話し込んでいる内にバトル・ボード予選午後の部の時間が迫っていた。
意外なところで時間を潰せた紫輝としてはラッキーではあったが、そろそろ移動した方がよさそうだ。
「別に沓子で構わんぞ? 何だか他人行儀すぎて息苦しいじゃろう。 それと、会場まで共に向かわぬか、紫輝よ。」
「おいおい、俺は他校生徒だってのに……。 まあ、そっちがいいなら構わねえが。」
「諦めなさい、紫輝。 この人懐こさが沓子の売りなのだから。 ……明日は私の全力をお見せするので、ちゃんと来るように。」
「言われなくても行くさ。 じゃあ、また。」
愛梨と別れた後、沓子と共にバトル・ボードの会場へ向かうその道すがら。
共通の話題とも言える愛梨との馴れ初め、また互いの身の上話などで華を咲かせていた。
なお、この一高生徒(男子)と三高生徒(女子)が仲良く歩いている光景は割と色々な人の眼に入ったことは言うに及ばずだった。
「……にしても、凄まじいなおい。」
無事会場入り、座席も確保して早速バトル・ボードの観戦を始めていた。
途中まで沓子と会場へ向かっていたこともあり、今回は単独観戦だ。
そして今、知り合って間もないはずなのに割と親しくなってしまった沓子が出場している試合を見ているわけだが、冒頭の言葉が開始直後の感想であった。
何せ、彼女以外の選手は悉くバランスを崩してボードから転落という地獄絵図が展開されていたのだから。
(ルーツとかまで聞いたが、これは凄まじいな……。 並の人間じゃあ太刀打ちすんのは無理だなこりゃ。)
道すがらで聞いた話では神道系古式魔法を受け継いでいる家系とのこと。
古式魔法は一般的定義では現代魔法よりも発動が遅い代わりに威力に優れているとなっている。
が、普段から古式魔法を使う友人がいる紫輝は別の有用性を知っていた。
それは偏に隠密性。 しかも今回沓子が使っているのは水面干渉なので、その性質が色濃く表れるのだ。
現に、やった人間こそ違えどその性質に摩利はしてやられたのだから……。
(まあ、ほのかには達也が練習が付き合ってたし、一方的にやられるってのはまず無いだろうな)
それに、ほのかの所属クラブはSSボード・バイアスロン部。
細かな差異はあるが、その経験が生かされるのは言うまでもないだろう。
本番前になって……更に言えば沓子のレースを見て緊張が復活したとしても、達也が居れば問題はない。
(エレメンツの依存ってのは、精神論で考えればバカにならねえからな……。)
まあ、事前に彼女がエレメンツの系譜だと知っていたからこそのあの助言なのだが……。
そして、予選最終レースの開始を告げるアナウンスが耳に入り視界を向けた。
真っ先に友人の様子に目を向けた紫輝は、ただただ頷いた。
(集中してるな。 アレはやるべきことをやる、それだけの顔……問題ねえ。)
これまでやってきたことへの自信、表にこそ出ていないがそれははっきりと内で燃えている。
あのような表情をした人間は、そうそうやらかさない、
あらゆる経験・体験上、この予想はほぼ外していない……だからこその確信だ。
そしてその予想は、開始直前に虫の知らせが働き目を瞑った瞬間に的中したことが理解できた。
(なるほど、スタート直後に水面に向けての閃光魔法で妨害、連続してスタートか。 見るからに達也が組んだ術式だな。)
閃光が収まり、ほのかがロケットスタートを切ったであろう光景で紫輝は即座に分析。
ちなみに、今まで水面に閃光魔法を放って妨害を成功させた選手はいない。
その理由の1つとして、それほどの出力の光を放てる人間がいなかったのだ。
しかし、ほのかは光に関する魔法はエキスパート。 これくらいはお茶の子歳々であろう。
だが、出遅れた選手がこのまま素直に後ろにいるわけがなく。
(お、やっぱり妨害してきたか。 ……だが、甘い。)
後続の一人が荒波を起こして独走の妨害を目論む。
しかし、波乗りスキルを鍛えに鍛え、更にそれを如何なく発揮できるほのかは苦にもせずに切り抜ける。
むしろ波に乗ることでよりスピードを増している。
更に言えば、仕掛けた張本人とその周囲が跳ね返った波に飲まれてタイムロスという、ただの自滅行為にしかならなかった。
(正直レベルが段違いだな。 確かに達也の助力あってこそだが、それを差し引いても基本的部分が安定してる。 ……これはもう、沓子とほのかの決勝かね。)
既にスロープ1周という大差をつけ、予選突破確定の状況を見て紫輝はそう断じた。
午前の試合こそ見ていないが、前評判を聞く限りでは他は良くも悪くも凡夫。 相手にならないだろう。
