空人と雷人   作:シャインベルク

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第1話 初交渉と初戦闘

 

「……なんだと?」

 

 

 明らかに疑わしい目をして、こちらを見つけるエネル。

おーおー、初対面の相手にガンつけてきやがって。

 

 

 「貴様何者……いや、一体どこから現れた?」

 

 

 そう言いながら、杖を突き立ち上がる。それだけで精一杯のようだ。

やっぱり戦闘のダメージは抜けていない。これなら戦ってもいけそうだな。

 

 

 「まぁいい……」

 

 

 右腕から雷が走る。……ってちょっと待てや‼いきなりかよ‼

 

 

 「神の裁き(エル・トール)‼」

 

   ズドォン‼‼‼

 

 凄まじい光が目の前を埋め尽くし、続けて爆音が鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~エネルside~

 

 

 くそ……ただでさえ消耗しているというのに余計な力を使った……

 

 

 しかし今の男、何者だ?初めて見る顔だった。

 

 

 スカイピアはおろか、青海人の中にもいなかった筈……まぁ、今となってはどうでもいいがな……

 

 

 「私は行かなくてはならないのだ……あの大地に……」

 

 

 

  「月に行ってどうするんだ?」

 

 

 

 「決まっているだろう……あそこは私が望んだ……⁉」

 

 

 そこには、傷一つない男が立っていた。

何故生きている⁉まさかこの男も”ゴム”とやらなのか⁉

 

 

 私が驚いている所に、さらに追い打ちをかけてきた。

 

 

 「今あそこにいってもなんにもならんぜ?それこそ一人であんな遠くに

逃げても、お前が得る物なんて何一つな……」

 

 

 コイツは何を言っている……まるであそこがなんなのか知っているような……

だが、それよりも……神たる我に向かって逃げるだと……

 

 

 「そうだろう?まだまだこの世界には色んなものがある。

お前が知らないだけで、あの大地より望むものがあるかもしれないのに、

それらに目を背け、負けたことから逃げているようにしか見えないね」

 

 

 「青海には、お前の知らない物も、お前が気にいる物も、お前より強い奴も、

いくらでも”未知”があるんだぜ。そんな世界から逃げるのは勿体無くないか?」

 

 

 青海……行ったことのない青い海……確かに興味はある。

だが、限りない大地よりも……私が望むものがあるのか?  

いや、それよりも……聞かねばならぬ事がある……

 

 

 「何故そんなことを……私に話すのだ……」

 

 

 この男の目的はなんだ……この掴めない感覚はなんなのだ……

 

 

 「はっきり言おう。俺の仲間にならないか?俺はこの船が欲しいのさ。

俺はこの世界で自由に生きたいんでな。飛行船なんて最高じゃないか」

 

 

 「ヤハハハ……まさか神たる我に仲間になれなど……」

 

 

 なんという不遜。なんという傲慢。しかも欲しいのは舟のほうだと。

あまりの上から目線の物言いに、笑いが止まらん。

 だが、このような者が下の世界には居るというのか……確かに興味が湧いてきた。

 

 

 「どうだ?俺と一緒にこの世界を回ってみないか?今なら好待遇で迎えるぞ?」

 

 

 「確かに……興味が湧いてきたな……だが……」

 

 

 不思議な感覚だ。こんなに気持ちが昂ぶったのは、生まれて始めてかも知れん。

今、先の戦いでの疲労も感じない。面白いではないか。

 

 

 「我を仲間にしたいなどと、傲慢が過ぎるぞ青海人‼貴様が我の配下になるのだ‼」

 

 

 黄金の錫杖を頭上で振り回し構え、全身から放電し戦闘態勢になる。

 

 

 

 さぁ、私を楽しませて見るがいい‼

 

 

 

 

 

 ~エネルsideout~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やれやれ、やっぱり説得だけじゃ無理があったか。

でも、そこまで悪印象を与えた訳でもなさそうだ。

 一体何がアイツの琴線に触れたのかわからないが……

 

 

 「上等だ……俺が勝ったら仲間になってもらうぞ‼」

 

 

 「ヤハハハハ‼神に勝てるとでも思っているのか‼」

 

 

 ここまできたらやるしかない。なんとかして戦闘不能にするしか……

 

 

 「神の裁き(エル・トール)‼」

 

 

 「って、考える暇もねぇのかよ‼」

 

 

 先ほどと同じ、いやそれより大きく強力な雷光が迫る。

だが、それは俺に当たる前に消失した。正確には俺の前の歪んだ空間に吸い込まれた。

 一度効かなかったこともあり、そこまで驚いてはいないようだ。 

 それを確かめるかのように、2発、3発と連射してくる。

迫り来る雷光。もちろん一発たりとも当たりはしない。遠距離に対しては無敵だな。

 

 

 しばらくすると攻撃が止み、エネルが問いかけてくる。

 

 

 「その歪んだ空間が……貴様の能力か?」

 

 

 「流石に気付くよな……自然系”ソラソラの実”、俺は”空”そのものだ」

  

 

 「”空”……だと?」

 

 

 やはり理解しにくいようで、少し困惑したように見える。

 

 

 「分かり難いよな……俺もそうだった。空間を支配する能力と思えばいい」

 

 

 そういうと新しく歪めた空間から、先程の雷撃を発射する。

 

 

 「何だと⁉」

 

 

 「魔法の筒(マジック・シリンダー)……とでも呼びますかね?」

 

 

 こちらに放っていた雷撃が全て戻ってくるのだ。堪ったものではないだろう。

相手が回避と防御に専念している間に、新たな空間を創り出す。

 少し時間はかかったが、上手く完成した。これで俺の勝ちだ。

 

 

 「悪いね、エネル」

 

 

 「……それはどういう意味だ?こんな大道芸で、この神を倒せると?」

 

 

 自らの技を全て受けきり、まだまだ余裕の表情を浮かべている。

 

 

 「こんな勝ち方、卑怯だとは思うけど……約束は守れよ」

 

 

 「……?……ガッ!?」

 

 

 次の瞬間、俺はエネルの目の前に瞬間移動し、鳩尾を全力でぶん殴った。

 雷の身体が殴られる筈もがない、そう油断していたのか、ロクなガードもしていない。

なにが起こったのかもわからず、吹っ飛ばされたエネルは受け身も取れず気絶した。

 

 

 「うし、まずは船と船員ゲットだぜ‼」

 

 

 おっと、船が落ちるとマズいから、船の下の空間を固定し墜落を防いでおこう。

取り敢えず、エネルが起きるまで待ちましょうかね。

 

 

 




 戦闘描写、ヘタクソで申し訳ありません。
 
 エネルが少し綺麗過ぎますかね……

 読んでいただきありがとうございます。

 次回もよろしくお願いします。

 
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