「さて、能力が理解できたのはいいとしてこれからどうするか」
空中に浮かびながらこれからのことを考える。
一度能力を理解すると様々なことが出来るようになった。
空中歩行に浮遊、空間創造に瞬間移動と応用力も高そうだ。
手紙に書かれていた肉体の強化とやらはどんなものかまだわからん。
この辺りは後々確かめていくしかないか。
ただ、自然系と思い自分自身を”空”そのものにすることは出来なかった。
正確には体の一部分なら可能だが、全身は不可能だった。
おそらく不用意に使えば、世界の空と一体化してしまう。
最悪の場合、元に戻れなくなりそうだったのである。
あくまで空を自分の頭で認識して、空間を操作するイメージのほうがよさそうだ。
一応全身の練習もしておきたいが今はそれよりも
「何するにしても、まずは情報かな」
ここはどこで、今はいつなのか。原作的にはどのあたりなのか。
介入するにしても放置するにしても、知りたいことは多い。
「せっかくの機会だし、世界を見て回るのもいいかな」
腹立つ神に強制的に飛ばされたんだし、好き勝手に生きてやる。
あるお方のセリフを借りるなら、誰よりも自由にってやつだ。
海賊になるのもいいし、賞金稼ぎになって世界を回るのもいい。
ああ、海軍はナシ。規律だなんだと束縛されるのなんざごめんだし、
世界貴族のようなカスに従うなんて反吐がでる。
「とりあえず、下に降りてみるかな」
どうやって降りるか、空間を階段状にしてもいいし、一気に飛んで
トランポリンみたいに跳ねながら降りるのも面白そうだ。
「うっし、そんじゃ行ってみますかね」
気合を入れて、超高度からのダイブを試みる。
不意に上を見上げるとすでに日は暮れ、辺りは暗くなり始めていた。
その暗き空にたったひとつ、美しく輝く月。
その月に向かって飛ぶ一隻の飛行船。今にも墜落しそうなほどボロボロだが。
ん?
「いやいやいや、ちょっと待て!?」
なんで大海賊時代に飛行船があるんだよ!?おかしいだろ!?
実はワンピースの世界ではなく、よく似た世界に迷い込んだのかと思った。
飛行船がホイホイ飛んでいる空賊ばっかりの世界なのかと。
だが、一つだけ可能性があることを思い出した。
「あ~、もしかしてあれって”マクシム”か?」
空島の”神”が作り出した、雷を動力とする方舟。
この時代において制空権という、絶大なアドバンテージを誇る物。あれがあれば……
「欲しいな、あれ」
自由に生きることを目標にしている俺にとって、あれほど魅力的な物はない。
どちらにしてもこの時代、船は必ず必要になってくる。
いくら俺の能力が便利とはいえ、拠点は欲しいからな。
「問題があるとすれば、戦闘になった場合今の俺があいつに勝てるかだ」
原作通りならあの船の損傷具合からみて、ちょうど空島編が終わった所のはず。
つまり、一番ダメージを受けている状態だということ。
だがそれを差し引いても、あそこに居る奴は間違いなく強い。
「
空島スカイピアを支配していた男。島全域を覆う見聞色の覇気”
そしてなにより、
……よくあんなのに覇気もなしに勝てたよ、ホント。
「最悪、亜空間創って隔離するしかないか……」
そうしてしまうと船の飛行能力が失われてしまうので、出来れば避けたい。
だが、仮に飛べなくなっても海を進むのに支障はない筈。
どうにか説得して味方に引き入れられれば、あれほど心強い奴もいない。
一説によれば懸賞金5億クラスらしいからな。メリットも大きい。
なによりアイツと一緒に世界をひっかき回すのは面白そうだ。
「予定変更。地上に行く前に、船と船員を確保だ」
青海に降りる前に仲間に出来れば、強力な男をスカウトしに行くことにする。
そこまで遠いわけではないので、瞬間移動で一気に甲板へ移動する。
「さぁいこう”マクシム”」
目の前でハイになってる元神様は、俺に気づいていないようだ。
まぁこんなとこにいきなり自分以外が現れるハズないからな。
「
いや、月に行く前に少し付き合ってもらうぞ。
「あ~、ちょっと待ってくんない?」
さぁ、せっかく手に入れた二度目の人生だ。楽しませてもらうぜ。
ようやく2人を会わせることが出来ました。
続いては交渉だけで済ませるつもりでしたが、
せっかくなので初戦闘といきたいです。
次回もよろしくお願いします。
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