……そこにふと視界に入ったのは席を立つ達也……と深雪、雫の姿が。
レースを終えたほのかの元へ向かうのだろう……そう推測したや否や紫輝も既にその場を後にしていた。
「達也さーん! 私、やりました!」
レースを終えたほのかは、真っ先にこの勝利を報告するが為に駆け足気味だった。
達也の姿を見つけると、まるで飼い主を見つけた忠犬の如く駆け寄る。
もしこれが本当にそれだったら、尻尾をブンブン振っていたことであろう。
「ああ、見ていたぞ。 おめでとう、ほのか。」
「達也さんのおかげです! 私、どうしても本番に弱くて、こういう競技会に勝ったこと全く無くて……。」
「そうだったのか……?」
よほど上手く勝てたことが嬉しかったのか、感激の涙まで流している。
なお、意図せず手を握っているところを深雪はバッチリ目撃していて、内心で全く笑っていない氷の笑顔を纏っていた。
が、この雰囲気なので流石に自重しているようだが……。
「小学校の頃の話だよ。」
「おいおいどんだけ前のこと引きずってんだか……。 っていうかこれ、俺があんな自論言う必要性どこにも無かったんじゃねえか?」
「いや、その下地があったからこそじゃないのか?」
達也こそ自然に返しているが、他の面々は思わずそっちに慌てて視界を向けた。
そこにいたのは、いつものように気配同調を行って、いつものように忍び寄って、いつものように会話にさりげなく混ざる紫輝の姿があった。
「あわわわ、ち、違いますよ獅燿君! あの助言があったからより集中できたのは事実だから! ありがとうございます!」
「まあ、練習通りにやるべきことを遂行するってのは分かったからな。 ちょいと意地の悪い言い方だったな、悪いね。」
「全く持って悪びれてないよそれ。」
もはや紫輝がこの場にいることにお咎めは無く(実際お咎めはいらないのだが)、慌てて感謝の言葉を送るほのかとジト目でツッコむ雫。
と、ここで何やら思い出したかのように深雪が口を開いた。
氷の笑顔の対象を紫輝へ変わっている。
「ところで紫輝? ちょっと小耳に挟んだのだけれど、背丈がお兄様と同じくらいの一高男子と三高女子が仲良さそうに入っていったという話……ご存じないかしら?」
「おいおい、達也と同じ背丈ってそんなに珍しいもんじゃねえぜ? っていうか仮にそれが俺だったとして、何か問題あんのか?」
「え、それってもしかして……四十九院さんのことじゃあ……。」
深雪の声色にほのかも流石に我に返ったが、それ以上に驚いたのはその内容だった。
噂程度でも名が知られているバトル・ボード新人戦女子の選手、しかも三高となったら沓子くらいしかいない。
「流石は獅燿君、手が早いね。」
「おいおい恋人いない歴イコール年齢の野郎に何言ってんだ? ただ三高に知り合いがいてそいつ経由で知り合っただけさ。」
「紫輝が三高生徒と知り合う機会……ああ、今年のインターミドルの時か。 確か会場が金沢だったからな。」
「そういうことだ。 後、別に俺は何も情報は話しちゃいねえしスパイまがいなこともしてねえからな?」
「……それもそうね。 紫輝ならもう少しえげつないやり方で情報を盗み取るもの。」
普段の行いが行いだからか、ほのかと雫、達也までも深雪の酷い言い草に反論できなかった。
紫輝本人もそこは自覚しているので特に気分を害することもないが。
「でも紫輝、他校どころか私たちまで誤解するような行いは控えるように。 私たちやお兄様にまで風評被害が及んだらいい迷惑なので。」
「はーいよっと。」
まるで反省していない言い草である。
だが、小言を言っても柳に風、馬耳東風なのはいつものことなので深雪は溜息1つでそれ以上の追及は取りやめた。
あまりここにいるのもアレなので、明日のこともそこそこにそれぞれの持ち場へ戻ることとした。
そして、その道中にて
「獅燿君、もしいい相手が出来たら大変だね。 深雪が小姑になるから。」
「お前は何を言ってんだ雫。」
よく分からないことを耳打ちする雫、そして真顔でツッコミを入れる紫輝。
……この言葉の意味が分かるのは、だいぶ先のことである。
新人戦初日を終えての夜。
紫輝がまた意気揚々と調整滑走を行っている中、深雪は達也の部屋を訪れていた。
当の部屋の主はまだ作戦会議で戻ってきていない模様。
時刻は既に日を跨ぐほどになっていて、本来なら出歩いていいような時間ではない。
しかし、どうしても達也に聞かなければならないことがあるからこそ叱られるのを覚悟でまだ起きているのだ。
