「……なんだと?」
明らかに疑わしい目をして、こちらを見つけるエネル。
おーおー、初対面の相手にガンつけてきやがって。
「貴様何者……いや、一体どこから現れた?」
そう言いながら、杖を突き立ち上がる。それだけで精一杯のようだ。
やっぱり戦闘のダメージは抜けていない。これなら戦ってもいけそうだな。
「まぁいい……」
右腕から雷が走る。……ってちょっと待てや‼いきなりかよ‼
「
ズドォン‼‼‼
凄まじい光が目の前を埋め尽くし、続けて爆音が鳴り響いた。
~エネルside~
くそ……ただでさえ消耗しているというのに余計な力を使った……
しかし今の男、何者だ?初めて見る顔だった。
スカイピアはおろか、青海人の中にもいなかった筈……まぁ、今となってはどうでもいいがな……
「私は行かなくてはならないのだ……あの大地に……」
「月に行ってどうするんだ?」
「決まっているだろう……あそこは私が望んだ……⁉」
そこには、傷一つない男が立っていた。
何故生きている⁉まさかこの男も”ゴム”とやらなのか⁉
私が驚いている所に、さらに追い打ちをかけてきた。
「今あそこにいってもなんにもならんぜ?それこそ一人であんな遠くに
逃げても、お前が得る物なんて何一つな……」
コイツは何を言っている……まるであそこがなんなのか知っているような……
だが、それよりも……神たる我に向かって逃げるだと……
「そうだろう?まだまだこの世界には色んなものがある。
お前が知らないだけで、あの大地より望むものがあるかもしれないのに、
それらに目を背け、負けたことから逃げているようにしか見えないね」
「青海には、お前の知らない物も、お前が気にいる物も、お前より強い奴も、
いくらでも”未知”があるんだぜ。そんな世界から逃げるのは勿体無くないか?」
青海……行ったことのない青い海……確かに興味はある。
だが、限りない大地よりも……私が望むものがあるのか?
いや、それよりも……聞かねばならぬ事がある……
「何故そんなことを……私に話すのだ……」
この男の目的はなんだ……この掴めない感覚はなんなのだ……
「はっきり言おう。俺の仲間にならないか?俺はこの船が欲しいのさ。
俺はこの世界で自由に生きたいんでな。飛行船なんて最高じゃないか」
「ヤハハハ……まさか神たる我に仲間になれなど……」
なんという不遜。なんという傲慢。しかも欲しいのは舟のほうだと。
あまりの上から目線の物言いに、笑いが止まらん。
だが、このような者が下の世界には居るというのか……確かに興味が湧いてきた。
「どうだ?俺と一緒にこの世界を回ってみないか?今なら好待遇で迎えるぞ?」
「確かに……興味が湧いてきたな……だが……」
不思議な感覚だ。こんなに気持ちが昂ぶったのは、生まれて始めてかも知れん。
今、先の戦いでの疲労も感じない。面白いではないか。
「我を仲間にしたいなどと、傲慢が過ぎるぞ青海人‼貴様が我の配下になるのだ‼」
黄金の錫杖を頭上で振り回し構え、全身から放電し戦闘態勢になる。
さぁ、私を楽しませて見るがいい‼
~エネルsideout~
やれやれ、やっぱり説得だけじゃ無理があったか。
でも、そこまで悪印象を与えた訳でもなさそうだ。
一体何がアイツの琴線に触れたのかわからないが……
「上等だ……俺が勝ったら仲間になってもらうぞ‼」
「ヤハハハハ‼神に勝てるとでも思っているのか‼」
ここまできたらやるしかない。なんとかして戦闘不能にするしか……
「
「って、考える暇もねぇのかよ‼」
先ほどと同じ、いやそれより大きく強力な雷光が迫る。
だが、それは俺に当たる前に消失した。正確には俺の前の歪んだ空間に吸い込まれた。
一度効かなかったこともあり、そこまで驚いてはいないようだ。
それを確かめるかのように、2発、3発と連射してくる。
迫り来る雷光。もちろん一発たりとも当たりはしない。遠距離に対しては無敵だな。
しばらくすると攻撃が止み、エネルが問いかけてくる。
「その歪んだ空間が……貴様の能力か?」
「流石に気付くよな……自然系”ソラソラの実”、俺は”空”そのものだ」
「”空”……だと?」
やはり理解しにくいようで、少し困惑したように見える。
「分かり難いよな……俺もそうだった。空間を支配する能力と思えばいい」
そういうと新しく歪めた空間から、先程の雷撃を発射する。
「何だと⁉」
「
こちらに放っていた雷撃が全て戻ってくるのだ。堪ったものではないだろう。
相手が回避と防御に専念している間に、新たな空間を創り出す。
少し時間はかかったが、上手く完成した。これで俺の勝ちだ。
「悪いね、エネル」
「……それはどういう意味だ?こんな大道芸で、この神を倒せると?」
自らの技を全て受けきり、まだまだ余裕の表情を浮かべている。
「こんな勝ち方、卑怯だとは思うけど……約束は守れよ」
「……?……ガッ!?」
次の瞬間、俺はエネルの目の前に瞬間移動し、鳩尾を全力でぶん殴った。
雷の身体が殴られる筈もがない、そう油断していたのか、ロクなガードもしていない。
なにが起こったのかもわからず、吹っ飛ばされたエネルは受け身も取れず気絶した。
「うし、まずは船と船員ゲットだぜ‼」
おっと、船が落ちるとマズいから、船の下の空間を固定し墜落を防いでおこう。
取り敢えず、エネルが起きるまで待ちましょうかね。
戦闘描写、ヘタクソで申し訳ありません。
エネルが少し綺麗過ぎますかね……
読んでいただきありがとうございます。
次回もよろしくお願いします。