先ほどの女子会でも話題に上がった、今日のあのことについて……。
「こら! 明日のピラーズ・ブレイクに出場するお前がこんな時間に出歩いてどうする。 それに紫輝が一旦手を引いたとはいえ今の状況は分かっているだろう?」
部屋に入る前から深雪が入っているのを分かってか、ドアを開けながらも妹の夜更かしを叱る達也。
水面下での危険が全く除去されていないからか、声色はやや強めだ。
「申し訳ありません……。」
自分の非は重々承知しているので、特に言い訳はしない。
いつも通り素直な反応を見て、これ以上の追及はせずに部屋に送ろうとする達也だが
「お待ちくださいお兄様。 インデックスへのお名前の登録を辞退されたのは……叔母上のご意向を汲んでのこと……なのですよね?」
待ったをかけて確信めいた問いを投げかける。
大体予想はしていたのか、達也は特に間を設けることなくその分かり切った答えを口にした。
「ああ……そうだ。」
「……やはり、そうなのですね。 申し訳ありません……私に力が無いばかりに、お兄様に不自由な思いをさせてしまって……。」
達也は普段から深雪の守護を一番に置いているが、それはある意味では当然だ。
兄であると同時に、四葉内では深雪の『守護者』(ガーディアン)なのだから。
深雪がまだ十師族筆頭の四葉の後継者候補だということは表立たせてはいけない。
それは、肉親である達也も同様だ。
仮にインデックスに『司波達也』という名が登録されたら、魔法協会の身辺調査により四葉との関係が割り出されかねない。
その最悪の事態を避けるために、達也は辞退したのだ。
元々そのような栄誉に興味はない達也だが、深雪としては自身が四葉であるばかりに達也を縛っていると思い込んでいる。
「お前はそんなことを考えなくていい。 俺も今の状態でも叔母上と一対一でも勝てる見込みこそ十分だ。 だがそれだけで四葉そのものを屈伏させることは出来ない。 今は従うしかない。」
「お兄様……。 あの、四葉そのものということは……。」
四葉そのもの……それはすなわち、彼もその内に入るのか。
言葉にこそしていないが、その意味を汲み取った達也は深雪の頭を撫でて宥めながら続ける。
「紫輝は正直立ち位置が読めない。 四葉の中でもアイツは特別だからな……だが、俺としては信用したい。 あいつが敵に回るなんて考えたくもないのが一番の本音だが。」
「私も同感です。 何だかんだで私たちの不利になる行動は全くしていないから紫輝のことは信じたいです。」
紫輝の立ち位置を真に知る者は四葉の中でもごくごく少数だ。
普段の態度から開けっ広げに見えるが断じてそうではない。
彼自身も以前はこの兄妹にすら殆ど真意を語らなかったのだ。 去年の夏を境目にその傾向はだいぶ薄くなったが。
「お兄様、いつか私たちが四葉から解放される時はきっと来ます。 その時たとえ世界がお兄様の敵になろうとも、私は……私だけは、お兄様の味方です。 それだけは忘れないでください。」
「……ああ。 ありがとう、深雪。 ……紫輝が聞いたらハリセンが飛んできそうだがな。」
「……それは言わないでください。 思わず頭を抑えそうになったじゃないですか。」
しんみりとした空気は、達也の最後の一言であっさりと吹き飛んでしまっていた。
この場に居なくても空気を変えることが出来る辺りは流石は紫輝と言うべきか否か……。
なお、その頃当の本人は3Aの着氷後に盛大なくしゃみをしていた。
新人戦スタート、そして少し前の話から本人が言ってた隠れ友人関係(大げさ)の相手は愛梨でしたー。(分かってた人だらけだと思いますが)
個人的に結構お気に入りのキャラ、更に言うならアスリートの紫輝とは割と相性いいんじゃね?ということで今回はそこそこにピックアップ。
ただ彼女もヒロインではありません。 まあ見てもらえれば分かると思いますがここまで紫輝とそういう仲になりそうな女性キャラというのはいないです。
(まあ、実は少し前の話でちょっと言及してるセリフがあるのですが……)
割と話の進みは遅いように見えますがある程度は端折ります。 正直原作とそこまで流れに変化がないので……オリジナルの場面は頑張って加えるようにしますが。
そういえば映画の情報もちょこちょこ出てきましたよね。 まあ自分は見に行くかは不明です。 時間はあると思いますが……。
では、次話はまたいつになるか分かりませんが可能な限り早めにあげられるように努めますので、次回もどうかよろしくお願いします。